プロジェクト本部でのキャリア形成
三井物産は、従来の「担当職」「業務職」の枠組みを廃止し、「総合職」として一本化。「Business Development(BD)」、「Business Intelligence(BI)」、「Corporate Excellence(CE)」(※)という3つの職務グループに大別する新しい人事制度を導入しました。
※ 非管理職における職務グループ
プロジェクト本部でも、事業推進において本部員が制約のないフィールドで活躍できるように、本部員の業務内容を新人事制度に照らしながらBD、BIを都度設定しています。そこで、柔軟にBD・BIを移行しながらキャリア形成の幅を拡げているのが、2018年に入社した木曽です。
入社以来、ブラジルの水力発電事業などを担当していた木曽は、入社5年目で研修員として2年間リオデジャネイロでインフラの事業運営の現場を経験。2024年10月より戦略企画室に着任し、BDとして培った現場感覚や、最前線での事業推進経験を活かしながら、現在はBIとして本部全体の戦略立案や業務効率化に取り組んでいます。
(入社~6年目:BD)ブラジルの最前線で培った現場感覚
2018年に入社以来、プロジェクト本部で南米でのインフラ案件開発を担ってきた木曽。最初の3年半は、本店でブラジルのFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の事業管理や新規入札案件に携わってきました。
「幼少期を海外で過ごした経験や、大学での専攻から就職活動時には海外で事業投資や経営に直接関わることのできる職種を希望しており、その中でもボトムアップの社風を強く感じた三井物産への入社を決断しました。
実際に、入社後は1年目から出張に行く機会も頂き、常に成長できる環境に身を置くことができたと感じています」
現在、プロジェクト本部では海外研修員を公募制で実施しており、現在約25名の研修員が海外で活躍しています。社内でも研修員制度を公募で行っている部門は珍しく、本部として若手の現場でのキャリア形成を積極的に支援しており、木曽も2022年にこの制度に応募して、海外研修員としてブラジルへ渡りました。
そして、2年間の赴任期間を通じて、最前線の現場でプロジェクトに関わることへの醍醐味を体感します。
「ブラジルでは、初めの半年間はブラジル人家庭にホームステイしながら語学学校でポルトガル語を学びました。ホストファミリーはポルトガル語のみで英語を話すことが出来ず、初めは会話もままならずブラジル人の文化や価値観に馴染むことにも苦労しましたが、ブラジル人と働く上でこの経験は非常に重要でした。
仕事においては、当社が20%出資している水力発電事業の運営、課題解決に注力しました。他のパートナーが40%ずつ出資している中でのマイノリティ出資案件。日々のメールや打ち合わせはポルトガル語で行われることが殆どで、最初は苦労の連続でした。
しかし、事業会社の取締役会メンバーから直接話を聞き、諮問委員会の一員として一緒に課題解決に取り組むことに。すると、日本にいた頃より経営陣との距離がぐっと近くなり、より実践的でかけがえのない経験を積むことができました」
木曽は、現地での経験を通じて視野が大きく広がったと語ります。
「本店にいた頃は、自分が担当している案件をどう実現させるか、どう良質化させるかという視点で仕事をしていました。しかし、現地で管理職の方々と日々意見を交わす中で、『そもそも、ブラジルという国が当社にとってどういう重要性を持つのか』、『プロジェクト本部としてどんな戦略を描くべきか』など、より大きな視点で仕事を考えるようになりました」
また、インフラ事業の社会的意義も、現地で暮らすことで身に迫る実感を持って理解できたと言います。
「リオデジャネイロの街を歩いていると、日本より明らかに厳しい生活をしている人々を目にする機会が多く、社会課題をより身近に感じました。
また、自分自身も日常生活の中で度々停電や断水を経験し、インフラ整備の重要性を痛感。担当している水力発電事業がこうした課題解決の一端を担っていることに、身が引き締まる思いでした」
(7年目~:BI)戦略企画室で広がる視野
2024年10月、ブラジルから帰国した木曽は、プロジェクト本部の戦略企画室へ着任。これまでBDとしてフロントに立ってきた木曽が、BIとして本部全体を見渡す立場へと移行することになりました。
「ブラジルにいる間に、重要性を実感していた経営目線やより幅広い知識を経験できる場所をと思い、戦略企画室への異動を自ら希望しました」
現在の業務は、プロジェクト本部傘下の5つの事業部の中で担当部を持ち、事業推進のための協議の相談役を務めながら、本部全体の業績管理や予算管理を主導。さらに、本部全体の業務効率化やDX推進にも取り組んでいます。
「自分が事業部にいたときは戦略企画室の仕事の一部しか見えていませんでしたが、実際に着任してみると想像以上に幅広い責務を同室が担っていることがわかりました。
他本部との連携やコーポレート部署への相談事項も多く、経営幹部や本部長との距離も近い。受け取る情報量が格段に増え、それを見る解像度も上がって視野が拡がりました」
一方で、BDからBIへの移行に不安がなかったわけではありません。
「これまで相談する側だった自分が、相談を受ける側になることへの不安は、正直ありました。新しいことばかりですが、上司や先輩方のサポートもあり、日々学びながら取り組んでいます。BDとして現場で培った経験を活かして、事業部メンバーのかゆいところに手が届く対応をしていきたいと思っています」
木曽は、プロジェクト本部のBDとBIは明確な境界線があるわけではないと語ります。
「案件によって役割分担は様々です。私がブラジルにいたときも、日本でBI業務を担当していたメンバーと日々情報を共有し、緊密に連携していました。
例えば、決算予想の予実対比をする中で、BIメンバーが『前に話していたリスクの件はどうなった?』と確認してくれたことが、私が現地で事案を再確認するきっかけになったことも。お互いの強みを活かしながら、一緒により良い事業運営を目指しています」
動きながら描くキャリアの未来
デジタルインフラなど新たな分野にも強い関心を示すなど、戦略企画室での経験を通じて木曽の視野はさらに拡がりつつあります。
「世界の潮流から見て、デジタルインフラは今後絶対に必要になってくる分野です。ChatGPTなどのAIの席巻でデータセンターの需要が高まっていますが、そこに我々プロジェクト本部の電力事業での知見をどう活かせるか。そこに新しい価値を生み出せる可能性を感じています」
そんな木曽は、これまでの自分のキャリアを「動きながら考える」プロセスだったと振り返ります。
「キャリアパスについて、入社時から明確な計画があったわけではありません。その時々で『この能力を伸ばしたい』、『この知見を得たい』という思いが生まれ、それに合う機会を伺ってきました。ブラジルでの研修も、現場でより深く事業に関わりたいという思いから志望しました」
戦略企画室での活躍後は、再度BDとして、ブラジル以外の地域案件もフロントとして経験してみたいと考えています。
「現地で過ごしたブラジルは大好きな国ですし、将来的にまた関わりたいという思いは強くあります。ただ、今はアジアやアフリカなど、他の地域の案件にBDとして関わることにも興味が湧いてきています。戦略企画室でBIとして様々な情報に触れる中で、新しい可能性が見えてきた形です」
最後に、これから社会に出る後輩の方々に、「幅広い可能性を楽しむことの重要性」について語ります。
「社会人としてのキャリアは想像以上に長いもの。学生の頃に思い描いていた通りに進むことは、珍しいかもしれません。でも、それを楽しめる力も一つの能力だと思います。
三井物産には、動きながら自分のキャリアを自律的に考え、自由に挑戦できる環境が整っています。BD、BIという枠にとらわれることなく、様々な挑戦と経験を通じて、自分の可能性を広げていってほしいですね」
※ 記載内容は2025年4月時点のものです

