かかりつけ薬剤師としての理想を追い求め、地域医療に貢献する
私は現在、大学附属病院の近隣にある薬局で薬剤師として働いています。大学病院ならではの幅広い診療科の処方箋を扱っています。
また、店舗での業務だけでなく、クオールでは施設や個人の家に伺う在宅医療にも力を入れています。私が週に1度訪問している施設では、終末期のがん患者さまや看護・介護が必要な患者さまの薬の管理を行っています。そこでは、施設の看護師との連携も重要な仕事の一つ。患者さまの状態や薬の効果、副作用などについて看護師と情報を共有し、より良い在宅医療を提供できるよう心がけています。
仕事と並行して、外来がん治療認定薬剤師(以下、APACC)という、がんのサポート対応に特化した資格取得に向けた勉強をしています。週に2度病院での研修に参加し、薬剤部での業務を通じたがん患者さまとの関わり方など、薬局業務だけでは学べない貴重な経験を積んでいます。
さらに、2024年からはかかりつけ薬剤師としての業務も開始しました。現在は約40人の患者さまを担当させていただいています。毎回異なる薬剤師が対応すると、患者さまが同じ説明を繰り返さなければならなかったり、初めて会う薬剤師には相談しづらかったりすることがあります。かかりつけ薬剤師として継続的に関わることで、そういった患者さまの負担を軽減できるよう努めています。
ただ日々接する患者さまの大半は、担当外の方です。その際に最も気をつけていることは、最初の10〜20秒でその方のニーズを察知すること。患者さまにはさまざまなタイプがいて、話を聞いてもらいたい人もいれば、帰りを急いでいる人もいます。もし患者さまが相談を望んでいることに気づかず最低限の説明で済ませてしまうと、次の来院が数カ月先の場合、大切な対話の機会を逃すことになります。
そのため、その日の患者さまの状態や求めていることを素早く把握し、適切な対応をできるよう心がけています。
一人で抱え込んだ日々を越えて学んだ、チームワークの大切さ
薬剤師をめざしたきっかけは、小学生のころに遡ります。薬局で働く薬剤師の方々の姿を見て、「何でも知っている」という印象を強く受けたんです。医師が専門分野を持ち診療するのに対して、薬剤師はどんな処方箋でも対応できる。その幅広い知識と対応力に魅力を感じ、薬剤師を志すようになりました。
特にがん分野の専門薬剤師をめざしている理由は、通院によるがん治療が増えている時代に、日常のフォローを一番近くでできるのが薬局薬剤師であり、専門知識を持ってサポートしたいと思ったからです。
また、大学在学中に叔父ががんを患い在宅で緩和ケアを受けていた際、薬剤師の親身な対応に同居している叔母が救われていた姿を目の当たりにしたことも、原動力となっています。APACCの資格を取得し、自信を持って患者さまとそのご家族の役に立ちたい──そんな強い想いを持って入社しました。
しかし、薬剤師として働き始めてからは、決して順風満帆ではありませんでした。知識や経験不足からヒヤッとする場面もありました。患者さまへの対応で怒らせてしまったこともあります。特に入社後1、2年は成長したいという想いが強すぎて一人で突っ走りすぎていたように思います。
自分の性格上、すべてを一人でこなそうとして無理をしていた時期がありました。その日の仕事を必ず終わらせようと頑張りすぎていましたが、それには限界があることに気づいたんです。周りの人たちも「ペースを緩めた方がいい」と言ってくれて、自分でも“いい意味で諦める”ことを学びました。
たとえば、1日の中でメリハリをつけ、適切なタイミングで仕事を切り上げる。翌日の朝に同僚に協力してもらうなど、仕事を適切に分配し始めました。今は先輩たちがシフトで役割分担をしっかり決めてくれていて、全員に仕事が公平に割り振られるようになっています。
この経験を通して気づいたのが、チームで成し遂げることの重要性です。薬局全体として実績を上げるためにも、みんなが働きやすい環境をつくっていくためにも、自分一人で抱えるのではなく、みんなで均等にやっていくことが大事だと思えるようになりました。試行錯誤しながら、日々働き方のバランスを学んでいます。
患者さまからも、医師からも。薬剤師として必要とされる存在であることの実感
かかりつけ薬剤師として働く中で、嬉しい出来事がありました。
大きな病院では診察時間が限られ、患者さまが医師に言いたいことを十分に伝えられないことがあります。けれど、かかりつけ薬剤師の私と接していると、表情が柔らかくなり、リラックスしてたくさん話してもらえることが多くあります。
