ものづくりへの愛と父の影響で進んだ土木工学の道。惹かれたのは最先端のドローン測量
──子どもの頃の性格や思い出について教えてください。
活発で、いろんなことに興味を持つ性格でした。沖縄に住んでいたので海で泳ぐなどの外遊びを楽しむ一方で、プラモデルやペーパークラフト、ブロックなど、手先を使うものづくりにも夢中になりました。私が惹かれたのは、完成品そのものよりも制作過程。材料をそろえて、部品を一つひとつ組み立てていく工程がおもしろくて。この経験が、現在の仕事を選んだきっかけの1つとも言えるかもしれません。
中学校ではバドミントン部に所属し、全国大会出場をめざして練習に励みました。全国出場はかないませんでしたが、個人競技でありながら団体戦もある中で、チームワークを大切にしながら切磋琢磨できたことは、大切な財産になりました。
現在駐在しているタイでも、多国籍チームに所属してバドミントンを続けているんです。国籍や言語は異なっても、競技を通じて喜びや苦しさを共有できますし、シンプルなスポーツながら、国が違えば考え方や価値観も異なり、それがプレースタイルにも表れることがおもしろいですね。
──大学では土木工学を専攻したそうですが、理由を教えてください。
建設業を営む父の影響が大きかったです。幼少期から父の仕事を手伝う機会があり、土木というものが身近な存在だったんです。建造物ができ上がっていく過程がとても興味深く、将来はこの分野で働きたいという想いが芽生えました。
大学では、ICT技術を利用した最先端の土木技術について学びました。とくにドローンを使った測量技術に惹かれ、研究に没頭。しかし、当時この技術は企業でもまだ使用実績が少なく、就職しても学んだことを活かせないのではないかと思ったんです。
「2~3年後にはドローン測量を行う企業が増えているだろうから、それまで大学院でもう少し勉強してもいいかも」と悩んでいたのですが、その後参加した日本道路のインターンシップがターニングポイントとなりました。
技術力の高さに感動し、日本道路へ。経験を積み、タイの大規模工事で夢を実現
──日本道路へ入社したきっかけについて教えてください。
大学3年生の時、ドローン測量技術を使用している2社でインターンシップに参加したんです。どちらもドローン測量技術を使って設計業務を行っていたのですが、より積極的にICT技術を活用していたのが日本道路でした。
当初、舗装の仕事はシンプルなものだと思っていたのですが、インターンを通じて舗装には作り上げるまでの細かな過程があることを知り、その土台となる技術力に強く惹かれるように。とくに、自動制御で大型舗装機械を操作し、高精度なグラウンド工事を行う様子に衝撃を受け、「これだ!」と思ったんです。ここでなら施工管理のプロとして成長できると確信しましたね。
ほかにも人事担当者の、まるで恋人のような(笑)やさしい対応も決め手となりました。私が大学院進学を迷っていることや、ドローン測量やICT技術に興味があることを正直に伝えたところ、「もし良かったら現場を見に来ませんか」と声をかけてくれて。グラウンド工事の現場を案内してくれたんです。
──2020年に入社となったわけですが、その後の業務はどのようなものでしたか?
東京都にある技術研究所で基礎的な知識を学んだ後、山梨県の高速道路の維持修繕工事現場で、施工管理業務を1年間担当しました。慣れないことが多く、とても大変でしたが、仕事に対する責任感が持てるようになりましたね。たとえば、年上の作業員への指示などは難しいものですが、安全や品質、工期を守るために言うべきことはきちんと言わなければなりません。「安全第一、品質管理、工期遵守」というスローガンは、“日本道路プライド”として叩き込まれました。
2年目は東京都で建築物の外構工事や道路の維持修繕を担当。宅地造成や建物の基礎工事、庭造り造園工事など、建築寄りの業務がメインで、業者を交えての工程管理や人間関係の調整が難しく、課題に直面し、成長することができたと思います。
──現在の業務についても教えてください。
2023年4月より海外事業部に所属し、タイで大型プロジェクトの施工管理や品質・安全管理を行っています。もともと、海外の国々の考えや文化に興味があり、入社当初から海外勤務の希望を人事部に伝えていたところ、それがかなって赴任しました。
担当しているのは、タイ国営の自動車の高速走行テストコースの建設現場。舗装だけでなく山の木を切るところから始まる大規模な工事で、グラウンド1周が建設する高速周回路は、2kmの斜面舗装を含む全長4㎞との大型周回路で、日本では考えられないようなスケールの大きさです。
テストコースでは速度を落とさず走行し続けるため、道路に傾斜を付ける必要があります。斜面舗装は難易度が高く、その技術を有しているのは、国内では当社を含めて2社のみ。角度や湾曲などの施工条件に合わせ、舗装機械も自社で開発・改良しています。この機械を使用する工程がこれから始まるため、どうやって斜面舗装を作っていくのか、経験できる日が楽しみです。
また、私の専門であるドローン測量も行っています。夢だった海外の現場でドローン測量が実現できるなんて、とても刺激的な毎日ですね。
「1人では現場は回せない」。数々の現場で学んだ、施工管理の難しさと成長
──入社後に驚いたことやギャップを感じたことはありましたか?
