「サイマル」と「フィジカル」で品質を追求。現場主義とコミュニケーションを大切に
車体技術部の車体工程技術課に所属する海野。新型車の試作業務を担当しています。
「私の部署が担当している業務は、大きく2つの領域に分かれています。1つは、デジタル上でクルマの部品や組み立て工程に問題がないかを検証する『サイマル(Simultaneous Engineering)』という業務です。
そしてもう1つが、実際に工場で現物を試作し、改善を重ねる『フィジカル』という業務です。どちらも生産に入る前に課題を洗い出して解決することで、お客さまに高品質なクルマをスピーディーにお届けすることを目的としています」
海野は今年6月にサイマルの担当になったばかり。その前は約2年間にわたり、フィジカルでの経験を積みました。
「フィジカルでは、数年後に市場に投入予定の車両を試作するのですが、私はこれまで4車種ほど担当しました。クルマには何万点もの部品が使われており、いくつもの工程を経てようやく1台が完成します。そして工程ごとに部署が分かれているため、各部署との連携が欠かせません。
試作業務のプロセスとしては、まず試作完成車の評価を担う部署から挙げられた課題を集約し、車体工程の中で何が悪いのかを確認しながら改善を進めます。そして不具合が見つかった場合は、現場で部品や治具の状態を測定し、データに基づいて原因を特定していきます。
こうして内装パーツから外装パーツまで、すべての不具合をなくすことで、お客さまにご満足いただける品質を確保することが私たちの役割です。そのためにも、私たち試作担当が生産前の最後の砦として、課題を洗い出すことが重要となります」
品質を確保する重要な試作業務を進める上で、海野がとくに大切にしていることが2つあります。
「1つは現場に実際に赴くことです。デスクに座っているだけでは、モノづくりの本質は何もわかりません。現場で溶接作業を間近で見学し、クルマがどのように丁寧に作られているのかを理解することを大切にしています。
もう1つは、関係者とのコミュニケーションです。試作業務では、測定や製造などさまざまな工程を担当する部署と連携する必要があります。日頃から密に対話をして、協力を得やすい関係性を築くことを心がけています」
スポーツカーへの憧れから日産へ入社。充実した教育制度で、モノづくりの基礎を習得
大学院では溶接の研究に携わり、とくに鉄道のレールを溶接する圧接という特殊な方法の研究を行っていた海野。一方で、小型レーシングカーを設計・製作して技術力などを競う「学生フォーミュラ」にも参加していました。
「私にとって、クルマは幼い頃から身近な存在でした。クルマ好きの父の影響で、物心がつく前から車のイベントに連れて行ってもらう機会が多かったのです。それで自然とクルマに興味を持つようになりましたね。
工学部に進学したのも、自動車関係の仕事に就きたいという想いがあったからです。その中で溶接に興味を持ったのは、大学時代の工場見学がきっかけでした。摩擦接合という特殊な溶接方法を見て、なぜこのようなロジックで溶接できるのか、とても不思議に感じたんです。そこから溶接を本格的に学ぶ道に進みました」
そして就職活動では、スポーツカーへの憧れが日産を選ぶ決め手となります。
「私がクルマの中でとくに好きなのは、スポーツカーです。日産はスポーツカーの開発において長い歴史を持ち、GT-RやフェアレディZといった名車を生み出しています。そこに大きな憧れを抱き、入社を決めました。そして配属先としては、実際にクルマに触れられる仕事がしたいと考え、生産部門を希望しました」
入社後は車両生産技術統括部に配属され、新入社員研修を受講。約30人の同期と共にクルマの基礎について学びました。
「研修で印象に残っていることが2つあります。1つは、日産独自の『モノづくり研修』です。2カ月間泊まり込みで、設計図面の作成から見積もり、組み立てまで、モノづくりの基本的なプロセスを学びました。
もう1つは工場実習です。追浜工場で夜勤を含む実習を行い、生産現場の大変さを体感しました。その経験を大切に、生産現場の負担を減らしたいという想いで試作業務に取り組んでいます」
研修後は先輩の指導のもと、試作業務や測定業務を経験。充実した教育体制が、海野の成長を支えました。
「車体分野には『車体塾』という専門講座があり、各分野のプロフェッショナルから直接学んで理解を深めることができました。また、フレッシャーズリーダー制度で付いてくれた先輩社員から教わったのが、現場主義とコミュニケーションの大切さです。
そして、『自分の担当領域だけでなく、後工程まで配慮した仕事ができるように』というアドバイスも、常に意識している教えの1つとなっています」
ブラジルでの試作プロジェクトに挑戦。リーダーとして課題を乗り越え、信頼関係を構築
