商品に込められた技術が、自分を介して世に出ていく醍醐味
電子材料事業部のプロセス技術部に所属し、日々の業務でお客様の存在を実感している齋藤。高校を出て入社1年目は課内の業務サポートを学び、2年目からはサンプル出荷に携わるようになった。
扱っているのは、サーバ・基地局などの通信インフラ機器やAI技術、車載機器の進化に欠かせない電子回路基板材料(※)だ。サンプル品をオーダーするお客様は、基地局や車載センサなどの処理能力を向上させるため、電気信号を大容量かつ高速伝送ができる材料を求めている。
「重要なのは、サンプルを提供する目的を一つひとつ明確にすることです。お客様の立場になって、用途に合わせたサンプルの仕様や梱包方法を検討します。実際に自分が手配したものが直接お客様の手に届くので、サポートだった1年目とは意識がガラリと変わりました。サンプルとして良品を確保し、お客様が使用する時にわかりやすい状態で届けることに尽力しています」
サンプルの評価を経て、「次はこのような仕様のものを」との再リクエストに応じるなど、検討を重ねながら採否が決まっていく。すでに量産化につながった例もあり、「自分が手配した仕様が活きました」と事業への貢献を感じられると言う。
高校進学時には、ゲームのプログラミングに興味を持ち、情報電子科に進学した齋藤。
「高校の情報電子科ではプログラミングと同時にモノづくりの授業がありました。パソコンを分解して組み直したり、はんだ付けをして基板を作ったりしながら、実際にモノを作り上げる方が性に合うと感じたんです。基板にプログラムを入れて、電気で動く小さな車を走らせる……。今思い返すと、中身は当社の事業そのものですね」
学生時代にはエクセルの関数や電気系統の基礎などの知識を身につけた。入社後は「扱うものが違いますが、現在の業務にも活かせています」と振り返る。
※ さまざまな電子機器の中に入っている、緑の電子回路基板の元となる材料のこと
働きやすさをかなえる、風通しの良い職場
高校時代の齋藤にとって、就職先の決め手とは施設や設備の立派さよりも“共に働く人たち”だった。パナソニック インダストリーとの出会いは、高校の先生に紹介された職場体験会。「モノづくりができる工場がいい」と考えつつも、具体的な志望企業をイメージできていなかったが、現場を見ると「ここがいい」と気持ちが固まったと言う。会話が盛んで、必要なことをしっかり相談し合いながら業務を進めていく社員の姿が印象的だった。
「この輪に入れば、きっと安心して仕事に取り組めるなと思いました。不安や悩みは積極的に解決していく環境が私の理想です。また、私は手先に障がいがありますが、私自身は日常でハンディキャップを感じていません。それが、今の職場でもごく普通のこととして受け入れられている感覚です」
パナソニック インダストリーでは障がいの有無によって職種・職場を限定していない。「互いを尊重し、誰もが言うべきことを言い合える組織であること」「あらゆる違い」を強みと捉え、強みを活かしながら成長し、イキイキと活躍できる組織づくりを進めている。
「就職試験の面接では職場での配慮事項を確認するため『日常生活で不便を感じることはないですか?』と聞かれましたが、『みんなと同じだと思っている』と伝えました。すると意思汲んでくれて『日常どおりに仕事をしたら大丈夫』と言ってもらえたのが印象的でした。人が良い、環境が良い、風土が良い。自分の感覚を信じて入社を決めました」
齋藤の信条は「相手が傷つかない言動、行動」。たとえば、「仕事はおもしろそうだけど、人間関係が難しそうだからやめよう、なんていうことがないように」と、インターンシップに訪れた学生にも柔和なコミュニケーションを心がける。そうしてこの職場の働きやすさや働きがいなど、「インダで働く魅力」を伝えている。
齋藤の入社1年後となる2022年に事業会社化したパナソニック インダストリー。新たに制定された企業理念ではバリューの中心に「人財」を据えているが、それが決して一朝一夕に生まれた強みではないと齋藤は力説する。
「インターンシップで来た学生が、『皆さんが楽しそうに仕事をしている』と言っていたと聞き、うれしくなりました。私が職場見学会で感じた良い風土を自分たちもつないでいるのだと思えました」
リーダーとして、新鮮なアイデアで部門の危機管理を推進
勤務地の福島県・郡山拠点では技術部署の小集団活動で安全ZD(※)リーダーも務めている齋藤。活動内容は職場の危険箇所やヒヤリハットの抽出、社員の健康チェックなど。自部署はこれまで無事故を保っており、「ゼロをキープするのが使命」と高い緊張感で臨んでいる。危機管理は、ふとした油断を先回りすることだと語る。
「私自身、入社3年目にもなれば『これまで問題がなかったから今回も大丈夫なはず』と考えが固定化されていることがあります。そこに危険が潜んでいるのです。なるべく新鮮な目で、些細な気づきをも見逃さないようにと、新入社員にヒヤリハットを挙げてもらっています。また、通勤経路にも目を向け、事業所外でも安全確保を徹底しているのが私たちの活動の特徴です」
2023年度は安全ZD成果報告会で事業所内第1位を獲得。ZDメンバーの全員参加を促す姿勢が評価につながった。会合を月1回開催しても、どうしても業務の都合で集まれないメンバーが出てくる。そこでプラス1回=「ZDセカンド」の会合を開催。情報共有の徹底に努める工夫が認められた。
健康面、メンタルも含めて安全管理の対象だが、齋藤は「心身の健康は、周りに話しやすい、相談しやすい環境でつくられます」と話す。1人で不安を抱えないようにと、声をかけあうことのできる環境の大切さを人一倍重視している。
※ ZD=Zero Defect。職場で災害が起きた際に郡山拠点で同様の災害が起きていないか、どんな行動で事前防止できるかなどの情報共有を水平展開する活動
見えないところから、見違える世界に変えていく
「自分が扱っている製品をはじめ、ここ郡山拠点には多彩な技術が集まっています」
齋藤は誇らしげに語る。
「自分の目の前には、これから世界を変えていく技術を持つ製品がある。お客様もグローバルで、展開していく事業の規模も大きい。日々、手にするサンプル品を眺めては、これがどんなふうに役立つのかとワクワクする気持ちが強いです」
働きがいが増すとともに、「さらに責任感のある仕事をしていきたい」と意気込む。現場で指導を仰ぐ課長は身近なロールモデル。良品・不良品を見極める力や、関係部署との調整も含めたサンプル出荷の一連を担う姿が目標だ。少しでも早くその存在に近づきたいと、製品知識の深化や、有機溶剤作業に関わる資格取得も見据えている。
「相談や対話をしっかりと受け止めてくれる上司がいて、資格取得のための制度や資料も充実しています。他拠点の工場見学があればすごく勉強になると思いますし、ぜひ、積極的に参加してみたいですね。技術面もそうですし、きっとZDの視点でも細部を見渡すと思います。
もっと職場環境を改善したいとZDはすっかり身に染みてきました(笑)。先輩からつないできた事故ゼロを、自分から次の後輩にリレーしていきたいと感じている半面、もっとやりたい気持ちもあるんです」
著しく進化する通信産業、自動車産業、それを支え「見えないところから、見違える世界に変えていく」──郡山でのモノづくりには、齋藤のはつらつとした笑顔と向上心、心理的にも物理的にも高い安全性を追求する意識が貢献している。
※ 記載内容は2024年11月時点のものです
