全メンバーと1日1回は会話。顔色や言動から心の変化を見抜き、問題の解決へ
グループ会社に出向中の石王が現在所属するのは、鋼管を取り扱う営業部署。自動車用鋼管の分野では国内トップクラスのシェアを誇り、シームレス鋼管や引抜鋼管なども取り扱っています。
「私が所属する営業部署では大きく分けて、豊田通商からの受託業務と、グループ会社としての業務の2つがあります。受託業務としては、国内販売や輸出です。
高炉メーカーから材料を仕入れてお客さまに販売するほか、仕入れたパイプを必要な長さに切断して販売する業務などもあります。グループ会社自体も同様の国内向けの販売業務を進めています」
このような業務がある中で営業アシスタントを担うのが、業務グループです。リーダーを務める石王が仕事内容を話します。
「営業担当者が受注した案件に関する書類作成やシステムへの入力、お客さまとの注文のやり取り、そして会社にとって一番大切なお金の取り扱いを任されているグループです。私を含め16人が働いています。
私は日頃、メンバーの業務が滞った際にサポートや交通整理をしたり、困り事を解決したりしています。メンバーが立てた年間目標を達成できるように支えていくのも、大切な仕事です。定期的なヒアリングで進捗を確認したり、業務内容が変われば目標を軌道修正したり。こちらが一人ひとりに対して『きちんと達成できているから、いい評価ですよ』と言えるところまで引き上げたいと、常々思っています」
リーダーとしてメンバーを束ねる上で肝に銘じているのは「対応に濃淡をつけず、傾聴すること」だと言います。
「特定のメンバーのひいきや、『あの人は仕事ができる、できない』という表現は避けています。その上で心がけているのは、メンバー一人ひとりと1日1回は会話し、顔色やちょっとした言動から心の変化を察知することです。
メンバーはそれぞれにプライドを持って仕事をしており、困り事があっても口にしにくいものです。『最近、元気ない?』『残業が続いているけれど大丈夫?』などと声をかけながら、一緒に解決する姿勢を見せるようにしています」
入社3年目で所属グループの年長者に。業務の属人化を避ける仕組みをつくる
子どもの頃から児童会や生徒会で活動し、人と協力して何かをつくり上げることに喜びを見いだしてきたという石王。就職活動でも「いろいろな人と巡り会いたい」と、人への想いを大切にしながら就職先を探していたと言います。
「大学で学んでいた食物や栄養の分野にこだわることなく就職活動を進める中で、心惹かれたのが、私の地元である愛知県を拠点としてグローバルに展開する豊田通商でした。この会社なら、トヨタグループの一員として世界に目を向け、たくさんの人たちと関わりながら仕事ができると思ったのです」
1992年に豊田通商に入社。以来、条鋼鋼管事業部の前身部署で20年にわたり、自動車メーカーや部品メーカーなどに向けた国内業務に従事しました。中でも入社3年目の時には、自身の成長につながる転機があったと振り返ります。
「当時は結婚を機に退職する先輩もいて、私は入社3年目で所属グループの年長者になりました。もう先輩に甘えることはできず、私が先輩の役目を担い、周囲とうまくコミュニケーションをとりながら業務を円滑に進めなければなりません。当時いろいろと模索したことが、今のマネジメントにも活きています。
当時進めた取り組みの1つが、業務の属人化を避ける仕組みづくりです。もともとは個々が自らの業務をまっとうするスタイルだったので、1人が休んだ際、その人が進めていた業務について誰もわからずに困っていました。その反省から業務のローテーションを取り入れ、複数人で内容を共有することにしました。
また、自分が行った業務の成果や大変さについては、遠慮せずに上司や営業担当者にきちんと伝えることが大切だと気づきました。そうすることで日々の業務の改善につなげられるからです。私は今もメンバーに『大変なことは大変、やったことはやったと言ってくださいね』とこまめな共有をお願いしています」
