包装資材の研究開発を担当。「すぐやる。なんでもやる」の精神で未知の技術に挑む
私が在籍している生産技術研究所は、日清製粉グループ全体の技術課題を解決していく部署です。中でも包装研究室は加工食品の包装資材・機器において新たな技術を生み出し、実用化していくのがミッションとなっています。
包装研究室は9人で構成され、2チームに分かれています。小麦粉やミックス粉、ドライパスタなどのドライ食品の包装資材を開発するチームと、パスタソースや冷凍パスタ、中食・惣菜など水を含むウェット食品の包装資材を開発するチームがあり、私は後者で冷凍食品を担当しています。
研究開発の進め方はさまざまです。自分たちでテーマを設定し、将来性のある技術を先行して開発していく方法もあれば、事業会社から具体的な課題やニーズが持ち込まれ、それに応える形で進めるやり方もあります。現在、まだリリースされたものはありませんが、新たに開発した包装資材に関する意匠を計9件取得するなど着実に開発を進めています。
また、主任研究員として若手メンバーを育成したり、研究開発を監督したりするのも大切な仕事です。メンバーに対して何か説明する時には、専門用語を多用せずわかりやすく伝えることを心がける一方で、研究の進め方に関してはあえて細かく指示しないようにしています。自ら考え、道を切り拓く力を身につけてほしいからです。メンバーが事業会社や機械メーカーとやりとりする中で壁にぶつかった際には、必要に応じてアドバイスしています。
普段、仕事をする上で大切にしている言葉が2つあります。1つは新入社員の頃に先輩から教わった、「すぐやる。なんでもやる」という言葉です。仕事を前にしてうろたえていては、何も学べずに時間が過ぎるだけ。まずはとりかかって成長のきっかけをつかもう──。新しいテーマが次々と舞い込み、未知の分野や技術に挑む機会が多い今でも、この言葉を自分に言い聞かせています。
もう1つは「継続は力なり」です。仕事では、海外の論文からも情報を集める必要があるのですが、私は英語が苦手でした。そこで一念発起し、社内で用意されているWeb学習サービスを活用しながら、この7年間ほぼ毎日勉強を続け、TOEICの点数を全国平均を大幅に下回る状態から上位5%に入る水準へと伸ばすことができました。大きな自信を得ましたが、これに油断せずに、引き続き学びを深めていきたいと思っています。
殻を破り、独創的なアイデアを出していく。「夢を語る場」から生まれた技術
これまでの仕事の中でとくに印象に残っているのは、包装研究室の前身である包装技術チーム時代の出来事です。任されたのは、他社と差別化できるような優れた包装資材・技術を自由な発想で生み出すこと。チームにとって大きなチャレンジでした。
当時のメンバーは私を含めて8人。私はファシリテーターとして、まずはブレインストーミングから始めました。「自社グループの製品をもっと使いやすくするには?」「自分が欲しいと思う製品は?」というざっくりとした問いかけから、メンバーにアイデアを出してもらい、そこからアイデアの集約や整理、目標設定、研究開発へとつなげていきました。
もっとも心を砕いたのは、メンバーからよりよいアイデアを引き出すことでした。論理的かつ現実的な考え方をするメンバーが多かったので、殻を破ってユニークなアイデアを出してもらおうと、私はプレゼンテーションを工夫しました。人類の移動手段が馬車から飛行機へと進化したことを例に挙げ、「人が思い描くことで技術は進化し、その加速度も上がっていく。夢見たことは現実になる」と話し、メンバーの想像力を刺激しました。
さらに「みんなで、夢を語る」をテーマにグループワークの場を設けました。キーワードをひたすら口にしてアイデアを見える化し、カテゴリーごとに整理してまとめました。めざしたのは、楽しい雰囲気で自由に話せる場づくり。最初はかしこまっていたメンバーも、しだいに好きなタイミングで気軽に発言できるようになっていったのは大きな変化でした。
まだ製品化には至っていませんが、意匠権を取得したアイデアもありますし、工場で使う規模の包装機械を購入して研究開発を進めている案件もあります。
こうして、世の中にない技術を自分たちで生み出していけることがこの仕事の最大の魅力だと感じています。生まれた技術は知的財産となり、会社の価値を高めていきます。そして、自分たちの開発した包装資材・技術が使われた製品をスーパーマーケットで見かけると、多くの人たちの暮らしを支えているという社会的な影響の大きさを肌で感じ、この仕事をしていてよかったと心から思います。
自分の知識不足を痛感。「社会人として成長しなければ」と積極的に研修を受講
私のキャリアに大きな影響をもたらした各種研修についても、ぜひお話ししたいと思います。積極的に研修を受講するようになったのは、日清製粉グループ独自の研修「N-MAP(Nisshin Manager‘s Advanced Program)」がきっかけでした。
グループ各社から選抜された次世代の経営人材が受講する研修なのですが、この場で自分の知識不足を痛感したのです。工学系出身の私は、生産管理や工場管理・運営、研究開発に関する知識はあったものの、経営やマーケティング、財務会計などの知識がまったく備わっていないことに気づきました。
それ以来、希望制の外部のビジネススクールや、当社グループのグローバル人材育成研修を積極的に受講するようになりました。他社を含めさまざまな業界や階層の方々と交流する中で、斬新な意見に接して学びを深めると共に、「社会人としてもっと知識を蓄えて成長しなければ」と強く感じました。
これまでの研修でもっとも心に残っているのは、私の人生のターニングポイントにもなったN-MAPです。チームごとに新規事業や既存事業のモデルチェンジなどの戦略を練り、経営層に提案するという、またとない機会をいただきました。
その過程において、大切なことを学びました。同じ考え方を持つ人たちが議論することで、方向性や進め方が極端になり、チームで考案した戦略は実現性に乏しいものとなっていました。私自身、組織として起こりやすいこのような過ちを認識し、早い段階で軌道修正を呼びかけていたら、最終的に経営層に向けてもよりよい提案ができたのではないかと感じています。
また、「専門性」という言葉は時として罠になるということも知りました。工学系の社員は専門領域を深めるのが得意で、仕事上でも強みになるのですが、それだけにとらわれると視野が狭くなります。幅広い知識や視野を持って世界を見なければ、本当の意味での成長はないと気づきました。
さまざまな研修を通して得た収穫としては、コミュニケーションの幅が広がったことです。他社の人と話す際には技術の話にとどまらず、さらに踏み込んで会社の状況なども話せるようになるなど、会話の切り口が増えました。それは今も役立っていて、相手の置かれている状況を考慮しながら話し方を変えるなどし、よりスムーズに仕事を進められるようになったと実感しています。
社員の学びと挑戦を後押ししてくれる環境。それこそが日清製粉グループの魅力
日清製粉グループの研修制度はとても充実しているとあらためて感じていて、1人でも多くの人たちに受講してほしいと思っています。ただし、「とにかく受講さえすればよい」という姿勢では、得られるものも減ってしまいます。自分の中でめざす将来像を思い描き、その実現に向けて真剣に学びたいと考えている人にとっては大きな価値を見いだせるはずです。
私は今後も、研修を受講していきたいと考えています。とくに、ビジネスフレームワークに関する知識やスキルが足りないので、N-MAPのステップアップしたプログラムを受講していきたいです。外部のビジネススクールについてもファイナンスやビジネスアナリティクスなど、幅広く学びたいと思っています。
そのようにステップを踏んで知識を蓄えていくことで、最終的には研究開発にとどまらず、ビジネス全体を俯瞰できる力を身につけていければとイメージしています。
仕事の中で、思い描いているビジョンもあります。まずは、現在開発に取り組んでいる包装資材・技術を世の中に向けてリリースしたいです。スーパーマーケットで自分の子どもに対して「これがお父さんの仕事だよ」と胸を張って見せられるような、確かなものを作りたいです。
中長期的には、いっそう学びを深めてビジネスパーソンとして成熟していきたいと思っています。研究開発の専門性に、経営知識や語学力を掛け合わせ、オリジナリティを持った人材になれたらなと。「金原に聞けば有効な手立てがわかる」と周囲に信頼される存在になるのが理想です。
最後に、日清製粉グループ各社への入社を考えている方々に伝えたいことがあります。当社グループにはさまざまな研修が用意されており、受講することで視野が一気に広がっていきます。私のように工学系の社員でありながら、希望すれば経営やファイナンスまで学ばせてもらえるなど、この懐の深さこそが当社グループの魅力です。そして仕事では、手を挙げれば責任のある業務を託してくれて、それをサポートしてくれるカルチャーもあります。
このような「挑戦できる環境」で自分らしい価値を築いていきたい方は、ぜひ飛び込んできてください。私たちと一緒に手を携え、共に未来を切り拓いていきましょう。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです

