中期経営計画の策定・推進に従事。高度な知見が求められる業務で、「プラス1」の価値
私が所属する日清製粉ウェルナの経営企画部では、大きく分けて2つの業務を担っています。1つは業績の管理や分析などを行う経営管理、もう1つは経営戦略を策定・推進する経営企画です。
私はその両方に従事しており、主に経営計画の策定や推進に携わっています。具体的には、中長期的な視点で事業環境を分析し、当社が向かうべき方向性や事業戦略立案を行い、経営陣が戦略策定するのを補佐することが私の役割です。そして各部署と連携しながら、施策ごとの利益貢献度を把握するなど、計画の達成状況を管理しています。
また、経営課題や業績を「見える化」することも重要な業務です。製品価格の改定や販売戦略、広告戦略、海外事業の状況などの複雑な情報を見える化し、経営層にわかりやすく伝えています。さらに、為替変動のリスクヘッジとして為替予約も担当するなど、仕事の範囲は非常に多岐にわたります。
こうした業務でとくに重要になるのが、プレゼンテーションなどのソフトスキルです。製造業のコスト構造を理解し、経営を数値的に把握する力が必要なのはもちろん、それを言語化してアウトプットする能力が求められます。また、事業部の活動が業績を左右するので、他部署を巻き込み、関係性を築くコミュニケーション能力も重要となります。
さまざまな専門知識やスキルが求められる仕事ですが、その中で私が大切にしていることが2つあります。1つは「現場半分、机半分」という意識です。現在の仕事は机に向かう時間が長いため、なるべく現場に近い部署の話を直接聞いたり、お客さまを理解するため週末にスーパーの売り場を見に行ったりと、現場とデスクワークのバランスを大切にしています。
2つめは、自分にできる「プラス1」を常に考えることです。依頼された仕事の背景を想像し、相手に喜んでもらえそうな情報を付加することや、素早いレスポンスを心がけています。自分が介在することで、付加価値を生み、存在価値を発揮することをいつも意識しています。
農学部での学びをビジネスに。海外での活躍フィールドと、変革する社風に惹かれて入社
私は学生時代、農学部で黒毛和牛の研究を行っていました。黒毛和牛に与えられる穀物飼料の約9割が輸入によって賄われています。そのため環境負荷が大きく、為替変動の影響も受けやすいため農家の利益が圧迫されやすい構造となっています。そこで草を飼料とする放牧肥育によって、よりサステナブルな畜産システムの構築をめざす研究を行っていました。
私の専門は分子生物学でDNAの分析が研究の中心でしたが、3年間農場に駐在して研究を行う選択をしたため、牛の餌やりから商品のマーケティングまで幅広く畜産業に携わることができました。そのような環境の中で、どんなに優れた研究で、理念や大義名分があっても、川上から川下までつなげることができなければ、ビジネスとして成立しないということを学びました。
就職活動ではこうした学びを活かし、研究開発職に限定せず幅広い業務ができる企業を探し、日清フーズ(現・日清製粉ウェルナ)に入社しました。とくに決め手となったのは、1人で担当する業務範囲が広く、海外で活躍できるフィールドが広がっていたこと、そして面接を通じてベンチャーマインドを感じたことです。人事担当の方と話す中で、長い歴史がありながら変わり続けようとする姿勢に惹かれました。
2013年に入社し、配属先の開発センターではてんぷら粉やとんかつ用の衣材などの業務用食品原料の研究開発に従事しました。外食やスーパーのバックヤード、加工工場など、全国各地のお客さまを訪問し、食品業界全体について知る貴重な経験ができました。その後、2018年から開発に有用な新規原料の開拓を行う原料探索業務の立ち上げに関わりました。
そして翌年にはタイ日清テクノミックへの異動が決まり、入社当初から希望していた海外勤務が実現。R&Dシニアマネージャーとして、タイ国内における業務用食品原料の研究開発部門をマネジメントしながら、サプライヤーの開拓など原料の調達に関する業務を担当しました。
タイでの勤務中は、日清製粉ウェルナのロジスティクス部購買課も兼務し、海外における原料探索部門の立ち上げや、海外事業場間で原料調達を連携する取り組みも推進しました。さらに2022年からは、タイ日清テクノミックの社長補佐も兼務しました。コロナ禍において、原料価格の急変やインフレによるコスト上昇に対応するため、原料や製品価格に関する戦略の立案・推進を任されることになったのですが、ジョブ型の働き方が根付いている海外で、R&D部門だけでなく、工場や営業部門と組織横断的に調整・推進するためには、タイトルが必要だという私の意見を反映したものでした。
このような経験を通して、自分自身がもっと会社を良くしたいという思いを実行する手段として、会社全体を俯瞰し舵取りを行う経営そのものに興味が湧いてきました。社長とキャリアについて話をする機会があり、このような思いを伝えたところ、研究開発系の人材としては前例がなかった経営企画へと異動することとなりました。
