マンションとビル、二つの現場──それぞれの仕事のかたち
※本文は2026年1月時点の情報に基づき、米倉のリビングコーディネーター(マンションのフロント担当)時代の経験も含みます。
現在は、どのような役割・ミッションを担っていますか?
米倉(マンション事業本部 事業サポート部 東日本事業推進課):2025年4月より現部署に所属し、業績や目標の進捗管理、各支社との連携、施策の企画推進を担当しています。
また、マンションの管理品質を全国共通の基準で評価・公開する 「マンション管理適正評価制度」や、各地方自治体が運用する「マンション管理計画認定制度」への支援・推進も、重要なミッションの一つです。
渡邉(ファシリティコンサルティング事業本部 東日本第二支社 首都圏中央支店):大型オフィスビルや複合施設の管理、いわゆるBM(ビルマネジメント)を担当しています。現場には常駐スタッフがいるため、オーナーさまやPM(プロパティマネジメント)会社との調整、工事立ち合い、労務管理など、現場と本部をつなぐ窓口としての役割を担っています。
日々の業務の中で、どんな点を意識しながら仕事に向き合っていますか?
渡邉:週に1〜2回は必ず現場を訪問し、常駐スタッフや協力会社とのコミュニケーションを通じて管理状況を把握しています。月1回の定例会では、オーナーさまをはじめとする関係者へ建物の状況や対応方針を丁寧に共有し、安心して建物を運営いただけるよう努めています。
米倉:担当する支社とやり取りをしながらデータを分析し、施策の進捗を確認しています。各取り組みの効果が成果としてどう表れているかを読み取り、次の打ち手につなげています。
また、「マンション管理適正評価制度」の登録推進にあたっては、各支社のリビングコーディネーターから「評価を改善するためにどのような提案を行えばよいか」といった声が寄せられることも少なくありません。そうした現場の不安や課題に向き合いながら、提案や進め方を一緒に組み立て、制度登録まで伴走しています。
渡邉:そういえば米倉さんは、以前は現場を担当していましたよね?
米倉:はい。前部署ではリビングコーディネーターとして、担当マンションに定期的に足を運びながら、問い合わせ対応や管理組合の理事会・総会における運営サポートなど、現場の最前線で業務に携わっていました。
渡邉さんは、入社以来ずっとBMを担当していますよね。現場対応以外では、どんな業務を担当しているんですか?
渡邉:最近は、建物の売却に伴うオーナーさま変更への対応など、調整業務が増えています。ビルや商業施設は関係者が多岐にわたるため、法定点検や契約の引き継ぎなど、建物運営の安全性を守るための細やかな連携が欠かせないと感じています。
仕事を進めるうえで、大切にしている軸は何ですか?
渡邉:私は、現場の空気感をつかむことを大切にしています。事務所で完結できる作業でもあえて建物に足を運び、常駐スタッフや協力会社と直接やり取りをしながら進めることが多いですね。何気ない会話の中から小さな変化を感じ取れることもあり、そうした積み重ねが信頼関係の構築や迅速な対応につながっていると感じます。
とくに大型の建物では、一つの判断が運営コストやテナントの稼働、建物利用者の安全や信頼に大きく影響します。だからこそ、日々の変化を見逃さず、状況に応じて柔軟に動くことを意識しています。
米倉:その感覚はマンション管理でも同じですね。現在は本部から現場を支援するバックサポート部門にいますが、全国各地のマンションを訪れると、数字だけでは見えてこない課題や工夫に出会うことがあります。リビングコーディネーター時代に培った、居住者さまや管理員の声に耳を傾ける姿勢は、いまも仕事の軸になっています。
“人の役に立ちたい”という思いから──それぞれの選択と原点
就職活動の中で、なぜこの会社を選んだのですか?
米倉:就職活動では「人の役に立ちたい」という思いを軸にしていました。教育学部で学んでいたこともあり、人の未来に寄り添える仕事として、自然とコンサルティング分野に関心を持つようになったんです。
そんな中で不動産管理という仕事を知り、一度きりの取引ではなく、何年、何十年と続く暮らしに関わっていける点に惹かれました。長く続く関係性の中でこそ、相手にとって本当に意味のある提案ができるのではないかと思ったことが決め手でした。
渡邉:私は最初から不動産業界に絞って就職活動をしていて、住宅からリフォーム、管理まで幅広く見ていました。面談や自己分析を重ねるうちに、自分の根底には「相手本位で動きたい」という志向があると気づいたんです。
日常のお困りごとに向き合い、現場の声を大切にする「管理」の仕事なら、自分らしく働けるのではないかと思いました。また、大和ライフネクストは管理にとどまらず幅広い事業を展開していて、暮らしの中の課題に多角的に向き合える点も魅力でした。
米倉:面接では、担当の方が私の将来について、とことん時間をかけて向き合ってくださったことが印象に残っています。学生一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢からは、「建てて終わりにしない」当社ならではの仕事観が伝わってきて、そこに共感しました。
渡邉:私も米倉さんと同じで、当社には何度も面談の機会をいただきました。会社の説明というより、自分がどんなキャリアを描きたいのかを一緒に考えてもらっている感覚に近かったと思います。ここでなら、「相手の立場に立って働く」という考え方を大切にしながら働けそうだと感じました。
入社前に描いていたイメージと、実際の仕事にギャップはありましたか?
