社会を支える仕事がしたい。言語学ゼミと山岳部を経て、商社を志望した理由
学生時代は外国語学部に所属し、言語学に関するゼミに入っていました。留学経験はありませんでしたが、ほとんどが英語の授業で、教授も外国人の方が多く、自身の英語力を向上させるとても良い機会になりました。部活では山岳部に所属して、全国の山々を仲間たちと縦走し、学生時代を謳歌しました。
就職活動では、人々の生活や社会の基盤を支える仕事ができるかという点を大きな軸にして企業を見ていました。特に、インフラや食料、エネルギーといった、日常生活に欠かせない領域に関わる仕事に魅力を感じていました。こうした分野は景気や流行に左右されにくく、社会に対する影響も大きいため、自分の仕事の意義を実感しやすいと考えていたからです。
また、単一の製品やサービスだけを見るのではなく、より大きな視点で産業全体や社会の仕組みに関われる仕事にも魅力を感じていました。その中で商社は、さまざまな業界や地域、プレイヤーをつなぎながら、モノを動かすだけでなく新しい事業や価値を作っていける存在だと感じ、自分の志向に合っていると思いました。特に、若いうちから幅広い領域に触れながら、自分なりの専門性も磨ける環境に身を置きたいという思いがあり、そうした観点でも総合商社に強く惹かれていました。
入社前の豊田通商に対しては、まずトヨタグループの一員としての信頼感と堅実さを持った会社というイメージがありました。一方で、単なる「自動車の商社」というよりは、食料、インフラ、化学品、金属、アフリカ事業など、非常に幅広い分野で事業を展開していて、現場に深く入り込みながら事業を作っていく会社という印象を持っていました。総合商社の中でも、派手さや規模感だけを前面に出すというより、現実の産業や社会にしっかり根差しながら、一つひとつの事業を着実に積み上げていく会社だと感じていました。また、実際に社員の方のお話を伺う中でも、現場感覚を持ちながら仕事をしている方が多く、若手でも比較的早い段階から責任を持って仕事を任される会社なのではないか、というイメージを持っていました。
穀物ビジネスの地道な積み重ねと、幅広い経験から得た視座
入社後は、穀物・アグリ分野を軸に、トレーディング、事業管理、海外実習、国内営業と、比較的幅広い業務を経験してきました。まず、穀物第一部 穀物第二グループに配属され、コーンや大豆などの穀物の三国間貿易および国内向けデリバリー業務を担当しました。ここでは、商流や物流の基本を学びながら、穀物ビジネスの基礎を身につけました。
その後、穀物事業部 事業統括グループでは、国内養鶏事業や、マレーシア・タイの海外穀物販売会社の事業管理・主幹業務を担当しました。個別の商売だけでなく、事業全体の収益管理や運営支援に携わり、より経営に近い視点を持つようになりました。次に、TOYOTA TSUSHO ASIA PACIFIC(シンガポール)へ出向し、実習生として穀物の三国間トレーディングに従事しました。海外拠点での業務を通じて、国際市況や海外顧客・サプライヤーとのやり取り、スピード感のある意思決定など、国内とは異なるビジネス環境を経験することができました。
帰任後は、アグリビジネス部 アグリサプライチェーン グループにて、コーンの国内向け商社間スワップ取引を担当しました。需給や物流の状況を踏まえながら、効率的な受け渡しや収益確保を図る業務であり、トレーディングだけでなく、サプライチェーン全体を見ながら調整を行う力が求められる仕事でした。現在は、アグリサプライチェーン部 西日本アグリサプライグループに所属し、西日本エリア向けの穀物等の営業に加え、海外向け有機肥料の営業も担当しています。これまでのトレーディングや事業管理の経験を土台に、より顧客に近い立場で営業活動を行っており、国内外のサプライチェーンを意識しながら日々業務に取り組んでいます。
入社前は、商社の仕事に対して、比較的ダイナミックで華やかなトレーディングの側面を強くイメージしていましたが、実際に入社してみると、日々の仕事は非常に地道で、物流・契約・与信・採算管理・社内外調整など、細かな積み重ねの上に成り立っていることを強く実感しました。その点は、良い意味でのギャップだったと感じています。特に穀物のように生活や産業に直結する商材では、単に売買を成立させるだけではなく、安定的にモノを届けること、トラブルなくオペレーションを完遂すること、関係者との信頼関係を築くことが非常に重要であり、華やかさ以上に、着実にやり切る力が求められる仕事だと感じました。
穀物と有機肥料の営業を通じて実感する、安定供給の責任と社会的意義
現在は、西日本エリアのお客様向けに、トウモロコシを中心とした穀物や搾油用綿実の営業を担当しています。主に、飼料メーカーや食品関連のお客様に対して、需給や相場、物流状況も踏まえながら、安定的に原料を供給することが役割です。日々の業務としては、単なる販売活動にとどまらず、仕入先・顧客・物流関係者との調整、採算管理、契約条件の折衝、納入までのオペレーション管理まで幅広く担当しています。商材を売るだけではなく、サプライチェーン全体を見ながら、お客様に安定して商品を届けることを意識して仕事をしています。
特に手応えを感じているのは、海外向けの有機肥料輸出営業です。この事業は、立ち上げ当初は年間数百トン規模にとどまっていましたが、足元では年間1万トンを超える規模まで拡大しており、利益面でも毎年成長を続けています。営業として、単に数量を積み上げるだけでなく、海外顧客の需要を捉えながら、国内の仕入先・物流・輸出条件を一つひとつ整え、継続的に商売を拡大してきたことは、大きな手応えを感じている点です。
この仕事の意義を特に感じるのは、取引先である畜産農家の方々から感謝の言葉をいただけるときです。有機肥料の原料は、畜産農家にとって日常的に発生するものですが、安定的な引取先がないと、本来注力すべき畜産経営以外の部分に負担がかかってしまいます。そうした中で、当社が安定して出荷できる先として機能することで、農家の皆さまから「安心して本業に集中できる」と言っていただけることがあります。そのため、この仕事は単なる輸出営業ではなく、海外需要を取り込むことで国内の畜産現場の負担軽減にもつながる仕事だと感じています。
一方で、現在の仕事で常に感じている難しさは、安定供給を実現することの責任の重さです。商社にとって、必要なものを必要なタイミングで確実に届けることは大きな使命の一つですが、実際の物流は天候、港湾事情、船腹状況、在庫状況などさまざまな要因で、むしろ予定通りに進まないことの方が多いと感じています。特に穀物や飼料原料の供給では、単に納期が遅れるという話では済まないことがあります。お客様の工場が止まってしまえば、億単位の損害賠償につながる可能性があるだけでなく、その先には家畜の飼養や、ひいては食料供給への影響も出かねません。そのため、日々の業務では大きなやりがいを感じる一方で、常に大きなプレッシャーの中で判断しているというのが実情です。
若手の頃は、問題が起きたときに目の前の対応に追われ、先回りして手を打つ意識が十分ではなかったと感じています。物流トラブルや納入懸念が発生した際に、その場の対応だけで精一杯になり、関係者への情報共有や代替策の検討が後手に回ってしまったこともありました。その経験を通じて、問題が起きてから対処するのではなく、普段から需給や在庫、物流状況を幅広く見ながら、リスクの芽を早めに捉え、先手を打つことの大切さを学びました。現在でも簡単な仕事ではありませんが、トラブルが起きた際には、社内外の関係者と迅速に連携し、複数の選択肢を持ちながら最善策を考えることを強く意識しています。安定供給の難しさを日々感じる一方で、その責任の大きさこそがこの仕事のやりがいでもあると感じています。
食と農の領域で、粘り強く誠実に。全体を構想し、社会的価値を生み出す存在へ
短期的には、現在担当している穀物、搾油用綿実、有機肿料輸出の各事業で、より安定的かつ収益性の高い商売を実現したいと考えています。単なる営業にとどまらず、需給、物流、契約、採算まで含めて全体を俯瞰し、お客様や仕入先にとって欠かせない存在になることが目標です。また、有機肥料輸出ではさらなる数量拡大と付加価値向上にも挑戦したいと思っています。
中長期的には、単なる個別商売の担当者ではなく、事業全体を構想し、収益と社会的価値の両方を生み出せる人材を目指したいです。食と農の領域で、国内外のサプライチェーンをつなぎながら、新しい商流や事業機会を作れることが理想ですね。将来的には、現場感覚を持ちながら組織や事業を牽引し、後進育成にも貢献できる存在になりたいと考えています。現在担当している穀物や有機肥料輸出といった仕事は、まさに国内外のサプライチェーンに深く関わる経験ですから、中長期的な目標を実現するうえで重要な土台になっていくはずです。
今後ジョインしていただきたいのは、規模の大きさやブランドだけでなく、社会を支える仕事そのものに意義を感じられる人です。豊田通商の仕事は、地道な積み重ねや関係者との調整の上に成り立つため、粘り強く誠実に物事に向き合える人と一緒に働きたいと思います。その上で、変化を恐れず、新しい商売や仕組みづくりにも前向きに挑戦できる人に来ていただけると嬉しいです。
豊田通商の魅力は、社会を支える幅広い事業領域に携われることと、現場に深く入り込みながら価値を出せる点だと思います。華やかさだけではなく、泥臭く本質的な仕事に向き合える環境があり、若手のうちから責任ある仕事を任せてもらえるのも大きな魅力です。また、誠実で協力的な人が多く、周囲と信頼関係を築きながら長く成長していける風土も豊田通商らしさだと感じています。目先の損得だけでなく、全体最適を考えながら粘り強く行動できる人、相手の立場を理解しながら信頼関係を築けること、そして自分から課題を見つけて一歩踏み込める主体性を持った人が活躍できる環境です。皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

