データとAIで事業成長を加速させる、グローバルなビジネスパートナーとして
私が所属するDigital and Infomation Technology(DIT)本部は、Santenの全社中期経営計画の実現に向けて、データ・生成AI・IT基盤を活用し、事業成長と業務変革を支えるビジネスパートナーとして活動している組織です。 あわせて、情報セキュリティやITレジリエンスといった、信頼性の高いデジタル基盤をグローバルに提供する役割も担っています。
私たちのミッションはとてもシンプルです。デジタルとITの力で事業成長を加速させること。そして、情報セキュリティとITレジリエンスを基盤とした安定的な事業運営を支え、Santenの価値創出に継続的に貢献していくことです。
DIT本部の組織の構成は、グローバル機能×リージョンのマトリクス型組織となっており、各リージョンのDIT組織に加えて、Business Solutions、Global Digital Innovation、Data & Analytics 、IT infrastructure、securityといった専門組織が配置されています。各リージョンにビジネスパートナー機能を持ちながら、グローバル機能であるCenter of Excellence (CoE)と連携して全社を支える体制です。
こうした体制のもとで働くメンバーは実に多様な専門性を持っていますが、何より印象的なのは、現場の業務理解を大切にし、事業部門と対話しながら一緒に答えを探す、オープンで協力的なカルチャーが根付いていることです。このカルチャーは一朝一夕に生まれたものではありません。DIT本部では、事業部門の年次計画や中期経営計画の策定段階から関与し、ビジネスパートナーとして課題や目的を共有しながら、解決策を共に考える取り組みを地道に積み重ねてきました。
こうした協働カルチャーの中で私は、グローバル機能(CoE)であるGlobal Digital Innovation部の部長として、生成AI・データ&アナリティクス・自動化領域をリードしています。事業課題起点でのAI活用や、新しいデジタルケイパビリティの創出を通じて、DIT本部が事業成長に継続的に価値を提供できるよう推進する役割です。
私が率いるGlobal Digital Innovationチームは、ビジネス部門出身者を中心に構成されており、DIT本部の中でも、とくに事業に近い立場で価値創出に取り組んでいます。生成AIとデータ&アナリティクスは中期経営計画においても事業成長を支える柱の取り組みとして位置づけられており、その実行と定着をリードするのが私たちのチームです。前向きで、笑いの絶えない、とても楽しいチームでもあります。
メンバーはアジア、ヨーロッパ、アメリカに拠点を置き、定例会議に加えて、Teamsのチャットでも日常的にこまめなコミュニケーションを行っています。事務連絡だけでなく、ちょっとした気づきや面白かった出来事も気軽に共有し合う中で、私自身もできるだけオープンに発信することを意識し、透明性の高いコラボレーション文化を大切にしています。
挑戦と不安の中で踏み出した、中期経営計画を担う一歩
2025年2月、私はSantenに入社しました。外資系コマーシャル領域出身の私にとって、この入社は大きな転機でした。初めての日本企業、そして初めてIT組織で部署を率いる立場となり、期待と同時に不安も入り混じった、少し複雑な心境だったことを今でもよく覚えています。中期経営計画に記載された重点領域をリードする役割を担えることに、大きなやりがいと期待を感じる一方で、その責任の重さも強く感じていました。
入社後は、中期経営計画の重点領域である生成AIとデータ&アナリティクスを軸に、すぐに動き始めました。実行と定着を見据えた体制づくりとして、全社戦略やロードマップの策定に加え、Microsoft 365 Copilotの全社展開、生成AIアンバサダー体制の構築、リテラシー向上、ガバナンス整備などに取り組んできました。単なる施策の推進に留まらず、事業部門と共に価値を生み出し続けられる組織基盤を整えること。それを最も大切にしてきたのが、この期間の大きなテーマです。あわせて、役割や期待値を明確にしながら、新たなチームづくりにも注力しました。
