ポニーキャニオンの音楽事業部プロモーション部タイアップグループは、アーティストの「この曲を届けたい」という想いをさまざまな企業・ブランド、コンテンツと結びつけ、新たな価値を生み出しています。その活動領域は、ドラマや映画・アニメの主題歌決定から、企業CM、ライブ協賛など360度の全方位に渡ります。アーティストの成長とクライアントの想いを融合させる彼らの仕事は、マニュアルに頼らないオリジナリティある個々のアプローチを実現するという点で、大きなやりがいを感じられると言います。そんなタイアップグループのメンバーに、成功体験の舞台裏にある戦略や、クライアントとアーティストの間に立つからこそ味わえる醍醐味、そしてチームが切り拓こうとしているエンターテインメントの新たな可能性を聞きました。
▲写真左から、新山 絢香、松本 紘尚、岩崎 麻衣子、吉田 健人
音楽を軸に多角的なプロモーションを展開する、タイアップグループの仕事
――みなさんはタイアップチームとしてさまざまな案件をご担当されています。主な業務について教えていただけますか?
岩崎:私はタイアップ専任として中途入社し、現在はタイアップチームを統括するマネージャーをしています。タイアップ領域とひと口にいっても、携わる案件は多種多様です。みなさんに身近なものだと映画やドラマ、TVアニメの主題歌やTV・ラジオ・Webメディアなどの各種CMでしょうか。他にもライブやイベントの協賛企業を募ったりと、幅広く手掛けています。その中で個人的に担当することが多いのは、ドラマ周りです。
吉田:僕の場合は2024年12月に中途入社する前は広告代理店に勤務した経験もあり、企業とのお付き合いが多くて。その経歴を生かして、現在はライブ協賛や企業CM、キャンペーンなどの案件に比重を置いて動いていることが多いです。
松本:僕は入社9年目で、タイアップチームに所属して3年半ほどになります。担当はタイアップ全般ですが、ここ数年はアニメ作品の主題歌タイアップと、CMや企業広告キャスティングの2つが、比率でいうと多いです。最近はアーティストのツアーのライブ協賛にも着手し始めました。
新山:私は2025年8月に中途入社しました。現在は関西エリアのメディアプロモーションと、関西の音楽プロダクションや広告・CMのタイアップを担当しています。東京チームとも連携しながら、関西独自の案件に注力しています。
情報収集と密な連携を鍵に、クライアントの想いをアーティストの楽曲に乗せる
――タイアップ領域は広範囲に渡り、おそらく分野によってアプローチも多種多様だと思いますが、お仕事の流れを身近な例でご紹介いただけますか?
松本:なかなかひと口に説明するのは難しいですが、例えばアニメ作品ひとつとっても、主題歌の決まり方はさまざまです。「この時期に放送するアニメのオープニング、エンディング主題歌をコンペ形式で公募する」という情報を得たら、それに合いそうなアーティストのA&Rと相談し、エントリーをしていきます。またアニメの製作側から「このアーティストにお願いします」という指名の依頼が来る場合もあったり、逆に「作品と照らし合わせて、このアーティストはどうですか」とアニメ製作側に推薦することもあります。本当にケースバイケースなので、そういう情報を日々アンテナを立てて収集し、チームで共有しながらいいアイデアを出し合って営業していくのが、僕らの仕事といえます。
岩崎:その意味では、ポニーキャニオンはエンターテインメント企業ですが、いわゆる一般のメーカー企業の営業の方々と、仕事自体は似ていると思います。主題歌タイアップに限らず、広告代理店や制作会社、クライアントとのコミュニケーション次第で、「こういう案件をちょっと相談したい」とお声がけいただいたり、本当にいろいろなルートが考えられます。そこで私たちが大事にしているのが、コミュニケーションです。社内の音楽やアニメの制作チーム、プロモーションチーム、デジタルチームなどさまざまな部署や、社外のあらゆるエンタメジャンルの方々と距離を近くお付き合いさせていただくことを心がけています。
