部活動のキャプテンとして学んだリーダーシップと、地元での安定を求めた就職活動
学生時代は部活動と資格勉強の両立に全力を注いでいました。部活動では強豪校というわけではありませんでしたが、キャプテンとして約60名の部員を束ねる役割を担っていました。この経験は私にとって、人をまとめることの難しさと大切さを学ぶ貴重な機会となりました。
部員をまとめる中で最も困難だったのは、モチベーションの差から生まれる意見の対立でした。人によって能力や実力に差があり、部活に対する熱量も大きく異なっていたため、練習への取り組み姿勢や考え方に違いが生まれ、時には喧嘩になるような場面もありました。異なる価値観を持つメンバーの間に立ち、それぞれの思いを理解しながら仲介していく作業は、想像以上に難しいものでした。しかし、この経験を通じて、多様な考え方を持つ人々と協働していく力を身につけることができたと感じています。
資格勉強にも力を入れていました。とくに汎用性の高い日商簿記を中心に、多数の資格取得に励みました。資格取得には二つの目的がありました。一つ目は定量的なスキルを手に入れることです。資格は就職活動において最も定量的に判断できる項目であり、評価していただきやすいと考えました。二つ目は努力して成果を上げる能力を身につけることです。取得難易度が高い資格をめざすことで、高校3年間のうちにたくさんの知識を身につけ、それらを試験当日に発揮できる能力が必要であり、そうした力を養うことができると考えていました。
就職活動では、地元での就職と、企業としての安定性を基軸に企業を探していました。Santenについては、医薬品目薬における高い専門性をもつ国内企業というイメージを持っていました。そして、自分の就職活動の基軸に合致していることが入社の決め手となりました。面接では緊張していましたが、面接官の方々が優しい笑顔で質疑を開始してくださったことが印象に残っています。その温かい雰囲気に、この会社で働きたいという思いがよりいっそう強くなりました。
社会人として歩み始めた日々、そして新たな挑戦への道
入社後は、まず社会人として必要な基礎知識に関する研修を受けました。学生から社会人へと立場が変わる中で、組織の一員としての心構えや基本的なマナーを学ぶ貴重な時間となりました。研修を終えると、いよいよ担当部署への配属です。私は製造オペレーション業務を担当することになりました。
配属当初は、製造ラインのオペレーターとして日々の製造業務に携わっていました。製造システムの操作スキルや機械メンテナンス技術といった実務的なスキルはもちろん、医薬品製造に必須となるGMP※知識も実践を通じて身につけていきました。さらに、製剤特性や品質保証における基礎知識、生産ライン設計知識など、幅広い領域の知識を獲得していく日々でした。やがてラインリーダーとしてのマネジメント能力や、トラブル対応時の指示・判断能力も求められるようになり、着実に成長を実感できました。
※GMP(Good Manufacturing Practice)は、製品の品質と安全性を確保するための製造管理・品質管理の基準。
現在は、当時の配属ラインから異動し、新規製造ラインの立ち上げという重要な役割を担っています。工場内外を問わずさまざまな部署と連携しながら、これまで培ってきたGMP知識を活用する仕事です。この異動には経緯がありました。私はこれまで眼軟膏というSantenの中でも特殊製剤に分類される製品を製造してきました。その経験を活かしながら、点眼剤という最も主力となる製品の製造ラインへ携わることで、より幅広い分野での活動を行えるようになりたいと考えていました。そんな思いが上司にも伝わり、異動のお話をいただいたのです。
当初はギャップも感じました。無菌製剤特有の想像以上に厳しい制限には正直驚きました。それらの制限や考え方も日々変化しており、常に新たな知識が求められる環境です。私たちが順守しているものの一つにPICS Annex1がありますが、この原文で求められている内容は抽象的で解釈が難しいこともあります。そうした場面では、上司やQA(品質保証部門)と協議しながらSantenとしての回答を得て、問題の解決を図っています。患者さんにとって安心できる製品を製造するために、どのような製造状況が求められているのか、どのような手段を講じるべきなのか。そうした検討を重ねる日々が、今の私を形作っています。
ラインリーダーとして挑む、新しい生産体制の確立とチームの成長
現在私は滋賀工場の製造2チームに所属しており、部署のミッションは安定供給・新製品の製造・製品品質の向上で、私自身はチーム内で製造記録管理システムのシステム責任者と生産ラインのラインリーダー、つまり工程責任者を担っています。
