清掃品質を支える“人”の力
滝本は現在、大和ライフネクスト ホテルサポート部に所属し、西日本支店・沖縄支店の支店長を務めています。
「私たちは『高品質な清掃』と『安定的な人材確保』を強みに、全国58棟のホテルさまより計9,285室の清掃業務を受託しています。
『高品質な清掃』については、ゴミの残りやアメニティの不足、ベッドメイキングの不備など、客室清掃における不備率を限りなくゼロに近い0.05%以下に抑えることを基準とし、お客さま満足を追求したサービスの提供に取り組んでいます。
一方で、ホテル業界では人手不足が深刻化しており、『安定的な人材確保』はお客さまにとって欠かせない要素です。当社では2018年より技能実習制度を導入し、現在では800名以上の技能実習生が在籍。インドネシアに現地法人を設立し、安定した人材確保の仕組みを整えてきました」
加えて滝本は、技能実習生の成長を支える仕組みづくりにも力を注いでいると語ります。
「来日した技能実習生に対しては、『〇〇までできるようになったら〇等級』といった基準を明確にし、全10階級の等級制度を設けています。評価が収入に反映されることで、技能実習生のモチベーションが高まり、清掃品質の向上にもつながっています。
また、技能実習生がその能力を十分に発揮するためには、業務外での支援も欠かせません。そこで当社では、通訳を含む労務管理チームが入寮から日々の暮らしまでを丁寧にサポートし、生活面でも安心して過ごせる環境を整えています。さらに、清掃手順書や工程ごとの教育動画などを活用した独自の教育体制も充実させ、技能実習生の成長を後押ししています」
現場で働くメンバーの成長を実感できる瞬間こそが、滝本にとって何よりのやりがいだと語ります。
「今までできなかったことができるようになったり、お客さまから感謝のお手紙をいただいたり、最高峰のホテルで評価されるようになったり。そうした姿を見ると、自分のことのようにうれしくなります。
事業としては、ニーズがある限り今後も提供数を伸ばしていきたいですし、それにともなって私たちが受け入れる技能実習生の数もこれからさらに増えていくでしょう。現在、私が担当する関西エリアだけでも300名以上の技能実習生が活躍しています。今後、一人ひとりをどうマネジメントしていくかは、非常に重要なテーマです。
技能実習生たちが何のために日本に来てくれて、どんな目標をもってこの仕事を選んでくれたのか。その期待に応えられるよう、これからも一人ひとりの未来を支える環境づくりに全力で向き合っていきます」
現場で磨かれたキャリアの原点
2019年に大和ライフネクストに入社して以来、ホテルサポート部一筋で歩んできた滝本。キャリアの原点には、学生時代から培ってきた“現場力”があります。
「学生時代は全国トップレベルのマーチング部に所属していました。規律や上下関係に厳しい環境で3年間を過ごし、礼儀や責任感を徹底的に叩き込まれた経験は、今でも自分の土台となっています。通っていたのは百貨店社員の養成を目的とした専門学校でもあり、卒業後はそのまま百貨店に新入社員として入社。店頭販売や催事の運営など、接客の最前線で経験を積みました」
百貨店での経験を経て、さらなるキャリアアップをめざし、滝本は転職を決意します。
「地域の募集広告をきっかけに、近隣のビルメンテナンス会社へ転職しました。そこで宿泊研修施設の運営管理を任され、1年半後には館長に就任しました。赤字続きだった施設でしたが、現地スタッフと協力しながら改善を重ね、2年後には黒字化を達成しました。この成果が評価され、本社営業部へ異動し行政や施設に向けたプレゼンを担当することになりました 」
しかし、営業部に異動して間もなく、大きな転機が訪れます。
「別の現場で大きなトラブルが発生し、急遽私も現場に戻ることになったのです。誰も指示を出せず混乱していた状況の中、私は必死に状況を把握し、指揮を執って業務を立て直しました。その経験をきっかけに現場に残ることとなり、“現場力”の重要性をあらためて実感しました。以降は市内ホテルの統括責任者として、約5年間にわたり現場運営に取り組んできました」
そして迎えた次のキャリアの舞台が、大和ライフネクストでした。
「結婚し、子どもが生まれたことを機に、現場中心の働き方を見直しました。ホテルでの清掃・警備・管理の経験はマンション管理にも活かせると感じ、マンション管理会社を探したところ、大和ライフネクストに出会いました。
当社の基幹事業はマンション管理ですが、当時募集されていたのはホテル統括のポジション。ホテルの経験も活かせるし、いずれはマンション管理にも関われるかもしれないと考え、入社を決意しました。まさかその後もずっとホテルに関わり続けることになるとは、当時は想像していませんでしたね(笑)」
信頼が育む現場の絆
