技術者として新卒入社後、光学設計に従事
入社前は、現在のキャリアを想像もしていなかったと言う嶋。学生時代は数学や物理が好きで、迷うことなく理系の道に進んだ。大学院ではVRの研究に没頭し、情報、機構、ソフトなど幅広い分野を経験。
子どもの頃に憧れたドラえもんのように人の役に立つモノづくりがしたくて、技術者としてパナソニックグループに入社した。最初に配属されたのは、ディスクのデータを読み書きする光ピックアップの光学設計。学生時代に幅広く学んできたものの、初めて経験することも多かった。
「光ピックアップはミクロン単位の緻密な技術の積み重ねでできていて、最初はわからないことだらけでした」
そんな嶋にとって、経験豊富な社員たちが身近にいたことはありがたいことだった。技術はもちろん、社会人になったばかりの嶋に必要な仕事に対する向き合い方や心構えなども教えてくれた。
「与えられたことだけでなく、他部署とも積極的に関わり知識を広げることで、設計の全体像が見えるようになりました。複数の技術分野の知見を身につけることができ、私だからこそ発揮できる価値が増えていきました。また、巻き込む人の輪を広げ信頼関係を築いていくことで、自分だけではたどり着けなかった成果を出せることも体感しました」
技術力を伝えたい──公募型異動制度で営業職へ転身
光学設計にやりがいを感じ、充実した日々を過ごしていた嶋だったが、5年目に転機が訪れた。社内には高い技術力があったが、その価値や魅力が多くの人に届いておらず、業績に結びついていない状況を目の当たりにしたのである。
「さまざまな事情があるとはいえ、先輩たちの優れた技術力を活かし切れていないことが、とても悔しいと感じました」
それまで技術者の道をひた走ってきた嶋にとって、その悔しさがキャリアを見つめ直すきっかけになった。
「どんなに優れた技術者がいて、よい製品を生み出せても、それを必要とする方に適切に届けられなければ意味がありません。モノが溢れる時代において、技術をどう伝え、どう売るかが大事だと痛感しました」
自身の性格や強みをあらためて考えると、人を巻き込み、コミュニケーションを取りながら進める仕事が向いていると思った。優秀な技術者に囲まれていたことも、自身の強みをより活かせる仕事への想いを後押しし、嶋は営業・企画営業職への挑戦を決意した。
「さまざまな経験を経て、入社当初の想いが変わることは誰にでもあると思います。その時に社内で職種を変えられ、自らキャリアをつくっていける制度があることはとてもありがたいことだと思います」
技術者に寄り添い、その活躍を支えるマーケターになりたいという新たな夢に向けて走り出した嶋は、主担当として最先端技術の展示会の企画・運営を任され、日々の仕事に夢中になっている。
「たくさんの来場者がいる展示会において、会社の顔となるブースをつくり上げ、製品の魅力や技術力を正確かつ深く知っていただく仕事に大きなやりがいを感じています」
1人でも多くの方に事業や製品の魅力を訴求するために
展示会の開催期間は3~4日間だが、その準備には半年間を要する。まず展示のコンセプトを決め、事業部のメンバーと共に展示する製品やパネルを用意する。
「パナソニック インダストリーの事業を、より多くのお客様に知っていただけるようにブースを設計しています。業界の動向や世の中の注目度を踏まえてコンセプトを決めます。いま訴求したい製品をアピールしつつも、コンセプトに合うようにブースのストーリーを考え、外部とも連携しながら最適なブースを形にしていきます」
さらに、社内の広報担当やWebマーケティング担当などたくさんの関係者と丁寧に準備を重ね、展示会当日は1人でも多くの方に魅力を訴求できるように忙しく立ち回る。
「仕事が多岐にわたり大変ではありますが、全体を見渡せるポジションで展示会を主導していくのはやりがいがあり、成し遂げた時の達成感はとても大きいです。また、任される仕事の裁量が大きいので、自分なりにさまざまな施策にトライできるおもしろさもあります」
見えないところから、見違える世界に変えていく
現場で多くの人がブースに訪れる姿を目の当たりにすることが、何よりも嬉しい瞬間であり、展示会を通じて会社や製品の魅力をさらに発信していくことが嶋の今後の目標である。そして将来は、マーケティングの仕事をもっと幅広く経験し、スキルを磨いていきたいと考えている。
舞台鑑賞が趣味で、休日はライブならではの臨場感や熱量を味わいに劇場へ。展示会のヒントになることも多く、集客や告知のタイミングなども、つい気になってしまう。好きな言葉は「一期一会」。仕事でもプライベートでも、人との出会いを大切にしている。
「技術者に寄り添うマーケターとして、これまで以上に技術を適切に社会に届け、技術者が思う存分、開発に打ち込める環境をつくっていきたいです」
見えないところから、見違える世界に変えていく──つくる人から伝える人へと役割は変わっても、技術の力で会社や世の中に貢献したいという、嶋の強い想いは変わらない。学生の頃から技術を愛し、技術者を経験したからこそたどり着けるマーケターの姿が、嶋には見えているようだ。
※ 記載内容は2024年9月時点のものです
