供給を止めない。強靭なサプライチェーンを支え、リスクに強い供給体制の実現に向けて
サプライチェーンの維持・強化を担う調達統括部 サプライチェーン戦略室。グローバルで約4,000社以上にのぼる仕入先企業の経営状況を把握・分析し、グローバルなサプライチェーン戦略の立案をしています。
「グループ調達本部では、グローバルなサプライチェーンにおいて、どこからどのように調達するのが最適かを検討しています。その中で私の部署は日本を中心に時には海外の仕入先さんの経営状況を把握・管理をしています」
グループ調達本部は7つの部で構成され、中でも横断的な役割を担うのが調達統括部。その一翼を担うサプライチェーン戦略室は、10名強の少数精鋭の部署。20〜50代の幅広い年齢層のメンバーと共に、仕入先さんの経営状況の把握や課題解決のサポートを行っています。
「調達業務において仕入先さんの経営状況は、QCDのD(Delivery)で長期安定的にお取引をさせていただく点で必要な要素と考えています。とくに、昨今外部環境の変化が激しい自動車業界において仕入先さんを取り巻く環境も大きく変化しています。
その中でわれわれの仕入先さんの収益状況、安定性などを考慮したお取引の検討や、当社として仕入先さんにできることはないかを日々考えています。当社のサプライチェーンでは協力会の『つばさ会』に所属する109社の仕入先さんを中心に、長年お取引をいただいている仕入先さんの支えがあるからこそ、当社の安定した調達と競争力の強化が可能になっております。
仕入先さんのほとんどは私がアイシンに入る前から取引をしていただいている訳で、その仕入先さんとアイシンの関係に対して自分は何ができるかを日々模索しています」
仕入先さんとの関係を築く上で、池田にはとくに大切にしていることがあります。
「仕入先さんや当社では、いかに良いものづくりをするかといった工夫を、現状に満足することなく、徹底的に追求し続けています。その真剣な姿勢に触れるたび、感銘を受けてきました。
そのため、いつも尊敬の念を忘れずに、調達する側として、単なる受発注の関係を超えて、取引させていただいていることへの感謝の気持ちを常に忘れないよう心がけています。
また、トヨタグループやコンサルなど幅広い経営基盤と情報を持っていることが当社の強みです。こうしたリソースを活用し、単なる物品の売買を超えた、より深い協力関係を築いていきたいと考えています」
銀行から、製造業へ。金融業界の経験を活かして挑んだ「ものづくり」の道
大学で経済・金融を学んだ後、地方銀行に入社した池田。法人向け融資営業としてさまざまな業界の企業を担当する中で、製造業の経営者との出会いが、その後のキャリアに大きな影響を与えることになります。
「入行当初は流通やサービス業を中心に担当していましたが、やがて製造業や建設業を任されるようになり、仕事の質が大きく変わりました。製造業は土地・建物・設備といった大きな資産を抱え、万が一事故が起これば人命に関わる可能性もあります。そのため、誠実で堅実な考えを持つ経営者や従業員の方が多く、設備投資や事業拡大といった前向きな相談が少なくありませんでした。
また、銀行業界には、『三菱銀行の支店長が本田 宗一郎の手を見て融資を決断し、困難な創業期を支えた』という有名な逸話が残っています。私の父が製造業を営んでいることもあり、経営者と真摯に向き合い、その会社の歴史に銀行員として貢献できることに、大きなやりがいを感じていました」
その後、部署異動を経験し、シンジケートローンの組成や投資ファンドによる企業買収案件など、より専門的な業務を担当。しかし、銀行の方針がリテール営業へとシフトしていく中で、池田は新たな道を模索し始めます。
そして、転職活動の中で出会ったのが、アイシンでした。
「父親の影響で幼いころからものづくりの世界に関心があり、20歳のころから約12年間、トヨタを代表する本格SUVに乗り続けるほど自動車が好きでした。そのため、自動車業界にはとくに強い興味があったんです。
中でもアイシンを選んだのは、募集されていた調達の仕事が、サプライヤーと向き合うという点で、銀行の法人営業と共通していると感じたから。文系の立場からものづくりを支援できる仕事に、大きな魅力を感じました」
