法令遵守の最前線で製品の信頼性を守る責任ある仕事
私は現在、トヨタL&Fカンパニーの法規認証部法規認証室認証2グループでグループ長を務めています。8名のチームを率いて、フォークリフトという製品が世界各国で安全に販売できるよう、法規制への対応という重要な役割を担っています。
私たちの部署のミッションは大きく三つあります。まず、フォークリフトに適用される製品法規の把握と展開、そして監査です。次に、その法規を確実に守るためのしくみやインフラ、教育体制の整備。そして最後に、各国でフォークリフトを販売するために必要な製品認可の取得と管理です。私のグループでは、日本と中国を除く世界各国の法規や認証に対応しています。
日々の業務では、欧米をはじめとした各国の認証への対応を行っています。申請から取得、そして維持まで、一連のプロセスを管理しながら、同時に各国の法規調査や把握、社内関係部署への情報提供も担当しています。グループ長として、自ら対応する案件もあれば、メンバーが担当する業務のマネジメントも重要な役割です。
当社が過去に経験したエンジン認証問題を受けて、トップからは「法令遵守には万全を期すこと」という強いメッセージが出されています。コンプライアンスがより一層重要視される現在において、法規に関わる業務を担っているという責任感を常に胸に刻んで仕事に取り組んでいます。
グループ長として最も大切にしているのは、チームワークです。メンバーそれぞれに異なる強みがあり、人は誰も完璧ではありません。だからこそ、お互いを補完し合い、助け合いながら、一人で困ることのないチーム作りを心がけています。信頼してもらえる製品作りに関わっているという実感が、私たちの仕事への大きなやりがいとなっています。
法務のプロとしての歩み、そして愛着ある会社への一時的な別れ
私のキャリアは豊田自動織機への新卒入社から始まりました。社会人生活の大部分をこの会社で過ごしてきましたが、その中でも最も長く携わったのが法務部門での仕事です。海外の企業買収プロジェクトに多数参画し、海外拠点の設立・運営、英文契約審査、海外グループ会社のコンプライアンス活動推進、さらには債権回収などのトラブル・訴訟対応まで、幅広いリーガルサポートを事業部門に提供してきました。
海外の弁護士やグループ会社の法務部と連携しながら働く中で、法務の専門知識はもちろん、海外との仕事の進め方の基本、コミュニケーションの取り方、そしてバックオフィスとしての事業部門への貢献の心構えなど、自分のキャリアの基礎となる多くのことを学びました。とくに海外の企業買収プロジェクトでの経験は、専門性と仕事の仕方のすべてにおいて私を大きく成長させてくれたターニングポイントでした。
しかし、配偶者の海外赴任という人生の転機が訪れました。当時、豊田自動織機の法務部でやりがいと熱意をもって仕事に取り組んでいた私にとって、退職は非常に残念で、やむを得ないという気持ちでした。1年間という長い時間をかけて悩み抜いた末、新しい生活で見聞を広げようと決意し、愛着のある会社を一時的に離れることにしたのです。
海外赴任帯同中は、在米の日系商社で日本人社長の補佐全般を担当し、帰国後は他社で再び法務の仕事に従事しました。この6年間の経験を通じて、豊田自動織機は従業員を大切にする温かい会社であり、その企業文化が自分に合っていたのだと改めて実感することになりました。
新しい挑戦から生まれた成長と前職経験の活用
法規認証部に配属されてから、まだ1年足らずですが、毎日が新しい発見と学びの連続です。正直に言えば、成功体験というよりも、日々勉強の段階というのが実情ですが、自分の知識や経験が新しい分野で確実に広がっていることを実感できています。この実感こそが、現在の仕事における最大の収穫かもしれません。
一方で、苦労していることも多くあります。最も大きな課題は、製品知識の不足と技術的な理解の難しさです。エンジニアたちの説明を理解するのに時間がかかったり、何が課題であるのかを把握し、進め方を検討するまでに長い時間を要することがあります。しかし、これは自分にとって新しい分野への挑戦である以上、当然のことだと捉えています。経験を積み、スキルを上げていくことで、徐々に解消していく部分も多いと信じています。
これまでバックオフィスの仕事ばかりをしてきた私にとって、現在はビジネスの前線に近いところで仕事をしているという実感があります。お客様に信頼していただける製品を作り上げるということに直接関わっているという感覚は、以前とは大きく異なります。製品を作り、販売し、サービスを提供し、お客様に喜んでいただきながら会社としても利益を上げるという一連の流れを、以前より身近に感じることができるようになりました。
幸い、これまでの豊田自動織機および前職での法務経験は、現在の業務で大いに役立っています。とくに海外法規の確認や解釈、海外拠点の法規認証担当部門との英語でのコミュニケーション、そしてコンプライアンス推進の基本的な考え方や進め方については、過去の経験が活かされています。分からないところは自分で判断せず教えてもらい、事前準備できるところは事前に調べ、専門的で手に負えないところは上司、部下、同僚のサポートを得て対処する。この積極的に学ぶ姿勢を忘れずに、日々の業務に取り組んでいます。
グローバルな舞台での挑戦と次世代育成への想い
短期的な目標として、まずは現在の業務で自分自身の専門性をさらに高めていきたいと考えています。同時に、チーム全体の力量アップにも努めていきたいですね。上司からも「ものづくりに直接かかわるような仕事を経験していただきたい」という期待を伝えられており、自分にとっても新たな領域への挑戦という意味で、その期待に応えていきたいと思っています。
中長期的には、もっと大きな視野で貢献していきたいと考えています。当社の法規認証部は、まだできて3年弱と組織として若いため、しくみや体制づくりはまだ発展途上の段階です。将来に向けての部署の土台作りに貢献していきたいと思っています。とくに、自分に続く法規認証担当者の育成、とりわけ海外案件をこなせる人材の育成が重要だと感じています。
グローバルな活躍という面では、当社のビジネスがグローバル規模で展開されており、フォークリフトも世界各国に販売されています。私は現在でも海外の法規認証業務を担当しており、海外グループ会社とのコミュニケーションは多いのですが、今後は彼らとの連携をより一層深め、グローバルなチームでの法規認証業務への対応を強化していくことに貢献したいと考えています。
次世代への知識・経験の伝播については、基本的にはOJTと、業務の標準化やノウハウの見える化を通じて進めていきたいと思います。上司からも「自分自身の活躍とともに、知識・経験を次世代に伝播し、育成していただきたい。部門の中心として皆をひっぱってほしい」という期待を伝えられており、その責任を果たしていきたいですね。
転職を検討されている方には、当社の仕事の進め方や製品知識を含めて丁寧なOJTを実施しており、一つ一つの業務経験を通じてスキルアップしていただけることをお伝えしたいと思います。困難な業務や状況であっても前向きに取り組めるチャレンジ精神、向上心、そして協調性を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。

