データが導く新たな価値。「データの民主化」を支えるアジャイル開発の最前線
羽鳥が所属するのはデータマネジメント部、データドリブンチーム。データドリブン経営の実現に向けて、重要な役割を担っています。
「データマネジメント部のミッションはANAグループにおける社内のデータ活用を広げることです。ANAグループの約4万人の従業員がデータを自由に扱い、価値を生み出す『データの民主化』を推進しています。
ANAグループでは、以前から座席管理やマーケティング、オペレーションなど、さまざまなビジネス領域でデータ活用に積極的に取り組んできましたが、従来の全社データ分析基盤は、拡張性が低く、データ分析ツールが少なく利用できるユーザーも限られるなど、柔軟性という面で課題を抱えていました。
現在は、これらの課題を解決し、ANAグループ内外のさまざまなデータを統合的に管理し効果的な分析環境を提供するために、新たな統合データ活用基盤『BlueLake』を開発、データ基盤の構築と保守、並びにデータ活用を行っています」
データドリブンチームの一員として、オペレーション系データを可視化・予測するシステムを担当している羽鳥。協力会社とオフショアメンバーを含む3名体制で、アジャイル開発に取り組んでいます
「BlueLakeに蓄積されたデータのうち、私は主に航空機の使用燃料や保安検査場の通過人数といったオペレーションデータを扱っています。
たとえば、過去データを活用して保安検査場の通過人数を予測するシステムを構築しました。このシステムはすでに運用を開始しており、これまで経験則に頼って行われていた検査員のシフト作成を効率化し、人員配置の最適化に貢献しています。
また、運行管理者がフライトプランを作成する際に、過去の好天・荒天時の燃料データをダッシュボード上で確認できるシステムも開発しました。
私自身がデータエンジニアとして作業しながらも、今は協力会社やオフショアメンバーへの業務の割り振り、ユーザーやプロダクトオーナーとの連携することが主な役割です」
若くしてチームをリードする役割を任されている羽鳥。責任あるポジションを務める上で、大切にしていることがあります。
「自分だけで判断したり、わからないことを放置したりせず、しっかり『報連相』することを心がけてきました。
部内のメンバーは親切な方ばかりです。データマネジメントとは直接関係のない業務をされている方も『なんでも聞いてよ』と声をかけてくださるなど、たくさんの方にサポートいただいています」
見えないものを価値に変える。データの可能性に魅了されデータサイエンティストの道へ
活発な幼少期を過ごし、水泳やそろばんに打ち込んだ羽鳥。データサイエンスに関心を持つきっかけは、大学のオープンキャンパスに参加したことでした。
「それまで普段の生活の中でデータを意識することはほとんどありませんでしたが、目に見えないものを活用してよりよいものを生み出す可能性に強く惹かれたのを覚えています。
当時はどちらかというと、ものづくり系の分野に興味を持っていました。しかし試行錯誤を重ねながら最適な活用法を見つけていく過程のおもしろさに魅了され、データサイエンスの道に進むことを決めました」
大学でデータサイエンスを専攻し、データ活用法の基礎を学んだ羽鳥。自社データを扱える環境を求める中で出会ったのが、ANAシステムズでした。
「ANAグループにおけるデータ活用を広げることを通じて、自社の成長に寄与できる仕事がしたいと思っていました。航空業界を選んだのは、大田区で生まれ育った私にとって身近な存在であったこと、そしてデータ活用が進んでいる専門性の高い分野であることに魅力を感じたからです。
また、ANAグループではデータを活用して28のシーンにおけるANA CXの向上を図っており、お客様一人ひとりが「ワクワクに満たされる世界を」感じていただけるよう、商品・サービスの品質向上をめざしています。データを活用しながら間接的にエンドユーザーに貢献できる点に強く惹かれたことが、入社の決め手になりました」
入社後、社内の事情もあり短いOJT期間を経て、羽鳥はわずか数カ月で独り立ちすることに。厳しい船出となる中、周囲に支えられながら急成長を遂げてきました。
「不安もありましたが、成長のよい機会だと前向きに捉えていました。ただ、自分ひとりで学べることには限界があります。人に聞ける状況をつくることが大事だと考えていたので、積極的にコミュニケーションの輪を広げ、疑問をひとつずつ解消することを意識しました。
最初の壁を乗り越えられたのは、周囲の手厚いフォローがあったおかげです。同じ案件を経験した方が質問に快く答えてくれたり、必要なドキュメントを探し出して提供してくれたりと、本当に助けられました。
