すべては日産車の品質向上のために。多角的な視点で部署間の舵を取る
トータルカスタマーサティスファクション本部(以下、TCSX )に在籍する鷹野。あらゆる角度から、日産の車の品質向上に努める部署です。現在鷹野は、主に三つの業務に携わっています。
一つ目が、役員に対して技術的専門性が高い領域でサポートするテクニカルアシスタントです。
鷹野 「私は“常務執行役員付”として、他部署と連携をとって会議や視察の準備をしたり、情報の整理などをしたりしています。工場視察の準備だけでなく、工場側の担当者と日程調整して説明する時間を作ってもらったり、試作車の確認会を準備したり、役員が望むスケジュールを組みながら、今起きている主要課題が何か、どんな点に注力しているかが把握できるようなメニューを提案したりします。
役員がどういった視点で会社の課題や方向性を考えているのかという、役員側の視点が垣間見れたりするので、とても勉強になる日々ですね」
二つ目は、クオリティーリスクマネジメント。会社の品質におけるリスクを考え、課題化し、問題解決を行うというものです。
鷹野 「世界各国のエリアそれぞれに品質管理を担当する責任者がいて、彼らにヒアリングして情報を集約していきます。各担当者は、担当している国や地域のお客さまからの細かな声を普段から吸い上げており、何がリスクになりうるかを判断しています。同様に、各プロジェクトや機能の責任者にもヒアリングを行います。それらの声を集約して、私たちのチームで課題化するべきか検討を行います。最終的には役員が会議にて判断を行い、課題化することが決まれば、クローズまでフォローします。
そして三つ目は、社内監査業務となります。決められたルールに則って、各部署が業務を進めているかを事務局の立場で確認、基準に基づいた業務プロセスを運営することがミッションです。
鷹野 「具体的には、年間で定められたスケジュールで、各部署が監査や教育を行っているか確認したり、あってはいけないですが不具合などが発生してしまった場合は再発防止と水平展開のフォローをしたりしています。」
いずれの業務も、他部署との密な連携が欠かせません。常日頃から、各部署のさまざまな情報をキャッチし、調整していく役割を担っています。
鷹野 「特に『ワンボイス』にすることが重要だと思っています。いろいろな部署の人が関わってくるので、みんなが同じ方向をめざしていることがもっとも重要です。簡単なことではないからこそ、いろいろな課題が生じているので、どうやったらワンボイスにしていけるかを考えるのが、私の任務だと思っています」
憧れの自動車メーカー。愛する車に携われる喜び
もともと車が大好きだったという鷹野。学生時代は車で日本全国を旅行するなど、車に対して並々ならぬ愛情がありました。
鷹野 「思い返してみると、幼稚園の卒園文集に『なりたい職業:くるまをつくるひと』と書いていました。大学を選ぶとき、『自動車メーカーに勤めるには、どういった学部学科に入ったらいいか』という発想もあったほどなので、希望通り自動車メーカーに入社できてうれしかったです」
実は、日産が鷹野にとって二社目。前職は、バスやトラックを扱う自動車メーカーでした。
鷹野 「車のアフターサービスに携わる部署に配属されました。とても勉強になったのですが、どうしても『日産で乗用車を作りたい』という想いがあり、転職を決めました。
日産を志願した理由は、単純明快です。前職で北米に長期出張したときに見た車……それが日産のインフィニティというブランドなのですが、すごくカッコよくて。こういうカッコイイ車を作りたい、そして、自分で携わった車を購入して、家族を乗せて走れたら、ものづくりに携わる人間としたら最高のことだな、と思いました」
こうして、念願の日産に転職した鷹野。面接のときに「インフィニティをやりたいです」と伝えたところ、希望通りの配属になりました。
鷹野 「プロダクト・クオリティ・マネジメント・オフィスという部署に配属になりました。そこで憧れていたインフィニティの新車立ち上げ業務を担当し、その後はNissan North America(北米日産)に出向。北米向け車両の新車立ち上げ業務にも携わりました。向こうでインフィニティに乗って家族で旅行したりもしたので、入社前に描いていた未来予想図がかなった形ですね」
なお、前職でも海外勤務経験があり、日産でも北米日産に出向した鷹野。思わぬところで、前職での経験が活かせたと言います。
鷹野 「新車を立ち上げるときに、故障診断機というシステムを使って解析をするのですが、前職でまさにその開発を担当していた経験がありまして。おかげでかなりスムーズに使えました。
ほかにも、販売会社へ出向経験もあり、自動車業界全体のフローはなんとなく把握できていたことも、現在の業務に活きていると思います」
国が変われば車の使い方も変わる。意識したのは、アメリカと日本の橋渡し
鷹野 「アメリカで新車の立ち上げに携わっていてうれしかったこと、やりがいを感じたことはいくつもあります。第一に、先程もお話しましたが、『自分が関わった車に乗って、家族で旅行する』という体験ができたこと。
お客さま目線で仕事をしているつもりでしたが、いざ現地で生活をして、自分が車に乗ってみて、本当の意味でお客さま目線で車を客観視できたと思っています。たとえば、もっとこうすればよかった、こういうところを注意して見ておかなくてはダメといった課題もどんどん見えてきたので、とても勉強になったと思っています」
このように、お客さま目線で見ることで、拡大した視野。それをさらに幅広いものにしたのは、多国籍のメンバーと一緒に仕事ができたことも大きいと鷹野は語ります。
鷹野 「国が違えば、車に求められているものや、車の使い方も大きく異なります。いろいろな国の方と一緒に働いていたので、日本人の自分には思いもよらない車の使い方を知るきっかけになりました。
たとえば、スーパーでの買い物の様子ひとつとってみても、『車の屋根にクリスマスツリーを括り付けるの?』とか。あとは、日本と違ってアメリカは国土が広く、砂漠や標高の高い山など、同じ国の中でもさまざまな環境があります。本当に、日々驚きと発見の連続でした。そういった情報をうまくまとめて、日本にフィードバックしていました。日本とアメリカの橋渡しのような役割を果たせていたのかなと思います」
5年先、10年先の姿を想像して。品質保証の意義とやりがい
複数の業務を兼務する鷹野に、あらためて品質保証のおもしろさをたずねました。
鷹野 「車全体を見ることができることだと思います。たとえば、設計や実験であれば、担当の部品や機能をメインに担当をするという醍醐味がありますが、品質保証となると『お客さまがどう感じるか?』、『お客さまはどういった使い方をするか?』に着目して車全体を見ながら業務することができると思います。車が好きな人、興味がある人であれば、ものすごくワクワクする業務が多いのではないかと思います」
さらには、車好きの鷹野だからこそ感じるワクワク感も。
鷹野 「まだ世には出ていないけれど、今作っている車が目の前にたくさんあります。新車の立ち上がりはやっぱりワクワクします。これは何年経っても変わりませんね。
車が世の中に出てくるまでに品質保証としても日々改善を重ねているので、『発売されるころにはどうなっているのか』と想像すると、たまりませんね。3年後、5年後、10年後の姿を想像しながら新車を立ち上げ、より良いものにすべく手を加え、世の中に出ていく。この部署ならではの感慨深さかもしれません」
今日も鷹野は数年先の未来を見据えながら、大好きな車に携わっていきます。