実際の現場で働き始めると、大学で学んだ理論とは異なる発見が多くありました。たとえば加工、施工精度について、私が当初想定していたのは数センチ単位。それをさらに上回り、ミリ単位での調整が実現できる技術力の高さには驚きました。これほどの技術を持つ会社は限られていて、あらためて日本道路の素晴らしさを実感しました。
──これまで印象に残っている仕事を教えてください。
東京支店で従事した、歌舞伎町の夜間工事です。工事を行うにあたって、さまざまな人が往来する繁華街という特殊な場所での安全管理が非常に大変でした。もっとも防がなければならないのは、現場がストップしてしまい、多方面に迷惑がかかること。工事による騒音への配慮はもちろん、事前の挨拶回りやチラシ配布なども大切な仕事です行いました。
2年目に初めて民間工事の現場を1人で任されたことも印象に残っています。当初は「自分1人でできるだろう」と思い込んでいたものの、実際にはうまくいかないことばかり。まず仕事の多さに圧倒され、さらに、上司の下で動いていた時は起こらなかったような工程のずれやお客さまとの折衝での問題が多く発生してしまいました。
一時的に作業員との信頼関係に亀裂が入ってしまったことも。そこで初めて、これまでは見えないところで上司がさまざまなフォローをしてくれていたことに気づいたんです。
現場を円滑に進めるためには、予想外の事態にも対応できるように細部まで綿密に準備を行い、さまざまな関係者との調整を丁寧に行うことが重要だと学びました。自ら測量を行い、材料を手配し、すべての工程を経てなんとか構造物が完成した時には、支えてくれた協力会社の方々が「また一緒に働きたい」と言ってくれて、達成感がありましたね。
仲間と対等に良いものを作りたい。技術力を高め、夢は世界を飛び回る施工管理者に
──仕事で大事にしている価値観を教えてください。
作業員の皆さんと対等に、一緒に良いものを作りたい」という想いを大切にしています。現場監督という役割役職は、どうしても威圧的な印象を持たれがちですが、私は、上から指示を出すのは得意ではなく、人に誰かを怒ることも苦手な性格。常に「怒らずに良いものを作るにはどうしたらいいか」を考えながら仕事を進めています。
とくにタイでは、怒る人は器が小さいと思われる文化があり、どれだけ冷静に物事を伝えられるかが重要視されます。実際、1年間タイの現場で働いていますが、誰かが声を張り上げたり怒ったりする場面は一度も見たことがありません。言葉が通じない分、ボディランゲージも使いながら、タイの文化に合わせて冷静にコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことを心がけています。
──働き方やワークライフバランスについてはいかがですか?
会社全体で週休2日制度休日取得に積極的に取り組んでいます。業務の効率化も推進していて、移動時間や隙間時間の活用方法などについて、会社から具体的なアドバイスもあります。実践してみると「確かに無駄な作業が多かったな」と気づかされることも多いですね。
海外駐在中の今は、休日にはできるだけ外へ出かけ、観光を楽しんでいます。バドミントンを通じて知り合った現地の友人とマラソン大会に参加したり、海に遊びに行ったりすることも。異国の文化に触れることで価値観や考え方も変わり、日本ではできない経験をさせてもらっています。
──今後のビジョンや思い描くキャリア像を聞かせてください。
ICTの技術力をさらに高めていきたいと考えています。中でもドローン測量については、自分自身で一通り理解できる知識と技術を身につけたいと思っています。日本道路は、新しい技術への投資に前向きで「こういうことをしたい」と提案すれば、挑戦を後押ししてくれる雰囲気があります。ありがたいことに私は、海外勤務も含め、やりたいことがほぼ100%かなえられている状況です。
将来的には、一級土木施工管理技士などの資格を取得して、重要なプロジェクトの現場で指揮を取れる施工管理者をめざしたいという夢があります。またタイだけでなく、インドネシアやマレーシア、さらにはアフリカなど、さまざまな国を飛び回って、いろんな人と仕事をしてみたいですね。当社は特殊なプロジェクトも多く、求められる技術もハイレベル。より良いものづくりを追求する姿勢を大切に、日々考え、勉強を続けていこうと思います。
※ 記載内容は2024年12月時点のものです
