「エナジートランジション」という大きなミッションを背負って
宮嶋が所属するプロジェクト開発第三部 第二営業室では、ブラジルの電力・ガスの新規案件開発や既存事業の経営支援をしています。
「私たちが掲げるミッションは、『ブラジル発の世界のエナジートランジションを達成する』こと。具体的には、電力であれば再生可能エネルギーや水力発電に、ガスは化石由来からバイオガス由来のものに変換するなど、エネルギーの転換を進めています。
重い責任を伴いますが、国レベルでの変革や新しいエネルギーシステムの構築に結びつく取り組みに携われていることは、大きなやりがいになっています」
第二営業室に在籍するのは22名で、うち9名は海外の関係会社に出向しています。室長としてメンバーをリードするポジションを務めるのが宮嶋です。
「中期経営計画の策定や戦略立案、室員との定期的な1on1を通じたコーチングなどが室長の主な役目。また、四半期に一度はブラジルに出張して重要な事業パートナーと会ったり、彼ら、彼女らが来日したときに三井物産の経営幹部との会合の場を設けたりもしています。
既存事業の取締役会にはオンラインで参加しますが、新規事業開発のためのコミュニケーションはFace to Faceで行うほうがスムーズ。9名の海外出向者を信頼して全面的に任せています」
1年半ほど前まで、自身もブラジルの子会社に5年ほど出向していた宮嶋。帰国後、取締役会や現地メンバーとのミーティングには英語で参加していますが、駐在中はポルトガル語も活用していました。
「英語を仕事で本格的に活用したのは、三井物産に入社してからです。苦手意識がありましたがなんとか克服して、ブラジル駐在中にはポルトガル語も習得。両方の言語を駆使してビジネスを進められる力が身につきました」
アドバイザリーではなく、オーナーシップを持って案件を推進できる場を求めて
三井物産には、2013年にキャリア採用で入社した宮嶋。新卒で入った生命保険会社で海外運用資産の会計・税務・決済を担当した後、証券会社の投資部門へ。インフラセクターの担当として、空港や東京メトロや日本郵政の民営化、証券取引所のM&Aや統合などの大型プロジェクトに携わりました。
「アドバイザーとして事業会社の経営企画部の方や幹部の方に助言はするものの、最後に決定するのはお客さま。上場や経営統合後の様子まで深くキャッチアップすることはできませんでした。そんなもどかしさから、事業会社でオーナーシップを持って案件に関わりたいと思うようになっていったんです」
事業の手触り感を求め、宮嶋は再び転職を決意。当時重視していた条件にぴたりと合致したのが三井物産でした。
「事業環境の変化の速さは前職時代から感じていたので、ひとつの事業会社を選んでコミットする働き方よりも、投資家として柔軟に出資先を選別しつつ、ハンズオンでインフラ事業を推進できるような機会を求めていました。自身で投資先を選ぶことができて経営支援もできること、加えて、自由闊達で働きやすい印象を受けたことから、三井物産への入社を決めました」
入社後に宮嶋が配属されたのは、社内の3本部が連携し、総勢50名もの人員で取り組む巨大プロジェクト。フランスの企業やアメリカの電力会社などと協働して案件を進めていくものでした。
宮嶋が同プロジェクトに加わった際、案件のフェーズがかなり進んでいたため、社内外の関係性がすでに構築されている中に飛び込むことに。英語でのカジュアルな会話やネットワーキングには苦労が多かったと振り返ります。
「当初、自分がその場にふさわしくないと思えてなりませんでしたが、既定の時間までなら語学学習の授業料を負担してもらえる会社の制度を活用し、プライベートレッスンを受けながら英語力を伸ばしました。
また、上司や同僚はみんな、各自が良いパフォーマンスを出すためにはインクルージョンが大切だと理解している方ばかり。当時はまだダイバーシティ&インクルージョン(D&I)という言葉も今ほど浸透していないころでしたが、皇居ランやゴルフに誘ってもらうなど、業務外で交流を深められたおかげで、徐々に働きやすくなっていきました」
社内制度を活用し、周りのサポートも受けながら、自身の力を発揮するための土壌を整えていった宮嶋。その活躍と実績が認められるまで、あまり時間はかかりませんでした。
「大型案件であることもあり、案件の最初のフェーズでは、私の主な担当はファイナンス分野に限定されていました。しかし、2~3年後に次のフェーズに移行した際には、プロジェクトマネージャーを任されることに。英語でのコミュニケーションも問題なく、プロジェクトメンバーとの関係性を構築できていたことなどが評価され、任せる範囲を広げてもらえたんだと思います」
ブラジルに駐在し、副社長として経営をリード。現地社員との信頼関係構築を重視
一つひとつステップを踏みながら、着実に経験を積み上げた宮嶋。2017年、子会社であるブラジルの電力会社への出向が決まります。
