経営と人事をつなぐコンサルタントの矜持。年100件以上の未来を描く人事戦略チーム
経営コンサルティング部人事戦略チームは、民間企業向けに人事戦略の立案支援や制度構築の導入支援を手がけています。
中川:30名弱の少数精鋭のチームで、年間100件以上の人事に関わるプロジェクトを支援しています。お客さまの抱える課題に応じて、入社者に定着してもらうためにはどうすべきか、企業と社員がWin-Winの関係で成長していくためには何をすべきかなど、人材マネジメントの一連のフローがどうあるべきなのかを描き、施策を推進していきます。
お客さまのニーズに応えていく中で、私たちがとくに大切にしているのは経営戦略との連動性です。どのような方向性で今後の事業をやっていくのか、その事業をやるためにはどんな人材が必要で、どんな組織・人事戦略が必要なのかということを紐付け、青写真を描く。そのため人事部の方だけでなく、社長をはじめとした経営層と会話をしてプロジェクトを進めることが多いです。
マネージャーである中川は、メンバーの管理業務を行いながらもプレイヤーとして業務の前線で活躍しています。
中川:プロジェクトマネージャーとして一つひとつのプロジェクトを管理する立場を担っています。仕事をする上で大切にしているのは「誠実であれ」という言葉です。われわれがいただくお金は決して安くはないので、本当にそれに見合った仕事ができているのかを常に自戒しながらやっています。
シニアコンサルタントの市川も、メンバーの一員としてお客さまに向き合いながら、日々さまざまな情報を収集。「情報の濁流」の中から確かな事実を選び取り、最適な提案へとつなげています。
市川:入社から6年目を迎え、最近はプロジェクトの方向性を考えてチームメンバーをリードする役割も果たしています。仕事をする上ではプロフェッショナルとして目の前の物事に対して嘘はつかない、飾らない、真正面から取り組むというところを意識しています。
お客さまの前でお話する情報提供やご提案など、すべてがプロとしての重みを持ったひと言になるので、きちんと裏付けのある発言をしていきたいですし、目的や背景を踏まえてもっともお客さまのためになる提案をしたいと常に意識しています。
ワーク・エンゲイジメントとの出会いが変えた視点。チャレ投を通じて学術の力で再定義
みずほリサーチ&テクノロジーズにて、10年以上にわたって活用されている新規ビジネス企画制度「チャレンジ投資」。「チャレ投」の愛称で親しまれているこの制度を活用し、人事戦略チームでは「エンゲイジメントサーベイ」の開発に取り組んでいます。
市川:従業員エンゲイジメントが社員の自発性を活かすための重要な概念として世間で注目を浴びている中、当社としてエンゲイジメントとは何か、どうすればこれを高め、企業価値向上につなげられるのかを考え、それを見える化するサーベイを作りました。
このプロジェクトは、年始恒例のチーム会議「今と未来を考える会議」から始まりました。
中川:2022年の会議で人的資本経営に関して注目する中で、「エンゲイジメントについて当社としての考え方を整理したいよね」という声が上がったんです。ちょうどチャレ投の申請を検討する時期でもあったので、興味のあるメンバーが6人ほど集まって進めていきました。
こうしてプロジェクトがスタートし、最初の1年で考え方を整理。その後で慶應義塾大学の島津教授との連携が実現し、商品化への動きが本格化しました。
中川:「エンゲイジメント」という言葉はよく使われますが、その定義は各社各様だということに気づき、私たちは学術的な側面からあらためて定義づけることにしました。
初めのうちは英語の論文を読み漁って、キーポイントを探り出しましたね。慣れない英語論文に苦戦もしましたが、海外の先行研究も踏まえた結果、エンゲイジメントに対する知識や思考は相当洗練されました。島津先生からも「本当によく調べてきているので、深い議論ができますね」と言っていただけました。
プロジェクトを通じて、エンゲイジメントに対する新たな気づきもありました。
市川:エンゲイジメントについて、従来は「会社として測るものだから、会社や組織に対するエンゲイジメントを測るものだ」と考えていて、それを測る方法を検討していました。でも、このプロジェクトであらためて定義するため、源流をたどるうちに、学術的には仕事に対する「ワーク・エンゲイジメント」がもっとも研究が進んでいて、確立された概念だと知りました。
目の前のいつも触れる仕事そのものに対する思いと、仕事を提供している会社に対する思いは別物で、総合的に捉えないといけない。そこに気づいて、より個に迫った分析を取り込めたのは大きかったです。
中川も、従来の組織視点から個人視点への広がりを感じています。
中川:私たちは組織・人事のコンサルタントとして、企業や組織が集合体としてどうあるべきかというアプローチを取ることが多いのですが、ワーク・エンゲイジメントを通じて「個人としての特性や、組織と個人の関係性に着目したアプローチ」という新たな視点が生まれました。多様性・個別性が求められる社会に対応したソリューションにつながる可能性を感じています。