こうしてバックオフィスの基礎を確立させた石王。その後は2012年に別のグループ会社に出向したのを皮切りに、さまざまなステージで経験を積み、2021年に現在の出向先に2度目の出向として戻ってきて今に至ります。
メンバーがいきいきと働く姿を見るのがやりがい。個々が進んで取り組むような職場に
業務グループで2022年からリーダーを務める石王にとって、印象深い出来事があると語ります。それは、フォローしてきたメンバーのある「変化」です。
「新しく業務を担当することになったメンバーがうまく進めることができず、手いっぱいになってしまったことがありました。
彼女が暗い表情をしていたので、私は『大変だよね』と声をかけて共感することから始め、業務の一部を引き取り、ある程度手を加えた状態で返し、続きを彼女にやってもらうことにしたんです。それを繰り返す中で、徐々に『次はこれもやってみようか』という感じで、任せる業務を段階的に増やしていきました。
彼女が段階を経るごとに自信をつけていき、表情が明るくなっていったことは私にとってもうれしい出来事でした。成功体験を重ねることでモチベーションを高め、大きく成長していってもらえたらと思っています」
リーダーを任されるようになり、新たな気づきもあったと言います。
「1人のメンバーとして働いていた頃は、やはり視野が狭くなりがちでした。リーダーとして活動することで、お客さまだけに目を配るのではなく、社内の営業担当者の考えにも想いを巡らせるなど、多角的な視点で物事を見られるようになったと思っています」
石王は自身の喜びの源泉に触れながら、仕事のやりがいや職場の雰囲気について笑顔で話します。
「私が一人ひとりと向き合った結果、メンバーが困難な仕事をやり遂げたり、少ない残業時間で働けるようになったり、さらには自発的に『もっと仕事の幅を広げたい』と手を挙げたりと、いきいきと活動する姿を目にした際にはマネジメントのやりがいを感じますね。
これからも、上から強制するのではなく、メンバーが自ら進んで取り組むような職場をつくり上げることを大切にしたいと考えています」
年齢に関係なくチャンスが広がっている環境。チャレンジは何歳になってもできる
石王は、原則として転居を伴う異動がない地域限定職の一員です。今後は「地域限定職のロールモデルになりたい」とも話し、さらなる飛躍を期しています。
「私のように出向を重ねる中で、グループのリーダーを務めているというのも1つのキャリアのあり方だと思っています。
出向先の企業風土を尊重しながら、お客さまとの接し方などこれまでに培ったノウハウをメンバーに伝えていければと考えています。自分に求められている役割が何なのかを日々意識しながら、新しい価値を生み出し続け、歴代の先輩社員のように定年まで必要とされる存在になりたいです。
また、最近では新入社員の面接にも関わっていて、ゆくゆくは人材の育成に関する部分で何か貢献していけないかという想いも持っています」
志を高く保つ石王は、現在入社を考えている人たちに向けて想いをはせて「やらない後悔より、やった後悔を選んでほしい」とメッセージを送ります。
「私自身の経験で言えば、今のグループでリーダーを任されたのが50歳の時。当時は正直なところ、戸惑いました。
まだグループの業務内容をすべて把握しきれていなかった中で、それぞれのメンバーとどのように接したらモチベーション高く仕事をしてもらえるだろうかと、不安でいっぱいでした。でも、1人で抱え込むことなくメンバーたちと相談し、時にはサポートも受けることでうまく回り始め、こうしてマネジメントの喜びを見いだすこともできました。今では、リーダーを引き受けてよかったと心から感じています。
皆さんも自らの力を過小評価することなく、ぜひチャレンジを続けていってもらえたらうれしいです。ここは年齢に関係なくチャンスが広がっている環境であり、チャレンジは何歳になってもできます。若手だからできないということはなく、若さゆえにできることもあるはず。それぞれの立場で得意分野を活かしながら、共に手を携えて会社をさらに成長させていきましょう」
※ 記載内容は2025年1月時点のものです