吉田:僕が多く関わっているライブやイベント、企業キャンペーンにまつわるタイアップもそうです。広告代理店経由で「この時期にキャンペーンを考えている企業があるが、どのような企画がありますか?」とお話をいただく場合もありますし、われわれから「このアーティストや作品イメージにぴったりの案件を考えました」と、外部に営業をかける場合もあります。クライアント企業から直接お話をいただく場合は、クライアントの訴求したい内容と、ポニーキャニオンのコンテンツやアーティストがどのようなアウトプットなら一番効果があるかを、まず考えることが大切です。
新山:私はタイアップ案件の経験はまだ浅いですが、みなさんがおっしゃるように何か案件があったとき、気軽に声をかけていただけるよう周囲の方々とのコミュニケーションを一番に心がけています。関西エリアは関西ローカルのCMも多いので、地元意識を大切にお付き合いをしています。
アーティストの成長を促しヒットを創出する、幸福な出会い
――ではこれまで担当されたタイアップ案件で、印象に残るお仕事を聞かせていただけますか。
岩崎:私はeillとの仕事です。彼女は、TVアニメ『東京リベンジャーズ』のエンディングテーマ「ここで息をして」を筆頭に、数多くのタイアップ曲に毎回真摯に取り組み、作品に寄り添った曲を作っています。中でも、Amazon Prime Videoオリジナルの恋愛リアリティ番組『ラブ トランジット』は、シーズン1から3まですべてeillの楽曲が主題歌と挿入歌に起用されました。3シーズン続けてというのもレアなことですし、ご本人もすごく頑張ってくださいました。番組制作サイドのeillに対する愛情が、曲をより輝かせてくれましたし、新しいファンの広がりをライブのたびに感じています。主題歌タイアップは何度も経験していますが、とても幸せなご縁のひとつだったと思います。
吉田:僕は、サバシスターが出演してCMソングも手がけた、森永製菓さんの「inゼリー」施策です。「inゼリー」の学生応援キャンペーンの一環で、CMを含めて夏は部活の学生を応援する企画、冬は卒業生を応援するために学校を訪れてライブをする企画に、1年間通じて参加させてもらえました。CMソング「才能」のライブでの認知度も高いですし、何よりCMを通じてアーティストの楽曲が広がっていくようすをリアルタイムで経験できてよかったです。
新山:私は4月からオンエアが始まった、大阪にある大学のCMです。企画段階で「CMソングに合うアーティストはいませんか?」というお話があり、あるバンドを推薦しました。大阪を拠点に活動しているバンドで、青春を感じさせる楽曲がとても良いんです。おそらく他にも候補があった中から選んでいただけたのは、楽曲の強さはもちろんですが、熱意を持ってバンドの良さを伝えられたからかなと、私もすごく嬉しかったです。
松本:ひとつだけを挙げるのはとても難しいですが、あるアニメ作品の主題歌タイアップが印象深いです。原作の知名度も人気も高い作品で気合を入れてプレゼンさせていただいたんですが、オープニング、エンディングテーマにポニーキャニオンのアーティスト2組を同時に起用していただけました。ポニーキャニオンがアニメ制作に携わっていない作品に、まだ伸び盛りのアーティストを選んでもらえたことは、アーティストのクリエイティブの良さに加え、チームとしての取り組みが評価された結果だと感じていて、自分にとって大きな成功体験になっています。
ヒットの瞬間に立ち会う喜びと「自分にしかできない仕事」を積み上げる醍醐味
――みなさんが、今のお仕事にやりがいやおもしろさを感じる瞬間を教えてください。
岩崎:タイアップを獲得したドラマやアニメ、映画がヒットし、主題歌もヒットして、担当アーティストの認知が広がる瞬間に立ち会えることに、純粋なやりがいと喜びを感じます。また、タイアップ曲を担当したことが、アーティストがブレイクするひとつのきっかけになってくれることも大きな喜びです。
