国づくりに資する醍醐味。世の中への貢献を実感できることが、仕事のやりがいに
プロジェクト開発第二部は、中東、アフリカ、中央アジア、インドにおける発電・海水淡水化事業など、さまざまなインフラ開発や事業管理を手がけています。
「中でも私が所属するのは、主にアフリカのインフラ開発を担う第一営業室。モロッコ、南アフリカ、エジプト等での既存事業の運営のほか、新規事業の検討を行っています。新規案件に関しては、当社投資基準に見合った事業展開が可能かどうかの見極めを行い、推進となれば社内許可を取得して出資、事業運営していくというのが主な流れです」
アフリカにはインフラ整備されていない地域が少なくありません。事業推進には課題もつきものですが、三井物産がこれまでに培ってきたインフラ開発ノウハウを結集させてプロジェクト開発を推進し、国づくりに資することが久保田らに課されたミッションです。
「インフラ開発は案件規模が大きいのが特徴で、たとえばモロッコの石炭火力発電事業が賄うのは、国全体の電力需要の約4分の1。他国企業と協働して事業を立ち上げ、発電所を建設し安定的に運営することは、その国をつくることにもつながります。そうやってインフラ開発を通じて一国を支えられることが、この仕事の醍醐味だと考えています」
前職時代を含め、これまでさまざまな仕事を経験してきた久保田ですが、職種を問わず一貫して大切にしてきた想いがあります。
「どんな仕事にやりがいを感じられるかは人それぞれだと思いますが、私の場合『世の中をより良くしていると実感できるかどうか』を、仕事を選ぶ軸としてきました。
前職は放送局で報道記者をしていたのですが、『自分の書いた記事で社会を少しでも良い方向に動かしたい』という信念がありましたし、映画の出資やイベントの企画運営に関わっていたときも、『世の中を明るく元気づけたい』という想いがモチベーションの源泉になっていました。
海外で仕事をするようになってからは、家族や大切な人の幸せを思う気持ちは全世界共通で普遍的なものだと確信しています。どの国のどの地域でどんなビジネスをしていても、世の中に貢献できていると思えることが、これからも私の心の支えになり続けると思います」
放送業界からインフラ開発へ。苦労の中で感じた三井物産の人の魅力
大学を卒業して仙台の放送局に入社後、社会部記者を経て映画出資・宣伝、各種イベントの企画・運営などを手がけた久保田。三井物産に転職するに至った経緯をこう振り返ります。
「前職では映画製作の仕事にも関わり、放送局や新聞社などの協賛各社が自社媒体で宣伝し興行収入の下ぶれリスクを抑える『製作委員会』方式のビジネスモデルに携わっていました。そのうち、この仕組みを海外展開してみたいと考え始め、転職したいと思うようになりました。
そこで、私が新たな環境として選んだのが三井物産。企業の沿革や同社がこれまでに携わったプロジェクトについて理解を深めるうちに、自由闊達で懐が深い印象を受けたからでした。
また、『人の三井』と言われるだけあって、プロパー/キャリア入社に関係なく均等に活躍機会を与えられ、フェアな環境で仕事に取り組めると感じたことも入社を決めた理由のひとつです」
採用面接では当時描いていたメディアビジネスについて熱く語った久保田でしたが、入社後に配属されたのはインフラ開発を担うプロジェクト本部。まったく未経験の領域を担当することになり、当初は苦労が絶えなかったと言います。
「インフラ開発の仕事は未経験だったので、初めの1~2年は正直かなり大変でした。キャリア入社だからといって仕事内容や応対に差はなくチームの一員として迎えてもらえたのは良かったのですが、今ほど研修プログラムは充実しておらず、実務を通じて一つひとつ習得していくしかない時代。即戦力として要求される仕事の質やスピードのレベルが高く、懸命にキャッチアップする毎日でした。
ただ、周囲の諸先輩方はとても面倒見が良く、たとえば仕事ができないからと言ってほったらかしにされたことはありませんでした。しっかり努力しているのも見てくれていて、改善点を指摘してくれました。そういった中で、諸先輩方の人間的な魅力を感じ、自分自身も「期待に応えたい」という想いで努力を積み重ね、仕事も少しずつこなせるようになっていきました。
今振り返ると、仕事以外の部分でも、諸先輩方が気晴らしに付き合ってくれたり、さまざまな形で支えたりしてくれて、そういう人たちが集まっているのが、三井物産の魅力なのかなと思います」
また、入社するまで中東やアフリカ諸国とは縁もゆかりもなかったと話す久保田。異文化間の考え方や価値観の違いにも順応していく必要もありました。
