トミカと歴史と雪山と。多彩な原体験が育てた「自分で考える力」
子どもの頃は、あまり活発なタイプではなかったと思います。よく「落ち着いている」と言われていましたし、友達と遊ぶのと同じくらい、大人と話すことも好きでした。そんな性格の下地をつくったのは、家族の影響が大きかったかもしれません。6歳下と10歳下の妹が二人いて、自然と頼られる立場に置かれていたので、自分で考えて動くことが当たり前になっていたように思います。
好きなものはたくさんありましたが、小学生の頃はサッカー観戦とトミカ(ミニカーのおもちゃ)が大好きでした。父が車関係の仕事をしていたこともあって、遊ぶおもちゃは自然と車のものが多く、パトカーなど働く車にも夢中になっていました。学校では社会科、特に歴史の授業が楽しくて仕方なかったです。その歴史好きが高じて、大学では政治学科に進み、近現代日本政治外交史を専攻しました。高校生のときに選挙権が18歳に引き下げられ、政治が急に身近なものに感じられたことも大きなきっかけでした。近現代史と現在の政治には深いつながりがあると気づき、もっと深く学びたいと思ったんです。
大学では勉強だけでなく、スキーサークルにも力を入れていました。冬には長野県で2カ月ほどの泊まり込み合宿を行い、全国学生大会にも出場しました。サークルでは代表も務めていたので、宿の手配や新入部員の勧誘など、運営面での苦労も多かったです。特にコロナウイルスの流行でサークル活動を休止せざるを得ない時期は本当に悩みました。それでもリモートを活用しながらなんとかサークルを存続させようと奔走した経験は、今でも大切な思い出です。代表として一人で抱え込みすぎて、仲間に迷惑をかけてしまうこともありました。そこで初めて、「共有すること」と「頼ること」の大切さを実感しました。
「お客さまに一番近い立場」を求めて。自動車販売の世界へ踏み出した理由
就職活動では、自動車業界全体を幅広く見ていました。部品メーカーから完成車メーカー、販売店まで、業界の裾野を広く眺めながら企業を探していたので、最初から職種や業態を絞り込んでいたわけではありませんでした。ただ、子どもの頃から好きだった自動車に携われる仕事であれば、やりがいを持って働けると思っていたのは確かです。
今の会社に対しては、入社前から「大きな販売店だな」という印象を持っていました。それ以上に、自宅の車をずっとお願いしていた身近な存在でもあったので、親しみやすさも感じていました。
入社を決めた一番の理由は、自動車に関わる仕事の中でも、お客さまに最も近い立場でいられることでした。一人ひとりのお客さまのことを深く知り、その方に合った提案ができる。そういった個人的な関係を築いていける環境に、強く惹かれたのです。表面的な付き合いよりも、相手のことを本当に理解した上で関わりたいという自分の性格が、この仕事の魅力と重なりました。
入社後はコロナ禍という状況の中でも、人事の方が積極的に対面の機会を設けてくださったことが印象に残っています。選考がすべてリモートになる企業も多い中、直接顔を合わせて話せたことで、不安が和らいだのを覚えています。研修ではビジネスマナーやパソコン操作といった基本から、車の基礎知識や商談の進め方まで、1から丁寧に教えていただきました。
「ありがとう」の言葉がやりがい。失敗から学んだプロとしての姿勢
現在は店舗の営業スタッフとして、車両の販売から保険の案内、購入後のアフターサービスまで、お客さまに切れ目なく寄り添う仕事をしています。自動車は決して安い買い物ではありませんので、「この人に任せておけば安心だ」と感じていただけるよう、常に意識しながら動いています。
まだ若手スタッフとして、お客さまのことをよく知り、よく考えて行動することを大切にしています。チームとしてもお客さまの情報を蓄積し、次に活かしていく取り組みを進めているところです。
仕事をしていて一番うれしいのは、お客さまから「ありがとう」と言葉をいただく瞬間です。その言葉が、次への原動力になっています。
一方で、忘れられない失敗もあります。入社して間もないころ、お客さまとの訪問の約束の時間に遅れてしまったことがありました。遅れることがわかった時点で連絡すべきだったのに、それができていなかったのです。お客さまにとても怒られ、当時は本当に落ち込みました。でも今振り返ると、学生気分から社会人としての意識に切り替えるための、大切なきっかけだったと思います。
それ以来、小さなことでもお客さまへの確認や進捗の連絡を欠かさないようにしています。こまめな報告・連絡がお客さまの安心感につながると、あの経験が教えてくれました。
「車より自分を売る」。チームで挑む新しい働き方と、未来への期待
今、店舗の中で新しい働き方に取り組んでいます。これまでは営業スタッフがそれぞれ自分のお客様を個別に担当するスタイルでしたが、今はお客さまの情報をチーム全員で共有し、誰のお客さまでもみんなでフォローできる体制に変えていこうとしています。
この取り組みがうまく機能したと感じた出来事があります。担当スタッフが休みの日に、お客さまから車のご注文をいただいたときのことです。事前にしっかりと情報共有をして、チームで作戦会議を重ねていたおかげで、スムーズに対応することができました。そのお客さまからも「自分のことをいろんなスタッフが知っているのはいいね」と言っていただけて、チームで動くことの手応えを感じました。
中長期的には副店長や店長というキャリアの道もありますが、今はまだ具体的なイメージは持てていません。それよりも今は、目の前のお客さまとの関係をしっかり積み上げていくことに集中したいと思っています。
これから入社を考えている方に伝えたいのは、車の知識は入ってから身につければいいということです。それよりも大切なのは、「車を売る」ではなく「自分を売る」という意識です。車はどこで買っても同じものが手に入ります。でも、お客さまが本当に求めているのは、買った後の安心感。「誰から買うか」「どこから買うか」が、お客さまの心に響くのだと思います。人に興味を持ち、自らチャレンジできる方と一緒に働けることを楽しみにしています。