ラインリーダーとしてとくにやりがいを感じたのは、メンバーからの作業上の不安や不満などを早期改善に結びつけ、生産性の向上と高水準な品質での製造体制を確立できたことです。早期改善に取り組んだことで、メンバーに改善効果を実感してもらえ、それぞれの積極的な改善意識醸成にもつながりました。この成果を生み出すために、私がとくに心がけたのはメンバーとの日常的なコミュニケーションです。メンバーによっては課題や不安点などを抱えていても、解決する手段や方法がわからない場合もあると思っています。責任者として、コミュニケーションをとる中で小さな不安点なども見つけ出し、解決の方向性や手助けをして早期解決することで、メンバーのみなさんに解決手法の教育と、課題解決ができるというマインドを持ってもらえるよう心がけました。
一方で、大きな苦労もありました。これまでの決められた生産方法や体制を安定的かつより改善する業務から、生産方法・体制を確立させる仕事に変化したことで、必要な知識や考え方、協働する部署やメンバーが大きく変化しました。一つ一つの業務に必要なパワーが大きくなり、本当に苦労したことを覚えています。
困難を乗り越えるためにとった行動は「周囲の人に助けてもらう」です。生産ライン立ち上げという大きなプロジェクトを達成するために、さまざまな部署の担当者がアサインされています。私一人では解決できない課題に対しても、各分野でのスペシャリストや担当者と課題を共有し解決策を模索することで、それらは解決可能な課題になると実感しました。また、私と共に仕事をしている製造ラインメンバーにも課題のレベル感を考慮しながら協力してもらいました。全員が同じ課題認識を持って業務を行えたことは、組織としての能力を発揮できたと感じました。
こうした経験を通じて、学生時代と比べ、視野を広く持てるようになったと感じています。日々の業務や緊急時などでその事象だけでなく、それらに付随する全体感を俯瞰できるようになりました。この成長には周囲の方々の影響が非常に大きかったと思います。新しいことを学ぶ姿勢はあったと自負しているのですが、自分で考えて答えを見つけたり疑問を解決しようとする思考がなかった時にも、先輩からの「これまで教えてきた内容を振り返ればわかる質問だから、一度考えてきて、それでもわからなければまたおいで」や「このトラブルの対処をどうしたらいいと思う?」などの問いかけにより、教えてもらい成長するフェーズから自分で考えて答えを出していくフェーズに来たことを気づかせてもらいました。この他にも、仕事への取り組み姿勢や考え方を相談したり・サポートいただきながら成長できたと考えています。
患者さんに信頼される製品を届けるために、リーダーとして挑戦し続ける未来
短期的には、現在取り組んでいるライン立ち上げを完遂することが私の目標です。製品を必要としてくださる患者さんに安定供給できるよう、この新しいラインを確実に稼働させることに全力を注いでいます。この目標の先には、中長期的なビジョンがあります。リーダーとしてさまざまな部門やメンバーと協働しながら、安定した生産体制をより強固なものにしていきたいと考えています。そして、患者さんに信頼される製品を作り続けることが私の使命だと思っています。
リーダーとして成長するために、今後培っていきたいスキルや経験があります。これまでは製品の製造という観点で他部署と関わってきましたが、これからは物流関連の部署とも連携を取り、サプライチェーン全体を理解したいと考えています。患者さんが必要としている製品を、より身近に理解しながら業務を行うことで、より良い製品供給が実現できると信じています。また、日々業務を共にするメンバーとの連携を強固にし、組織風土の向上や活力ある生産ラインを作るために、人材マネジメント能力の向上も図っていきたいと思っています。
Santenで働く魅力についてお伝えしたいことがあります。Santenは無菌医薬品を取り扱うグローバル企業です。無菌医薬品特有の難しさや大変さは確かにありますし、海外向け製品では言語や文化の違う海外の方とも連携しながら業務を行うこともあります。しかし、全員がめざすゴールは同じです。患者さんが安心して使用できる製品を安定的に供給することを目標として、みんなが一丸となって業務を行っています。さまざまなスペシャリストや多様な考え方に触れることで、自分の知見を広げながら課題を解決できるおもしろさがあります。製造オペレーションにおけるメンバーとの連携や社内資格取得などによる達成感も得られるはずです。
皆さんにお伝えしたいのは、Santenには成長の機会が豊富にあるということです。段階に応じた研修による必要な知識取得や、上司との話し合いの中で展開されているプロジェクトへの参加を通じて、自分がチャレンジしたい案件に挑戦し成長する機会を得ることができます。また、力を入れている新製品の開発や上市の活動に参画することで、さまざまな人脈形成やより高度な専門性取得など、自身のスキルやレベルを成長させることができる大きな機会になります。変化を恐れることなく、新しいことに挑戦できるマインドを持った方、そしてGMPに対する知識を有した方や共に成長する姿勢を持った方に、ぜひジョインしていただきたいと思っています。