中でもとくに印象に残っているのが、Microsoft 365 Copilotの全社導入です。当初は段階的な展開を想定していましたが、ビジネス側との対話を重ねる中で、状況は大きく変わっていきました。先行導入ユーザーの月間活用率はほぼ100%に近づき、利用者も約300人から600人超へと拡大。現場からは、「もうCopilotがない状態には戻れない」「日常業務に完全に溶け込んでいる」といった声が自然に上がり始めました。この数値の伸びとユーザーの実感が一致していることを、経営陣やビジネス側と対話を重ねながら共有できたことが、全社導入を前倒しで判断する大きな手応えになりました。
とはいえ、この前倒し導入は決して平坦な道のりではありませんでした。インフラやセキュリティ、海外拠点対応、サービスオペレーションとの調整など、複数の重要業務が同時並行で進む状況は、従来のIT施策とは異なる難しさがありました。とくに、生成AIのように変化のスピードがきわめて速い取り組みでは、スピードを重視し完璧を求めすぎないデジタル側の進め方と、安定性や再現性を重視するインフラ・セキュリティ・サービスオペレーションとの間で、相互理解と歩み寄りが不可欠でした。これは、当初の想定以上に難易度の高い課題でした。
それでも、部門内で継続的に対話を重ねながら、各メンバーが自分にできることを考え、役割の枠を超えて主体的に動いたことで、チームとしてこの状況を乗り切ることができました。本来の担当範囲を超えて関係部門との調整役を引き受けたメンバー、導入直前まで社内外向けコミュニケーションに粘り強く向き合ったメンバー、海外メンバーとの導入オペレーションを支えたメンバー、そして全体を俯瞰しながら状況整理と優先度付けを担ったメンバーなど、それぞれが自分の持ち場で一歩踏み出した結果、チームとして前に進むことができた――そのプロセスが、何より印象に残っています。この経験を通じて、改めてDIT本部のチーム力と、組織としての底力を強く実感しました。
納得感と主体性を育むマネジメント——信頼が生む成長の循環
チームをまとめるうえで私が最も大切にしているのは、楽しく、明るく、前向きな雰囲気をつくりながら、役割や期待値、判断の背景をできるだけ丁寧に共有し、メンバー一人ひとりが納得感を持って主体的に動ける状態をつくることです。フィードバックは率直かつ迅速に行い、コミュニケーションは常にオープンに保つことを意識しています。また、困りごとはできるだけ早い段階で取り除けるよう心がけています。課題に向き合う際には、「自分たちで解決できること」とそうでないことを切り分け、自分たちでできることに集中します。一方で、難しいものについては迅速にエスカレーションし、周囲を巻き込みながら前に進めるようにしています。
とくに変化の速い領域だからこそ、完璧さを求めるよりも、「今、何が肝心か」をチームで見極め続けられることを最も重視しています。もともと主体的に動けるメンバーが多いチームではありましたが、当初はそれぞれが個別に動いており、全体としては少し分散している印象もありました。そこでまず取り組んだのは、個々の動きをさらに加速させることではなく、課題を正しく特定し、問題点を丁寧に言語化することでした。そのうえで、何が本質的な課題なのか、どこに向かうべきなのかをチームで何度もすり合わせ、少しずつ共通の認識と進め方を揃えていきました。方向性とゴールが明確になったことで、各メンバーが自分の役割を理解し、同じベクトルを向きながら、それぞれが担うべきことに集中できる状態が整ってきたと感じています。
メンバーの成長を支援するうえで私が大切にしているのは、チームとしてのゴールやビジョン、ロードマップを描く段階からメンバーを巻き込み、自分事として捉えてもらうことです。役割や期待値を明確にしたうえで、各個人の特性や得意分野を活かせるよう役割を調整し、できるだけチャレンジできる機会や経験の場を意識的につくり、任せるようにしています。また、成果や前向きな行動に対してはこまめに感謝を伝え、チーム内にとどまらず社外も含めて評価される機会につなげることで、自信と次の挑戦につなげることを重視しています。一方で、課題については曖昧にせず、率直に言語化し、達成すべきゴールを一緒に設定することで、成長に向けた方向性を明確にしています。
そうした関わり方を続ける中で、とくに印象に残っている出来事の一つがあります。 自分なりに努力しているにもかかわらず、「自分の頑張りに見合った評価が得られていない」と感じていたメンバーと向き合い、時間をかけて対話を重ねたことです。 その中で、感情とビジネス上の振る舞いを切り分けて考えることの大切さや、周囲との関係性の中でどのように信頼や評価を積み重ねていくかといった視点について、率直にフィードバックを行いました。 そのフィードバックを真剣に受け止め、行動を見直し、仕事の進め方や周囲との関わり方に前向きな変化が表れていく様子を見たとき、向き合ってよかったと心から感じました。 率直に向き合い、フィードバックをすることは容易ではなく、関係性に影響が出るリスクも伴います。それでも、相手の成長を本気で考えて伝えた言葉は、結果としてその人の成長を後押しし、私自身の学びにもなり、チーム全体の雰囲気をより前向きで良いものにしてくれたと感じています。
組織の成長を実感するのは、一人ひとりが自分の役割を理解し、互いの立場や考えを大切にしながら、担当範囲を超えて全体を俯瞰しつつ仕事を進められるようになってきた点です。 新しいメンバーを迎える中でも助け合いと協力が自然に生まれ、チーム間の協業やビジネス部門との連携も着実に深まってきました。自分たちの仕事や成果に自信を持ち、それが発言や行動にも表れてきていると感じます。 以前は他部署への不満として語られていたことも、いまでは「何が本当の問題なのか」を冷静に捉え、問題を切り分けたうえで、自分たちで解決できることに集中するようになってきました。必要な場面では周囲を巻き込みながら前に進めるなど、議論そのものが建設的に問題解決へ向かうようになっています。 その結果、日々の仕事の中で前向きな対話と協働が当たり前になり、チームの中でもコミュニケーションが増えました。 安心感のある雰囲気の中で、楽しそうに仕事に向き合っている様子を見るたびに、組織として確かな成長を遂げていることを実感しています。
一番やりがいを感じるのは、チームの取り組みが単なる施策や導入にとどまらず、全社の働き方や空気そのものに少しずつ変化を与えていると実感できる瞬間です。 事業部の方々から感謝の言葉を直接いただいたり、協力や相談の依頼が増えていることに加え、社外から講演のご依頼をいただくなど、取り組みが徐々に認められ始めていることに、大きな手応えを感じています。 チームや関係者の表情がいきいきとしてきて、楽しそうに取り組む姿が増えてきたことも、何より嬉しい変化です。 また、部門を超えて人と人がつながり、互いに学び合い、知見を共有する場面が自然に生まれてきたことからも、部門横断で取り組む文化が少しずつ根づいてきていると感じています。 部門を越えて一緒に取り組み、学び合い、共有する。 そうした文化づくりに関われていると実感できることが、この仕事の大きなやりがいです。互いを尊重し、挑戦とフィードバック、そして称賛が自然に循環する環境を整えていくことが、個人の成長を促し、結果としてチーム全体の力を引き上げていると感じています。
生成AIを基盤に、事業と働き方を再設計する挑戦
私たちとして今後挑戦したいのは、生成AIを単なるデジタル施策ではなく、事業運営を支える戦略的な基盤へと進化させていくことです。Microsoft 365 Copilotの全社導入によって環境は整いましたが、次のフェーズでは「どう使うか」ではなく、「生成AIを前提に、事業や業務をどう設計し直すか」が問われていると考えています。 生成AIを通じて現場で生まれる課題や知見を構造化し、個別の改善に留めることなく、事業や経営の判断につながる形へとつなげていく。そのための仕組みを整えることで、現場のスピード感や創意工夫を活かしながら、意思決定の質とスピードを高めていきたいと考えています。
