関係各所と調整し、新型車の試作計画を策定。仲間の業務も自分事として意識する
日本生産事業本部の戦略企画部に所属する鈴木。新型車の試作計画の策定や試作部品の納品管理をはじめ、幅広い業務を担当しています。
「私たちのミッションは、お客さまにご満足いただける高品質なクルマを、お約束した納期通りにお届けすることです。その実現に向け、新型車の試作計画を策定しているほか、現行車で不具合品が発生した際に、改善した部品の採用調整なども担当しています。
新型車の試作が完了するまでには、プレス成形やクルマの塗装、組み立て、品質チェックなど、数多くの工程があります。試作計画を策定する際には、まずそれぞれの作業にどの程度の期間が必要なのか、各工程を担当する部署にヒアリングするところから始めます。
試作車の用途は、商品カタログの撮影や実験部での車両性能の評価などさまざまです。試作車の完成を待つ部署の要望にも応じつつ、工場内の各工程において十分なリードタイムが確保できるよう、関係各所と調整する必要があります」
全部署の要望に応えることは難しい中で、鈴木が意識しているのは優先順位を明確にすることだと話します。
「何より重要なのは、新型車の生産が遅延なく開始できるよう試作を完了させることです。お客さまのために一刻も早くクルマをお届けすることを第一に考え、その上で優先順位を決めて計画を策定することを意識しています。部署の要望に応えられない場合は代替案を提示するなど、相手に納得してもらうための丁寧なコミュニケーションも欠かせません。
その中で私は、自分の意見を通そうとするのではなく、相手に敬意を持つことを心がけています。仕事をする仲間は皆さん多様な価値観を持たれているので、まず相手の立場や想いを十分に理解した上で自分の意見を伝え、合意形成を図るようにしています」
計画通りに試作を完了させるため、部署横断での交渉が必要になる仕事と向き合う中で、鈴木が大切にしていることがあります。
「どの仕事も『自分事』として捉えるということです。会社の規模が大きいと、どうしても組織が縦割りになる傾向がありますが、私は自部署だけでなく他部署の業務についても積極的に理解する姿勢を大切にしています。
そして他の部署で業務の遅れが生じた場合には自ら先陣を切り、その部署のために自分ができることを考えて取り組むことを大切にしています」
自動車部品メーカーからの転職を決意。幼少期から大好きだった日産を変えるために
日産に入社する前は、新卒で入社した自動車部品メーカーに勤務していた鈴木。自動車業界を志したのは、幼少期の環境が影響していました。
「私が生まれ育ったのは、電車が1時間に1本しか走らないような田舎の地域でした。そのため移動手段はもっぱら自動車で、一家に2台所有しているのが一般的でした。それほどクルマが身近だった中で、父の愛車が日産のスポーツカーだったこともあり、とくに日産車には愛着がありましたね。
大学生になってもクルマへの親しみや興味は変わらず、就職活動は自動車業界に絞って展開しました。新卒で入社したのは、日産を主要取引先とする自動車部品メーカーです。そこでは部品の調達を行う購買を担当していたのですが、やり取りを重ねる中で日産には改善できる課題があると感じるようになりました。
それを外からではなく中から当事者として変えていくことで、幼少の頃から大好きだった日産に貢献したい。そう考え、約2年務めた自動車部品メーカーを退職し、日産への転職を決意しました」
そして鈴木は2023年に日産へ入社。取引先として見ていた日産と、実際の印象は違っていたと振り返ります。
「以前は、理路整然としていて淡泊な印象がありました。でも実際に一緒に働いてみると、第二新卒である自分に一から十まで丁寧に教えてくれ、とても人間味のある温かい人が多いと感じています。
とくにそれを実感したのは、教育担当に指導してもらった時のことです。自分の業務はすべて後回しにして、3カ月つきっきりで仕事を教えてくれました。その間一度も嫌な顔をせずに私と真っすぐ向き合ってくれ、自分が責任を持って後輩を育てるんだという熱量に圧倒されました。
それは教育担当に限らず他の先輩方も同じで、自分が育ててもらったのと同じように、後輩を育てるという文化が根付いているのを感じます」
担当した部品が原因で不具合が発生。失敗の先に得られた、大きな成長とやりがい
前職の購買とは異なり、日産では生産計画を担当することになった鈴木。新たな経験を積む中で、入社1年目に大きな試練に直面します。
