最高のチームとともに挑む、新たな価値創造──開発の現場で求められる視点とは
ボデーシステム開発部で先行開発に携わる魏。現在は5〜8年後を見据えた「ストレスフリーエントリーシステム」の開発に取り組んでいます。
「入社当初はミリ波センサーを使用した車室内の安全性向上を目的とした開発に携わっていました。現在はスムーズな乗降をサポートするストレスフリーエントリーシステムの開発を担当しています。ユーザーの動きや意思を先読みして車両のドアが自動的に開くなど、未来感のある機能の実現をめざしています」
10人程のチームで開発を進めており、中でも魏はHMI(Human Machine Interface)領域の仕様検討を担当。他社の競争力やコスト、顧客にとっての有用性などを総合的に調査・検討しています。また、社外との連携による展示プロジェクトも推進しています。
「言語によるコミュニケーション機能の開発なども視野に入れており、ユーザーと車両がどのようにコミュニケーションを取るのか、人の意思をどのように読み取るのかといった部分まで検討しています。開発は手探り状態ではありつつも、メンバーと意見を出し合いながら企画を進めている段階です」
チームのメンバーは20代から30代が中心で、魏も36歳。年齢差が小さく、話しやすい環境が整っています。
「チームの雰囲気は非常に良好です。みんな話しやすいですし、メンバーが相手のことをよく考えて行動している点が特徴的で、私個人としては『最高のチーム』だと感じていますね」
開発を進める上で、魏がとくに心がけているのは価値の見極めです。
「開発のプロセスで、本当に価値があることと無駄なことを見極めることを心がけています。実際にはなかなか難しいのですが、お客さまの要望や狙いを理解し、価値ある製品を提供すること。それこそが開発の仕事の本質だと考えています。
重視しているのは、お客さまの笑顔が見られる製品を作りたいということ。製品を使った方から『いい製品ですね』という声をいただけることが、開発者としてのやりがいにつながると思っています」
北京から日本へ──自動車技術を追い求めた留学と開発の現場で培った経験
2013年、中国・北京から日本へ飛び立った魏。母校と日本の大学院との提携関係をきっかけに、海外で学ぶ機会を得ます。
「日本で働くことについて、最初はそれほど深く考えていませんでした。ただ、海外で学ぶことでより良い経験が得られると考え、地理的に近い日本を選択しました。また、自動車に関して強い興味があり、当時中国でも人気のあった日本車の技術力について、より深く知りたいという思いもありました」
大学院修了後、自動車部品メーカーに就職。専門知識を活かし、車両の燃料噴射関係のECU(システムの制御装置)の開発に携わります。
「学校で学んだ知識を実際の製品開発にどのように活かすかということが大きな課題でした。理論と実践には大きな違いがあり、お客さまに使っていただける製品を開発するということの重要性を学びました。
また、プロジェクトの推進方法も重要で、製品として安全に使用できるようにするには何が必要か、という意識が高まりました」
さらに量産車のエンジン周りの開発に関わった魏。そこでは品質を重視することを学んだと言います。その後は、より幅広い領域での知識習得をめざし、アイシンへの転職を決意します。
「制御ソフトウェア関係の仕事は若い時期に活躍できる分野だと思います。ただ、年齢や家族のことを考慮すると、より広い知識を身につけることで、長期的なキャリアを築けると考えました」
入社の決め手となったのは、面接時に感じた雰囲気でした。
「上司の優しさと話しやすい雰囲気に惹かれました。また、アイシンはパワートレイン関係だけでなく、さまざまな領域でのシステム連携も行っています。サプライヤーとOEMの間に位置するシステム開発企業として、非常に魅力的だと感じました」
入社後、予想以上の発見がありました。
「システム開発については、もともと異なる専門分野だったため新しい学びが多く、個人のスキルアップにつながっています。また、家族のことで仕事が進まない時期もありましたが、チームメンバーが気遣ってくれて、仕事を分担してくれるなど、とても感謝しています」
前職での経験は、現在の業務にも活きています。
「ソフトウェア関係、とくに制御関係や組み込み系の経験を活かし、ツールの作成やシステム上の問題解決において、これまでの知識を活用できています。狭い領域から未来を創造していく領域への転換は、私にとって新たな挑戦となっています」
「誰のために、なんのために」──アイシンで変わった開発への向き合い方
アイシンに入社以降、魏の仕事に対する向き合い方は一変します。とくに、開発に対する視点に大きな変化がありました。
「以前は、単に目の前の開発作業をこなすという考えでしたが、当社に入社してからは『誰のために』『どんな目的で』この開発をしているのかを常に考えるようになりました。チーム内のメンバーも同様にお客さまの存在を意識して開発に取り組んでいます」
このような変化の中で、印象に残る成功体験と失敗体験があります。成功体験は、以前に欧州向けのシステムを開発したことがあり、この際に高い評価を得られたことです。
「お客さまに『よく考えているね』と言われた時に、やりがいと存在感を覚えました。私たちが提案したシステムに対して良い反応をいただけたことは、大きな成功体験になっています」
一方で、現在取り組んでいる先行開発では課題に直面しています。
「約1年半かけて開発を進めていますが、次のステップに進めていない状況です。とくに問題なのは、当社はお客さまの笑顔のために製品開発をしているにもかかわらず、お客さまのニーズや要望を充分に把握できていない点だと感じており、まさに試行錯誤している最中です」
このような課題に直面しながらも、現在携わっているプロジェクトに大きなやりがいを感じていると魏は語ります。
「人の意思を先読みして車両の動きを制御する技術を開発しており、その考え方自体がとても興味深いです。技術面では、精度の向上や検知性能の改善など、常に技術を高めていく過程がおもしろい。
とくに、未来の技術を作り出すというクリエイティブな側面に魅力を感じています。ストレスフリーエントリーシステムの領域は非常に興味深く、未来を見据えた製品を開発できること自体がおもしろいと感じています」
80%の人が思いつくことよりも、20%の人が考えるユニークなアイデアを求める
先行開発に取り組む中で、車両とユーザーのコミュニケーションを実現するシステムを開発するには、仲間の存在が欠かせないと魏は言います。
「私たちの開発している製品は、お客さまの想像を超えるものでなければなりません。そのためには、従来の考え方にとらわれない、特別な知見を持った仲間が必要です」
チームには活発な意見交換ができる雰囲気が根付いています。
「チーム内では、今考えていることが間違っていても、『とりあえず意見を出してください』という雰囲気があります。私もメンバーとのディスカッションがとても好きです。みんなが考えていることを素直に言い合え、すごくいい環境だと感じています」
そんな魏たちがとくに求めているのは、大半の人が同じ結論を出す中で、異なる結論を導き出せるような人材だと言います。
「たとえば、ある課題に対して80%の人が『結果はA』だと思っている中で、20%の人が『結果はB』だと考える。私たちは、その20%のほうの考えを持つユニークな人材を求めています。みんなが想像できないようなことを提案でき、気づいていないことに気づけるような方と、一緒に働けたらうれしいですね」
魏自身もアイシンでは未来の価値創造に挑戦しています。
「携わっている領域、それ自体がすごくおもしろい。新しい価値を生み出すためには、従来の常識にとらわれない発想が必要不可欠ですし、お客さまのために何を作るべきか、という視点が重要です。
そのためにも自分の考えに固執せず、さまざまな視点からの意見を取り入れていかなくてはいけません。そうすることで、必ずお客さまの想像を超える良い製品が世の中に出ていくと信じています」
※ 記載内容は2025年4月時点のものです
