■ 報道への憧れと、突きつけられた現実
——学生時代、かなり幅広い経験をされていたそうですね。
「そうですね。とにかく『働く』ということに興味があって。接客から会場設営、裏方まで、気づけば10種類以上の仕事を経験していました。中でも薬剤師国家試験の直前まで続けていた家庭教師のアルバイトは、自分の原点になっています。 試験は2月。自分自身も追い詰められている時期でしたが、『先生も一緒に勉強するから、最後まで走り切ろう』と生徒に声をかけ続けていました。誰かの成長を支えるという責任が、結果的に自分を一番奮い立たせてくれていたんだと思います。」
——就職活動では、薬剤師以外の業界も受けられていたとか。
「はい。実は、報道関係の一般企業に挑戦していました。薬剤師の専門知識を武器に、情報の最前線で医薬の真実を伝えたいという思いがあったんです。でも、地元の放送局などの壁は想像以上に厚く、現実は厳しかったです。半分は思い出作りのような気持ちもありましたが、やはり悔しさはありましたね。そんな葛藤の中で出会ったのが、Vドラッグでした。」
——そこから、どのように入社の決断を下したのですか?
「当時の採用担当者との出会いがすべてでした。何度も丁寧に面談の時間を設けてくれて、一人の人間として向き合ってくれました。直感的に『この人のもとで働きたい』と思ったんです。資格という守られた場所ではなく、この会社なら一人のビジネスパーソンとして勝負できる。そう確信しました。」
■ 「現場」で知った、数字の裏にある熱量
——入社後、最初に配属された店舗はかなり多忙な環境だったと伺いました。
「総合病院の前にある薬局で、毎日が戦場のようでした。でも、そこでの経験が今の私の『土台』になっています。ただ処方箋通りに薬を出すだけでなく、医薬品がどう発注され、どう在庫として管理されているのか。その『流れ』を現場の視点で叩き込まれました。
入社直後の新人研修で、開発資産部の部長が語る戦略的な仕事に強く惹かれたのですが、その時感じた『いつか自分もあちら側へ』という漠然とした憧れが、現場の忙しさの中で確信に変わっていきました。」
■ 異例のスピードで本部へ。 「本当に、ここまで任せていいんですか?」
——その後、公募制度を利用して念願の本部へ異動されますね。
「チャンスだと思い、迷わず手を挙げました。店舗まで当時の常務や人事課長が面接に来てくださって。熱意を伝えた結果、開発資産部への異動が決まりました。若手のうちに本部業務に関われたのは、自分でも驚きでしたね。」
——本部での仕事は、想像していたものと違いましたか?
「想像以上に『自由』で、かつ『本気』でした。当時は店舗に薬局を併設するプロジェクトが加速していた時期で、企画から各所との調整まで、大きな裁量を与えられました。 『こんなことまで挑戦させてもらえるんだ』『本当に私が決めていいんですか?』と何度も思う場面がありました。自分の意志で動ける、良い意味でのギャップですね。それが私の成長を加速させてくれたのは間違いありません。」
■ 経営の舵を取る「1円」の重み
——現在は医療流通課で、まさに会社の「心臓部」を担っています。
「現在は医薬品の仕入れと、全社の在庫管理システムの刷新プロジェクトを推進しています。特にやりがいを感じるのは、メーカー選定による利益改善です。 私たちが判断する1円の差が、全社規模で見れば数千万円、数億円という利益の差になって現れます。その試算がピタリとハマり、会社に直接的な貢献ができたと実感した時は、言葉にできない高揚感がありました。自分の仕事が、経営を動かしている。その手応えが、今の原動力です。」
——責任も大きいですが、現場への配慮も忘れない姿勢が印象的です。
「システムの入れ替えでも、単なる操作説明ではなく、『なぜこの運用なのか』という本質が伝わるマニュアル作りにこだわっています。現場を経験した私だからこそ、現場の人間が迷わず、本来の仕事に集中できる仕組みを作りたい。理論と実践を繋ぐこと。それが私に課せられたミッションだと思っています。」
■ 編集後記:枠を越えて、組織をつなぐ存在へ
彼と話していて印象に残ったのは、「薬剤師」という資格をゴールではなく、スタートラインとして捉えているところだった。
資格を取った先で何をしたいのか、どこまで行きたいのかを、自然に語れる強さがある。インタビューの最後に彼が話してくれたのは、「自分なりに『これを実現したい』という想いを持っている人と一緒に働きたい」という言葉。その一言には、周囲への期待だけでなく、自分自身への覚悟も込められているように感じた。
資格に守られるのではなく、それを使って一歩外に踏み出していく。 挑戦することを後押しするVドラッグの環境の中で、彼は現場と経営をつなぐ存在として、これからも走り続けていくだろう。
※記事内容は2026年1月時点のものです。
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