単なる調査で終わらせない──みずほエンゲイジメント2.0が描く人材定着の未来
2024年にはプロトタイプの開発が進み、2025年4月、ついに「みずほエンゲイジメントサーベイ2.0」が正式にリリースされました。プロトタイプの段階から多くのニーズがあり、正式リリース後も問い合わせが相次いでいると言います。
市川:エンゲイジメントサーベイ自体はすでに数多くの企業が提供していて、とくにプライム上場企業では人的資本開示が義務化されたこともあり、開示指標の1つとして実施している企業がほとんどです。
一方でみずほエンゲイジメントサーベイ2.0は規模に関係なく、従業員の力を引き出したい企業からの引き合いも多いことが特徴。離職抑制や新卒社員の定着率向上のために導入を検討する企業も多く、人材確保の観点からも注目されています。
このサービスの最大の特徴は、なんと言っても学術的な裏付けを持って開発されている点です。
市川:これまでもサービス開発に携わることはありましたが、大学の先生との協働は初めての経験でした。島津先生へメールでアプローチしたところ、先生ご自身もワーク・エンゲイジメントをより知ってもらいたいという思いを持っておられ、快く協力していただけました。
さらに、調査するだけでは終わらないことも大きな強みだと語ります。
市川:当社では先行研究にもとづいた調査を行うため、結果に対して原因・課題の特定まで踏み込んだ分析を行います。さらに、コンサルティングの知見を活かして課題解決に向けた具体的なアドバイスを提言し、より深い支援につなげることも可能です。
調査を「やりっぱなし」にせず、実践的な改善につなげられる点が大きな特徴となっています。
中川:お客さまの経年での変化をしっかり追っていきたいと考えています。これまでのサーベイは調査に多大な労力がかかるものが多く、その結果に対する施策の推進はできていても、再度サーベイを取る余力がありませんでした。
しかし、みずほエンゲイジメントサーベイ2.0は経年での変化を追っていくことを視野に入れたサーベイですし、経年実施のたびに私たちがコンサルタントとしてお手伝いできるきっかけにもなるので、施策の成果も追っていきやすいと感じています。
英文論文から大学教授ネットワークまで。チャレ投で広がった「世界」を語る
チャレンジ投資を活用したエンゲイジメントサーベイの取り組みを通じて、人事戦略チームのメンバーは大きな学びを得ています。
中川:普段はお客さま対応が中心なので、学術的な領域に踏み込む機会は多くありません。今回、研究論文を読み込んで、体系的にエンゲイジメントの理解を深められたことは大きな収穫でした。
また、大学教授とのネットワークを構築できたことも視野を広げるきっかけになりました。
市川:ビジネス的な観点も養われましたね。競合の多い分野で、どのような差別化要素を持たせ、どういったお悩みを持ったお客さまのニーズに応えて収益化していくのか。チームが培ってきた強みを活かしながら、普段のコンサルティングとは少し違ったサービスをどのようにお客さまにお届けするかという観点を検討できたことは、大きな学びでした。
今はまだサービスが走り出し、スタートラインに立てた段階。今後分析の視野を広げ、より充実したサービスに育て上げていきたいと思っています。
当社にはさまざまなことに挑戦できる土壌があると語る2人。チャレンジ投資以外にも、働きやすさや成果の最大化につながる魅力的な制度があると言います。
中川:個人的にはどんどん働きやすくなっていると感じています。確かに業務量はボリューミーなのですが、リモートワークが充実しているため、時間を効率的に使えます。通勤時間がかからないため、自己研鑽やチャレンジ投資にも時間を割けるのは大きな魅力ですね。
市川:私もそう思います。集中して家で静かに働きたい時はよくリモートワークを活用していますし、業務後は会社の外に学びの場を持つなど、自分の時間の使い方を柔軟に決められます。仕事の総量は決まっている中で、どのように進めるかの裁量は大きいですね。
最高の環境で自身のポテンシャルを発揮する2人に今後の展望を聞きました。
市川:今回のプロジェクトを通じて、社会に対して新たな情報や価値を提供するコンサルタントになりたいと感じました。個々人が活き活きと働き、会社も一緒に成長できる、そんなお手伝いができるよう、専門性を高めていきたいですね。
中川は、より実践的な関わり方を模索しています。
中川:コンサルタントとしての立場を保ちつつも、お客さまの組織に入り込み、現場での泥臭い効果検証を進めていきたい思いがあります。人事のソリューションは、運用面も含めて正解ルートは一つとは限りません。
お客さまとともに試行錯誤しながら、現場目線での新しい施策に継続チャレンジできる体制を作っていきたいですね。みずほエンゲイジメントサーベイ2.0を出発点として、お客さまの革新がどのように進んでいくのか、一緒に見守っていきたいです。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
