長野から石川へ。音楽と健康への想いが導いた参天製薬との出会い
長野県の北部、志賀高原など有名な山々に囲まれた地域で育ちました。大学時代は学業に励みながら、バンド活動に情熱を注いでいました。オリジナル曲を作って、月に1回はライブハウスでライブをする。基本的に土日はメンバーと集まって練習をする。そんな日々でした。自分たちでCDを自主制作したときは、ものづくりの大変さを実感しましたが、完成したときの喜びと感動は今でも忘れられません。ライブハウスの人たちや県外のバンド、時には有名なバンドと一緒にイベントをしたり、さまざまな人との関わりを持てたことは本当にいい経験になりました。知らない人が何度もライブに足を運んでくれたときは、自分たちで生み出したものを認めてもらえる喜びを感じました。
バンド活動と並行して、アルバイトにも力を入れていました。実は中学生の頃からずっとアルバイトを続けていて、新聞配達、ファミレス、引っ越し業者、家庭教師、塾講師、居酒屋など、本当にさまざまな仕事を経験しました。週4日から5日はアルバイトをしていましたね。いろんな業種の経験やその時の人との関わりが、いろいろな角度から物事を見る今の仕事のスキルにもつながっていると感じます。
就職活動を始めるにあたって、職種に強いこだわりはありませんでしたが、人の健康に関わりたいという思いを漠然と抱いていました。幼少期から自分自身も怪我や病気で病院に行くことが多く、祖父母も病気で早くに亡くなっていて、お見舞いで病院に行く機会が多くありました。健康や医療、そして死というものに触れる機会が多かったんです。そうした経験が自分の根底にあって、就職活動でさまざまな企業を見ていく中で、やはりその思いが強くなっていきました。そうした中で、人の健康に関わることを踏まえて食という観点から食品業界、医薬医療という観点から製薬業界を軸に企業を探していました。
Santenについては、サンテFXという商品のイメージが強く、薬局で目薬を販売している会社という印象を最初は持っていました。しかし調べていくうちに、主力は処方箋で処方される医療用医薬品であり、専門性が非常に高いことを知りました。これを知ったとき、より人の健康に関与できると感じたんです。応募していた能登工場の採用枠も、製品の大部分を製造しているメイン工場ということで、自分の価値観とマッチしていました。ブランド力と専門性の高さ、研究開発による創薬を実施していること、そして会社の理念が顧客の健康を考えることにつながると感じたことが、入社を決めた理由です。
正直なところ、石川県という見知らぬ土地へ一人で行くことには不安もありました。友達が地元や東京、大阪で就職する中、自分だけが知らない場所へ行く。でも採用活動で実際に石川県を訪れたとき、工場からもそれほど遠くない位置に栄えた観光地である金沢があることがわかりました。海も近くて海の幸がとてもおいしい。石川県内には観光名所もたくさんある。そういった生活面においての不安は徐々に和らいでいき、逆に楽しめそうだという思いが増していきました。住めば都ということもある。そう考えて、能登工場で挑戦したいと決意しました。面接も和やかな雰囲気で、上位層の方も真摯に話を聞いて評価してくれる姿勢に好感を持ちました。こうして私はSantenへの入社を決めたのです。
本社研修から始まる能登工場での挑戦と成長の軌跡
入社後、私は1カ月間、本社で研修を受けることになりました。会社のことやビジネススキル、QCスキルなどを学び、グループワークを中心に実施されたプログラムは、自分の意見を言うことや、役割に応じた行動を学ぶ貴重な機会となりました。こうしたグループワークで培った行動面でのスキルは、その後どの業務においても役に立つと感じています。
本社での研修を終えて能登工場に配属されてからは、工場内の複数のチームに数週間ずつ研修してまわり、それぞれのチームの特色を学ぶ機会がありました。そうした研修期間が終わり、入社時に正式に配属されたのは、マルチドーズの医療用医薬品を製造する製剤チームです。3交代での勤務形態をしながら薬液の製剤化工程に従事することになりました。正直に言うと、深夜のアルバイトをしていた経験もあり、入社時にはそれほど気にしていなかったのですが、いざ交代勤務をしてみると想像以上に大変でした。1週間ずつ勤務時間がずれるので体を合わせるのが難しく、当たり前のように勤務している先輩方はすごいなと思ったのを覚えています。これが入社後に感じた最初のギャップでした。
その後、入社1年目頃に品質管理チームへの異動の話がありました。当時品質管理チームに欠員が出たこと、そして大学院卒であること、工場の状況を少しは理解しているという点で声がかかったのです。品質管理チームでは理化学的な試験やシステム管理などを担当しました。そして入社6年目には、工場の品質部門の強化を目的とした品質管理チームと品質保証チームのメンバートレードにより、品質保証チームに配属されることになりました。品質保証は製品の品質保証はもとより、医薬品工場としての基本であるGMP※を維持管理、向上させる業務が主であり、非常にやりがいのある仕事です。
※GMP(Good Manufacturing Practice)は、製品の品質と安全性を確保するための製造管理・品質管理の基準
業務体系や内容そのものは大きく変化しましたが、どのチームにいても大きな目標は患者さまの健康を考えるということには変わりはありません。そこは一貫しています。ただ、その目標に達するまでのプロセスには違いがあり、それらを経験したことは、全体感で業務をとらえることに役立っています。複数の部署での業務経験は、現在の品質保証業務において工場全体を把握できる強みとなっており、さまざまな部署のチーム員とのつながりを作る上でも非常に有用だったと感じています。
