好きが高じて憧れのアルパインに入社。転機の際に触れた人の温かみ
幼いころから自動車が好きで、夢中になりながら修理、カスタム、運転、そして自動車競技の運営まで多岐にわたって活動していた学生だったと小島は振り返ります。
「学生時代の専攻はマイクロ波発振でしたが、研究と同等に(?)力を入れていたのが部活です。幼いころから自動車が好きだったので、部活は自動車部に所属していました。車を修理したり、カスタマイズしたり、学生や社会人が参加できるジムカーナ(※1)の競技大会の主催および参加をしたりと、車に関すること全般を行っていました。
また、私は、カーオーディオも好きだったので、オーディオ配線を引き直したり、アンプをつないだり、スピーカーボックスを自分で作って車に搭載して車内音響にこだわっていました。振り返ると車、車、車にまみれた学生時代でしたね……。今もそんなに変わってないのですが(笑)」
※1 ジムカーナ……舗装された広場やミニサーキットなどにパイロンを設置してコースを作り、1台ずつ走行してタイムを競うモータースポーツのタイムトライアル競技のこと
自動車関係の仕事に関わることが幼いころからの夢だったと話す小島。アルパインは、まさに憧れの企業でした。しかし、ここで転機が訪れます。
「やはり自動車が大好きでしたから(笑)。カーオーディオ好きには有名だった会社統合前のアルパインを受けました。内定をいただいたので、入社することを決めました。
入社当初、カーナビの回路設計部に配属されました。しかし、配属されて間もない時期に家族の事情により、地元である新潟県燕市に帰らなければならなくなりました。この時は、自身の人生の転換点として深く思い悩んだことを憶えています」
その時、人事担当の方が親身になって相談に乗ってくれたと言います。入社1年目で、辞める前提の相談で臨んでいた小島に、その担当者がくれた提案は、意外なものでした。
「当時、アルパインの親会社であったアルプス電気の長岡工場に転社する、という選択肢を教えてくれたんです。会社を辞めなくてもよいように、こちらの都合を汲んでくれたということです。
新入社員の相談に親身になって乗ってくれ、私のことを考えて転社の提案してくれたことに、温かみのようなものを感じました。今になっても、その時に対応してくださった方々へのご恩を忘れたことはありません。グループの枠を飛び越え、柔軟な対応をしてくれて、本当に感謝しています」
製造業務に携わりながら感じた、この仕事のやりがいとは
アルプス電気の製造部に転属となった小島。ここで経験したのは、大きなやりがいを実感できる仕事でした。
「アルプス電気に転社後、長岡製造部の改善のチームに配属され、センサー製品のウエハ(※2)の工程改善の役割を与えられました。また、製造工程の設計も経験しました。
現在は、製品化プロセスに基づいた量産準備が主な業務です。センサーの特性を得るために必要なウエハの製造工程は、マイクロメートル(㎛)、ナノメートル(㎚)オーダーの微細な加工や、真空装置の維持管理などが求められる、人間の目には見えないものすごく小さなスケールの世界に多くのノウハウが蓄積された生産現場です」
※2 ウエハ(シリコンウエハ、Siウエハ)……半導体デバイスの材料となる円形の薄い板で、半導体の基盤として欠かせない部品のこと
業務のやりがいについて、小島は以下のように話しました。
「ウエハ1枚が高額なため、ひとつの改善で大きな金額の改善効果が得られることがあります。これは、会社に貢献できているという実感が湧きました。また、その改善案を工程に適用するためには、関係するすべての部署のメンバーに協力してもらわなければいけません。
みんなが同じ方向を向いて、会社の利益につながる改善が達成できたときは自分1人では味わえなかったやりがいを感じることができました」
製造部の経験から、より良いパフォーマンスを実現するため、小島が学んだことがあります。
「失敗を後で振り返ると、人と人のコミュニケーションや情報の伝達で手を抜かなければ防げたと思うことがよくありました。伝えたつもりが、実は伝わっていなかった。理解したと思っていたら、実は相手の真意を汲み取れていなかった。認識が合っていると思ったら、実はズレていた。など……。業務で、関連部署との橋渡し・仲介なども多くあります。
各職場の、それぞれ立場の違うマネージャーから各担当者までそれぞれの視座・思考に想像を巡らせ、『どのように考えているのか?』『求めていることは何か?』といったことを考えて、コミュニケーションをしていくことが重要ということを学びました。
これは業務におけるコミュニケーションですが、雑談を含めた日々の会話も大切ですね。皆と気持ちよく会話できると、業務にもいきいきと取り組めると思います」
「自分のため」ではなく、「人のため」に何かしたい
現在、従業員代表組織である労働委員会の支部委員長という役割も担っている小島。その活動を通じて、人のことを考える重要性は強くなったと語ります。
「ご縁があって、労働委員会の活動に携わっており、他者の想いに触れることが多くなりました。その過程でも、他者の立場や感情を理解しようとする姿勢が身についたと感じています。
もともと自己中心的な人間なのですが(笑)、『自分のため』ではなく、『人のため』に何かできることはないか?と考えるようになりましたね。一人ひとりの背景や状況を考慮し、どうすればお互いにとって最善の結果が得られるかを常に模索して体現できるように努力しています」
人との出会いと巡ってくる機会を日々大切に
小島は自身のキャリアを振り返りながら、アルプスアルパインの製造部で働く魅力について、こんなメッセージをくれました。
「過去の私は、人とのコミュニケーションなんてしたくないと考える人間でしたし、人とのコミュニケーションが得意だとは今でもあまり思っていませんが、今このような話をしていることは、自分でも驚きです。さまざまな機会・チャンスは誰にでも平等に訪れるわけではないと考えています。
機会がもし訪れたら、失敗・苦労など大変なことが起こるリスクはあるかもしれませんが、いっそ何も考えずに飛び込んでしまおうと思っています。いただいたチャンスは大事にしよう、ということですね。
最後に、私が担っている製造部の仕事は、製造だけでなく、技術開発や品質保証などのさまざまな視点から物事が見えるため、『自分の視野を広げたい人』や、改善の効果が見えやすく会社への貢献を実感しやすいので『やりがいを感じたい人』には、ぜひおすすめしたいですね」
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
