不具合品の解析を通して顧客価値を創出
──今までの経歴と今の業務内容を教えてください。
入社前は他社で遠心分離機のサービスパーソンとして東京で働いていました。もともといわき市出身ということもありますが、いろいろな縁が重なって、アルプスアルパインいわき開発センターで勤務することになりました。
学生時代はサイクリング部に入っており、自転車でどこかに行こうという活動をしていました。乗鞍岳という日本で一番標高の高い一般道がある山に自転車で登ったことがあります。空腹でフラフラの状態で登ったのですが、登り切った時の達成感と山頂で食べたカレーの味が記憶に残っていますね。
品質保証部の解析グループに所属して今年で6年目になります。最初の3年間は自ら解析業務を担当していたのですが、4年目ごろからリーダーの役割になり、メンバーのフォローも担当しています。
不具合解析の業務としては、お客様から製品を受け取った時に、不具合が再現しているか、当社の責任なのかを見極めます。最終的には部品レベルまで不具合原因を特定して、サプライヤーさんに見てもらうこと、設計不良であれば設計側にトスすることがゴールになります。発生した不具合を噛み砕いて、担当部門に振り分けていくのが仕事です。
人生で重要なことはキャバレークラブから学んだ
──仕事をする上で大事にしている価値観はありますか?
「もう一度一緒に仕事をしたい」と思ってもらえる人になれるかどうかを一つの価値としています。社内では信頼されている証になりますし、社外では「あの人がいるからこの会社に注文を出そう」と会社に貢献することにつながるからです。まだ道半ばではありますが……。
この考え方は、もともとキャバレークラブで学んだ仕事観です。一流のキャバレークラブのキャストは、一度来たお客様をリピーターにすることができます。最近は行けていませんが、過去にリピーターになったことがある自らの経験から、これは私の仕事にも当てはまると気づいたんです。
──今の仕事のやりがいを教えてください。
いわき開発センターで設計された車載製品、ディスプレイやナビ、アンプなどが解析の対象です。今の車載製品は、スマートフォンに近い構造になってきています。専門知識が必要な回路を使っていたり、ソフトウェアの構造が複雑になっていたりと、解析にはかなり広範囲の知識が必要になりますが、カバー範囲が広いため、なんでも勉強になるというのが仕事のやりがいです。
──チームや個人の強みはどんなところですか?
解析業務を進める中で一番怖いのは事象が消えてしまうFCL(failure condition lost)です。原因を特定するまでの間に、FCLを起こさずに、丁寧に解析を進めていけるところがチームの強みだと考えています。
私自身としては、一度勉強してトライしてみようというマインドを大切にしています。自分の専門ではない領域であったとしても、まず構造や原理を調べ、アクションにつなげるまでのスピードが速いことが強みかなと思います。
──過去から得た気づきや学びはありますか?
諦めなければなんとかなるということです。不具合品でも叩いたりすることで、直ってしまうケースがありますが、われわれはなぜ壊れていたのかという点を解析しなければなりませんので、その故障を再現させる必要があります。製品の構造や、想定される不具合の要因を出し切り、試験を行います。
想定する段階では、さまざまな専門知識が必要になるので、設計者や社外の方からも知見を得て実施することも。諦めなければ、何かしら新しい道が開けてくると考えています。どんなピンチのときも絶対諦めない、それが私のポリシーです。
仕事もプライベートもPDCAサイクルを意識して
──プライベートの過ごし方は?
最近はレンタルカートにはまっています。もともと車に乗るのが好きで、いかに速く車を走らせるかというのを、手軽に安く安全にできるところが魅力ですね。月に3回ぐらいは通っています。
カートでは、常にPDCAサイクルを回しています。次のコーナーをどう攻めようか、その後にはどのようなコース取りをしようかというプランに対して、できたのか、できなかったのか、次はどう走ろうか。日々の仕事でも、計画して実行し振り返って改善するというサイクルを意識しているので、私生活にも活きているなと思います。
またタフな男をめざしているので身体を鍛えるため、ジムにはずっと通っています。最近はボクササイズも始め、パンチに体重が乗ってくるようになり、さらに楽しくなってきました。今年の夏ごろにはハリウッド俳優ヴィン・ディーゼルのようなたくましい身体になっているはずです。
──印象に残っている成功体験はありますか?
他社が設計したカーナビゲーションを当社のハンガリー工場と中国工場で生産していました。他社設計の製品なので、社内に詳しい技術者がいない中、ハンガリーと中国のメンバーそれぞれと日本からは私の3人で解析することになりました。
英語もうまく喋れず、直接会ったのも一度だけでしたが、目的を共にすれば、言葉の壁はあっても意思疎通できて、自然と仕事も前に進んでいきました。詳しい人がいない状況であっても、さまざまな意見を皆で出し、協力して進められたことは一つの成功事例だと思っています。
ピンチをチャンスに変えるために
──今の仕事に向いていると思う人は?
人から何か言われてもあまり気にしない人が向いているかもしれません。まずは責められるところから始まるので、そこをチャンスだと捉えられるかどうかが大きいと思います。何か問題が起こったときに、どのように解決していくかで人間の能力や真価が問われると個人的には思っています。
──これからの展望はありますか?
製品の難易度が高くなってきているため、より深い知識を兼ね備えたチームを構築していきたいです。そのために個人個人がもう少し、狭くてもいいので、より深い知識を身につけるようにしていきたいですね。また、自ら調べて動くようなマインドを兼ね備えた、より自発性のあるチームにしていければと思います。
また、問題があったときはわれわれもスポットライトを浴びますが、私個人で言えば、たとえば、新製品のプロジェクトマネジメントなど、もう少しお客様に近いところでの業務にもチャレンジしてみたいです。その根本にあるのは「もう一度この人と働きたいから、この会社に発注するよ」という状態をめざしていることです。「今回のビジネスはよかったね。また次も頼むよ」という感じで会社の成長に寄与していきたいと考えています。
この先、もっと大変なことが待ち受けていると思いますが、それは自分が羽ばたくチャンスなので、自信をもってクリアしていきたいですね。
※ 記載内容は2024年6月時点のものです

