SBプレイヤーズグループで人材育成を担う落合。多様な経歴を持つ中途入社社員が「学びたくなる」組織を目指し、学びを一人ひとりの成長につなげる仕組みづくりに挑んできました。今回は、「まだ成長したい」という気持ちを置き去りにしない育成への思いを聞きました。
1.一人ひとり違うから、学び方も一つじゃない
――SBプレイヤーズでは、人材育成をどのように考えていますか?
私たちが人材育成を考えるとき、まず大前提にしているのが、「必要な学びは、人によって違う」ということです。
SBプレイヤーズグループの社員は全員が中途入社。これまで歩んできた業界も職種も、本当にさまざまです。
営業経験が長い人もいれば、エンジニアとしてキャリアを積んできた人もいる。
マネジメント経験が豊富な人もいれば、初めてプロジェクトを任される人もいる。
これだけ違えば、今持っている強みも、次に伸ばしたい力も違って当然です。
だから、全員に同じ研修を用意して「受けてください」だけでは、もったいないと思っています。
どれだけ良い研修でも、本人が「なぜ自分がこれを学ぶのか」を腹落ちできていなければ、学びはなかなか自分のものになりません。
大事にしているのは、まず本人と上司が「今後どうなりたいのか」「そのために今、何を伸ばす必要があるのか」をすり合わせること。そのうえで、自分に本当に必要な研修を選ぶ。
研修は、参加することがゴールではありません。
「自分は何を学びに行くのか」。そこを考えるところから、すでに学びは始まっています。
2.「選べる」。でも、「本人任せ」にはしない
――本人が自分で選ぶことを大切にしているのですね。
はい。ただ、すべてを本人任せにすることも違うと思っています。
自分で学ぼうとすると、どうしても「今の仕事ですぐ必要なこと」に目が向きがちです。
もちろん、それも大事です。
一方で、今すぐ必要ではなくても、半年後、1年後、その先のキャリアで必要になる力もあります。
私たちが大切にしているのは、「今を動かす学び」と「未来を創る学び」の両方を届けること。
社員が今感じている課題や「これを学びたい」という声は、できるだけ取り入れます。 一方で、それだけに寄せるのではなく、事業や組織が目指す方向、世の中の変化も見ながら、「これから必要になる力」や「本人だけでは気づきにくい学び」も届ける。
私たちは、そんな社員のニーズの「半歩先」を考えることを意識しています。
そのため、現在は大きく次のような学びの機会を用意しています。
■入社時の学び
業界やグループの事業、社内ルールを知るだけでなく、同じタイミングで入社した社員同士で対話し、会社や部署を越えたつながりをつくります。
■ビジネスの土台となる学び
コンプライアンス、コーポレートガバナンス、事業に関わる法律、会計、インテグリティなど、仕事をするうえで欠かせない知識を学びます。
■職種を問わず活かせる普遍的な学び
考え抜く力、相手に伝える力、プロジェクトを前に進める力を伸ばすプログラムに加え、生成AIなどのデジタル活用といった、仮に職種や役割が変わっても活きる普遍的な力を幅広く磨きます。さらに、マネジメントやフォロワーシップなど「周囲と成果を生み出す力」、アセスメントを通じて「自分自身を理解する機会」も用意しています。
■自分で学びを広げられる仕組み
自ら選んで学べる多様な学習コンテンツのほか、外部研修への参加、資格取得、書籍購入なども会社として支援しています。
会社から一方的に「これを学んでください」と決めるだけでもない。
かといって、「必要だと思ったら自分で勉強してください」と突き放すわけでもない。
必要な土台は会社がつくり、その先には自分で選べる余白を残す。
そのバランスは、とても大事にしています。
3.検索すれば何でも学べる時代。それでも、会社で研修をする理由
――オンライン動画や書籍など、個人で学ぶ手段も増えています。それでも集合研修を実施するのはなぜでしょうか?
