ものづくりの現場を支える、工場営業の醍醐味

私は、2007年4月に東洋製罐へ入社しました。大学では経済が専攻だったので、金融業やコンサルタントなどへ進む友人もいました。でも、お金そのものを扱う仕事より、ものを作って販売するメーカーで働きたかったんです。ものづくりは堅実で、地に足が付いているところが魅力でした。

入社すると、東洋製罐では、工場での研修からスタートします。どのようにボトルができるかといった生産プロセスのほか、いろいろな課を回りながら業務内容を学びます。

研修を経て私は、販売課に配属されました。工場での営業の仕事は主に、東洋製罐の容器を納めるお客様(飲料メーカーや、中身をつめる充填メーカー)を訪問し、生産の立ち会いや製品の確認を行うことです。

お客様の工場を訪問して、最終段階の生産テストに立ち会った際に、「やはり品質面に不安がある」と言われ生産がストップしかけたこともあります。

品質に問題があれば改善しなくてはなりませんが、実際には問題がない場合もあります。こうなったときは、自社の品質部門の方などに相談しながら、お客様に向けて品質的に問題がないことを、時間をかけて丁寧に説明します。

お客様も自分たちの作るものに責任を負っているので、容器の品質に懸念点があったときには「これ本当に使えるの?」という疑問が必ず出てきます。なので、営業としても製品の知識は求められますし、社内を巻き込んで、ロジカルな説明で働きかけていくことが大事ですね。

ペットボトル1本とっても、本当にいろいろな人が関わっています。作る人がいて、品質を管理する人がいて、運ぶ人がいる。それぞれの役割が細分化されているからこそ、お客様に安心して製品を使ってもらうために営業が人をつなぐ役割を担っているのです。もちろん、さまざまな場面で調整が必要です。業務の知識や社会人としての知識などを、時には怒られながら(笑)。覚えました。

お客様の工場で東洋製罐の製品がリアルタイムで使用される現場を見られるため、ものづくりを実感できるところが工場での営業の醍醐味ですね。東洋製罐の現場とお客様である企業をつなぐことも営業の役割なので、大きなやりがいを感じています。

文化や環境の違いを感じつつ、業務範囲の大きさに面白みを感じたタイでの仕事

▲TOYO SEIKAN (THAILAND) CO.,LTD.

2014年に、タイにある東洋製罐の海外事業会社TOYO SEIKAN (THAILAND) CO.,LTD.(TST)へ出向しました。東洋製罐には4カ国計9つの海外拠点があり、かなりの数の人が海外で働いています。TSTは2013年にできたばかりの海外拠点で、主にプラスチック製品の製造販売、飲料用ペットボトルの製造販売などを行っていました。

出向が決まった時点で、TSTという会社があるのは知っていたんですが、どんな会社かはいまいち知りませんでした。ただ、以前から海外には興味があったので、海外勤務ということは特に抵抗はなかったですね。

TSTでの仕事は、基本的には飲料メーカーへの営業です。TSTでは自社工場で容器製造から充填まで担っているので、飲料メーカーのお客様にTSTへ来てもらって一緒に生産現場に立ち会っていました。

容器だけではなく充填するまでを担っているので、そのあたりは国内にいたころと大きく違った点です。生産の中で関われる範囲が大きい分、面白みもありました。

タイでの仕事では、情報面での不自由さが印象的でした。

日本にいればどんな疑問でも大抵は解決できると思います。例えば品質のことだったら品質課の人に聞けば良いし法務的なことだったら法務部の人に聞いてみればいいし、と専門分野が細分化されていて、なんでも調べられます。

これに対してTSTでは、専門的な部分までとにかく自分で調べなきゃいけないという場面が多かったです。最低限の情報はネットなどで調べたり、詳しそうな人に聞いたりするんですが……。それで調べたものが正しいのかどうかもよく分からず、これでいいのかなあと思いながら、少し怖さを抱えながらやっていく場面は多々ありましたね。

社内の雰囲気は明るかったです。TSTは20代~30代の若い方がとても多く、日本の東洋製罐とはまた雰囲気が違いました。会社全体で200人ほどの社員がいましたが、そのなかで日本人は私含め5,6人程度です。

私のいた営業チームは私以外はみんなタイ人でした。日本人同士だと話さなくても分かる部分だったり通じる部分があったりもしますが、タイでは言語の壁や文化の違いもあるので、話の内容や仕事の頼み方などは、気を遣うところでした。それでもチームワークは良くメンバーの人柄にも恵まれ、タイでの経験は私にとって非常に身になるものでした。

コミュニケーションを深め、現場とお客様の橋渡し役となる

▲タイでの社員旅行にて

タイで5年間過ごしたのち、2019年8月に本社販売第三部へ異動になりました。

2021年現在、私の所属する本社販売第三部は、飲料メーカーにペットボトルや缶などを販売しています。飲料業界は、基本的に新しい会社が次々と出てくる業界ではありません。ですから、既存のお客様と密にコミュニケーションを取り、ニーズを探りながら容器の販売につなげていくのが主な仕事です。

担当企業は複数あり、営業担当も多忙です。部下の業務に滞りがないか、働き過ぎていないかなどに気を付けながらサポートしていくのが私の役割です。

以前は、お客様のところに定期的に訪問し、市場の話など情報交換をしながらご要望を察知して容器のご提案をしていました。コロナ禍の今は、オンラインツールを活用してコミュニケーションを取っています。

本社で営業をやっていても、実際に製品を生産する要である工場とは密に関わりあっています。工場の生産管理部門や品質保証部門に加えて、本社の生産管理部門とも関わりあいがあるので、工場営業の時より声をかける幅は広がりました。

入社してから営業畑一筋ですが、工場や海外などでいろいろな役割を一つひとつ誠実にこなすことで、着実に営業のスキルを上げていけたと感じています。

たとえば、お客様を担当するとき、最初はお互いぎこちない関係から始まるものですよね。東洋製罐は既存のお客様が多いですから、新しく担当になった時はなおのことです。それでも担当のお客様とは毎日のようにコミュニケーションをとり、さまざまな情報を交換しながら良い関係を構築します。最終的にはお客様とサプライヤーという関係を超えた、「何でも言い合える仲」になることを目標としています。

コミュニケーションを深めるプロセスこそが営業の醍醐味でもありますし、その上で、お客様が望んでいるサービスや製品をタイムリーに供給できたときには、大きな喜びとやりがいを感じます。

お客様とのコミュニケーションをする中で大事にしているのは、担当者の視点を忘れないことです。お客様であるメーカーの担当者も組織の中で働いているので、立場を理解しながら仕事をすることが大切です。担当者にも、上司がいて部下がいますから、毎日の業務が忙しい中でも相手の立場を考えながら接することを心掛けています。

自分が話したことや提案したことを、どのように担当者が上司や部下に伝えてどのような反応が返ってくるか。そんなことをイメージしながらコミュニケーションを取っています。お互いWin-Winの関係になるように、現場とお客様の橋渡し役となるのが営業の仕事だと思うんです。

柔軟な働き方で新しい変化の波に一緒に乗ろう

現在はフレックス制度やサテライトオフィスなど柔軟な働き方が増え、営業のスタイルも変化しつつあります。効率的に時間を使えるようになったことで、その分部下とのコミュニケーションを深めたり、商談の打ち合わせができたりするようになりました。

柔軟な働き方ができると時間に余裕ができ、精神的にもゆとりが生まれます。とはいえ、新しい役割を任されたことで、お客様も一部新しくなりました。部下もできたので、今後どのようにサポートすれば日々の業務がよりスムーズに回っていくか、試行錯誤しながら取り組みたいと考えています。

自分も同僚も働きやすい環境となるように、これまでの経験を活かしながら業務の効率化を図っていきたいです。