「祭」のようなエネルギーに惹かれて。豊田通商との出会いと入社の決め手
学生時代は、とにかく学問に打ち込んでいました。私が通っていた大学はアメリカの大学のようなカリキュラムで、教科書も講義もすべて英語。毎日課題やエッセイに追われて、予習も必須で、しょっちゅう徹夜していました。何度大学の図書館で寝泊まりしたことか。笑
大学3年生のときには、カナダのトロント大学に1年間交換留学に行きました。そこでは考古学を専攻していたんです。古代エジプトとメソポタミア文明に興味があって、エジプトは「世界ふしぎ発見」、メソポタミアは「インディ・ジョーンズ」でハマったのがきっかけでした。本当は単位互換のために別の分野を取らないといけないと言われていたのですが、「このチャンスに考古学を勉強したい」という気持ちが強くて、単位のことはあまり深く考えず考古学を選びました。サークルではバレー部とバドミントン部とゴスペルクワイヤーを掛け持ちし、留学時代はスキークラブにも所属していました。
就職活動では、実は商社は第2希望だったんです。第1志望はメディアで、テレビ局の制作部門を受けていました。0から1を生み出すことが好きで、新しいことをやりたがる性格なので、テレビの番組制作や商社で新規事業を立ち上げるといったことがとても魅力的に映っていました。それに、英語力や異文化コミュニケーション力を生かせるのは商社だな、とも思っていました。
豊田通商については、正直エントリーシートを書くまでよくわかっていませんでした。「豊田」って社名にあるくらいなので、トヨタ自動車の事業をしていると思ったのですが、どうトヨタと関わっているのか、下請けなのか、わからないことだらけでした。でもホームページではマグロ養殖がメインでピックアップされていて、トヨタの事業はあまりないのかなと大勘違いしていたんです。笑
入社の決め手は、間違いなく「ヒト」です。7大商社の採用担当が学生向けセミナーを開いてくれて、そこで初めて豊田通商を知りました。そのとき、豊田通商の採用担当の方だけが、うまく言えないのですが「祭」のようなエネルギーを放っていたんです。少年のように目を輝かせながら自分の会社を紹介していて、それを見たときに、「こんな人たちと一緒に働けたら絶対楽しいな」と確信しました。
選考が進む中で、その確信はさらに強まりました。1次面接も2次面接も、面接官が当日中に合格の電話をくれて、その際に面接でどこが良かったか、私のどの部分をもっと知りたいかというフィードバックをしてくれたんです。他の会社の選考ではそういったことがなかったので、豊田通商は本当に「人」を大事にしているなと感じました。
当時は地方大学にいたこともあり、東京の学生と比べると圧倒的にリーチできる就職情報が少なかったんです。服装なども意識しておらず、着心地・動きやすさ重視でカッターシャツは着なかったですし、ベルトも使いやすい派手なものを身に付けていました。周りの就活生と比べたら派手な格好だったと思いますが、豊田通商に無事合格しました。つまり、豊田通商は服装で判断するような会社ではないということで、ますます好感が持てました。笑
名古屋、チェコ、東京。地味な部品物流から始まった多彩なキャリアの変遷
入社後の新入社員研修で、商社ゲームのようなものをしたのを今でも覚えています。「資源」を持っている国、「技術」を持っている国など、さまざまな国に分かれて、必要素材を集めて車を完成させて売り、その数や保有キャッシュ残高を競うというものでした。国同士で同盟を結んだり、契約を結んだり、価格交渉したり。商社事業の縮図のようでおもしろかったですね。
研修を終えて最初に配属されたのは、名古屋のサプライチェーン本部でした。自動車部品の東南アジア向け輸出を担当するグループで、4年間タイとインドネシアをメインに担当していました。入社1年目から4年目は本当に忙しく、苦労の連続でしたね。当時、東南アジアで自動車の新車種の立ち上げが各国であり、生産準備業務もしつつ既存の商売も回さなければいけない状況で、数千品番の商売と品質管理を日々対応していました。チームリーダーとしてクレームや不具合対応、価格交渉などもあり、体と時間が足りない日々でした。
ハンドキャリーといって、超緊急時にはスーツケースに輸出用部品を詰め込み、輸出手続きを済ませて飛行機に乗り、現地側で税関手続きをして、現地客先へ部品を引き渡し、そのままトンボ返りする、ということもありました。当時は本当に大変でしたが、今振り返ると、その時の同僚たちとは先輩・後輩問わず今でも戦友と呼び合えるほど仲がよいです。体力がある若手の頃にできる限りの苦労と経験をしておいてよかったと思いますね。
5年目から6年目は、豊田通商ヨーロッパのチェコ支店に駐在員として出向しました。自動車部品物流・販売の新規営業を担当し、既存の輸出入業務のサポートもしていました。新婚だったのですが、単身赴任で行きました。不安やさみしさは夫には申し訳ないですがまったくなく、初めて東南アジア以外の業務を、しかも現地側で携わることに対して、ワクワクで溢れていました。