これまでの約1年で、とくに役割分担のスキルが向上したと感じています。当初はすべて自分で抱え込もうとして、メンバーにタスクをうまく振り分けられないこともありましたが、いまでは周囲に任せるべき部分と自分が担う部分を適切に配分し、バランスよく業務を進められるようになりました」
組織や国境を越えて育むチーム力。ユーザーの声が直接届くことがやりがいに
現在も担当している航空機燃料データの可視化と予測を担うシステムには、開発の初期段階から関わっている羽鳥。チャレンジングな経験が、成長の糧となってきました。
「BlueLakeから取得したデータを整形・加工し、ユーザーが利用するダッシュボードに反映させるためのシステム構築を任されました。
先輩がPythonで下処理用のスクリプトを作成し、そのスクリプトを正しく動作させるシステムを構築することが私の担当です。AWSを活用してデータの下処理を行う一連のワークフローを設計・実装しましたが、プラットフォームについての知識がほとんどない中、先輩が作成したWBSを頼りに、小さなタスクを一つずつ着実にこなしていきました。
わからないことがあるたびに調べ、それでも解決しないときは先輩に質問する。その繰り返しでしたが、先輩の的確な指導のおかげで、3〜4カ月で無事にプロジェクトを完了した経験は大きな自信につながっています。
この経験を通じて仕事の解像度が格段に上がりました。データの下処理は一見地味な作業ですが、これがなければデータ活用は成り立ちません。いわば縁の下の力持ちともいえる業務の意義や楽しさを理解できたことで、モチベーションを持って仕事に取り組めています」
一方で、チームをまとめる立場としてこんな経験も。
「半年ほど前にオフショア開発の拠点を訪問し、現地のメンバーと直接コミュニケーションを取る機会がありました。実際に顔を合わせて議論することで、互いの業務や課題への理解が深まったと感じています。仕事以外で交流を深める場面もあり、信頼関係を築けたことは非常に有意義でした。
協力会社やオフショアのメンバーには豊富な知識や高い技術がありますが、航空に関する知識が不足している面もあります。互いの不得意な部分を補い合いながら業務を進めています」
さまざまな課題と直面しながらも、確実に成果を上げてきた羽鳥。現在の仕事のやりがいについてこう語ります。
「アジャイル開発を進めているので、ユーザーと近い距離でコミュニケーションを取ることができ、システムに対するフィードバックも早い段階で受け取ることができます。
感謝の言葉や『とても役立っています』といった言葉をかけてもらった時は、貢献できたことを実感し、大きなやりがいを感じます」
挑戦を後押しする風土が支える成長。社内のデータ活用をリードする存在へ
若手の中でもひときわ活躍し、存在感を発揮してきた羽鳥。挑戦を後押しする環境が、その成長を支えてきました。
「自分がやりたいと思うことに挑戦できているのは、若手にも海外出張を経験させるなど、重要な役割を積極的に任せる風土が当社にあるからです。最初は遠慮してしまう部分もありましたが、先輩からは『若いうちにたくさん失敗しておくといい』といつも背中を押してもらっていました。
実際、配属後わずか数カ月で独り立ちして試行錯誤を重ねる中で、失敗を恐れないマインドが培われたと思います」
そんな羽鳥がANAシステムズの最大の魅力だと語るのは、「人」。働きやすい職場環境が、仕事への原動力になっていると言います。
「社内には当社の入社前から元々ANAが好きな方がとても多い印象です。飛行機やこの会社のことが好きだからこの仕事をしている方が多く、その熱意が仕事にも表れていると感じます。
私自身はもともと飛行機にあまり興味がありませんでしたが、飛行機好きな同期から機種の話を聞くうちに、搭乗時に『これが話していた機種か』と思うようになりました。周囲の影響を受けながら、仕事以外の興味も少しずつ広がっています。
また、職場のアットホームな雰囲気も魅力です。先日のハロウィンではお菓子がたくさん用意されるなど、何かにつけイベントが開催されていて、自然に交流が生まれる機会があります。役職に関係なく雑談が飛び交う、とても温かみのある職場です」
入社以来、データ活用の未来を見据えながら挑戦を続けてきた羽鳥。データサイエンティストとして、かなえたい夢があります。
「生成AIに興味があり、社内の勉強会に積極的に参加しています。現在、生成AIとBlueLakeを組み合わせて、データ活用にフォーカスした新たな取り組みができないかと検討中で、それを形にすることが今の目標です。
中長期的には、ANAグループ内で『データ活用で困ったら羽鳥に聞けばいい』と言われるような存在になりたいと考えています。データに関する深い知識を持ち、それを活用する方法にも精通したデータサイエンティストをめざしていきたいです」
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
