制御システムへの情熱と人の温かさに惹かれた就職活動
学生時代は電気電子工学科に在籍し、研究室では産業用機器やロボットの制御システムの研究に打ち込んでいました。電気電子工学科では、電磁波や電子といった目に見えないものを扱う分野が中心でしたが、その中で機械やロボットという目に見えるものを扱える研究に魅力を感じ、どんどんのめり込んでいきました。機械やロボットを自分の思い通りに操る方法を考えることがとても面白く、研究がうまくいったときには、その成果が機械やロボットの動きとして目に見える形で現れるので、大きな達成感がありました。研究室では機械と制御プログラムをひたすらいじり続け、充実した学生生活を送っていました。
就職活動を始めるにあたって、私は自分の専門分野である制御システムが活かせる企業を探すことを軸としていました。同時に、働きやすい環境も重視していました。研究室と違って、会社では人と関わりながら過ごしていくので、気持ちよく仕事をしたいと思ったんです。また、仕事のやりがいを考えたときに、良い人と目標を達成した方が達成感が大きいと感じていました。
当社については、トヨタグループの源流企業ということもあり、最初は少し堅いイメージを持っていました。また、正直なところフォークリフトしか扱っていないと思い込んでいたんです。しかし、大学のOBの方に面談をしてもらったとき、扱っている製品の多さを知りました。その後、会社のホームページなどを見て、製品の多様性に驚くとともに、私の専門分野がどこに活かせそうかを真剣に考えるようになりました。
入社を決めた最大の決め手は、面談をしてくれた社員全員が優しく、温厚だったことです。一緒に働いていて楽しいだろうなと心から感じました。とくに印象的だったのは、面接官が私の研究について一緒に考えてくれたことです。採用に関わる質問ではなく、研究がうまくいくにはどうしたらよいか、研究課題を解決するためにどういったアプローチがいいかなど、相手の立場に立って自分ごとのように考えてくれました。この経験から、相手の立場に立てる社員の方がこの会社にいるんだなと確信しました。企業によって社員の特徴は違い、仕事に対して熱血な社員の企業や少し控えめな社員の企業など、多種多様でしたが、当社は温厚ながらも芯には熱い気持ちがあり、そこに強く魅力を感じました。また、扱っている製品が多く、制御できる対象がたくさんあることも、私にとって大きな魅力でした。
組み込み開発からロボット研究へ、1年間の育成プログラムを経て
入社後は社会人としての基礎を学ぶところからスタートしました。メールの書き方や名刺の渡し方など、学生時代には意識していなかった社会人としてのマナーやコミュニケーションの基本を、この研修期間でしっかりと身につけることができました。
研修を終えて最初に配属されたのは、組み込みソフトウェアを開発する部署でした。さまざまな機能を機械のコンピュータに実装する仕事に取り組む日々がスタートしたのです。実は私は、組み込みソフトウェア人材の育成プログラムに参加しており、この部署での経験はそのプログラムの一環でもありました。プログラムでは実践的な開発スキルを磨きながら、ソフトウェアエンジニアとしての基礎を固めていきました。
この組み込みソフトウェアの開発部署には1年間在籍しました。そしてプログラムを修了したタイミングで、現在の部署への異動が決まったのです。異動先は、これまで研究開発を進めてきたロボットに関わる部署でした。組み込み開発で培った技術を、今度はロボット制御という新しいフィールドで活かしていくことになります。
入社前に抱いていたイメージと入社後の実際の仕事を比べてみると、とくにギャップを感じることはありませんでした。研修から実務まで、段階を踏んで成長できる環境が整っていたことが、スムーズなキャリアのスタートにつながったのだと思います。この1年間の経験が、次のステップへの大切な土台となりました。
現場で活躍するロボット開発と、失敗から学んだ成長の軌跡
現在私は先行開発部で、物流現場や生産現場で人と一緒に働くロボットの制御システム開発を担当しています。未来に必要になる技術を開発する部署で、日々新しいことにチャレンジしています。
この仕事で最も印象に残っているのは、開発したロボットが展示会に出展されたことです。私たちが一生懸命開発した成果をたくさんの人に見てもらい、来場者からは想像以上に良い感想をいただきました。「2輪で自立するという発想が面白いね」「制御の力でこんなに安定して自立しているのはすごいね」といった声や、「人に対して安全性を高めるために開発した制御技術はすごい」「世の中にぜひ広めていってほしい」という期待の言葉もいただきました。自分たちの技術が評価され、社会に求められていることを実感できた瞬間でした。
一方で、試作機の製作において設計計算式が間違っていて、仕様とは異なった試作機ができあがってしまったという失敗も経験しました。このときは最短日数で設計ミスを直すため、さまざまな部署にかけあい、必死でリカバリーを行いました。この経験から、慎重に設計を進めることの重要性や、失敗した際の対応方法、そして人とのつながりの大切さを学びました。
入社後、自分自身も大きく成長したと感じています。学生時代は制御システムといったソフトウェアよりの専門分野特化型でしたが、会社に入ってひとつの専門分野の知識だけでは大きな仕事はできないことを実感しました。今ではハードウェアの知識も習得するよう心がけています。機械やロボットが思い通りに動かなかった場合、なぜ動かなかったのかを物理現象から考えることで、ハードウェアの知識も自然と増えていきました。
困難に直面したときは、その本質に目を向けて乗り越えるようにしています。困難を解決するために簡単な道を選びがちですが、本質に目を向けることで根本的な解決ができます。制御システムの開発では、機械やロボットの物理現象を考えることで、その機械やロボットに適した制御システムを考えることができるのです。
入社前は目の前の目標を達成することばかり考えていましたが、今ではその仕事を達成することで社会がどう変わっていくのかを考えられるようになりました。この視点の変化が、私の仕事に対するモチベーションをさらに高めてくれています。
変革期の現場で新しい挑戦を。ロボット制御で実現する未来への想い
短期的な目標として、ロボットを物流現場や生産現場に導入し、人がより快適に働ける社会を実現したいと考えています。現場の作業環境を変えていくことは、単なる効率化だけではなく、働く人々の負担を軽減し、より創造的な仕事に集中できる環境を作ることにつながります。そのために、専門分野である制御システム開発を軸に、さまざまな知識を吸収していきたいと思っています。
制御は機械やロボットのポテンシャルを十分に発揮するための技術です。どれだけ優れたハードウェアがあっても、適切な制御がなければその性能を引き出すことはできません。だからこそ、世の中の機械やロボットをよりよくしていくために、制御技術を極めていきたいという想いがあります。最新のロボット制御の分野では、どんどん新しい技術が生まれています。そのため、論文やレポートなどを読んで、日々知識を蓄えることを欠かしません。
目標を達成するために大切にしているのは、昔の技術にこだわりすぎず、新たな技術をオープンに受け止めることです。技術の進化は速く、過去の手法にこだわりすぎると、できることもできなくなってしまいます。一方で、昔の技術だからといっておろそかにせず、その技術の良さを理解して、適時適切に使っていくことも重要だと考えています。新旧の技術をバランスよく活用することが、真のエンジニアリングだと思うのです。
採用候補者の皆さんに伝えたいのは、物流現場や生産現場はいま変革期にあり、新しいことを挑戦できる機会がとても多いということです。当社の社員はとにかく優しく温厚な人が多く、とても働きやすい環境が整っています。変化を恐れずに新たなことを提案できる人であれば、きっと活躍できるはずです。物流現場や生産現場を変えていこうと思っている方、ぜひ一緒に挑戦しましょう。挑戦することで成長の機会が生まれます。楽で簡単な道を選ぶのではなく、ちょっと嫌だなと思う道にこそ、大きな価値があると信じています。

