社会人としての一歩を踏み出す、仕事への向き合い方を学んだ経験
学生時代を振り返ると、就職活動では金融やコンサルティング業界を中心に企業を探していました。最終的に当社への入社を決め、社会人としての一歩を踏み出したわけですが、最初から将来のキャリアへの道が明確に見えていたわけではありません。それでも、入社してからの日々を積み重ねるうちに、自分のキャリアが少しずつ形作られていきました。
最初の大きな転機は、入社2年目に本社の企画部署へ異動したときのことです。異動後は、学ぶことの連続で、失敗を経験することもありました。初めて担当した業務では、開始直後からトラブルが相次ぎ、さらに私自身がデータ作業でミスをしてしまいました。さらに混乱を招いてしまったことに落ち込んだことを覚えています。先輩からはお叱りをいただきつつも、それと同時に、たくさんのサポートもいただきました。何とか業務を立て直す中で学んだのは、「問題が起きたときこそ、早く、正直に報告すること」の大切さです。叱られるかもしれない。迷惑をかけるかもしれない。そう思うと、つい自分だけで抱え込んでしまいがちです。しかし、事実を正直に伝えれば、助けてくれる人がいる。そう実感できたことは、当時の自分にとって大きな学びでした。
「隠さない、抱え込まない」。これは今でも変わらない自分の基本姿勢のひとつになっています。
また、同じ時期に、先輩から大切な考え方を教えていただきました。
「自分の判断が会社を左右するつもりで仕事に取り組む」というものです。新人であっても、一人の担当者として自分自身の考えを持ち、最後まで責任をもって仕事に取り組むことが大切だと教わりました。社会人としてまだ経験の浅い時期にこの考え方に出会えたことが、自分の仕事への向き合い方に大きく影響したと思っています。
振り返ると、当時は必死に取り組んでいた一つひとつの経験が、今の自分につながり、キャリアの土台になっているのだと強く感じています。
多彩な経験が今の自分を形作っている
入社後は、企画部署を中心に経験を積み、法改正や新サービスの導入などに伴う業務フローの設計や社内ルールの作成・改定、業務委託元との折衝、時にはシステム設計まで幅広い業務を担当してきました。野村證券への出向も経験し、実にさまざまな役割を担ってきたと感じています。
そのキャリアの中で、とくに印象に残っている出来事が3つあります。
1つ目は、2014年に始まったNISA(少額投資非課税制度)のリリースに携わったことです。
100万口座開設を目標とした大きなプロジェクトで、何から始めどんなサービスを提供するのか、どんな体制で対応するのかなど、考えること、取り組むべきことが山積みの状態でスタートした案件でした。担当者として最終的には10年ほど携わり、社内外の多くの方といろいろな仕事をさせていただきました。業務の知識だけではなく、人間関係と仕事の視野・幅が一気に広がった時期でした。
2つ目は、2019年から横浜支店で証券口座業務を担当するグループのマネジャーを務めたことです。
就任当初はそれほど大きな部署ではなかったのですが、別の部署から業務を一部移管するプロジェクトを経て、最終的には派遣スタッフを含めて100名を超える組織の管理・統括を任せていただきました。短期間で業務と組織の両方が大きく変化する出来事でしたが、大きな問題なくやり遂げられたのは一緒に頑張ってくれたメンバーのおかげです。
管理職の仕事は、自分がすべてを担うことではありません。メンバーを信頼し、それぞれの強みを活かしながら、チームとして成果を出すことが大切なのだと学びました。
3つ目は、2023年にHRサービス部へ異動したことです。人事・給与業務の変革プロジェクトに携わることになりましたが、人事業務は未経験で、知識も十分ではありませんでした。
「自分は本当に役に立てるのだろうか」 「これからやっていけるのだろうか」
新しい仕事や環境に挑戦するとき、自分だけではなく、多くの人が同じような気持ちを抱くのではないでしょうか。不安な気持ちはありましたが、できることから始めるしかないと気持ちを切り替え、周囲に助けてもらいながら、一つひとつ取り組みました。
プロジェクトは、業務体制の変革とシステム更改という二つの大きな柱があり、それを多くの関係者と協力して進めました。意見がぶつかることもありましたが、そのたびに対話を重ね、前に進んでいきました。あのとき一緒に頑張ってくれたメンバーには感謝しかありません。この経験は、自分自身のキャリアとビジネススキルを見直す大切な機会になりました。
5年後・10年後を見据えて、支店全体と会社全体を考える副支店長の仕事
現在は、副支店長として支店長を補佐しながら、支店全体の業績管理、メンバーの育成、業務上の課題解決を担当しています。
支店長とともに目標を設定し、進捗を確認しながら、課題があればメンバーと対応策を検討します。また、日々のコミュニケーションを通じて、メンバーが抱えている悩みや課題を把握し、それぞれの状況に応じたサポートを行っています。