働きやすさが促す挑戦と成長。異業種の視点を強みに、新たな価値の提供を
2023年に入社した池田。最初に驚いたのが、従業員を大切にするアイシンの企業文化でした。
「当社では、従業員アンケートを実施し、その結果を職場で共有・振り返る場が設けられていますし、人事部主催の会議では、それをもとに上位層が議論を重ねています。
さらに、年始の朝礼では、本部長が働き方について積極的に発信し、『言いたいことがあれば遠慮せず言ってください』『ハラスメントは許しません』と明確なメッセージを伝えています。こうした継続的な取り組みが、人を大切にする文化が根づいている要因だと感じます」
さらに、手厚い福利厚生やキャリア開発の支援制度があることも魅力だと言います。
「外部のキャリアコンサルタントと面談できる仕組みや、キャリアの悩みを解消し、自分の強みや価値観を見つめ直しながら、主体的にキャリアを描けるよう支援する年代別の研修プログラムも整っています。こうした働き方を支える制度が充実しているのは、本当にありがたいですね」
働きやすい環境の中で、入社からわずか1年半ながら、池田は新たな企画の提案にも取り組んできました。
「まだ実行には至っていませんが、金融の視点を活かした新しい企画を考える機会がありました。製造業ではあまり馴染みのない考え方だったため、社内の理解を得るのに苦労しましたが、チャレンジングな取り組みとして評価をしてもらっています」
そんな池田がとくにやりがいを感じているのが、サプライヤーとの長期的な信頼関係の構築。前職にはないおもしろさがあると話します。
「銀行では、過去の実績をもとに融資判断を行うのが基本でした。しかし、いまの仕事では、過去の評価に加え、将来の取引数量予測などを共有しながら取引先と議論することができます。
たとえば、電動車のコア部品であるe-Axleの2030年までの販売計画など、銀行で培った経験を活かしながら、外部のコンサルタントや金融機関には得られない情報をもとに、内部の視点で取引先と将来の方向性を議論できることに、大きなやりがいを感じています」
未来の仲間と共に、電動化時代に求められるサプライチェーンの実現に向けて
電動化への対応に向け、サプライチェーンが変革期を迎える中、池田は今後の展望を次のように語ります。
「会社としては、電動化に対応したフルモデルチェンジに適応できるサプライチェーンの構築が求められています。個人としては、金融機関での経験や中小企業診断士としての知見を活かしながらも、それにとらわれすぎず、柔軟な姿勢で会社に貢献していきたいと考えています。
私はアイシンに入社して本当に良かったと感じているので、職場の皆さんに『採用してよかった』と言ってもらえるような存在になりたいですね」
来るべき未来に備えるために。池田が求めるのは、地道に積み上げる力を持つ人材です。
「当社では、何かを判断する際に綿密な検討を重ねる文化があります。そのため、地道に積み上げていく力がある人が向いていると思います。とくに製造現場では、1円単位、数秒単位の改善を日々積み重ねており、事務系の職場でもその意識を持って仕事に取り組んでいます。コツコツと考え抜くことに心地良さを感じられる人に来ていただけたらうれしいですね」
そして最後に、キャリア入社した立場から、新たに加わる仲間に向けてこんなメッセージを送ります。
「新卒とキャリア採用者のあいだに壁があることを覚悟していましたが、実際はまったく違いました。会議やプロジェクトを進める中で、疎外感を抱いたことは一度もありません。また、品質に関する問題が起きたときも、人を責めるのではなく、全員でより良いものづくりをめざそうとする風土があることがとくに印象的でした。
当社は、さまざまな企業やバックグラウンドを持つ人々が集まってできた組織です。だからこそ、キャリア採用者が上級管理職として活躍できる環境が整っているのだと思います。サプライヤーさんにとって、当社にとって、そして自動車メーカーや社会にとって最良のかたちとは何か。そうした課題に対し、一緒に議論し、挑戦できる仲間が増えることを楽しみにしています」
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