そのために、生成AIやデータの取り組みを、会社のVisionや中期経営計画の方向性と、より強く整合させていくことを重視しています。生成AIやデータを個別の施策や効率化の手段として扱うのではなく、Santenが目指す価値創出や事業運営を支える戦略的な基盤として再定義していきたいと考えています。とくに、部門ごとに分断されがちな業務や情報を共通のデータとしてつなぎ、部門横断で価値を生み出せる状態をつくることは、会社Visionを実現するうえで欠かせない要素です。
現場で生まれる生成AIやデータ活用の取り組みを起点に、小さく試し、学び、改善するサイクルを回しながら、得られた成果や知見を構造化し、他部門でも再利用できる形で展開していきます。生成AIやAIエージェントを通じて部門間の協業が自然に生まれ、全体最適の視点で意思決定が行われる。そうした働き方を日常のものにしていくことが目標です。あわせて、戦略・ガバナンス・人材育成・コミュニティづくりを一体で進めることで、特定のチームや個人に依存することなく、生成AIやデータの取り組みを全社の前提条件として定着させていきます。
私が目指しているのは、とにかく楽しく前向きに挑戦し、失敗から学び続けられる組織です。生成AIのように変化のスピードが速い領域では、最初から正解を出すことよりも、まず試し、振り返り、次に活かしていく。そのサイクルを回し続けることが何より重要だと考えています。その前提として、メンバー一人ひとりがそれぞれの領域のプロフェッショナルとして互いを尊重し、刺激し合いながら高め合える関係を築いていきたいと思っています。 個人の挑戦が歓迎され、うまくいかなかった経験もチームの学びとして共有されることで、知見が個人に留まらず、組織全体の力として積み重なっていく。そうした環境をつくっていきたいと考えています。
もちろん、目指す姿を実現するうえで課題もあります。生成AIやデータの取り組みを、個別の成功事例や一部の先進的な取り組みに留めず、全社の前提として定着させていくことは、決して簡単ではありません。技術やツールの進化は非常に速い一方で、それを前提に業務や意思決定、働き方そのものを変えていくには、組織の意識やスキル、行動様式まで含めた変化が求められます。 また、生成AIやデータ活用を本格的にスケールさせていくためには、現在の体制だけでは十分とは言えず、さらなる人材の拡充と多様な専門性の取り込みが不可欠だと感じています。
求める人物像としては、デジタルや生成AI、データ、ITを単なる技術としてではなく、ビジネスを前に進めるための手段として捉えられる方です。Santenは日本発のグローバル企業として、国内に軸足を置きながらも、世界に影響を与えるデジタルやAIの変革に挑戦できる土壌があります。これまで外資系企業などでグローバルに活躍してきた方にとっても、日本だけに留まらないスケールで経験や視点を活かせる環境だと思います。 ビジネスの課題を理解し、テクノロジーを使って価値に変えていく。そんな挑戦を、仲間と一緒に進めていける方と働きたいと考えています。
生成AIやデータ、デジタルの活用は、これからの企業にとって避けて通れないテーマです。一方で、その答えは一つではなく、試行錯誤しながら見つけていくしかありません。SantenのDIT本部は、そうした不確実性を前向きに受け止めながら、事業や働き方そのものを変えていく挑戦を続けています。 もし、日本発でグローバルに影響力を発揮したい方、多様性のある文化に触れながら仕事をしたい方、そして日本人として世界に挑戦したいという想いを持っている方がいれば、SantenのDIT本部はその挑戦を本気で後押しできる環境だと思います。 テクノロジーを使って事業を前に進めたい、組織や働き方の変化を当事者としてつくっていきたい、そして仲間と一緒に学び続けたい。 そう感じている方と、これからのSantenを一緒につくっていけることを、心から楽しみにしています。