「ビジネスの進め方には、それぞれの国の歴史、文化、宗教観などが強く反映されます。とくにアフリカでは、宗主国によって文化や商習慣に大きな違いがあり、契約書の準拠法も異なるなど、実務を通じて学んでいきました。このような各国の背景に想いを馳せながらプロジェクトの進め方を議論して進めていくことにもおもしろみを感じています」
携わってきたのは地図に残る案件。その中で実感したプロジェクトマネジメントのおもしろさ
未経験でインフラ開発の世界に飛び込み、葛藤を抱えながらも着実に経験を重ねてきた久保田。入社からこれまで約16年のキャリアの中で積み上げてきた実績は多岐にわたります。
「エジプトで韓国企業と共に建設を受注した製油所案件の総事業費は約5,000億円。建設コストだけでも2,000億円を超える大規模なものでした。バーレーン王国では、サウジアラビア企業と共に発電・造水事業案件へ応札し受注、その後、3〜4年の歳月をかけて建設され、昨年操業を開始しました。
ほかにも、さまざまなインフラ案件に携わってきました。プロジェクトは長期にわたるため、諸先輩方が契約をまとめて、自分が建設管理を担当したり、その逆も然りと、チームでタスキを渡しながら作っていくのも良さの一つだと思います。
案件規模が大きく、どれも地図に残る仕事であるのも特徴です。あらためて世界の人々の生活に貢献できることを実感し、大きな手ごたえを感じています。実際の案件を通じて仕事のおもしろさに気づけたことが、これまでキャリアを続けてこられた理由のひとつだと思っています」
プロジェクトマネージャーとして数々の案件をリードしてきた久保田。学生時代の経験にも触れながら、その醍醐味についてこう話します。
「学生時代、アメリカンフットボール部に所属してQBを務めていましたが、各メンバーを適材適所に配置してチームを勝利へと導くプロセスは、建設会社、弁護士、銀行、保険会社といった利害関係の異なるプレーヤーをまとめながら合意形成を図り、プロジェクトの進むべき方向性を整理するプロジェクトマネージャーの仕事そのもの。チームワークを発揮しながら、組織力を最大化するところにプロジェクトマネジメントのおもしろさを感じています。
また、プロジェクトに携わる中で、社内外や国籍を問わず、同じようにプロジェクトを率いるたくさんの魅力的な人物に出会うことができました。彼ら、彼女らから学んだことを若手たちに伝えていけるところにも、やりがいを感じています」
これからもフロンティア市場で「三井物産だから成し遂げられた」と誇れるような仕事を
入社以来、社会貢献への高い志と開拓精神を胸に、インフラ開発に取り組んできた久保田。現在の仕事の魅力をこんな言葉で表現します。
「自分が生まれ育った場所から遠く離れた国のあるべき姿ついて真剣に議論し、自分が正しいと信じる提案をその国の政府に対して進言できるのは、インフラ開発に携わっているからこそ。中東・アフリカのフロンティア市場のインフラ開発に貢献し、その土地で生活する人々を支えられていることが、大きな喜びになっています。
また、まったく異なるビジネスを取り扱う他本部と協働し、シナジーを発揮できるのも三井物産ならではです。たとえば以前、当社の食料本部が出資する精糖工場刷新プロジェクトに参加した際、われわれプロジェクト本部が建設履行管理業務に協力し、無事に完工に至ったことがありました。このように同じ組織内の複数の部署が柔軟かつダイナミックに連携できるのは総合商社ならではです」
今後も引き続きフロンティア市場のインフラ開発に携わっていきたいと話す久保田。特にこだわりたいのは三井物産だからこその価値創出と話します。
「中東・アフリカの国には、インフラ整備を必要としている地域がまだまだたくさんあります。日本にいれば当たり前のように手に入る安全な水や電気をひとりでも多くの人々に届けることをめざして、『三井物産だからこんなことができた』と自信を持って言えるような仕事に関わっていきたいですね」
世界の人々がしあわせに暮らせる社会基盤づくりに貢献してきたプロジェクト本部。中東・アフリカのプロジェクト開発を担う立場から、新たな仲間に向けて久保田はこう呼びかけます。
「中東・アフリカでは、日本のように清潔で安全な環境が整備されているとは限りません。そんな状況下でも前向きに仕事と向き合う上で欠かせないのが、開拓精神。どんな環境でも冒険心や好奇心を持って明るく楽しめるような方に来ていただけたらと思っています。
歓迎するのは、中東・アフリカの生活の改善に人生をかけて取り組んでみたいという気概を持つ方。スキルの有無は問いません。成長の機会に満ちた広い世界、そしてさまざまな人と出会える環境を用意してお待ちしています」
※ 記載内容は2023年7月時点のものです