今は、知識だけであれば本当にいろいろな方法で学べる時代です。
簡単に動画で学べる。書籍も手に入る。生成AIに質問することもできる。
だからこそ私たちも、「会社だからこそ提供できる学びとは何だろう?」と考えてきました。
その一つが、会社や仕事という共通項を持ちながら、一緒に学ぶことです。
SBプレイヤーズグループには、異なる事業、職種、経験を持つ社員が集まっています。 共通するものがありながら、経験や立場が違う。だからこそ、同じテーマでも見えている景色は違います。
同じテーマについて考え、意見を交わす中で、自分一人では持てなかった視点に出会う。 「そんな捉え方もあるんだ」と、自分の当たり前が少し揺さぶられることもあります。
さらに、そこで生まれるのは学びだけではありません。
普段は接点のない社員を知り、その後、会社や部署を越えた連携や協働につながることもあります。
学びをきっかけに、それまで接点のなかった人との関係まで広がっていく。
これも、同じSBプレイヤーズグループの仲間と学ぶからこそ生まれる価値です。
実際、今年度の研修アンケートでは、9割以上が「他の参加者と対話するワークが、学びや気づきにつながった」と回答。
「自分の考えを深めたうえで他者の意見を聞くことで、自分とは違う考え方を知ることができた」 「普段なかなか話す機会のない人ともコミュニケーションが取れ、部署を越えて、気軽に相談できるつながりができた」といった声も寄せられました。
一人で学ぶだけでは得られない視点と、新しいつながり。
その両方を得られることが、同じSBプレイヤーズグループの仲間と学ぶ大きな価値だと考えています。
4.研修の1日だけでは、人は変わらない
――学んだことを、実際の仕事につなげるための工夫もあるのでしょうか?
ここは、かなり意識しています。
どれだけ研修中に「なるほど」と思っても、そのまま日常業務に戻れば、忙しさの中で忘れてしまうものです。
だからこそ私たちは、研修当日のプログラムだけではなく、その前後まで含めて育成を設計しています。
・研修前には、自分が今どんなことに課題を感じているのか、何を持ち帰りたいのかを整理する。
・研修中は、講義を聞くだけではなく、自分で考え、他の社員と話し、アウトプットする。
・そして研修後には、「何を学んだのか」「仕事でどう使いたいのか」を自分の言葉で整理します。
さらに重要なのが、上司の存在です。
・研修で学んだことを活かせる仕事を任せる。
・日々の業務の中で「あの研修でやった考え方、ここで使えそうだね」と声をかける。
・チャレンジした後に、フィードバックする。
研修で得た学びを、「なるほど」だけで終わらせたくない。
本人の意欲に、こうし囲の関わりが加わることで、学びは少しずつ実践に繋がっていくと考えています。
そのため、上司にも研修の目的や内容を事前に共有し、 研修後には、本人から学んだことや今後活かしたいことを伝える機会も設けています。
研修のゴールは、「受講済み」になることではありません。
学んだことを仕事の中で使い、試し、自分のものにしていくこと。
研修が終わってからが、本当のスタートです。
5.目指すのは、「会社に言われたから学ぶ」がなくなること
――今後、どんな人材育成を目指していきたいですか?
目指しているのは、社員一人ひとりが、自分に必要な学びを自ら考え、取りに行ける状態です。
「この研修を受ければ評価されるから」「会社に言われたから」ではなく、
「もっと良い仕事をしたい」「できることを増やしたい」「この課題を解決できるようになりたい」。
そんな自分の中から生まれる気持ちを起点に、自然と学び続けられる組織が理想です。ただし、「じゃあ、あとは自分で頑張ってください」という意味ではありません。
学びたいと思ったとき、すぐにアクセスできるコンテンツがある。
今の自分では気づいていない学びにも出会える。
そして、ときには会社や上司から少し背中を押される。
自律的に学ぶことを目指すからこそ、本人任せにはしない。
学ぶきっかけや選択肢を用意し、「やってみよう」と思ったときに一歩踏み出せる環境をつくることも、会社の役割だと考えています。
「学ばされる」から、「学びたくなる」へ。
そんな変化を生み出せる人材育成を、これからも目指していきます。
6.成長したい。でも、いつも自分一人で頑張れるわけじゃない ――最後に、「入社後に成長できる環境か」を重視している方へメッセージをお願いします。
成長したいと思っていても、毎日高いモチベーションで勉強し続けられる人ばかりではないと思います。
仕事が忙しく、自分の成長について考える余裕がなくなるときもある。
だからこそ私たちは、少しお節介なくらいでいいと思っています。
自分では気づいていなかった学びに出会ったり、誰かに背中を押されて一歩踏み出したり。
そうしたきっかけをつくることも、会社の役割の一つです。
そして、成長の機会は研修や学びの場だけではありません。
上司から新しい役割や少し背伸びが必要な仕事を任されるなど、実務そのものが成長の機会になることもあります。
SBプレイヤーズグループに集まっているのは、すでにさまざまな経験を積んできた中途入社社員です。でも、入社が成長のゴールになるわけではありません。これまで培ってきたものを強みにしながら、新しい学び、新しい仕事、新しい役割、
新しい人との出会いを通じて、さらに自分自身をアップデートしていく。
中途入社後も、「まだ成長したい」という気持ちを置き去りにせず、成長し続けられる会社でありたい。
それが、SBプレイヤーズの人材育成が目指している姿です。
※ 記載内容は2026年10月時点のものです