当社は経営層との距離が近く、キャリアの希望を伝えられる機会が用意されています。そのため私のように自ら発信すれば、海外勤務が実現したり、研究開発から経営企画へ挑戦できたりと、チャンスを広げられる環境があると実感しています。
タイでの原料探索に挑戦。海外勤務で価値を発揮するため、短期・長期の成果を追求
タイ日清テクノミックの在任中に苦労したのは、新規部門を立ち上げて一から成長させなければならなかったことです。原料を探索して収益化できるまでには、時間がかかります。しかし自分が異動したタイ日清テクノミックは決して事業規模が大きくないため、私が加わったことによる価値は、すぐに発揮しなければなりません。
そこで私は、短期的な成果も追求しつつ、新たな取り組みを並行して進めることにしました。短期的な面では、購買の専門知識を活かして現地スタッフのサポートに注力しました。現地からはアクセスしづらい本社の情報を積極的に提供したり、日々の業務で発生するさまざまなリスクに対応したりと、一つひとつ着実に信頼を積み重ねていきました。
一方で新たに実施したのが、プレミックス事業に関わる海外拠点のR&Dをつなぐ取り組みです。日本国内の日清フーズと日清製粉プレミックス、そしてベトナム、中国、タイなどの海外拠点にいる研究開発者をつなぎ、原料に関する情報共有会を月1回開催しました。
在任中に約50回にわたって開催したこの会議はすっかり定着し、原料だけでなく事業全体に関する情報共有の場として発展していきました。この会を通じ、海外事業場間の連携強化だけでなく、研究開発者全体の知識レベルを底上げすることにも貢献できたのではないかと考えています。
また2024年に日清製粉ウェルナの経営企画部に異動してからも、大きな挑戦がありました。事業の現状に照らし合わせて、2023年から3カ年で立案していた中期経営計画達成に向けた戦略の見直しを行うことになったのです。そして同年末、取締役と事業部の部長と共に、経営課題について徹底的な討議を行う集中会議を実施しました。
私は全事業の状況を分析して戦略を立案し、ファシリテーターとして経営層に提言しながら議論を進めました。最終的な方向性についてコンセンサスを得ることができ、経営企画部として満足のいくアウトプットが得られたと感じています。
このように私の仕事は、経営層と直接対話ができ、会社が進む未来に関与できることが大きな魅力です。ただし、事業を動かしていくのは事業部門の仲間たちです。私たちの役割は、関係者に働きかけて目標に向かって進んでもらうことです。そのことを常に意識し、事業部が成果を上げやすいような施策の立案に取り組んでいます。
経営企画の専門性を磨きたい。充実した学びの環境を活かして、さらなる高みをめざす
私には今、短期的な目標と中長期的な目標があります。短期的には経営企画に関する専門知識やスキルを高めていくことが目標です。ゆくゆくはこれまで培ってきた原料や技術に関する専門性と合わせて、2つの専門性を持ち合わせる人材をめざしています。そのためにも、自身が策定に携わった中期経営計画を着実に推進していきたいと考えています。
そして中長期的には、経営企画部で得た専門的な知見を活かし、組織のトップとして事業を運営できるようになることが目標です。さらに将来的にチャンスがあれば、日清製粉ウェルナだけでなく、グループ全体の経営に携わるような役割にも挑戦してみたいと思います。
自分が描きたいキャリアを積極的に発信すれば、当社は社員の挑戦を後押ししてくれます。教育支援も充実しており、希望する研修に参加することも可能です。私自身も研究開発から経営企画の仕事に変わるにあたり、外部の研修を自主的に受講しました。昨年はさらに応用編となる講座を受講し、そこで学んだ知見が中期経営計画に関する集中討議で実際に活かせるなど、業務にとても役立っていると感じます。
こうした環境に加え、日清製粉ウェルナの魅力はBtoCとBtoBの両方を手がけていることです。商材を通じて食品業界に幅広く携わることができるため、食にまつわる多様な業務が経験できます。私のように研究開発や経営企画などさまざまな仕事に興味がある人間にとっては、とてもおもしろいフィールドです。
また日清製粉グループとしては、海外展開を積極的に行っており、買収などでダイナミックに事業を拡大している点が魅力です。グループ会社間でのコミュニケーションが取りやすく、連携の機会もつくりやすいと感じます。
実際に私がタイに駐在していたときも、現地のグループ会社との連携に取り組んでいました。グループ全体でどのように成長していくかという視点は非常に重要だと思っているので、今後はそうした機運の醸成にも力を入れていきたいと考えています。
自分がやりたいことを積極的に発信することは、就職活動においても大切だと思います。表面的な情報だけではわからないことも、実際のコミュニケーションを通じて見えてくることがあるはずです。自身の希望や意志を伝えることは、社会人になってからも重要なスキルなので、就職活動を成長の機会だと捉え、さまざまな企業と出会ってほしいと思います。
※ 記載内容は2025年4月時点のものです