帰任後は、サプライチェーン本部を離れ、コーポレート部門の広報部、東京本社の報道グループで対外広報を担当することになりました。就職活動の時もメディアを志望していたように、対外広報にも興味があり、広報部への異動希望を何度か出しており、チェコから帰任のタイミングでそれが叶った形です。
正直に言うと、入社後に感じたギャップもありました。部署にもよると思いますが、意外に英語を話す場面がなくて、イメージしていた商社マンの働き方と違いました。海外との会議もほとんどなく、メールが主流でしたね。特に名古屋のサプライチェーン本部での仕事は、すごく地味だと思いました。商材が車のネジだったので、品質管理や受発注・貿易手続きなどに追われて一日が終わっていました。入社前の商社マンのイメージは、常に世界を飛び回って、いろんな人と握手して、新しい事業を生み出している、というものだったので、だいぶギャップがありました。
全28社を4人で支えるチームリーダーとして、コーポレートガバナンスの根幹に挑む
現在は経営企画部グローバルコーポレート企画グループに所属しています。主な仕事は、海外AS格(当社関係会社)のコーポレート統括、海外極統括、海外AS格の主管部業務です。AS格会社は全28社あり、それをチームメンバー4人、うち2人は海外からの出向者という体制で対応しています。基本的には、AS格コーポレート部門の予実管理、決裁対応、極コーポ、極経営体制の強化・支援などが主な業務です。私の主担当は欧州、北米、南米なのですが、実際には全世界を担当していますので、チームリーダー的な役割も担っています。
この仕事でやりがいを感じているのは、コーポレートガバナンスの根幹部分の見直しを進めていることです。地味な仕事かもしれませんが、形骸化している規程や、数十年誰も手を付けてこなかった部分、でもやるべき部分にメスを入れています。こうした見直しには、いろいろなハードルや落とし穴があちこちにあって本当に大変なのですが、それを一つ一つ飛び超えてうまくいく度に、大きなやりがいを感じています。誰もが避けてきた課題に正面から取り組み、少しずつでも前進できていることが、今の仕事の醍醐味です。
一方で、苦労したこともあります。経営向け報告用にデータ集計ツールやパワーポイントを活用する場面が多いのですが、今まで使う機会がなかったため、センスが無く本当に苦労しました。今はAIが資料への落とし込みを助けてくれるので、本当に感謝しています。新しいツールやテクノロジーの力を借りながら、業務の質を高めていくことの重要性を実感しています。
学生時代と比べて、自分が大きく成長したと感じるのは、会計知識とコーポレートガバナンスの知識です。グローバルな視点でコーポレート部門全体を見渡し、経営体制の強化を支援していく中で、これらの専門知識は不可欠なものとなりました。日々の業務を通じて、実践的なスキルと知識を身につけられていることを実感しています。
海外極の当事者として。グローバルな挑戦を実現するための知識と経験の蓄積
今後どんなことに挑戦してみたいかとよく聞かれるのですが、私には明確な目標があります。現在、海外極のコーポ体制や経営支援に携わっているのですが、いずれは海外極側で当事者として取り組めたらいいなと思っているんです。今は本社側から支援する立場ですが、将来的には現地で経営の中心に入り込んで、より直接的に意思決定や事業推進に関わっていきたいと考えています。
ただ、そこに到達するためには、まだまだ積まなければならない知識や経験がたくさんあると自覚しています。特にコーポレートガバナンス、財経、戦略といった領域については、より深く理解し実践経験を重ねていく必要があると感じています。海外の経営に携わるということは、単に現場の業務を理解するだけでなく、企業統治の仕組みや財務・経営戦略の立案まで包括的に関わっていくことになりますから、これらの知識は不可欠なんです。
採用候補者の皆さんにぜひお伝えしたいのは、この会社の魅力についてです。他の商社と比較しても、初めての駐在派遣の年次が早いこと、そして駐在に行く回数やチャンスも多いという特徴があります。駐在員として海外で働きたいと思っている方にとっては、本当に魅力的な環境だと思います。私自身、こうした環境があるからこそ、海外極での当事者としての挑戦という目標を現実的に描けているんです。
この会社で活躍できるのは、どんな人かと問われれば、まず仲間を信頼し、お互いをリスペクトし合える関係性を築ける人だと答えます。そして時代の流れに敏感で、知識をどんどん上書き保存できる人。効率化と全体最適を常に考えて仕事ができる人です。さらに言えば、グローバルな視点を持っていて、適度な緊張感と情熱を持って仕事に取り組める人に、ぜひジョインしてもらいたいですね。海外で挑戦したいという強い意志を持った方と、これから一緒に働けることを楽しみにしています。