海野にとって大きなチャレンジとなったのが、昨年の夏に携わったブラジルでの試作プロジェクトです。工程担当のリーダーとして、1カ月半にわたり現地に滞在しました。
「ミッションは、私が所属する座間事業所で実施した試作のプロセスを、現地の工場で完全に再現することでした。それが実現できれば、生産時の工数を大幅に削減することが可能になります」
しかし、現地では文化の違いから生じる課題に直面します。とくに労働時間に対する考え方の違いが大きな障壁となりました。
「日本とは異なり、現地では残業するという文化がありません。そのため現状のペースでは期限に間に合わないのに、現地スタッフは定時になると帰ってしまっていました。リーダーとしてどうすればメンバーのマインドを変えることができるか。それを懸命に考え抜きました」
この状況を改善するため、海野は上位者との相談を重ね、なぜ残業が必要なのかを丁寧に説明。さらに自分から積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きました。
「ランチタイムも一緒に過ごし、食事を共にする中で価値観を共有する努力をしました。通訳の方を介しながらですが、誠実なコミュニケーションを積み重ねることで、徐々に現地スタッフの意識が変わっていきました。
そして最終的には、『今日はこの業務をやり切りたいから、残業するよ』とメンバーが自分から言ってくれるようになったのです」
地道なコミュニケーションを積み重ね、メンバーの心を動かした海野。海外での業務に挑戦したことで、2つの大きな学びを得ました。
「1つは工場でのスピード感です。課題をじっくりと丁寧に分析する試作業務とは時間の感覚が異なり、工場では実際にクルマを生産しながら課題を解決する必要があるため、作業を何倍も迅速に進める必要があります。工場ならではのスピード感に対する対応力が身につきました。
もう1つは海外メンバーとの仕事の進め方です。文化や考え方の違いを乗り越えて、いかにチームとして成果を出すかを学びました」
海野を大きく成長させたブラジルでの挑戦。それが実現したのは、以前から上司に海外での仕事に興味があると伝えていたことがきっかけでした。
「私はもともと海外旅行が好きで、上司には『海外で仕事をしてみたい』という想いを伝えていました。それがきっかけで、今回のブラジルでの業務が実現しました。日産は、自分の興味や希望を積極的に伝える人に、チャンスを与えてくれる会社だと感じています」
クルマづくりへのゆるがない熱意を原動力に。次のステップをめざし、新たな挑戦を
今年6月に、自らの希望でフィジカルからサイマルへと業務を転換した海野。今後の目標を語ります。
「フィジカルの上流工程を理解するためにサイマルを経験したいという想いを上司に伝えたところ、今回の異動が実現しました。サイマルにおいては、さまざまな部署と関わりながら、どのような制約があり、その中でいかに良いクルマづくりを追求するかを学びたいと考えています。
その先の目標としては、プロジェクトリーダーとして1台のクルマを担当してみたいという想いがあります。クルマ好きとして、品質にこだわり、日産の個性が光るクルマを手がけてみたいですね」
目標を実現するために必要なスキルとして、海野は英語力を挙げます。
「最近は海外モデルを担当する機会も増えてきているので、英語力の向上は必須です。また、これまでは現場担当者との連携が中心でしたが、上流工程である設計や開発、デザインの担当者との連携には、また異なる知識やスキルが求められると思います。よりチームワークを発揮できるよう、コミュニケーション能力も磨いていきたいです」
新たな目標に向かって歩み続ける海野。入社4年目を迎え、あらためて感じる日産の魅力についてこう語ります。
「何より魅力に感じるのは、クルマづくりに対するゆるがない熱意です。どのような状況でも、その姿勢は変わりません。クルマ好きの1人として車体の品質を追求し、お客さまに喜んでいただける格好良いクルマづくりに携われることに、大きなやりがいを感じています。
また、人間関係の良さも魅力の1つです。試作部署には1年目の新人から60代のベテランまで幅広い年齢層の社員がいますが、世代を超えてフランクに話せる雰囲気があります。
役職者との距離も近く、不安なことや疑問点があれば気軽に相談できる環境です。同じ趣味の人とキャンプに行ったり、会社終わりに食事に行ったりと、プライベートでも交流があります」
「クルマが好きなら、日産を選んで後悔しない」──海野はそう語ります。
「クルマに携わる仕事がしたいと思っている方は、ぜひ日産を検討してほしいと思います。その一方で今クルマに興味がないという方も、視野を広げてさまざまな業界を見ることをおすすめしたいです。
実際にインターンシップや工場見学に参加することで、意外な魅力を発見できることがあります。自分に合う会社を見つけて活躍してほしいと思います」
※ 記載内容は2025年6月時点のものです
