キャッシュレス決済サービス事業を基盤に、新たな価値創造へ
岡島は、キャッシュレス決済サービス事業及び情報プロセシング事業の両事業を統括する立場から、この革新的な挑戦について次のように語ります。
「TMNは社名の通り、キャッシュレス決済事業だけでなく、あらゆるデジタルデータのハブとして未来を切り拓くことをめざして設立された会社です。
創業当時、各決済ブランド専用の高価な端末がレジにずらりと並ぶ中、私たちは低コストかつ1台で複数ブランドの決済が可能となるクラウド型キャッシュレス決済サービスを立ち上げ、市場に新風を巻き起こしました。
キャッシュレス決済の分野で確固たるシェアを築いた今、創業時の展望であった情報プロセシング事業へ、戦略的にシフトするタイミングを迎えたのです」
キャッシュレス決済事業で培った技術力とネットワークを背景に、情報プロセシング事業を展開するTMN。独自のアプローチで各種データの収集と分析を行い新たな価値創造に向けて果敢に挑んでいます。
「現状、キャッシュレス決済サービスを提供する中で、どの店舗で『いつ』『いくら』どの決済手段が使われたかは把握できますが、実際に消費者が『何を』購入したかは明確に捉えきれていません。さらに、現金取引の内容まで捉えることが難しく、マーケティングに必要なデータが十分に収集できていないのが現実です」
そこでTMNは、クラウドPOSサービスを開発し、現金取引かキャッシュレス決済にかかわらずリアルタイムに購買データをキャッチする仕組みを構築しました。
「外部企業がマーケティングや分析を行う場合、従来はPOSメーカーや店舗からデータを提供してもらう必要がありましたが、クラウドPOSサービスにより、自然とデータが集積されるエコシステムを実現。これが新たなマーケティングソリューションの土台となっています」
さらに、TMNが情報プロセシング事業の一環として展開するハウス電子マネーサービスでは、会員属性を含む詳細な購買データの活用が可能です。
「さまざまなアプローチで得たデータを、データレイクというプラットフォームに集約し、精緻に整形・可視化することで、多角的な分析や未来予測を実現しています。現在、メーカーや卸売業者と共に、データ活用の新たな可能性を探るプロジェクトに取り組んでいる段階です」
情報プロセシング事業初のサービス「ハウスプリペイド」導入の裏側
TMNで10年以上キャリアを重ねてきた岡島。2022年より情報プロセシング事業部門を統括し2024年4月には新たな本部を立ち上げ、従来のキャッシュレス決済サービス事業とのシナジーを最大限に引き出す統合体制を実現しました。
「キャッシュレス決済事業で培った確固たる基盤があるからこそ、情報プロセシング事業にも大胆に挑戦することができたんです。キャッシュレス決済事業と情報プロセシング事業を統合することで、TMNの姿勢を単なる決済サービスにとどまらず、デジタルイノベーション全体へと昇華させる狙いがありました」
TMN設立時からのベテランとして、岡島は数々の複雑な案件を手掛けてきました。ハウス電子マネーサービスの立ち上げでは、社長の指名でプロジェクトをリード。その挑戦が、現在の役割につながっています。
安定したキャッシュレス決済事業の実績があるにも関わらず、新規事業を立ち上げることについて、先行投資や市場の参入障壁の高さなどから社内では保守的な意見や、懸念の声も挙がりました。そこで、岡島は明確な差別化戦略を打ち出しました。
「たとえばハウス電子マネーサービスであれば、大手競合会社が3、4社存在する中で、他社と同様のサービスを提供するだけでなく、クレジット、電子マネー、QR・バーコード決済まで複数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供することにこだわりました。また、キャッシュレス決済サービス事業で培った高いセキュリティ技術も、大きな武器となっています」
岡島にとってとくに印象深かったのは、ある生活協同組合へのハウス電子マネーサービス導入と会員管理基盤構築プロジェクトです。
「クライアントの生活協同組合様は、宅配、店舗、共済など各事業で個別に組合員管理を行っており、全社的なデータ統合・管理ができないという大きな課題を抱えていました。複数のベンダー企業が解決できなかった課題に対し、私たちは『諦めず最後まで絶対にやり抜く』という強い信念で挑戦しました」
