長く愛される“三ツ星製品”を生み出す支えに──品質保証一筋の係長
私は2022年1月現在、PETボトル生産の基幹である久喜工場で品質課の係長を務めています。久喜は本工場の他に長野・群馬・千葉にもサテライト工場があり、PETボトル・プリフォームの他、TULC缶用のラベルも生産しています。品質課は総勢14名・2グループに分かれており、私は千葉のサテライト工場の飲料PETの一部とTULC缶用ラベルの業務を担当しています。
2002年の入社以来一貫して携わっている品質保証部門の業務は、非常に多岐に渡ります。製造課と毎日工程検討会を開いており、前日の生産ラインの状態や製品の測定データなどを確認します。製品がしっかりと基準を満たしているか、正しくトラブル処置が行なわれたかチェックするのです。他にも製品や現場環境の微生物やにおいの検査などの日常評価、統合マネジメントシステムの推進や防虫管理など、管轄する内容も幅広く業務をおこなっています。
私自身は担当者に業務を配分して活動プランを一緒に考えたり、工場方針・上位方針に基づいて品質課内の活動を策定・実行したりするのが役割です。各担当者には得意不得意がありますから、そこに見合った業務や、ステップアップできそうな業務を配分するなど、日々色々と考えながら取り組んでいます。
品質保証は、正直なところあまり表に出る分野ではありません。それでも、お客様に安心して「星」を付けていただけるような製品をつくるという大前提のもと、トラブル対応や改善にあたることが大切です。改善点や対応などを一つひとつクリアして初めて達成感を得られる仕事かもしれません。担当者全員がそういった達成感を抱けるように、生き生きと仕事にあたれる職場をつくることが、係長としてのやりがいですね。
プレッシャーの連続だった本社勤務で実感した、品質保証業務の意義
もともと久喜市在住で高校の商業科に通っていたのですが、進路指導の先生から勧められたのがきっかけで東洋製罐に入社しました。
最初は久喜工場品質課で出荷検査票や微生物検査などのルーチン業務にあたり、4年目からは耐熱PETボトルの工程担当として工程検討会や製品の成形試験、お得意先での充填立ち合いなどのミッションに携わりました。
その後の2016年10月、15年目のときに本社へと異動になりました。この経験は仕事への向き合い方を考え直す、財産のような経験になっています。
実はその前の2015年10月から3カ月間、本社の品質保証部のPET業務メンバーが手薄になるということで応援に行っていました。
そこでは、資材関係の新規取引先の監査や新製品開発をデザインレベルから関わるといった貴重な経験を積むことができました。また、PETの原材料に海外製のレジンを使用しているため海外への出張にも行きましたね。
この経験により、品質保証部門の業務の流れややるべき内容をあらためて理解できたと思います。応援期間を終えて、本社経験を生かして久喜工場でまた頑張ろうと思って居たのですが、帰ってから半年後、正式に本社品質保証部へ異動することが決まったんです。
まさに青天の霹靂。で、すごくプレッシャーを感じてしまったのですが、いざ行ってみると頑張ることができました。とはいえ、本社勤務になって最初の一週間は、自分の足りていない部分について上司からがっつりアドバイスをいただきましたね。具体的には、トラブル調査や日々の打ち合わせ・ミーティング内容の伝え方について、他部門の人が引き継いだときに理解できるように記録をつけることを指導してくださって。中でも、「今やっていることは将来の仕事の結果に対して有効性・価値があるものにする」といわれたことは、非常にインパクトが大きく、現在も大切にしている考えです。
古巣復帰とともに昇進。メンバーの成長で感じた組織活性化の手応え
本社品質保証部は、製品・資材のみならず品質に関わる問い合わせや相談がひっきりなしに来て関係部門も幅広い。本社でしっかりと指導を受けながら対応策を進める業務を経験できたおかげで、視野も人脈も広がったと思います。また、いろいろな相談を受けて真摯に向き合う同じ職場のメンバーの姿にも刺激を受けました。
振り返ってみると、最初の工場時代でもそこまで指示を細かく受けなくても業務を回すことができましたし、関係部門とも必要な相談ができていると感じていました。ですから、仕事をきちんとできているという感覚でいたんですが、本社の人たちは考え方がまったく違った。とにかくみんな「お客様第一」ということを常に考えていたんです。それからは「お客様に安心して使用していただける製品を」という大前提を心がけながら取り組んでいます。
2020年10月には係長に昇進し、久喜工場品質課に戻りました。昇進は本社への異動を告げられたときよりもっと驚きました。
私は、バリバリの上昇志向という性格ではありません。むしろ、「貢献したい」と考えてできることをやる、周囲の相談に応じて仕事をしていくうちに評価され、今のポジションを与えられたと感じています。昇進から1年3カ月が経ち、グループの担当者も2人増えて6人になりました。ポジションに準じた仕事ができるよう、ますます精進していかなければいけませんね。
たとえば、自分が担当者として仕事をするときは、自分の仕事として取り組めばいいわけですが、係長という役割は「仕事をしてもらう」ための振る舞いが必要となるので、これまでとの違いを大きく感じます。
ですが、各担当者の業務推進を図る今、やりがいを感じるのは、何といっても若手の成長が垣間見える瞬間。調査や評価の結果をまとめるのに経験の浅いメンバーに対して、毎回「こうした方がいいよ」とアドバイスしているのですが、成果のアウトプットが徐々に見えてくるようになると本当に嬉しいです。
PETボトル基幹工場の業務効率化、女性社員の活力アップで充実した職場を
女性の係長として社内で期待されている部分や役割もたしかにあると思いますが、まずは女性であることにこだわり過ぎず、各担当者が安心して仕事ができる職場環境を構築できる係長になりたいです。
とはいえ、久喜工場にも女性社員はいますし、女性が活躍できる場をつくることは非常に重要だと考えています。ですから、女性社員同士でもっとコミュニケーションを取りたいですね。コロナ禍でなかなか触れ合う機会がとれないので、落ち着いたところで何か企画できたらと思っています。
現在所属している久喜工場については、PETボトルの生産が縮小・集約傾向になっている中でも引き続き基幹拠点として操業を続けるため、業務改善や効率化を進めていければ、と。テレワークの推進や、社員のプライベート充実にもつながる業務改善を進めたいですね。
私自身にとってキャリアのターニングポイントとなった本社転勤では、本当にいろいろな経験をしました。転勤が決まった際は周りから「本社に応援に行っていたから、いずれ転勤するだろうって思ってたよ」といわれましたが、自分ではそんなことは思いもよらなかったですし、大きなプレッシャーを感じていました。
いざ転勤してからも「荷が重いな」と思っていましたし、最初に上司から自分の足りていない部分を指導していただいた時にはその通りだな、と思い知らされちょっとへこみました。しかし、かえって明確に自分のやるべきことがわかって。なんとか頑張って対応していこうと決意を新たに、仕事にまい進できました。
当時の上司も「こうした方がいいよ」と、常に私の足りない部分をクリアできるように何度も助言して丁寧に育ててくださったな、と実感しています。自分にとって、本社勤務はキャリアを積む上でも貴重な経験でした。そんな風に、後輩たちにもさまざまな経験をしてほしいですね。
