AI、機械学習等、最新技術を取り入れ、伝送器に新たな価値を
私は現在、横河プロダクト本部センシングセンター開発統括部伝送器1部ファームウェア開発課に所属しています。16名の課のメンバーと共に、伝送器のファームウェア開発や保守を担当しています。
当社の伝送器は、工場やプラントで使用されるフィールド機器として、とくにアジア地域では高いシェアを維持している歴史ある製品です。
しかし、近年のDXの潮流を受け、新たな価値創造が求められています。私の主な役割は、AIや機械学習といった先端技術を伝送器に組み込み、お客さまの産業プロセスに新しいソリューションや価値を提供することです。
具体的な取り組みの1つが、センサーを用いたプロセス全体の診断システムの開発です。たとえば、液体や空気が流れる配管内に詰まりなどの不具合が発生した場合、異常を検知するまでにかなりの時間を要し、周辺の機械や設備にも影響が及び、最悪の場合は生産停止に至る可能性もありました。そこで、新しい技術を導入することで、より早い段階で異常を検知し、大きな損失を防ぐことをめざしています。
また、プロセスオートメーション分野における通信技術の発展のための活動も業務の1つです。各ベンダーの機器が円滑にデータ交換できるよう、国際的な通信規格が使用されていますが、私は当社の代表として無線通信規格の団体で活動しています。無線通信の分野は技術革新が著しく、より効率の良い通信方式の実現に向けて、要素技術の調査や研究を継続的に行っています。
さらに、当社の無線伝送器の通信規格の更新や、お客さまの現場でのトラブル分析をもとに、製品の品質向上も担当しています。仕事をする上で心がけているのは、常に新しいことをキャッチアップしていくことです。技術革新のスピードは非常に速く、とくにAI関連技術は日々進化しています。しかし、単に技術を理解するだけでなく、AIを使って何ができるのか、これを行うにはどのソリューションが最適なのかを考えることを重視しています。
電気電子技術を学び、インドネシアから来日。学ぶ姿勢を常に持ち続ける大切さ
私はインドネシアの出身です。高校時代から電気に関する工作が好きだったこともあり、大学では電気電子技術を学びました。所属していた電気工学部では、日本や韓国、台湾など電気技術に優れている国や地域との共同研究の機会が数多くありました。
将来はその電気技術に優れている国のうち、どこかの国で働きたいと考えていたところ、日本の就職エージェント会社が大学に来て、当社を含む複数の日本企業を紹介してくれました。私は、自分が学んだ分野を活かすことができ、そして高い技術力とグローバル展開に魅力を感じ、日本の横河電機で働きたいと思いました。結果、当社で働けるチャンスを得ることができ、日本で働くことを決心しました。
ただ、来日する前は、正直に言うと不安でした。台湾でのインターンシップや韓国での交換留学の経験はありましたが、日本は観光で訪れたことがあるだけでした。新しい言語を習得する必要があることはもちろん、一番の心配は家族と離れて暮らすことでした。
しかし、家族が私の挑戦を応援してくれたおかげで、思い切って決断することができました。また、大学で開講された、日本で働くためのプログラムに参加し、日本語や日本の労働環境について学べたことも大きな助けになりました。
2016年に当社に入社し、フィールド機器開発事業部でフィールド機器共通のソフトウェア開発を担当することになり、扱う製品は伝送器や流量計だったため、入社当時から伝送器の開発に携わっていることになります。
入社して2年間ほどは、日本語でのコミュニケーションに苦労しました。来日前に日本語のレッスンを受けていたものの、実際の職場では、会話する相手によって話すスピードや発音もさまざまでした。幸い、技術者同士では専門用語をお互い理解しているため、チーム内でのコミュニケーションはスムーズに行えていました。
2019年には、新しいソリューションのプロトタイプ開発に成功し、国内外のお客さまを訪問し、直接声をお聞きするという貴重な経験にも恵まれました。現在は伝送器開発事業部で伝送器の既存製品やソリューション開発の価値向上に取り組んでいます。
横河電機で働いてきて、私は3つの価値観を大切にするようになりました。
1つめは、新しい挑戦を恐れないこと。私だけでなく、部署のメンバーとも共有したい価値観です。
2つめは、学ぶ姿勢を常に持ち続けること。今でも、まだまだ知らないことがたくさんあります。いつまでも学び続けることが大切だと実感しています。
3つめは、1人で抱え込まず、時には周りに頼ること。今まで、仕事のことやキャリアに困った際も、同期の仲間に相談したことで安心して前に進めることができました。また、いつでも困った時に相談できる職場の先輩がいて、いろいろなアドバイスをもらえたことが非常に頼りになりました。
自ら挑戦する意思が広げた視野。その経験が新たな発想を生み出す
これまで印象に残っている出来事が2つあります。
1つめは、自分でやりたいと意思表示をした新しい仕事へのチャレンジです。私は新たな知識を習得したいという想いがあり、新たにビジネス開発とマーケティングの業務に携わることができました。もう1人のメンバーと2人で、蓄積されたデータにもとづいて新たなソリューションの試作品を開発することができました。そして、その試作品を持って国内外20社以上のお客さまを訪問し、フィードバックをいただくという活動を行えました。現場で日々業務に携わる方々から経営層の方まで、さまざまな立場の方とお話しすることで、それぞれの視点から課題やニーズを理解できたことは貴重な経験で、大きな達成感につながりました。
2つめは2021年に行った発明提案です。これは、まさにビジネス開発事業部でお客さまとの対話を通じて視野が広がった経験がきっかけで生まれました。新しい技術を活用して従来のやり方を効率化するソリューションで、製品を限定せず、プロセス企業に幅広く活用できるものです。この提案は、現在進行しているプロジェクトで開発項目の1つになっています。
当社は、新しい挑戦を後押ししてくれています。たとえば週に1~2時間、就業時間の一部を学習時間に充てられる制度が設けられていたり、「横河ユニバーシティ」というeラーニングなどの学習プラットフォームや社内外のセミナーなども充実していたり、自己学習を応援してくれる環境が整っていると感じています。
“学ぶことが当たり前”な理想の環境で、グローバルに活躍できる人財をめざす
今後は、新しい技術に関する知識をさらに向上させていくことが目標です。とくに若いうちに、新しい技術への興味を持ち続け、学び続けることが重要だと考えています。
また将来的に、グローバル規模で活躍する技術者として活躍したいとも考えています。現在、無線通信規格団体での活動でヨーロッパやアメリカの企業の方々と一緒に仕事をしています。さまざまな価値観を持つ人たちと1つの目標に向かって協力することはとてもおもしろく、やりがいを感じています。今後はこの活動でリーダーシップを発揮していけたら嬉しいです。
私が考える当社の魅力は、働きやすい環境、コンプライアンスを重視する企業文化、そして学びに対する積極性が挙げられます。とくに学びに関しては、社長や事業本部長からもその重要性が語られ、社内風土として“学ぶことは当たり前”といった意識が醸成されていると感じています。このような環境の中で、新しい技術への挑戦と、グローバルな活動を通じて、さらなる成長をめざしていきたいと考えています。
新しい技術に興味があり、新しいことに挑戦したいという想いがある方は、当社で活躍できると思います。大学で最新の知識を学んだ若い方々と、製品について長年の知識と経験を持つ私たち既存メンバーとの間で情報交換することで、お互いの知識を高め合えるものと考えています。皆さんの新しい視点や技術が加わることで、さらなる価値創造ができることを期待しています。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです
