入社3年目で「新車物流立ち上げ」のリーダーへ。人との関わりが物流をよりよくする
日産自動車九州の製造部物流課に所属する堀。現在はマテリアルハンドリンググループとして、サプライヤーから入ってきた部品についてのモノの流れを考えています。
「日々の業務は既存の物流管理が3割、新しい物流を作っていく業務が7割といったところですね。工場に入ってきた部品をどう運ぶか、組みつけた部品をどう運ぶかを考え、より安全で効率のよい方法を常に考えています。
チームメンバーは10人程度で、そのバックグラウンドはさまざまです。私のように新卒入社で配属されてきたメンバーもいれば、実際の工場の物流現場で作業者として働いた経験のあるベテランメンバーもいます。年齢層も新卒1年目の若手から40〜50代のベテラン層までバランスよくそろっており、和気藹々とした雰囲気が私は好きです」
入社3年目の堀が現在担当しているのは、新車製造に向けた物流の立ち上げです。
「これまでも小さな改善業務で取りまとめをすることはありましたが、今回初めてリーダーとして取りまとめに挑戦しています。新車物流の立ち上げでは、工場の中にまだない部品をどう運ぶか考えなければなりません。部品が変われば運び方も変わるので、『これを運ぶためにはどれくらいのコストや工数がかかるか』を想定しながら計画を立てることが、今の私の大きな仕事です。
業務の中ではとにかく社内外のステークホルダーとの連携が欠かせません。現場の物流メンバー、車体や組み立てを担当するメンバー、輸送メンバーなど各所と調整を行っています。基本的にはオフィスで完結できる仕事が多いのですが、現場で働くメンバーから話を聞いたり、現物を自分の目で見たりすることも大切なので、積極的に現場に足を運ぶようにしています」
そんな堀が仕事をする上でもっとも大切にしていることは、人との関わりです。
「日々状況が変わっていく中で、物流が滞りなく機能するためには、自分のところで問題を留めず、いろんな人と協力して解決していくことが欠かせません。そのため、業務を行う中で頼れる人を見つけたり、自分を頼ってもらえるような状況を作ったりすることも意識しています。
私が人とコミュニケーションをとる上でとくに大切にしていることは、なんでも素直に話すことです。都合の悪いことを人に話すのは勇気がいりますが、隠していても解決しません。そのため、正直に事情を説明して『助けてください』と声をあげたり、逆に困っている相手がいたら『こうしたらどうですか?』と提案したり、素直な気持ちで人と向き合うことを何よりの指針としています」
災害大国・日本で「モノづくり」を守る。日産自動車で広がった物流の世界
学生時代、堀は社会安全学部で自然災害や事故について学んでいました。
「将来の選択肢を狭めたくないという思いから、文系と理系が混ざり合ったユニークな学部に進みました。学生時代は東日本大震災の際の企業活動の影響について研究しました。
就職活動時は日本の強みは『モノづくり』だと感じていて、メーカーへの就職を希望していました。中でも物流に興味を持った理由は、自身が安全や災害について学んでいく中で自然災害の多い日本で強みであるモノづくりを十分に活かすためには、物流を強化することが大切だと思ったからです。モノづくりを支える土台のような仕事がしたいと思い、メーカーの物流部門を希望していました。
また、もともとモータースポーツなどをきっかけに自動車に興味を持っていました。中でも当社はEVなど新しい取り組みに熱心な印象があり、入社を決めました」
こうして2023年に新卒入社した堀。入社当初は本社のサプライチェーンマネジメント本部で物流の基礎を学びます。
「入社前は物流といえば、トラックでモノを運ぶイメージでした。しかし話を聞いていくと船や飛行機、鉄道でもモノを運んでいることがわかり、視野が広がりました。
また、現在私が担当しているような工場内でのフォークリフトを用いた物流もあり、業務の幅の広さを知って価値観が変わりました。今思えば物流の全体像を網羅的に教えてもらえるタイミングは入社直後しかなかったので、全体の流れを把握できてよかったです」
12人の同期と共に充実した研修を受けた後、2024年には日産自動車九州への出向が決定します。
「出向後は私と同じように本社から来た先輩が業務の基礎から私生活までサポートしてくれて心強かったですね。また上司もその他の先輩方も非常に親切で、みんなが声をかけてくれるので業務の習得で困ることはほとんどありませんでした。
配属前から上司には『現場ありきの仕事』だと聞いていたので、着任後は意識的に工場の中を歩き回って現場の様子を観察し、働く人と交流するようにしていました。自分が携わっている部品を実際に扱っている様子や完成車が作られていく様子を間近で見られて、とてもいい経験になっています」
「まだ存在しないクルマ」の物流を作る。リーダーとして挑む、新車物流立ち上げの舞台
日産自動車九州に出向しておよそ2年。堀にとってもっとも印象深い仕事は、今まさにリーダーとして取り組んでいる新車物流の立ち上げプロジェクトです。
「リーダーとして現場の課題を吸い上げたり、上司に報告したりしながら、プロジェクトを進めています。初めてリーダーの役割を担う上に、従来だと現場・スタッフ・試作業務などを多く経験されてきたベテランの方が務めることが多いため、多少重圧は感じていますが、上司もサポートしてくれているので安心して業務に取り組めています。
新車物流の立ち上げは通常の改善業務とは大きく異なります。まだ実物が存在しない中で、寸法などの数字を元に物流を考える必要があります。
目に見えないものについてさまざまなステークホルダーと認識を合わせていくのはとても難しいですが、2年間の経験の中で現場の大まかな流れを理解してきたので、『どこに影響が出てくるか』などを予想しながら業務を進められることは自身の強みになっています。
この業務をやっていて痛感するのが、これまでの小さな改善業務を積み重ねる大切さです。現場のメンバーとしっかり連携して小さな改善を繰り返し経験してきたことが今の業務に生かされていると感じます。一方でこれまであまり関わってこなかった領域にも触れているので、新たな知識を得られたり、新しい人との出会いがあったりして、それも刺激的です」
業務を重ねていくうちに、堀自身も成長を感じたと言います。
「数字を大切にするようになりましたね。説得力のある根拠を示すためには、数字で説明することが周囲の人に理解をしてもらいやすいです。部品の大きさが変われば、運び方も運搬にかかる費用も変わりますので、できるだけ数字で説明してみんなに納得してもらえるように工夫しています」
前向きに業務に打ち込んでいる様子が印象的な堀に、今の業務に感じているやりがいや魅力を聞きました。
「メーカーの物流のおもしろさは、自身がモノづくりに携われている実感を持てるところだと思います。とくに私は完成車を作る工場の中の物流を担当させてもらっているので、毎日何百台もの完成車が作られていくのを目の当たりにできます。その完成車に自分が関わった部品が使用されていると思うととてもやりがいを感じますし、この喜びはメーカーでなければ味わえないと感じます」
「メーカーの物流は、すごくおもしろい」就活生に伝えたい、知られざる仕事の魅力
働く環境についても、堀は以下のように魅力を述べます。
「多様な人が活躍できる環境ですね。私はまだ日産自動車九州での経験しかありませんが、年齢・性別関係なく、どんな方でも歓迎されるので安心して一歩踏み出すことができました。新しい人が入ってくるとみんな興味を示してくれて、積極的に声をかけてくれるので、とても馴染みやすいと思います」
そんな堀がめざす、今後の展望とは。
「まずは新車物流の立ち上げをしっかりやっていきたいです。そろそろ試作がスタートするので、どんどんブラッシュアップしてトラブルなく立ち上げを遂行したいと思います。
また、長期的な目線では物流のより上流の部分に携わってみたいです。今工場で働いていて、『工場に来る前の工程でここまでできていたら、もっとやりやすいのにな』と感じることもあります。工場で得た経験や考えを活かしながら、部品が工場に来るまでの過程にも携わってみたいですね」
日産自動車で活躍できる人について、堀は問題解決能力の重要性を強調します。
「組織が大きいので、どんな強みや弱みを持っている人でも、きっとその人に合った活躍の場が見つかると思います。そんな中でもとくに活躍できるのは、『なぜこうなっているのか』と疑問を持ち、自身で解明できる力のある人です。若手のうちは疑問に思ったことを周囲に聞くことで解決します。
しかし、経験を積むうちにその疑問を自分で解決したり、『この人たちに影響が及んでいるのではないか』と考え連携し、問題を未然に防げるようになれば、活躍ができる人になれるのではないかと思います」
最後に就職活動を控えた学生に堀が仕事の魅力を伝えます。
「メーカーの物流はすごくおもしろい、と伝えたいですね。物流業界に興味を持っている方は意外と多いと思います。そこでメーカーにも物流という機能が存在していて、すごく幅広い業務を担っているということ、モノづくりに大きく貢献していることを知っていただけたらうれしいです。文系・理系に関係なく、興味があればぜひ挑戦していただきたいですね」
※ 記載内容は2026年3月時点のものです