要件整理に半年、入札を経て受注してからさらに1年半。トータルで約2年をかけ、顧客の100周年プロジェクトの一環としてシステムを完成させたのです。
「当初は生活協同組合様特有の慣習やルールを十分に理解できず、提案内容に対して度重なるご指摘をいただきました。また、複数の関係会社との調整も一筋縄ではいきませんでした。しかし、プロジェクトを完遂できたことで、今では信頼できるパートナーとして、何か新しい取り組みがあれば最初に相談していただける関係を築くことができました」
二兎追って二兎を得る──新規事業を牽引する挑戦マインド
情報プロセシング事業の立ち上げから今日に至るまで、常に革新と挑戦の最前線に立ってきた岡島。新しいことに果敢に取り組む背景には独自の哲学があります。
「“二兎追う者は一兎も得ず”と言いますが、私は“二兎追って二兎を得る”という考え方です。チャレンジしなかったら何も得られないので、最初から一つに絞るのではなく、まずは一歩踏み出すことで、進んでみることが大切です。一歩進んだからこそ見える世界は、誰かの後ろでやってみた世界とは全く異なります。
私は何でもやってみたいタイプなので、新しいものが来たらとりあえずやってみて、やってから考えようという方針です。失敗すらも成功への貴重なステップだと捉えており、成功への過程の一つと考えています。
仕事は人生の中で4割から5割弱の時間を占めます。人生の大半を占める時間をいかに楽しく過ごすのか。それを考えると、何でもやってみたくなるんです」
仕事に対する高いモチベーションの源について尋ねると、「新しいことへのワクワク感」だと言う岡島。
「未知の領域に足を踏み入れ、新たな発見や知識を獲得する過程そのものに情熱を燃やし、出来上がったシステムのさらなる安定運用にも真摯に取り組んでいます。課題が見つかれば、まずは有識者やお客様からのフィードバックをもとに、業界全体の状況を多角的に検証して、その上で、最適なソリューションを導き出すプロセスを大切にしています」
情報プロセシング事業が描く壮大なビジョンの中で、常に新たな企画や取り組みが社内から提案されています。岡島はこれらの挑戦を前向きに捉え、丁寧なコミュニケーションと柔軟なリソース配分により、一つひとつの新規プロジェクトを確実に実現していく姿勢を示していきたいと考えています。
社会課題に挑む新事業。共に新たな分野を切り拓く人材を期待
TMNが情報プロセシング事業を推進する中、岡島は流通小売業界に潜むキャッシュレス決済の手数料問題に鋭い視点を向けています。
「政府のキャッシュレス推進によりキャッシュレス化は進展し便利になった一方で、お店には売上の数%の手数料が発生しており、国内では毎日数億円規模もの手数料がお店の売り上げを圧迫している現状があります。
キャッシュレス決済がお店にとって単なるインフラとしてのコストとならないよう、情報プロセシングによりキャッシュレス決済の付加価値を向上できると考えています」
岡島がめざすのは、情報プロセシングにより購買データなど情報の流れを整流化させることで個々の取引の改善に留まらず、流通領域におけるサプライチェーン全体の抜本的改革。現行の予測生産に依存し、売れ残りを廃棄する非効率な流通モデルに代わり、リアルタイムな購買データを活用して「無駄のない」新たなエコシステムの実現を追求しています。
この未来志向の挑戦には、常に新しいことに果敢に挑戦し、柔軟かつ自律的に判断できる人材が不可欠です。岡島は次のように語ります。
「未知の領域で戦うには、単なるアイデアだけでなく、システムの知識やマネタイズの視点を兼ね備えたリーダーが必要です。私たちが求めるのは、一つのサービスを独立したビジネスとして切り拓ける、次代の旗手です」
その様な人材が活躍できる組織の環境整備も岡島のミッションです。
「自由なコミュニケーションが行える、フラットで柔軟な組織文化を育んでいます。盤石なキャッシュレス決済事業という堅実な事業基盤を背景に、短期的な利益だけでなく、社会への真の貢献を追求する長期的な視点を大切にしています」
社会課題の解決と未来の創造。その両立に挑むTMNの挑戦は、これからも続いていきます。
※ 記載内容は2025年1月時点のものです