「もともと海外に駐在して見識を広げたい気持ちがありましたし、ブラジルでインフラ事業に携わりたかったので、ビジネスの基礎が身についたタイミングで行かせてもらえることになりました。不安もありましたが、知らない土地で新しい事業に携われることへの期待に胸を膨らませていました」
家族と共にブラジルへ赴任した宮嶋の前に立ちはだかったのは、やはり言葉の壁。初めの1年はポルトガル語の習得に明け暮れたと言います。
「現地に着任して最初に参加したのがポルトガル語によるミーティングでした。英語に変換するアプリで対応するつもりでしたが、理解がまったく追い付かず挫折を感じたのを覚えています。一刻も早く習得しなければと、会社の語学習得支援制度を活用して週3回、朝7時半から9時までプライベートレッスンを受けました」
宮嶋の出向先となったのは、300人規模のブラジル企業。副社長として社長を補佐する立場で会社経営を担いますが、ポルトガル語が上達したことで、場面に合わせた言葉の使い分けもできるようになりました。
「ポルトガル語で話してもらうほうが社員の本音を引き出しやすいので、社内ミーティングや社員とのコミュニケーションはポルトガル語で行いました。一方で、経営幹部として提言をするような場面では、間違ったニュアンスで伝わることを防ぐために英語を使う機会が多かったですね」
その子会社には2017から2021年まで出向していた宮嶋。2020年には新型コロナウイルス感染症の影響を受けて経営危機に瀕する場面もありましたが、人事面での改革を積極的に実行しこれを乗り切ります。
「2017年からの2~3年でブラジル国内での業界ネットワークも築けていたので、周りからの紹介を受けながら新しい社長を抜擢しました。その社長と共に、事業の立て直しを主導し、黒字化して事業を安定化させた経験は、自信につながっています」
一般的には、経営陣が交代すると社員は動揺するもの。混乱が起きなかったのは、宮嶋が赴任当時から現地社員との信頼関係を丁寧に築いてきたからでした。
「毎週金曜日に社員とお酒を飲みながら忌憚なく意見交換をしたり、クリスマスパーティーでは率先して日本のアニメのキャラクターや戦隊ものの着ぐるみを着て盛り上げたりと、チームの一員として親しみを感じてもらえるような行動を心がけてきました。だからこそ、新しい社長を連れてきたときも、『君が選んできたのなら』と信頼して、一体感を持って業務に取り組んでくれたんだと思います」
現場を大事に、プレーヤーであり続けたい。こだわるのは手触り感のある仕事
2021年にブラジルから帰国し、室長に就任した宮嶋。当時、同じく室長に就任したばかりのメンバーらと共に社内の本部横断的な研修に参加しましたが、これがとても貴重な経験になったと言います。
「この研修は、6~7人から構成されるチームで『会社をより良くするためにはどうすべきか』といったテーマのもとで1週間議論し、最終日には社長や経営企画部長、人事担当役員などに対して問題提起と解決策をプレゼンするものです。
チームメンバーは各本部の室長クラスの方ばかりだったので、グッドプラクティスを共有できたのは大きな収穫でした。また、ディスカッションする場面で議論をリードする役割を務めたのですが、そこでの働きぶりを見た皆さんが、『最終的には宮嶋がプレゼンすべきだ』と私を指名してくれたんです。社長に向けてプレゼンできたことは、自信を深めることにつながりました」
室長としてエナジートランジションを実現することが当面の目標だと話す宮嶋ですが、個人のキャリアに関しても明確なプランを描いています。
「個人的には、プレーヤーであり続けたいと考えています。現在はマネジメントに多くの時間を割いていますが、現地に足を運び、最前線で交渉して新規案件をつくったり、経営幹部として現地企業の事業成長に貢献したりしたいという想いがとても強いんです。今の地域から離れたいとか違ったことをやりたいとは考えていなくて、追い掛けるだけの大きなミッションがあるので、そこをやり切りたいと思います。入社時から求めていた、手触り感のある仕事に携わり続けたいですね」
また、宮嶋が三井物産に入社して2023年でちょうど10年。あらためて周囲を見渡し、同社の魅力をこんな言葉で表現します。
「D&Iが根付いていて、オンボーディングのプログラムも私が入社した時代に比べて整備が進みました。本部内に17人いる室長のうち、私も含め5名がキャリア入社のバックグラウンドを持っています。プロパー/キャリア入社に関係なくフェアに活躍機会が与えられ、サポートしてくれる環境があると思います。
周囲のメンバーに理解があり、フレックス制度などを活用して子どもの保育園の送迎を無理なく夫婦で分担できているのも満足している点です。おかげで、ワークライフバランスが実現できています」
活躍の機会を自らつかみ、学ぶ姿勢を貫きながら、自身の可能性の幅を広げてきた宮嶋。安心して働ける環境で新しい経験に胸を躍らせながら、これからも組織と自身のビジョン達成に向けて走り続けます。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです
