データの正確性を大切にしながら、全固体電池の量産化に向けた生産技術開発に挑戦
パワートレイン・EVコンポーネント生産技術開発本部 革新バッテリー生産技術開発部に所属する成本。部署名にある「革新」という言葉の通り、次世代バッテリーとして期待される全固体電池の生産技術開発をミッションとしています。
「試作を通じ、工法開発や設計部署と連携したバッテリーセルの原理検証を行っています。研究開発が上流、量産化が下流とすると、下流に向けてスケールアップしていくための技術開発を行うイメージです。
『2028年度に全固体電池を搭載したEV(電気自動車)を市場投入する』という会社の目標に向けて、電池性能を達成するため、プロセス視点で『どのように作ればよいか?』を日々検討しています」
成本が所属するのは、試作グループ。担当するのは、スラリーと言われる液体と粉末の混合物を作り、塗膜状に形成する塗工の工程です。
「私の主な役割は、図面通りの品質の製品を作るために、どんな作業の条件や数値(温度、圧力、時間など)を設定すればいいかを考えることです。
そのために、設定した条件が正しいかどうかを確かめるための検証計画を立てて、進捗状況を管理しています」
その際に心がけているのは、「データの確からしさを重視すること」だと言います。
「実験内容を考えること以上に、データの取り方や品質確認方法が重要だと考えています。なぜなら、私たちの部署で取得したデータは設計部署や量産前の検証を行うパイロットラインにフィードバックするため、間違った情報を伝えてしまうと影響が大きいのです。
そのため、データの良し悪しにとらわれずに正確性をもってフィードバックすることを大切にしています」
入社4年目を迎えた成本。部署のメンバーとの議論が刺激になっていると話します。
「私たちの部署は比較的新しい部署で、当初は皆が深い知識を持っているわけではありませんでした。けれど、しだいに知見が積み重なっていき、今では技術的な議論がより深まってきているのを感じます。
とはいえ、真面目な話ばかりをしているわけでもありません。時にはベテランの社員が中心となって場を和ませてくれることも多く、良い雰囲気で仕事ができています」
やっぱり電池の仕事がしたい。想いを捨てきれず、EVの先駆者である日産へ
大学で化学工学を専攻していた成本。その経験を活かしたいと、就職活動では電子部品業界を志望。セラミックコンデンサや半導体などを扱う企業などの選考を受け、電子部品メーカーから内々定をもらいます。
しかし、就職活動を終えた同級生も増え始めた大学4年の夏。スカウト型の就活サイトで日産のオファーをもらったことが転機になりました。
「学生時代は電池の研究をしていたこともあり、心のどこかで『やっぱり電池に関わる仕事がしたい』という気持ちが残っていたんです。そんな時に、日産の『革新バッテリー』という言葉に惹かれて話を聞いたことで、一気に方向転換することを決意しました」
入社を決めた大きな要因は、EVの先駆者としての日産の強みでした。
「自動車そのもの以上に、EVに搭載されているバッテリーに興味を惹かれました。とくに、日産はEV領域に強い印象があります。その中で先進的な技術に関われることが決め手になりました。
自動車業界は機械系の知見を持つ人が活躍するイメージがあったので不安もありましたが、実際には、電気系や化学系出身者の活躍の場もたくさんあります。自分の強みを活かせる分野があることは安心につながりました」
2022年4月に入社後は、約9カ月間の研修期間に。基礎研修や工場での実地研修などを経て、2023年1月に現在の部署に配属されました。徐々に会社のことを知っていくうちに、日産のさまざまな技術を発見できたと話します。
「R&D部門で取り組んでいる電池の技術研究をはじめ、ハイブリッド車のモーター、エンジン関連の新技術など、多くの部署で革新的な開発が進められていることを知りました。他部署の情報に触れることで、日産の技術力の高さを実感しています」
設備導入の苦い経験で再確認した生産技術者としての姿勢と「聞く力」の大切さ
社会人生活には比較的スムーズに慣れることができたと振り返る成本ですが、任されたプロジェクトで苦い想いをしたことも。
「塗工工程の品質確認のために新しい設備を導入することになり、設備の検討・発注から運用開始までを私が担当することになりました。しかし、設備の汎用性が低く、製品仕様や材料が変更になった際に柔軟に対応できないという問題が発生したのです。
新たに治具を作成したり、条件パラメータを調整したりすることで対応できるようになりましたが、結果的に追加のコストがかかってしまいました。
全固体電池という新たな技術に挑戦している以上、図面や材料は日々変化していきます。生産技術者としては、仕様変更も視野に入れた汎用性の高い設備を検討すべきでした」
この経験を通じて、生産技術者としての姿勢はもちろんのこと、「聞く力」の大切さに気がついたと続けます。
「部署には、液体リチウムイオン電池の量産化を経験した人など、豊富な知見を持つ先輩方がいます。自分の知らないこと、わからないことがあった時に、もっと積極的に相談すればよかったと反省しました」
失敗経験も糧にしながら、未来のバッテリー開発に携わる成本。それこそが、大きなやりがいだと話します。
「私自身、初めてのことに挑戦するのが好きで、誰も成功していないことに挑戦できる点が一番のやりがいです。開発においては他社の情報を収集することも多いのですが、その際に自分たちも新しいことに挑戦していると実感できますし、日産の先進性をあらためて感じることができます。
日産のEVは、市場投入の実績があり、安全性でも信頼を得ています。そういった優位性を強みに、新しいことに挑戦できることに魅力を感じています」
量産までのプロセスを経験し、バッテリーのプロフェッショナルをめざしたい
量産化に向けた生産技術に携わる中で、生産技術者としてのおもしろさも実感していると成本は話します。
「現段階で設計担当者から渡される図面は、そのままでは量産が難しいものがほとんどです。それを実現可能な形に落とし込み、どんな設備やラインを作っていくのかを考えること、例えるなら『作りやすいレシピにしていくこと』が生産技術者の役割です。
設計担当者にフィードバックして設計図面を改善していきながら、スケールアップのためのレシピを考えられることが生産技術のおもしろさだと思います」
現在は、生産技術の中でも試作という上流工程に関わる成本。より幅広い視野を持てるよう、これからのキャリアも明確に描いています。
「5年目にはパイロットラインに移って、試作の経験を活かしながら量産化のプロセスに関わっていきたいと考えています。
さらに将来的には、量産の経験を活かしてバッテリーの企画や設計部署に移り、量産の視点からバッテリー設計ができるようになりたいと思っています。試作からパイロットライン、量産化、そして設計までひと通り経験して、バッテリーのプロフェッショナルになることが目標です」
実は、このキャリアステップにはお手本とする人がいると言います。
「現在の上司がとても優秀な人なのですが、量産領域から開発というキャリアを歩んでいるのです。身近にキャリアのイメージができる人がいるので、日々参考にしながら仕事をしています」
自身が新しいことに挑戦しているからこそ、これから日産に入社する人たちにも、自分の可能性を狭めずに挑戦してほしいと語ります。
「とくにバッテリー領域では、目標達成に向けて新しい方法を考え出していく必要があります。また、バッテリーは電気、化学、機械など複合的な分野なので、もともとバッテリーの知見がない人もたくさん活躍しています。新しいことに粘り強く取り組める人なら、楽しめるはずです。
もちろん、選択肢は日産に限りません。ぜひ、最終的に自分がなりたい人物像を思い描いて、それを実現できる条件がある会社を選んでください」
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
