事業会社として独立してすぐに、リファラル採用制度を導入
──採用部員の立場としてリファラル採用の活性化を推進している、大瀧さん。まずは、制度導入のきっかけから教えてください。
大瀧:2022年4月にパナソニックグループは持株会社制に移行、パナソニック ホールディングスおよび9つの事業会社からなるグループ体制となりました。このタイミングで私たちも「パナソニック インダストリー」として新たなスタートを切っています。
これにより、グループで統括していたことの多くを事業会社として裁量を持って計画、推進していけることになりました。採用もその1つです。これまではグループとして割り当てを受けた採用計画数でやりくりしていましたが、事業会社化に伴い自分たちで採用も設計することができるようになりました。
──事業会社化以降、キャリア採用率が上がっていますね。採用サイトによると2021年度に36%だったキャリア採用比率が2023年度は52%となっています。
大瀧:当社の新たなビジョンを達成するためには多様なバックグラウンドを持つ人財の補強は重要かつ急務でした。そこで、従来の採用手法にとらわれない新たな手法を模索した中で即座に取り入れたのがリファラル採用でした。
──リファラル採用を導入してから2年ほどが経過していますが、手ごたえはありますか?
大瀧:これまでに1,000人以上の友人・知人紹介がありました。リファラル採用で入社した社員が、さらに友人を紹介するケースも出ています。選考プロセスはリファラル採用も通常採用と同じなのですが、通常採用よりも内定率が高い点でも手ごたえを感じています。
──そんなリファラル採用を活用したお二人である、井本さんと植田さん。現在の職務を教えてください。
井本:パナソニック インダストリーの電子材料事業部 生産技術センター 電子基材生産技術部で新規設備導入をメインとした工法開発に従事しています。
植田:井本さんと同じ電子基材生産技術部で、僕は主に国内設備の管理や改善を担う設備技術の仕事をしています。
井本:扱っている製品は、どちらも電子回路基板材料と呼ばれるものです。さまざまな電子機器の中に入っている緑の電子回路基板のもととなるもので、サーバ・基地局などの通信インフラやAI技術の進化に欠かせない先進材料です。
僕たちが所属する部署は福島県・郡山にあり、同じ敷地内で働いています。職務が異なるので日常的にオフィスや工場で顔を合わせることは少ないですね。
きっかけは、趣味友達からの悩み相談
──井本さんと植田さんは、プライベートでの友人関係だったと聞きました。
井本:そうですね、もうかれこれ8年くらいの付き合いですね。
植田:関西のバイクサーキットで何度か顔を合わせるうちに、一緒にツーリングをするようになりました。
──関西で出会ったお二人が、いまは福島県に……?
井本:僕はもともと、関西で機械設計の仕事をしていました。ただ、専門メーカーだったので扱える領域も専門的で、自分のキャリアの広がりの面では限界を感じていました。そんな時に出会ったのがパナソニック インダストリー。最新鋭のさまざまな設備開発に関われると聞き、転職を決めました。
出身は九州で、就職がきっかけで関西へ出てきたということもあり、福島県に引っ越すことにもハードルはなくて。やりたい仕事ができることを優先しました。
──植田さんは、どういったタイミングで、キャリアの相談もするようになったのでしょうか?
植田:井本さんが関西から福島県に引っ越してからも、オンラインゲームで会話するなど、友人関係は続いていました。井本さんは4歳年上で兄のような存在となり、バイクやゲームの話にとどまらず、わりと何でも話すようになっていました。そこで、親身になって話を聞いてくれる井本さんに、仕事で悩んでいることを相談してみたんです。
──どういった悩みをお持ちだったのでしょうか?
植田:当時はパソコン業務が100%で、技術者として現場感を持って仕事をしたい気持ちがありました。オフィスも静まり返っていて、気軽に会話できるような雰囲気はなくて、勤務先の空気感というか、風土のようなものに自分がなじめていない気がしていました。
──相談を受けて、井本さんは?
井本:ちょうど上司から「いい人いない?」って、リファラル採用の話が出たタイミングだったんです。
大瀧:電子材料事業部は当社の中でもリファラル採用利用率が高い部門なのですが、上司からの声掛けがあったんですよね。
井本:そうですね。電子回路基板材料に対する社会要請が急速に高まりゆく中で、電子材料事業部の採用も活発化していました。結果としてキャリア入社者が増えていき、リファラル採用も周辺で4~5人は内定していたように思います。求人票を見てみたら、ハードもソフトも植田さんとのマッチング度が高いものを発見。これはもう、誘うしかないな、と(笑)。
友人への説明で大切にしたこと
──井本さんからは植田さんに、どんな声掛けをしたのでしょうか?
井本:「こんなポジションがあるけど、興味ある?」と。その上で、関西から福島県に転居してもらうわけですから、住宅補助や給与の話はしっかりしました。
植田:全国にバイク仲間がいて、ご当地情報がもらえるので、土地に対する不安はなかったんですけど……1人暮らしは初めてだったので「やっていけるかな」という不安があったんですよね。そこはしっかり情報を入れてもらえて助かりました。
井本:植田さんの悩みの1つに「職場の空気感」があったので、入社後のキャリアに選択肢があることも伝えました。パナソニック インダストリーは国内外に拠点が多数あり、「Iチャレンジ」という公募型異動制度があります。
もし、今回のポジションや郡山拠点のカルチャーが合わなかったとしても、関西のインダで働く選択肢もあるよ、と。あとは、他の会社も検討した上で、考えてほしいと伝えました。
──書類選考、オンラインでの1次面接、対面での2次面接を経て、パナソニック インダストリーでの選考結果は合格。その報告を聞いて、いかがでしたか?
井本:合格と聞いて、正直ほっとしました。
植田:他の企業もいくつか検討した上で、面接官との会話や2次面接で訪問した職場の雰囲気、やりたいことも含めてパナソニック インダストリーとのマッチング度が一番高いと判断して、入社を決めました。
──入社してから、何か会話はしましたか?
井本:課が異なりますし、僕が話しかけすぎても植田さん自身の関係構築機会を失うかと思って、社内ではあまり話しかけませんでした。
植田:「何かやらかしてしまったら、井本さんに迷惑がかかってしまう」と入社後の1週間くらいまでは緊張して過ごしていたのですが、あっという間に郡山になじみまして(笑)。ようやく入社半年経過したところなのに、同僚には「2年くらい経ってない?」と言われています(笑)。
井本:郡山はとてもアットホームな職場なので、植田さんもなじみやすかったのだと思います。困っている人がいたら、みんなで助け合うカルチャーがあります。
──リファラル採用後、試用期間が過ぎると、紹介社員にインセンティブが支払われますが、その話はしましたか?
井本:しました。インセンティブが入ったらおいしいものを食べに行こうと植田さんに話していたのですが、個人的な大出費が発生してしまいまして……いまのところ実現していません。
植田:転職も引っ越しも井本さんのお世話になっているので、僕としては井本さんのために使ってもらえればと思っています。
見えないところから、見違える世界に変えていく
──リファラル採用のメリットは、どの点にあると感じていますか?
大瀧:採用決定率が非常に高いと同時に、これまで離職者が出ていません。会社の方針や職務内容、求める人財像などを紹介する社員がよく理解した上で、友人の希望やスキルとマッチするか、精度高く見極めてくれているように感じています。
植田:転職のきっかけとして、社内の雰囲気は大きな要素だったので、そこをたくさん本音ベースで聞くことができたのは大きなメリットだったと思います。しかも今回は未知の土地への転職。1人でも知っている人がいるというのは、大きな安心につながりました。
井本:いま植田さんが「本音ベース」と言いましたが、ここはメリットであると同時に、難しいポイントでもあると感じました。マッチングの精度を上げるには、会社側と友人側、双方の本音を理解する必要があるな、と。今回、求人票に書いてあることの背景や意図を理解するために、上司とあらためて会話することで自分なりの理解を深めました。
大瀧:求人票の情報量をもっと増やしたほうがいいですか?
井本:マッチング精度を上げるという点では情報量はあったほうがいいとは思いますが、リファラル採用って「ちょっとこれでも見てみて」っていう気軽さもメリットだと思うんです。だから、求人票に文字がびっしりだと重くて逆効果かも……。求人票からは見えてこない「見えないところ」を自分の言葉で友人に伝えるところにも、信憑性というメリットが生まれる気がします。
──この先、リファラル採用でさらに友人を紹介したいと思いますか?
井本:マッチする友人がいたら、また紹介すると思います。生産プロセス技術は花形ではないですけど、技術開発における縁の下の力持ち。世の中を支え「見えないところから、見違える世界に変えていく」モノづくりに魅力を感じてくれる仲間は増やしていきたいです。
──採用部としては、今後どのような未来を描いていますか?
大瀧:リファラル採用は採用としてメリットが大きいものですが、「社員が推したくなるような会社」であることが大前提だと考えています。
リファラルでの入社が増えるということは、現役社員が自信を持って友人に推せる会社になっていて、リファラルの効能も理解されているということ。採用部員の立場としては、リファラル制度の認知を拡大するとともに、社員の皆さんにはインダの文化を形成する活動と捉えてもらえるとうれしいです。
「インダで働く魅力」を形成するのは、われわれの技術力に加え、社員や組織です。全社一丸となって「インダで働く魅力」をつくりあげ、社員全員がリクルーターとなることで、「リファラルがインダの主要採用経路」となる日をめざしたいです。
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