大和ライフネクストへの入社直後に出会ったある人物とのかかわりが、滝本の価値観や仕事への向き合い方に大きな影響を与えました。
「私が初めて担当するホテルで勤務していた、現場責任者の方です。ミスには率直に厳しく指摘する一方で、小さな成果を見逃さず必ず褒めてくれる方でした。そんなメリハリのある指導のもと、試行錯誤を重ねながら現場を運営した経験は、今でも私の支えになっています。
当時、同じ現場にいた技能実習生たちは皆、口をそろえてその現場責任者のことを『大好き』と言っていました。理由を尋ねると、『私たちを日本人と同じように育ててくれたから』と答えてくれたのです。言語や文化の違いに戸惑う場面も多かった中で、その方は誰に対しても平等に、同じ言葉と姿勢で接していました。その言葉を聞いたとき、私は驚くと同時に大きな気づきを得ました」
やがて年月が流れ、大和ライフネクストの技能実習制度も大きく広がりを見せます。
「私が入社した頃は、ちょうど2期生が入社してくる時期でした。それから年を重ね、つい先月には20期生が入社しました。当時の1期生は今や大先輩となり、現場の第一線で力を発揮しています。
その1期生の中でも、とくに印象に残っている技能実習生がいます。言語力も仕事のスキルも非常に高く、評価制度を通じてステップアップし、関西で初めて責任者にチャレンジしたAさんです。責任者になってからも成長を続け、ラグジュアリーホテルでの経験を重ねながら着実に実力を高めていきました。その間に結婚・出産という人生の大きな節目を迎え、一度は退職しましたが、今年の3月にお母さんとして復職してくれたのです。
『今度は自分のためではなく、子どものために働きたい』と話してくれて、再び大和ライフネクストに戻ってきてくれたことが本当にうれしかったですね。今も変わらず高いレベルで活躍しており、現在は大阪のラグジュアリーホテルで勤務しています」
こうした再会や継続的なつながりは、滝本にとって大きな励みになっています。
「一つひとつの出会いを大切にし、長く関わり続けられることは、この仕事の何よりの醍醐味ですね。もしかしたらいつか、『私の母が大和ライフネクストの技能実習生でした』という方に出会える日が来るかもしれません。
また、1期生から20期生まで、先輩が後輩を育てる文化がしっかりと根付いています。仕事だけでなく私生活においても、互いに支え合う関係が築かれており、こうしたつながりが自然と広がっていくことを心からありがたく感じています」
「輪と和」で育てるチームの力
滝本は、マネジメントにおいて大切にしているテーマがあると語ります。
「会社や事業としての売上や継続性は、もちろん重要です。しかし、私たちホテルサポート部の事業は何よりも『人』が中心です。売上に対してかかる原価の大半は『人件費』であり、『人』のパフォーマンスこそが事業の根幹を支えています。だからこそ私は、『輪・和』のつながりを最も大切にしています。
この考えは、自分自身の経験に根差しています。学生時代は厳しい上下関係の中で全国大会に出場し、絶対的な緊張感のもとで成果を求められる環境に身を置いていました。一方、前職の建物管理の現場では、仲間と協力し、良いことも嫌なことも分かち合いながら取り組むことで、楽しさや達成感を共有できる持続可能な職場になることを実感しました。そうした経験から、『輪・和』の力を強く感じるようになったのです」
その価値観は、現場での関係づくりやチーム運営にも反映されています。
「『輪・和』を意識するために、日頃からできるだけメンバーと直接話すよう心がけています。自分のことを知ってもらうだけでなく、相手のことを理解するためにも、対面での会話が一番だと思っています。
お互いを理解していれば、電話でもチャットでも、どんな手段でもスムーズにやり取りができます。人と人との関係を築くには、やはり直接のコミュニケーションが欠かせません」
こうした日々の関わりを通じてチームの信頼関係を育み、次のステップへとつなげていくことが滝本のスタイルです。
「今後は、メンバーの育成にも力を入れていきたいと考えています。次の職級やミッションを任せる中で、一人ひとりが成果を出せるように支えていきたい。そのためには、困難なことも共に考え、伴走する姿勢が必要だと思っています。
会社から求められることと、本人の得意・不得意がうまく噛み合えば理想ですが、そうでない場合はうまくいかないこともあります。成果はすぐに現れるものではありません。だからこそ、それぞれの性格や強み・弱みを尊重しながら、一人ひとりに合ったマネジメントに取り組んでいきます」
制度と仕組みで人を支え、日々の対話で信頼を育む。滝本はこれからも、一人ひとりの未来に寄り添いながら、ホテルサポート部の新しい可能性を切り拓いていきます。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです
