書道に打ち込んだ学生時代。コツコツと努力を積み重ねた経験がもたらした達成感
私は幼い頃から負けず嫌いな性格でした。とくに印象に残っているのは、4つ上の兄とのテレビゲームでの思い出です。当時、1日30分という制限時間が設けられていたのですが、必ず勝って終わりたくて、泣きながらでもゲームを続けていたほどです。今になって振り返ると、最後は兄が負けてくれていたのかもしれません。
また、祖父が習字の先生だったこともあり、幼稚園から高校卒業まで書道を続けていました。月1回程度の習い事でしたが、最高段位の一歩手前まで到達することができました。書道は私の性格によく合っていたようで、1人でコツコツと作業を進められることが好きでしたし、少しずつ字が上手くなっていく実感を得られることに楽しさを感じていました。
大学進学に際しては、高校後半の受験シーズンに入ってから法学部への進学を決めました。とくに法律に興味があったわけではありませんが、自分が文系だという自覚があり、文学部なども受験の選択肢として考えていました。そして、5つほどの大学を受験しましたが、現役時代はすべて不合格……一浪することになってしまいました。
この経験は私にとって大きな転機となりました。大事なことほどしっかりと時間をかけて準備をしなくてはいけないと痛感しました。またここで得た学びは後の就職活動でも活かされ、早めの準備や時間をかけた取り組みを意識するようになりました。
大学時代、とくに印象に残っているのは刑法の勉強です。刑法のゼミに所属しており、実際の事件や裁判例をもとに、刑法の条文に照らしてどのように判断していたかを学ぶことができました。具体的にイメージしやすかったこともあり、おもしろかったです。ただし、弁護士や検察官といった法律の専門家として働くことは自分のめざす方向とは異なると考え、一般企業での就職を選択しました。
長く働ける会社で専門性を極めたい。3つの軸を大切にして見つけた理想のキャリア
就職活動においては、3つの軸を持って企業選びを行いました。1つめの軸はBtoB企業であること。これは、自分の性格を考えても、表に立って活動するよりも、陰で支える立場の方が合っていると考えたためです。また、大きな括りで言うとBtoB企業は社会を下支えするような会社だと思います。また、BtoB企業は一般消費者向けの企業と比べて競争率が低く、知名度は高くなくても優良な企業が多いと考えたことも理由の1つでした。
2つめの軸は、ニッチな業界でシェアの高い企業であること。当社は制御や計測事業といったニッチな分野で強みを持っていましたし、このような分野は新規参入が難しく、長期的に安定した経営が期待できると考えました。
3つめの軸は海外売上比率の高い企業であること。当社は当時、海外売上比率が70%以上ありました。もともと私は学生時代から英語が好きで、仕事でも英語を活かしたいという希望を持っていました。海外売上比率の高い企業の方が、会社としての成長性も期待できると考えていました。
そして実際に就職活動が始まり、最初はグループディスカッションや面接のコツがつかめず苦労しました。しかし、外部で開催されている練習会に参加したり、実際の面接を重ねたりすることで、どのような話し方をすれば評価が良くなるかなど、徐々に理解が深まっていきました。大学受験時の経験から、大きなイベントに挑むためには早めの準備が重要だと学んでいたため、就職活動でもトライアンドエラーを重ねながら、時間をかけて準備を進めました。
当社の面接は2回あり、1回目はフランクな雰囲気の中、雑談を交えながら和やかに進んだのですが、2回目の面接は緊張感のある雰囲気だったことを覚えています(笑)。しかし、どちらの面接でも対応は非常に丁寧で、さまざまな質問の深掘りがあり、しっかりと自分を見定めてくれたと感じました。
入社の決め手は、自分が設定した3つの軸と企業の特長が合致していたことに加え、面接で感じた「人」の雰囲気の良さでした。自分の性格を考慮しても、長く働ける会社で1つのことをじっくりと極めていくほうが合っていると思っていました。当社には、法務という職種を極められる環境があり、自分自身の希望に適している会社だと感じ入社を決意しました。
契約書審査から社内講習まで。法務の役割は「守り」と「攻め」のバランスが大事
入社前と、実際に働き始めてからの印象は、いい意味でのギャップがありました。学生時代は制御や計測といったコア事業しか見えていませんでしたが、実際には再生可能エネルギーやAIなど、さまざまな新規事業にも積極的に取り組んでいることを知りました。今も、法務という立場で多くの事業部と関わる中で、会社の多様な事業展開を知ることができています。
現在は法務統括部に所属し、主に契約書審査を行っています。他社との取引における契約条件が自社に不利になっていないか、法律違反がないかなどを確認する業務です。また、社内向けの法律に関する講習も行っています。とくに個人情報保護法については、従業員にしっかりと説明できるよう注力しています。
法務の役割は大きく「ガーディアン」と「パートナー」の2つに分けられます。ガーディアンとしては、コンプライアンスの観点から法律違反を防ぎ、他社からの一方的な条件から会社を守る役割があります。一方でパートナーとしては、会社が新規事業を始める際に法律面からサポートする役割があります。
業務を進める上で最も重要視しているのは、この2つの役割のバランス。「これもダメ、あれもダメ」と規律を守らせることに重点を置きすぎると、事業の推進にブレーキをかけてしまう可能性があります。「守り」と「攻め」の法務という言い方もありますが、事業の目的をしっかりとヒアリングし、必要なところで事業推進の助けになれるよう、バランスを取ることを心がけています。その結果、うまく助言ができたり、力になれたりしたときにやりがいを感じます。
印象に残っているエピソードとしては、最近、グループ会社で契約に関する講義を行った際のことです。講義後のフィードバックアンケートで「わかりやすく噛み砕いて説明してくれた」「実際のケースを踏まえた説明が良かった」といった評価をいただき、とても嬉しかったです。
現在、社会人になって6年目を迎え、学生時代との大きな違いも実感しています。学生時代は大学受験など一発勝負で成果を出すことが求められますが、社会人は日々の積み重ねが重要だと気づきました。また、学生時代は実際の契約書を見た経験がなく、教科書で学んだ内容と実際の契約書の内容を直接結びつけることが難しかったです。このギャップは、主に先輩との日常業務を通じて徐々に埋めることができました。
100年以上の歴史を支える事業の奥深さと、そこに法務として関わるおもしろさ
私が仕事をする上で大切にしていることは、法務として独りよがりにならずに、しっかりと営業部門や事業部の意図を汲み取って適切なアドバイスやサポートを提供することを心がけています。この考え方は部長も重視しており、部全体としてもそのような雰囲気があります。
現在は法務の中では若手という立場で、リーダーとしての経験は少ないですし、そもそも人をリードすることがあまり得意ではありませんが、今後はリードすることもできるようになりたいと考えています。いずれはチームのメンバーに寄り添い、コミュニケーションを取りながらリードしていける立場になっていきたいです。
職場には、私が尊敬する先輩がいます。きっちりと段取りを決めて業務を進め、言語化能力も高い方です。方向性を的確に言葉にして説明してくれるので、納得した上で一緒に働いていけます。法務部門では個々の専門知識も重要ですが、それだけでは事業部に対して提供できる価値が限られてしまいます。それぞれのメンバーの知識を掛け合わせることで、より高い付加価値を提供することができますし、その意味でチームワークが重要だと考えています。
さらに個人的な目標としては、専門分野を身につけたいと考えています。現在は個人情報保護法について一定の知識を持っていますが、その分野のスペシャリストとして自信を持って説明やサポートができるようになりたいです。何かを深く追求していくことが好きなので、専門分野を持つことは自分に合っていると感じています。
当社は100年以上の歴史がある会社で、制御や計測といったコアな事業を持っているのが大きな特徴です。これらの事業はとても深い専門性を持っており、関わるほどに新しい発見があります。製品についてわからないこともありますが、事業部の方々と話をする中で徐々に理解が深まっていくことも、業務のおもしろさの1つです。
そして今後、新しい方が入社された際には、一緒に学びながら業務を進めていきたいです。当社は、知的好奇心が高く、吸収することが好きな人や、コツコツと積み上げていくことにやりがいを感じられる人におすすめです。ぜひ一緒に働けることを楽しみにしています。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
