気づいた「人と関わることの楽しさ」という原点
子どもの頃の私は、とても内気で緊張しやすい性格でした。でも、好きなことや興味を持ったことに対しては、とことん熱中してしまう一面もありました。絵を描くことや生き物が大好きで、毎日絵をかいたり、生き物に関する本や番組を夢中になって見ていたのを覚えています。4〜5歳からはピアノと水泳も習い始めました。どちらも誰かに勧められた訳ではなく、「ピアノを弾けるようになりたい」「もっとうまく泳げるようになりたい」という好奇心から、両親に頼んで習わせてもらいました。興味を持ったことには自分から飛び込んでいく、そんな子どもだったと思います。
そんな内気な性格が少しずつ変わっていくきっかけが、放課後に通っていた学童クラブでの経験です。地元にある3つの小学校の子どもたちが集まる場所で、学校も学年も性別も関係なく、さまざまな子と関わる機会がありました。数カ月ごとにメンバーが変わる班でおやつを食べたり、日々の会話の中で「同じ地域に住んでいても、こんなに違うんだ」と感じることがたくさんありました。授業の内容、学校の設備、趣味や習い事・・・話せば話すほど、いろんな人がいることを子どもながらに実感していました。その「違い」を知ることが楽しくて、人と関わることへの興味が少しずつ芽生えていったんだと思います。
目立つことは得意ではありませんでしたが、誰かが一人でいたら声をかけたり、喧嘩している友達の仲介に入ったり、その場の空気を読んで自分が動くことで何かがうまくいくならと、自然に考えて動いていました。誰かが笑顔になる瞬間や、困っていた人の表情が和らぐ場面が好きで、そのためにさりげなく動くことに喜びを感じていたんだと思います。
大きなターニングポイントになったのは、高校3年生の文化祭です。図書委員として、図書室の企画への呼び込みを任されました。先生おすすめの本の展示や人気本ランキングを見てもらうための企画で、私は来訪者に自分から声をかける役割を担いました。それまで、知らない人に自分から話しかけることなんて、自分には絶対無理だと思っていました。でも当日、「文化祭を盛り上げたい」「みんなの頑張りを見てもらいたい」という気持ちが先に立って、気づいたら自分でも驚くほど積極的に声をかけていました。
文化祭が終わった後、担当の先生から「例年よりもたくさんの人が来てくれた」「澤田さんの評判がよかったよ、ありがとう」と声をかけていただきました。その言葉が、自分の中で何かを確かに変えてくれました。人に自分から関わることで、興味を持ってもらえる。自分の行動がチームに貢献できる。そのことへの手応えと楽しさを、初めてリアルに感じた瞬間でした。内気な自分には縁遠いと思っていた「接客」というものへの関心と自信が、この経験から芽生えていったと思います。
「最高級のおもてなし」を学びたい。好きなことを軸に見つけた、入社の決め手
就職活動をしていた頃、私が企業選びで大切にしていた軸は「好きなこと」でした。好きなことに関われる仕事であれば、どんなときでも前向きな気持ちでモチベーションを保ち続けながら働けると思っていたからです。幼いころから好きだった「化粧品」と「食品」、そして学生時代におもしろさに目覚めた「接客」、この3つに絞って企業を探していました。
ただ、就職活動の期間は決して楽なものではありませんでした。自分の経験をエントリーシートに書いたり面接で話したりしても不採用が続くと、自分の足りないところばかりが目に付いてしまいます。周囲やインターネットの情報と自分を比較して否定的な気持ちになり、就職活動そのものに苦手意識を持ってしまうこともありました。自信を失いかけていたあの頃は、今思い返しても少しつらい記憶です。
そんな状況の中で、現在の会社との出会いがありました。トヨタ自動車の子会社であるという点から、まず働くうえでの信頼感と安心感を強く感じました。大手企業の子会社であれば、新卒として社会人の基本からしっかり学べる環境が整っているはずだと思えたのです。
採用選考の中で特に印象に残っているのは、第一面接の形式です。採用担当の女性社員の方と一対一で、まるで面談のように本当にラフに話せる場でした。担当の方から「緊張するだろうけど、今日は本当に面接ではなく面談と思ってほしい」という言葉をいただいたとき、自分らしくリラックスして話せることに気づきました。就職活動中でもっとも楽しく、心に残っている時間のひとつです。また、最終面接の前にはレクサス店舗へ見学に行き、店舗の雰囲気や先輩アシスタント・ゼネラルマネジャーと直接お話できたことも大きな経験でした。実際に自分が働く姿をリアルにイメージできたことで、最終面接に臨む気持ちがぐっと前向きになりました。
入社の決め手は、いくつかありました。まず、他県への転勤がなく、完全に東京都内のみで働けるという点。次に、育休取得の割合が高い(男女とも)こと。そして何より、レクサスアシスタントが提供する「最高級のおもてなし」を身に付けたいという気持ちです。化粧品や食品など他業界とも比較しましたが、説明会でレクサスブランドの強さや「最上級のおもてなし」について誇りを持って語る社員の姿を見て、接客業に対する本物の誇りを感じました。カーディーラーでありながら「おもてなし」に重きを置いているという点が、接客好きな私にとってとても魅力的に映ったのです。誰もが知るブランドのもとで、最高峰の接客を学べる環境がここにあると確信し、入社を決めました。
お客さまに「顔と名前」を覚えてもらえた日の喜び
社内ではレクサスアシスタントと呼ばれていますが、お客さまに対しては職種を問わず全員が「レクサスライフコンサルタント」と名乗り、名刺にもそう記載されています。車の販売・点検・整備にとどまらず、お客さまのレクサスブランドと関わる生活全体をサポートし、より良い体験価値を提供することが私たちのミッションです。
日々の業務は多岐にわたります。ご来店されたお客さまのお出迎えやアテンド・お見送り、呈茶(お茶をお出しするおもてなし)、ショールームの整理整頓、備品や商談資料の管理・補充、レクサスオリジナルグッズの販売、ご納車時の写真撮影など、お客さまの体験を彩るさまざまな場面に関わっています。さらに今年度は、新しく配属された1年次アシスタントのトレーニングリーダーと、28卒の大学生向けリクルーター(採用のお手伝い)も担っています。
やりがいを強く感じるのは、お客さまに顔や名前を覚えていただいた瞬間です。ご来店のたびに名前を呼んで挨拶してくださったり、「久しぶりだね、元気にしてた?」とわざわざ近寄って声をかけてくださったりすると、本当に嬉しくなります。以前話した内容の続きをお話しくださることもあり、そういった積み重ねの中に、この仕事の醍醐味があると感じています。
一方で、配属当初は苦労もありました。研修で学んだ所作(小笠原流礼法をベースとしたレクサス独自の「こころとカタ」)や敬語の使い方を意識するあまり、お客さまと積極的に話すことができなかったのです。「もし知らないことを聞かれたらどうしよう」という不安もあり、必要最低限の会話しかできない日々が続きました。
転機となったのは、アテンド中に、あるお客さまがレクサスコレクションのポシェットを身に着けてご来店されていることに気づいた時です。思い切って「ご着用ありがとうございます」と声をかけると、お客さまはとても嬉しそうに「たくさん使ってるよ」と返してくださいました。そこから会話が広がり、趣味の野球観戦の話になり、私の弟が野球をしていて家族で観戦に行く話をすると、大いに盛り上がりました。最後に「頑張ってね」とエールまでいただき、この経験を通じて気づいたことがあります。大切なのは「うまく会話すること」ではなく、「お客さまに興味を持つこと」でした。
それ以来、お客さまの服装や表情、些細な行動にアンテナを張り、自分から話しかけるようにしました。自己開示をすることでお客さまからも新たな情報をいただけるようになり、そうした会話の蓄積が、よりパーソナルなおもてなしやお客さまとの絆づくりにつながっていくことを、日々実感しています。業務をルーティンとして流すのではなく、一人ひとりのお客さまにその瞬間できる最良の対応を積み重ねることが、信頼関係の礎になると、今は確信を持って言えます。
「澤田さんがいれば安心」替えの利かない存在を目指して
短期的な目標として、まず取り組みたいと思っているのが、電話でのお客さまへの点検・車検の誘致活動です。これまでも、ご来店されたお客さまへの点検や洗車のご予約対応は行ってきました。ただ、今後はセールスコンサルタントの負担を減らすためにも、また点検入庫数を増やすためにも、電話での誘致活動を自分から率先して担えるようになりたいと考えています。
そのためには、点検や車検の内容をきちんと理解した上で、事前にお客さまから何を聞き出すべきか、どんな提案ができるかを自分の言葉で話せるようにならなければなりません。車自体の知識も、整備に関する知識も、まだまだわからないことだらけです。でも、だからこそ「勉強しなければいけない」という気持ちは強く持っています。一つひとつ知識を積み重ねて、お客さまにとって頼れる存在になっていきたいです。
中長期的には、後輩の育成にも積極的に関わっていきたいと思っています。店舗内のアシスタントが後輩の指導役を担う「トレーニングリーダー」という役割があるのですが、来年は別のアシスタントが担う可能性が高く、自分がその役割に就けるかどうかはわかりません。しかし、特定の役職に就かなくても、後輩に何かを伝える機会があれば積極的に関わっていきたいと思っています。
実際、店舗実習で来ていた1年次の方に業務の説明をした経験を通じて、「伝えることは自分の学びに直結する」と実感しました。なぜそうするのか、どんな意味があるのかを相手にわかりやすく説明しようとするとき、自分自身も行動の意味を改めて問い直すことになります。後輩に寄り添い、後輩の視点に立って言葉を噛み砕いて伝えることが、自分自身をさらに成長させてくれると気づきました。
そして、これからの自分が目指す姿を一言で表すなら、「替えの利かない存在」です。今の職場では、お客さまの担当制にとらわれず職種の垣根を越えてONEチームで動くことを大切にしています。だから、「自分でないとダメ」という考え方は、少し方向性がずれているかもしれません。でも、「澤田さんがいれば安心」「澤田さんと話せるのを楽しみに来た」と思っていただける存在になりたいという気持ちは、これからも変わりません。
どのスタッフでもお客さま一人ひとりに最上のおもてなしができることが理想ですが、その中でも、自分だからこそできる話、自分だからこそ生まれる共感から築かれるお客さまとの絆を、大切にし続けていきたいと思っています。
最後に、入社を考えている方へお伝えしたいことがあります。特別なスキルや輝かしい学生時代の経験がなくても大丈夫です。それよりも、接客業・人と関わることを純粋に楽しめる人にぜひ来てほしいと思います。対人の仕事ですから、予測できないことや突然の予定変更は日常茶飯事です。でも、お客さまからのちょっとした「ありがとう」の言葉や、自分の小さな気遣いが誰かの役に立てた瞬間に、この仕事の楽しさを感じることができます。誰かへのやさしさは、必ず自分に返ってきます。そう信じながら、私は今日も仕事に向き合っています。