大阪支店は、野村證券のバックオフィス業務におけるレジリエンス、つまり有事の際にも業務を継続・復旧する力の向上・強化を目的として、2026年3月に設立された新しい支店です。
メンバーの多くは、野村證券から転籍した社員です。そのため、大阪支店のミッションを実現するには、まずメンバーが当社の組織や業務を理解し、社内に新たな人脈を築いていくことが重要だと考えています。
2026年度は、当社の業務理解をテーマにした講義を実施するとともに、社内の各部署に協力を仰ぎ、各部署との交流を目的としたオンボーディング活動(新しい組織・環境への適応を支援する取り組み)を企画・実行しています。
新しい組織として円滑に業務を進めていくためには、支店内の連携だけでなく、支店外との関係構築も欠かせません。こうした支店内外のつながりを強化する企画を考え、実行していくことも、現在の重要な役割の一つです。
副支店長という立場になってから、これまで以上に支店全体、さらには会社全体を見るようになったと感じています。大阪支店は当社のレジリエンス向上・強化を担う支店ですから、目の前の業務だけを追うのではなく、自分たちの業務が会社全体の事業継続や安定的な業務運営にどのようにつながっているのかを、より意識するようになりました。短期的な成果だけでなく、メンバーの成長や支店内外の連携、5年後・10年後を見据えた組織づくりまで考えるようになったことが、マネジャー時代との大きな変化です。自分たちの仕事が会社全体のどこにつながっているのかをチームで共有しながら、業務を進めることが重要だと考えています。
「自分には難しい」と思ったときこそ、次の挑戦への入り口
現在は、副支店長として大阪支店の立ち上げと運営を着実に進め、支店として安定的に成果を出せる基盤をつくることに注力したいと考えています。
とくに意識しているのは、有事の際に大阪支店としての役割を確実に果たせる組織をつくることです。
有事の際には、ただ業務に対応するだけでなく、スピードとクオリティの両立が求められます。そのためには、メンバー一人ひとりが幅広い知識や経験を活かし、状況に応じて主体的に判断・行動できる体制を整えておくことが重要です。
大阪支店のメンバーは多様な経歴を持っており、それぞれがさまざまな知識と経験を備えています。その強みを活かしてもらうために、メンバーが大阪支店だけにとどまらない視野を持ち、会社全体を考えて業務を行えるよう、成長を支援していきたいと考えています。
また、支店としての一体感をつくることも大切なテーマです。ありがたいことに、メンバー自身がその重要性を理解し、言葉にし、行動に移してくれています。
社内各部署との交流やオンボーディング活動を一過性の取り組みで終わらせず、支店内外の連携を強化する仕組みとして定着させる。そして、大阪支店の活動を通じて、会社全体のレジリエンス向上に貢献していく。それが今後の目標です。
将来的には、支店長として支店運営全体を担う役割にも挑戦してみたいと思っています。業績管理やメンバーの育成、組織文化の形成、業務継続体制の強化など、組織全体の成果に責任を持つ立場として経験を積み重ねていきたいです。
最後に、これからキャリアアップをめざす方に伝えたいことがあります。それは、最初から役割を完璧に果たせる人は多くないということです。
私自身、副支店長の話をいただいたときには、単身赴任という環境の変化もあり、責任の大きさや難しさに不安を感じました。「自分にこの役割が果たせるだろうか」と周囲に相談したことも覚えています。
もしかすると「自分には難しい」と尻込みしてしまう方もいるかもしれません。それでも、声をかけてもらったということは、今の自分にはまだ見えていない潜在的な力を、これまでの経験や仕事ぶりの中から周囲が見出し、期待してくれているということだと、受け止めてほしいです。
私も、管理職としてメンバーとキャリアについて話す機会が増え、そのことを強く感じるようになりました。
キャリアは、最初から完成した地図を持って歩んでいけるものではありません。迷いながらも一歩を踏み出し、周囲の力を借り、目の前の経験を自分の力に変えていく。その積み重ねが、次の挑戦につながっていくのだと思います。
私自身も、これまで多くの方に支えていただきながら、異動や未経験の仕事、新たな役割に挑戦してきました。これからも、メンバーとともに学び、成長しながら、大阪支店の未来と自分自身のキャリアをつくっていきたいと考えています。
今は十分にできていないと思っていても、行動し、経験を積み重ねていくことで、少しずつ役割を果たせるようになります。
現在の役割の中で周囲の期待に応え、その積み重ねを次の挑戦につなげていってほしいと思います。
副支店長として大阪支店の新たなスタートを支える粂野が、これまでどのような経験を積み、仕事や組織に向き合ってきたのか。過去の記事でも、その歩みや思いを紹介しています。
一人ひとりの成長を組織の成長に──挑戦を続ける私のキャリアストーリー