米倉:入社後はまずリビングコーディネーターとして、居住者さまとのやり取りや理事会対応などを経験しました。実際に働いてみて、想像以上に“人”と向き合う仕事だと感じましたね。設備や建物の知識だけでなく、日々のやり取りを積み重ねて信頼を築いていくことの重みを、現場で学びました。
2025年4月からは今のバックサポート部門に異動し、支社とともに「どうしたらより良い管理ができるか」を考え、本部から支社を支援する立場になりました。入社当時に思い描いていた「人に寄り添う働き方」と、今の仕事はつながっていると感じています。
渡邉:私は入社以来、さまざまな規模のビルや商業施設を担当してきました。オーナーさま、PM会社、テナント、現場スタッフなど、多くの方と関わる中で、調整力や柔軟な対応が求められる場面の多さを実感しています。そうした経験を重ねる中で、相手の立場に立ち、信頼につながる行動を積み重ねることの大切さをあらためて感じるようになりました。
入社当初から大事にしてきた「相手本位」の姿勢が、少しずつ自分の中に根づいてきた感覚があります。
米倉:こうして振り返ると、配属は違っても、私たちがこの会社を選んだ理由や大切にしている想いって、意外と似ていますよね。
渡邉:本当ですね!入社までの経緯や、入社後のキャリアが違っても、「誰かの力になりたい」という気持ちや、相手の立場で考える姿勢が求められる仕事だという点は、あまり変わらないんだなと感じました。
信頼は、人を超えて受け継がれる──現場で実感した価値
これまでの仕事の中で、とくに印象に残っている出来事はありますか?
米倉:以前担当していたマンションについて、当社の役員に「今、あのマンションを担当しているんです」と話すと、「当時はこうだったんだよ」と、10年以上前のエピソードが返ってくることがあります。そうしたやり取りを通じて、何人もの担当者を挟んでも、共通の記憶が自然と共有され続けていることを実感しました。そのマンションにおける建物管理の歴史のようなものに触れたとき、会社として積み重ねてきた仕事が、担当者を超えた信頼として、確かに残っているのだと感じました。
渡邉:私たちの現場でも、同じように信頼の積み重ねを実感する場面があります。たとえばPM会社が変わるタイミングで、「長年この建物を担当し、テナントとの関係が良好な大和ライフネクストに、引き続き管理をお願いしたい」と言っていただくことがありました。歴代の担当者が紡いできた関係性を、今の自分が受け継いでいることを感じました。
とくに印象に残っているのは、入社2年目で担当したオフィスビルでのトラブル対応です。上司とともに少しでも早く手を打てるよう各地を駆け回る中で、緊急時こそ誠意ある行動が信頼につながることを身をもって学びました。ハード面の管理であっても、ソフト面のコミュニケーションを大切にする姿勢こそが、「何かあったら相談しよう」と思っていただける今の関係性につながっているのだと感じています。
マンション管理とビル管理、それぞれの特徴や違いはどんなところにありますか?
米倉:マンション管理のお客さまは、各住戸を所有する区分所有者によって構成される管理組合です。理事会や総会でマンション全体の方針を話し合いながら運営していくことが基本になります。
一方で、日々の業務では居住者さまから直接ご相談を受ける場面や、コミュニティ形成を目的としたイベントについて、管理組合や関係者と役割を整理しながら、運営が円滑に進むよう支援する場面もあります。
マンション全体を見据えた調整力と、個々の暮らしに寄り添う細やかな対応の両方が求められる点こそが、マンション管理ならではの特徴だと感じています。
渡邉:ビル管理では、オーナーさまやPM会社がお客さまです。その一方で、オフィスや商業施設を日々利用されているテナントや来館者の方々も、“お客さまのお客さま”として、常に意識して向き合っている大切な存在です。
オーナーさまが遠方にお住まいだったり、複数の建物を所有されていることも多いため、現地の状況を正確に、わかりやすく伝えることが欠かせません。修繕提案では、「なぜ必要なのか」「先送りするとどんなリスクがあるのか」を丁寧に説明し、建物利用者への影響を最小限に抑えるため、先回りした提案を心がけています。
日々の管理業務を支えている、当社ならではの強みについて教えてください。
米倉:当社には「暮らすプラス」というサービスがあり、お部屋のクリーニングやリノベーション、賃貸・売買に加え、保管付宅配クリーニングサービス『maru-arai』やシニアライフ向けサービス『そろそろごと』など、暮らしに関わる支援をワンストップで提供しています。共用部分の管理にとどまらず、暮らし全体まで見据えた提案ができる点は、当社ならではの強みだと感じています。
リビングコーディネーター時代には、こうした多様な選択肢があるからこそ、居住者さまのお困りごとに対して一歩踏み込んだ提案ができました。相談に向き合いながら、期待に応えられていると実感できた瞬間は、大きなやりがいでした。
渡邉:社内にはデジタルアセットマネジメント推進部という専門部門があり、ロボットなどのDX技術を活用した新しい管理手法の開発も進められています。こうした取り組みが現場の課題解決だけでなく、建物の資産価値向上にもつながっていると感じています。
視野が広がった先に──異なる立場から描くこれからのキャリア
これからのキャリアで、どのような役割や姿をめざしていきたいと考えていますか?
米倉:別の角度からマンション管理の仕事に携わるようになり、同じマンション事業でも視野がぐっと広がりました。以前は目の前の目標にがむしゃらに取り組んでいましたが、今は会社全体として進めたい方向性や、事業として注力すべきポイントが少しずつ見えてきたと感じます。
今後は現場で培ったリアルな視点と、定量的な分析で事業を俯瞰する視点の両方を活かしながら、より効果的な施策を形にしていきたいです。
渡邉:小規模のビルから大規模の複合施設まで、5年間で本当にさまざまな特性・規模の建物に携わる機会をいただきました。この経験は、これからの自分の仕事の軸として、さまざまな場面で活かしていきたいと考えています。
将来的には、現場で得た知見を全体に還元できる役割にも挑戦していきたいですね。現場の感覚が分かるからこそ、貢献できる場面があると感じています。
これまでの経験を振り返って、やりがいを感じるのはどんなときですか?
米倉:「マンション管理適正評価制度」を通じて、各現場が積み重ねてきた取り組みが、客観的な“評価”として可視化され、それが建物の価値向上につながっていきます。
これまで当社が日常の管理業務として行ってきた仕事や提案が、制度を通じて社会に伝わり、結果として私たち自身の仕事の意義や誇りをあらためて実感できる。一つひとつの積み重ねが、管理業界全体の価値向上につながっているという手応えを感じられる瞬間が、一番うれしいですね。
渡邉:オーナーさまやテナントから「大和ライフネクストがいてくれて助かった」と言っていただけたときや、トラブルが起きた際に真っ先に相談していただけたときには、この仕事の意義を強く感じます。
また、防災センターに常駐する仲間が感謝状を受け取ったときには、自分のことのように誇らしい気持ちになりました。管理はチームで成り立つ仕事だからこそ、仲間の努力が評価される瞬間に立ち会えることも大きなやりがいです。
職場の雰囲気や、人との関わり方についてどう感じていますか?
米倉:部署が違っても「一緒に考えよう」と自然に声をかけ合える雰囲気があります。相談先の部署で解決できない場合でも、解決できる人を一緒に探してくれるんです。一人の課題をみんなで共有し、より良い方向を一緒に探っていく姿勢が、日々の業務に根付いていると感じます。
渡邉:私も、人間関係にはとても恵まれていると感じています。仕事がうまくいかず気持ちが沈んだときでも、誰かが必ず話を聞いてくれます。「こんなこと聞いていいのかな」と迷うようなことでも、安心して話せる環境があるのは本当にありがたいですね。
最後に、これから仲間になるかもしれない方へメッセージをお願いします。
米倉:社内は風通しがよく、前向きに仕事に取り組む人が多いため、自然と協力が生まれます。お客さまへの提案だけでなく、仲間の挑戦や日々の業務を支えることにも、大きなやりがいがあります。
また、若手のうちからチームリーダーを任される機会があるほか、「NCC(Next Create & Challenge)」という社内提案制度も定着しています。自ら手を挙げて挑戦できる環境が整っているので、成長したい、挑戦したいという思いを持つ方にとって、やりがいを感じられる職場だと思います。
渡邉:入社したばかりの頃は、わからないことばかりで不安もありましたが、今振り返るともっと気軽に質問してもよかったなと思います。
これから仲間になる方には、「遠慮せず、気になったことは何でも聞いてほしい」と伝えたいです。率直な疑問や意見を交わす中で信頼関係は自然と育まれますし、周囲の支えがあるからこそ安心して成長できると思います。
現場は違っても、人と建物の間に立ち、向き合い続ける姿勢は同じ。
日々の仕事の中で磨かれてきた“寄り添う力”は、これからもそれぞれの現場で息づいていきます。
