技術指導を行うため全国各地の現場へ。心がけているのは“苦手意識を抱かせないこと”
──所属部署の仕事内容について教えてください。
私が所属する技術部は、約10名のメンバーで構成され、新しい技術の開発や設計関係など、幅広い業務を担当しています。現在は、アスファルト舗装を施工する際に、ダンプトラックの運搬状況をクラウド上で確認できるシステムを開発中。
これによって、プラントや現場でリアルタイムに情報を共有できるようになり、作業効率が大幅に向上します。
──2023年に現在の部署に配属され、これまでどのような業務を担当してきましたか?
最初は、学校グラウンドやスポーツ施設などの設計業務を担当しました。現在は係長として、公共工事の技術提案に活用する新技術の開発に携わっています。公共工事の入札では、工事にかかるコストと技術力が点数化され、それらの総合的な評価によって受注できるかどうかが決まります。
技術提案は、技術で何ができるかを伝えるものであり、これが受注につなげるための重要な要素となっています。当社は国内で数少ない斜面舗装や環境工法の技術を有し、これらも技術面での大きな強みになっています。
一方で、私たちが開発したシステムのマニュアルを作成し、それに沿って現場で工事担当者の方に技術指導を行うことも私の仕事。最近だと沖縄の現場に赴き、工事担当者に技術指導を行いました。全国さまざまな場所に足を運ぶため、普段から現場と連携しながら業務を進めています。
──仕事をする上で心がけていることがあれば教えてください。
技術指導を行う上で心がけているのは、相手にわかりやすく伝えること。新しいやり方やシステムに苦手意識を持たれないように、伝え方にはとくに気をつけています。
また、技術開発では現場になるべく負担をかけないことも大切で、常に新しい技術が求められる中、現場に配慮しつつ、これからも技術力の向上に尽力していくつもりです。
学生時代はビオトープ整備に興味を持ち、社会貢献度の高い仕事に携わるため日本道路へ
──学生時代に打ち込んだことについて教えてください。
子どもの頃から、自分が決めたことは長続きするタイプで、中学から高校までは母の影響で卓球をやっていました。大学でも卓球サークルに入り、7大学が加盟する大会の運営委員を務めることに。運営メンバーとは、この経験を通して絆が深まり、社会人になってからもチームを組んで区の大会に出場するなど、今でも交流が続いています。
一方、大学時代は農業土木を専攻。この分野を選んだ理由は、高校時代に読んだ一冊の本との出会いがきっかけです。その本では、太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーを活用したヨーロッパの街づくりや、生態系を再生保護するビオトープ整備について触れていました。とくにビオトープ整備に惹かれ、しだいに環境への取り組みに強い関心を持つようになりました。
──就職活動時の軸や日本道路への入社の決め手は何でしたか?
就職活動では、大学で学んだ知識を活かしながら、社会貢献度の高い仕事に携わりたいと考えていました。日本道路を選んだ理由は、人事の方が私の話に真摯に耳を傾けてくれて、安心感を持てたことが大きいですね。
大学時代から女性が少ない環境で学んでいたため、男性が多い職場に対する抵抗感はありませんでした。これまでお世話になった方々は、非常に面倒見の良い方ばかりで、イメージ通りの会社だったと感じています。
──入社から現在までのお仕事について聞かせてください。
2010年に入社後、最初は静岡にある高速道路のリニューアル工事を担当。先輩の動きを見ながら業務を覚え、段取り変更によって職人さんのやる気を削がないように、とくに事前準備は入念に行いました。2012年からは設計に携わり、上司から基本的な操作を教えてもらう一方で、参考書を買って自己研鑽にも励みました。
2013年には全国へ出張してICT関係の技術支援を行います。この頃から苦手意識を抱かせない伝え方を意識していました。2019年になると、新東名高速道路の工事担当者として、再び現場に戻ることに。約10年ぶりの現場は、以前と比べてICTが急激に普及していました。こうして振り返ってみると、さまざまな経験をさせてもらい、そのすべてが今の仕事に活かされていると感じます。
最前線の取り組みに関われることがやりがい。独自性のある唯一無二の技術開発をめざす
──とくに印象に残っている出来事はありますか?
工事部に配属されてから3カ月後くらいに、ICT業務を1人で担当することになりまして。各担当者と密に連絡を取りながら、機械の手配やデータ作成などの施工準備を一つひとつ進めていきました。
施工初日まで不安でしたが、機械が設計通りに動いたのを見た時は、大きな安心感を覚えましたね。上司と一緒に動いていた時は、どこか人任せになっていた部分があり、1人で担当することで見落としにも気づき、とても良い経験になったと思います。
──2021年に係長に就任されたそうですが、心情や行動に変化はありましたか?
言われてから動くのではなく、自分で考えて行動するようになりました。2度目の現場では、工期が非常にタイトだったため、職員同士で日々進捗状況を確認しながら、協力し合って業務を進めました。現在の技術部では、担当業務がおのおのバラバラなため、日頃からアンテナを張って部内の状況把握や情報共有に気を配っています。
──どういったところに仕事の魅力、やりがいを感じますか?
会社の最前線の取り組みである技術開発に携われることです。とても貴重な経験ができていると思いますし、これまで注力してきたものが、いずれ当社の強みとなり、工事の受注につながっていくことに大きなやりがいを感じます。
そのためにも、当社にしかできないような独自性のある技術開発をめざしていきたいですね。
すべての経験が自分の糧になる。社会貢献度の高い仕事に携われている実感が原動力に
──これまでを振り返り、やりたかった仕事ができていると思いますか?
同期の中では、私が一番多様な経験をさせてもらっているかもしれません。そこで多くの知識を得ることができ、すべての経験が成長の糧になっていると感じます。技術開発においても、現場を知らないと一方的な開発になりやすく、扱ってもらえない可能性があります。ここでも現場経験が活きてきますし、資料を見返しながら自己研鑽に日々励んでいます。
入社後から社会貢献度の高い仕事に携わり、測量学やコンクリート工学など大学で学んだ知識を活かすことができ、これは就職活動で軸にしていた想いにつながっています。自分の関心があることを突き詰めていき、最終的にこの道を選んだことは間違いではなかったと思っています。
──「なでしこエンジニアの会」に所属しているようですが、活動内容について教えてください。
この会では、幅広い業種の女性が集まり、女性目線で労働環境の課題を抽出したり、各社の休暇制度を調査したりして、情報共有や意見交換ができる場となっています。
当社のような道路会社だけでなく、レンタル会社や建設機械メーカーなど、他社で活躍する女性の方々ともつながれる貴重な機会で、良い刺激をもらっています。
──今後のビジョンについて聞かせてください。
これまでの経験を活かし、「会社にはこんな業務があるんだ」「私もチャレンジしてみたい」と思ってもらえるような、女性技術者たちにとって、1つのロールモデルになれればと考えています。また、なでしこエンジニアの会で得られたアイデアや気づきを自社に持ち帰り、職場環境の改善につなげていければと思います。
──どんな人が活躍できますか?
コミュニケーション能力を持っている方や、常にアンテナを張って情報収集できる方が活躍できると思います。技術部では“新しいことに挑戦していこう”という意識を持って働いているため、これから一緒に働く若手社員からの意見も積極的に取り入れていきたいですね。
現在は、女性技術者が増えて職場の雰囲気が変わり、設備の面でも改善されつつあります。あまり身構えずに挑戦してほしいですね。
※ 記載内容は2025年2月時点のものです