あるとき患者さまとの会話の中でお聞きした心配ごとを、情報提供書としてまとめ病院にファックスで送ったところ、医師からお礼の電話をもらいました。医師も診察時に確認したいことだったようで、思い出すことができてとても助かったと。患者さまは医師に伝えることができて喜んでくださったのはもちろん、医師にも感謝されたことで、薬剤師として役に立っているんだという実感を持つことができました。
他にも印象に残っている患者さまとのエピソードがあります。私が前店舗から今の店舗に異動することになった際に、患者さまが号泣されたんです。普段はご家族が来局することが多く、ご本人には数回しか会っていなかったので、そこまで頼りにされていたことに驚きました。
患者さまによると、体調の変化があった時などに電話で相談し、アドバイスをもらうことでいつも安心できていたとのこと。この経験から、患者さまのお役に立てるようさらに勉強し、自信を持って対応できるようにならなければと強く感じました。
クオールの企業理念に、「いつでも、どこでも、あなたに。」という言葉があるのですが、私は「あなたに」ということをいつも意識しています。
私たちは日々多くの患者さまに対応します。店舗には1日に何百人という患者さまがいらっしゃって、私だけでも何十人と対応します。けれど、患者さまにとっては、その日薬剤師と話すのは1回だけです。その大切な1回に対して、形式的な対応は決してしたくないと思っています。
一人ひとりに向き合い、その日患者さまが何を求めているかを考えながら対応すること。薬剤師として、これからも目の前の「あなた」に寄り添い続けたいと思います。
人の温かさがクオールの魅力。充実したサポート環境のもと、薬剤師として高みをめざす
クオールの魅力は、なんと言っても人の温かさにあります。現場の薬剤師から事務スタッフ、そして経営陣まで、みんなが温かく優しいんです。特に印象的だったのは、本社での研修時に社長が各グループの机を回って一人ひとりに声をかけてくれたことです。グループを含めて900店舗以上ある中で、社員が所属する店舗の特徴や取り組みを詳しく把握していました。現場のことをしっかり見てくれているんだと実感しましたね。
また、社員の希望をしっかりと聞いてくれるのも魅力の一つです。私がAPACCの資格を取りたいという希望を入社時から伝えていたところ、その目標達成に適した現在の店舗に異動させてもらえました。このように、社員の成長と目標実現を支援してくれる環境があるのは、本当にありがたいです。
クオールでは独自の社内認定薬剤師制度があります。特にがん領域に力を入れており、外部認定資格をめざす薬剤師へのフォロー体制が充実しています。私は、QOL認定薬剤師エキスパートコース(※1)を通じて病院研修に行かせてもらえるなど、会社からの強力なサポートのもと、幅広い学びの機会を得られています。また、APACCを取得した先輩社員からアドバイスや指導を受けられる機会があり、症例報告の添削など具体的なサポートを受けています。
今後の目標としては、まずAPACCの試験に合格して資格を取得することが第一です。それと同時に、かかりつけ薬剤師としての役割を強化し、担当してほしいと思ってもらえる患者さんを増やしていきたいと考えています。
ゆくゆくは、自分が学んできたことや成長してきたことを後輩に伝えていく役割を担いたいと思っています。まだ後輩の指導経験は少ないですが、自分の経験を活かして新入社員をサポートしていきたいです。
「薬剤師としての誇りを持って働く」。これは私が仕事をする上で大切にしていることです。
薬剤師という職種に対して、処方箋通りに薬を用意しているだけとか、薬の知識量では機械が勝るなどのイメージを持つ方がいるかもしれません。そう思うことは否定しませんが、薬剤師だからこそできることがあると私は考えています。実際に、「頼りにしている」と泣いて言ってくださる患者さまや、「薬剤師さんがいると助かる」と言う医師や看護師たちがいることは、私にとって支えとなっています。
医療に携わる一員として、これからも患者さまや他の医療職種から必要とされる存在であり続けたいと思います。
※1 医師や看護師などとのチーム医療への対応や外部認定薬剤師資格の取得を見据えて、高度な専門知識を持ったスペシャリストを育成するクオール独自の社内認定制度
※ 記載内容は2024年8月時点のものです