品質を守る最後の砦として、患者さんへ製品を届ける責任とやりがい
現在、私は能登工場の品質保証チームに所属しています。品質保証というのは、工場で製造される製品の品質に問題がないことを保証し、患者さんと患者さんに関わる人たちが安心して使用できる医薬品を恒常的に届けることがミッションです。間接的ではありますが、製品の品質に直結する仕事であり、製品品質を守るための最後の砦としての役割を担っています。責任が大きい分、日々やりがいを感じながら働いています。
現在の主な業務としては、変更管理責任者として変更管理のレビューや評価を行っています。変更管理は医薬品工場として重要なファクターであり、工場のGMPレベルが維持向上できるようハンドリングをしています。その他にも、新規製品導入や既存製品の変更により発生する薬事申請に関連する業務を担当しています。具体的には申請資料の準備や、当局からの照会事項の回答書の作成などです。申請は日本国内だけではなく、海外でも行っていますので、英語を用いたやり取りや資料作成が伴います。また、工場のQAとして、品質向上や課題解決のためのアドバイス実施、製造部門や品質管理部門を強化するための活動にも取り組んでいます。
この仕事でとくにやりがいを感じるのは、新製品が無事に製品化され、市場に流通する瞬間です。自分が関わった製品が実際に患者さんのもとに届くという実感が得られる瞬間でもあります。
一方で、QA業務は判断力が常に求められる仕事であり、常に多角的に考え、どのように品質を守るかを考える必要があります。これがやりがいであると同時に非常に大変な部分でもあります。判断を迫られる場面では、まず患者さんに不利益がないことが前提となります。そして、得られているデータで求めている品質に問題がないと言えるかどうかを確認し判断します。判断するための情報に抜け漏れがないようにいろんな可能性を考え、その可能性がつぶせる根拠となるデータがそろっているのか、というプロセスで考えることを心がけています。
また、さまざまな国の当局から査察を受ける機会がありますが、査察官の質問への対応や回答にも非常に神経を使います。特に海外当局による査察の場合は、言葉の壁もあり、お互いが理解し合うことに苦労します。通訳の方を基本的に用意しますが、誤訳などもあり、間違った内容でコミュニケーションすることがあります。ミスコミュニケーションによる間違った評価は不当となるため、時間の限りお互いが理解できるまでコミュニケーションを継続します。相手の表情や、言葉が英語の場合は聞き取れる英語からある程度内容を予測し、コミュニケーションが適切に取れているかを確認するようにしています。
こうした経験を通じて、いろんなリスクを考えられるようになりました。また、品質を保証するということは必須で、患者さんに優れた医薬品を届けるというベースも変わりませんが、恒常的に製品を届けるためには企業の存続も重要であることから、どのように品質を担保しながら企業存続による患者さんへのアウトプットをするかという視点も増えてきたと感じています。
現在は、無菌医薬品を製造する工場として、無菌製造に対する知識や原理原則などをどのように従業員に浸透させるかに取り組んでいます。人を育てるという取り組みはすぐに成果が見えてきませんが、品質向上にはかかせない重要な取り組みであり、やりがいがあります。
より強い工場づくりと、能登で働く魅力を伝えたい
短期的な目標としては、現在取り組んでいる製造部門や品質部門の強化をさらに深掘りしていきたいと考えています。より強い工場、そして人の創生と維持に関わっていきたいですね。具体的には、製造にかかわる原理原則などの定期的な教育や実習、製造部門への問題解決のためのスキル強化、そしてQA自身の知識や判断力を養うための教育などのカリキュラムを検討し、実際に運用していくことを考えています。
中長期的には、工場全体や工場外部門との懸け橋となり、それらを引っ張れるリーダーシップを形成したいと思っています。そのためには、工場全体に関わるプロジェクトやワーキングにおいて、ファシリテートや率先して意見を言うなどのスキルが必要だと考えており、日々意識して取り組んでいます。
皆様に伝えたいのは、何といってもこの仕事のやりがいです。当社で製造される医薬品の大部分を製造している能登工場で働くということは、多くの患者さんに寄与することにつながります。工場でありながら顧客や患者さんに強く関わっているということが実感できるんです。組織風土も風通しが良く、なんでも言える職場ですし、休暇も取りやすく、時短や育休も取得できるので働きやすい会社だと思います。
一緒に働きたいのは、責任感があり向上心のある人、同じ方向性を見据えて取り組める人ですね。そして、能登を愛してくれる人と働きたいです。私自身は県外出身者ですが、能登工場で働いている間に結婚もして家庭を持ちました。家庭をもつと地域への関わりが強くなりますが、周りの方はとてもやさしく、気にかけてくれます。地域の行事なども親切に教えてくれて、そういった人と関わることで、地元以上に好きな場所になっているんです。
勤務地や地元から離れるのが不安で応募をためらっている方もいるかもしれませんが、能登工場での仕事は間違いなくやりがいがありますし、チャレンジ精神や向上心のある方ならステップアップももちろん可能です。石川県は有名観光地もたくさんありますし、食べ物もおいしく、人もいいです。自治体によっては子どもの医療費が無料など、家族で住むにもよい点がたくさんあります。住めば都と言われる通り、環境変化を踏まえても能登工場で働くことはプラスだと思います。どんな仕事も大変ではありますし、品質を保証する部門であるためお堅い部分もありますが、まずは向上心があり、チャレンジすることでチームをより活性化できる人材に期待しています。ぜひ一歩踏み出して、一緒に働きましょう。