吉田:その側面はもちろんですが、さらにそれが大きな案件につながり、会社にとっての大きな利益を上げられたときは、いっそうのやりがいを感じます。また、個人的なことですが、自分が担当した案件を家族が観て楽しんだり、喜んでいたりすると、会社員としてのやりがいとはまた違う満足感があります。
松本:それに加えて、タイアップを手がけるおもしろさというのは、すごく属人的なものだと思っています。担当者それぞれに紐づいている人脈や情報の経路を作り上げるおもしろさと言いますか。今の仕事はチームプレイの側面もありますが、決してマニュアル化はできない。どのように情報や人脈、自分独自のやり方を積み上げられるかへの挑戦はやりがいです。あと、関わる領域が本当に広いので、企画や提案次第でいろいろな方とお仕事をご一緒できるチャンスがあります。それも大きな醍醐味です。
新山:確かにそうですね。その上でクライアントが求めるものと、こちらの提案がバチッと合ったときは格別の喜びです。少し前にCM案件で、私の提案をクライアントが喜んでくださって、1年契約だったものを複数年契約にできませんかと言ってもらえたことがあり、本当に嬉しかったです。
パートナーシップを深め、音楽ビジネスの枠を超えた挑戦を
――タイアップグループとして、今後めざしていきたいことは何ですか?
岩崎:自社マネジメント/興行アーティストも増えましたし、スポーツ選手のマネジメントもはじまりました。それに伴い私たちのチームも楽曲タイアップだけでなく、広告キャスティングやライブ協賛など、業務領域は急速に拡大しています。楽曲ヒットの法則が日々変化し続ける中で、新しい手法に貪欲にトライし、「ヒットの起点」を一つでも多く作っていきたいですし、タイアップの枠を越えた「エンタメの新規ビジネス」を自分たちの手で切り拓いていきたいですね。
――では個人として、これから挑戦したいこともぜひお聞かせください。
吉田:エンターテインメント企業はどこも今、音楽や映像ビジネスだけではなく、さまざまなマネタイズポイントを見つけ、会社を成長させていく方法を探しています。タイアップというのは、そういうチャレンジをするための部署だと思うんです。エンターテインメント全般に幅広く、アクティブにアプローチしたい方にはうってつけの仕事なので、社内外を問わず、仲間を募りたいです。
松本:確かに、タイアップチームという組織は、音楽事業本部においてちょっとした独立遊軍的な部署でもあるんです(笑)。だからこそ、いろいろな人と、自分のやり方・流儀でビジネスを作れるチャンスがあるのがおもしろいところ。僕としても、今後は今まで積み上げてきたベースは保ちつつ、どんどん新しい人や領域を開拓して自分自身のバリューを上げ、若さを武器にして、より大きな仕事に挑戦していきたいです。
新山:みなさんが言っているように、タイアップはいろいろな仕事の幅を自分で広げられる仕事だと思います。とくに関西エリアは、私がメディアプロモーションも兼任していることもあり、関西メディアを巻き込んでのタイアップ展開も、より可能になってきました。まだまだ勉強中の身ですが、今後はさらに積極的に施策を提案し、タイアップグループとして、新たな挑戦をますます頑張りたいと思います。
岩崎:松本さんはキャリアを重ね、2024年から吉田さんがジョインしてくれるなど、タイアップチームの体制も強化され、やれることの幅も広がりました。企業とのお付き合いも増えてきているので、 個人的にも今後はさらにそこを深めていけたらと思っています。関西エリアで頑張ってくれている新山さんもいますし、首都圏以外でもおもしろいタイアップ案件は増やしていきたい。これからポニーキャニオンへの入社をめざす方々にも、やりがいの大きいタイアップグループの仲間に、ぜひなっていただけたらと思います。
※ 記事の部署名等はインタビュー当時のものとなります