「私の担当は、ワイヤレス充電器の部品でした。しかし、担当を引き継いで間もない内に、その部品の機能に致命的な不具合が発生していることが発覚しました。入社1年目でまだ右も左もわからない中、私は2つのタスクを担うことになりました。1つは問題のない部品を早急に生産ラインへ投入すること。もう1つが、工場内にあるすべての問題部品を改修することです。
1つめのタスクに関しては、その部品が複数社で分業して製造されていたため、部品の欠品を起こさず最短で切り替えることに細心の注意を払いました。その中でサプライチェーン全体と在庫状況をしっかりと把握しながら取り組めたことは、自身の成長につながったと感じます。
もう1つのタスクについては、部品輸送における品質への影響や輸送コストやリードタイムを最小化することを考慮し、部品メーカーの協力の下工場内で部品改修を行うという手段を取りました。作業場所の確保や安全教育、改修後の部品をどう採用するかなど一連の段取りを経験したことで、調整力が養われたと思います。
一方で、自分の未熟さをあらためて反省した部分もありました。伝えるべき相手に必要な情報が伝えられていなかったことで、周囲に迷惑をかけてしまいました。これを機に、自分が担当する業務にはどのような関係者がいて、どういう情報の共有が必要なのかを事前に確認・把握するようになりました」
失敗から前向きに学べたのは、上司の言葉に励まされた面も大きかったと振り返ります。
「上司は常に私の状況を気にかけてくれて、私の知らないところで関係各所へのフォローをしてくれていました。そして私の失敗を決して責めることなく、『そういうことはあるから』と温かい言葉をかけてもらえたことが印象に残っています。
経験が浅い中、社内外関係者をリードすることは苦しい経験でしたが、懸命に対応したことでうれしい出来事もありました。父が最近購入した日産車に、私が担当したワイヤレス充電器が搭載されていて、快適に充電できていると喜んでくれたことです。実際に使っている様子を見たり、喜んでいる声を聞いたりすると、この仕事を選んで良かったと心から思います。
自分が手がけた部品がお客さまに与える影響が大きい分、失敗が許されないというプレッシャーもありますが、だからこそ得られるやりがいや達成感の大きさを覚えます」
お客さまを第一に考え、チームが1つになる。熱量ある仲間と共に改善を重ねていく
失敗を糧に成長を重ねてきた鈴木。間もなく入社3年目を迎える中で、描いている目標があります。
「今後も新型車の試作計画に携わりながら知見を磨き、『このクルマのことなら鈴木に聞け』と言われるような存在になりたいですね。クルマに関する専門知識はもちろん、各工程の業務理解や関係各所との調整力も磨き、どんな場面でも頼られる人財になりたいと思っています。
その中でロールモデルにしている1人が、工場内のすべての工程を熟知し、今見えていないリスクまで先読みできる先輩です。それは長年ストイックに仕事に向き合い、何事にも好奇心を持って取り組んできたからこそ培われたスキルだと思います。私もその姿勢に学び、自分の仕事を極めていきたいです」
前職時代に外から見えた課題に取り組むため、新天地として選んだ日産。実際に当事者として働くことで、新たに得られた気づきもありました。
「お客さまのために何ができるか──それを常に考え、チームとして前向きに取り組む姿勢が印象的でした。不具合が発生した場合に限らず、何か課題が起きた時には、工場内のみんなが一丸となって解決に取り組む。その熱量やチームワークの良さは、日産の工場で働いたからこそ気づけた魅力です。
一方で、問題部品の対応や新型車の計画策定などの業務プロセスが、工場によって異なっているという点が課題だと感じています。担当者の一人として、明確な基準の設定とその遵守がなされるよう、取り組んでいきたいと考えています」
より良いクルマづくりをめざして挑戦を続ける鈴木。これから新たに日産へ参加することになる仲間へ、メッセージを送ります。
「以前の私がそうだったように、日産に対して効率重視で淡々と仕事をするというイメージを持っている方も多いかもしれません。でも実際はチームワークを重視する職場であり、コミュニケーションが仕事の円滑さを左右します。
人間関係を大切にし、周囲の状況を俯瞰的に見て必要ならば積極的にフォローする。そんな人財になりたいと私は常々思っているので、同じ志を持つ仲間と一緒に成長していけたらうれしいですね」
※ 記載内容は2025年1月時点のものです
