実物で未来の品質を創る。プロジェクトリーダーとしての現在地
日産自動車のクルマづくりを根幹から支える生産・SCM部門。その中で古賀が所属する車両品質技術部は、取引先さまから納入される部品の品質を保証するという、きわめて重要な役割を担っています。
「私たちの部署のミッションは、車両工場に納入される部品が、設計図面通りに作られているかを確認し、部品としての品質を担保することです。数年後に発売されるクルマが、最高の品質でお客さまのもとに届くよう、開発の初期段階から量産まで、あらゆる工程で部品と向き合っています」
古賀が現在所属するのは、座間事業所にある「新車フィジカルチーム」。数年後の発売をめざす新型車の試作品を扱い、実物の部品を用いて品質を検証していくチームです。
「『フィジカル』という名の通り、実物の部品を扱って品質を保証していくのが特徴です。以前所属していた『新車サイマルチーム』が、主にCADなどの設計データ上で品質の問題点を洗い出すのに対し、私たちは実際の部品を使って、量産に向けた最終的な準備を進めていきます。取引先さまが製造した部品を評価し、社内で発生した不具合をフィードバックすることで、部品の品質を日々高めています」
チームにはさまざまな経歴を持つメンバー約40名が在籍し、活気に満ちた雰囲気だと言います。その中で古賀は、次期型グローバルSUV車の開発における組立購入部品のプロジェクトリーダーを任されています。
「部品品質技術の代表者として、チームメンバーのサポートや課題の優先順位付け、取引先さまとの連携などを担当しています。私が担当するプロジェクトだけでも、取引先さまは200社、部品点数は5,000点にも及びます。多くの方と関わる仕事だからこそ、丁寧なコミュニケーションを何よりも大切にしています。
言葉の捉え方は人それぞれ違うので、こちらの意図が正確に伝わるよう、常に相手の立場を想像しながら対話することを心がけています」
人とのつながりが道を拓く。工場勤務で培った品質保証の原点
学生時代は化学工学を専攻していた古賀。石油からプラスチック、化粧品まで、さまざまなものを生み出す学問の幅広さに魅力を感じていたと言います。
「就職活動を始めた頃、大学のOBである日産のリクルーターの方からお話を伺う機会がありました。自動車は樹脂、金属、ゴム、半導体など、多種多様な材料や部品の集合体です。ここでなら自分の学んできたことを幅広く活かせるのではないかと考え、入社を決めました」
入社後は、車両生産工場に配属され、生産ラインで発生する部品の品質問題に対応する実務を経験。ここで得た経験が、現在の仕事の礎になっていると語ります。
「工場の技術者は、時にクルマの出荷を止めなければならないような、重大な不具合を担当することもあります。不具合の原因を究明し、対策と再発防止策を講じ、他の車種へも水平展開する。この一連のプロセスを何度も経験したことで、品質保証の基本的な考え方と流れを体に叩き込むことができました」
キャリアの初期には、人間関係で試行錯誤したこともあったと当時を振り返ります。
「入社して間もない頃、職場は経験豊富なベテランの先輩方がほとんどでした。最初は少し戸惑いましたが、自分から積極的に話しかけ、一人ひとりと向き合うことを意識しました。部署の垣根を越えて、親身に教えてくれる方を探したり、違う部署の方に話を聞きに行ったりするうちに、少しずつ社内の人脈が広がっていきました。
この経験を通じて、『このことは誰が詳しいか』という情報を集め、人を頼ることの大切さを学びました」
その後、追浜工場への応援も経験し、さらに人脈を拡大。そこで築いたつながりは、現在のプロジェクトリーダーとしての業務にも大いに活かされています。主体的に動いて築いた「横のつながり」が、自身のキャリアを力強く支えていると古賀は語ります。
データが実車になる感動。地道な仕事の先にある大きなやりがい
これまでで最も印象に残っている仕事として、古賀は「新車サイマルチーム」時代に初めて担当した、ブラジル向けのクルマのプロジェクトを挙げます。
「ブラジルは地球の裏側なので、時差の関係で打ち合わせの時間に調整が必要だったほか、現地の公用語はポルトガル語なので、英語でのコミュニケーションも一苦労でした。
当時、技術的な課題も多く、非常に苦労したプロジェクトでした。そのクルマが次の開発段階に進み、座間事業所で実車になった姿を初めて見た時は、本当に感動しました。これまでCADデータ上でしか見ていなかったものが、目の前で形になった。今までの苦労が報われた瞬間でした」
部品の品質保証は、一つひとつの不具合の原因を地道に探り、対策を講じていく地道な作業の連続です。しかし、不具合の根本原因を突き止め、解決に導いた時の達成感は、何物にも代えがたいと言います。
「モノづくり全般に言えることですが、不具合が発生した時に、その現象から原因を深く掘り下げていき、根本的な原因を見つけ出し、解決できた時に一番のやりがいを感じます。
とくに部品品質の仕事は、扱う部品の幅広さが特長です。樹脂、金属、ゴム、電子部品など、本当に多種多様な部品に触れることができます。
そして、それらの部品を作る取引先さまと連携しながら、分析や提案を通じて改善を進めていく。取引先さまと協力して『ここを直したらうまくいったね』と一緒に結果を出せた時に、この仕事ならではのおもしろさを感じます」
自分が担当したクルマが街を走る姿を見るのは感慨深い一方で、不具合で苦労した部品を見ると、当時の記憶が蘇ることもあると話す古賀。一つひとつの部品と真摯に向き合った経験が、現在の古賀の仕事の礎となっています。
「工場時代に経験した、不具合への対応プロセスが今の仕事の基礎になっています。生産車両の出荷を止めるような重大な不具合が発生すると、原因究明から対策、再発防止、そして他の車種への水平展開まで、一連の流れを責任を持って担当します。この経験が、いまの自分の糧になっています」
めざすは「不具合ゼロ」。当たり前の品質を、仲間と共に未来へ
品質保証のプロフェッショナルとして、そして日産の一員として。古賀には、キャリアを通じて成し遂げたい明確な目標があります。
「自分が担当したクルマを『自分で買いたい』と心から思えるような仕事をしたい、と思っています。開発の裏側を知っているからこそ、自信を持って『これは良いクルマだ』と言える。そんな品質に仕上げて、世に送り出したいです」
その目標を達成するため、品質保証の仕事にフィットする人物像について「当たり前を支える視点」と「新しい技術への興味」の両方を持ってほしいと古賀は語ります。
「クルマの品質は『安全で当たり前』です。その当たり前を地道に支えることにやりがいを感じられる、縁の下の力持ちのような視点を持つことが、この仕事の第一歩だと思います。その上で、EV化やソフトウェアの進化といった新しい変化にも積極的に興味を持って取り組める、その両方のバランス感覚を持った方と一緒に働きたいですね」
自動車業界はいま、100年に一度の大変革期を迎えています。その変化の中で、古賀は日産の未来を共に創っていく新たな仲間と力を合わせる日を楽しみにしています。
「目標は、部品の不具合をゼロにすること。新しく入ってくる皆さんと一緒に、『自分が本当に買いたいと思えるクルマ』を作っていきたいです。仕事は大変なことも多いですが、プライベートも含めて仲良く、楽しく仕事ができる関係を築きながら、同じ目標に向かって最高のクルマを世に送り出していきましょう」
お客さまの安全という「当たり前」を支える誇りと、作り手としての純粋な情熱。その二つを胸に、古賀の挑戦はこれからも続いていきます。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです
