漢字の魅力を広めた学生時代から、夢を叶える就職活動へ
学生時代、私は漢検1級に関する情報発信に情熱を注いでいました。オフラインでは各地で開かれている漢検1級の勉強会で講師として登壇し、オンラインではYouTubeで勉強法を発信していました。動画投稿を始めたきっかけは、漢検1級に関する情報が当時ネット上で非常に少なかったからです。参考書だけでは合格が難しい漢検1級をめざすには、合格者に直接話を聞くか、地域の勉強会に参加するしか情報を得る手段がなかったのです。それでは住んでいる場所によって情報格差が生まれてしまうと考え、そのギャップをなくすためにYouTubeでの情報発信を始めました。その後、徐々に漢検1級だけではなく、漢字そのものを扱うようになり、「漢字の魅力を広げていきたい」という気持ちが固いものとなりました。
就職活動では日本語・漢字に携わることのできる仕事を第一優先の軸としました。上の兄弟たちが好みではない領域での仕事に苦労している姿を見ていたこともあり、自分は好きなことを仕事でも扱いたいと強く思っていたのです。検定事業だけでなく、協会の中に出版社的な機能があったり、「今年の漢字」などのイベント運営をしていたりと、さまざまな業種が含まれた複合的な企業だという印象を持っていました。
就活ではほかに出版業界を検討していましたが、配属にかかわらず間違いなく日本語・漢字に携わることができるという点が入社の決め手となりました。最終面接では「生まれ変わったら何になりたいですか」と聞かれ、時間をかけて悩んだ末、伝説上の漢字を生み出した人物「蒼頡」ですと答えました。これが面接官の理事たちにウケたため、手ごたえを感じたことを今でも覚えています。
全部署体験から普及部へ配属
入社後の研修は、2カ月から3カ月という期間をかけて、概ねすべての部署を体験するというプログラムでした。検定問題を作成するコンテンツ開発部から、学校へ足を運ぶ普及部、そして企画やプロモーションを考える普及企画部まで、漢検という組織がどのように動いているのかを肌で感じることができました。この研修を経て、私が最初に配属されたのは普及部でした。一般的な会社でいう営業にあたる部署です。
普及部では、大阪の中学校や高等学校を担当し、主に「文章検」の普及活動を行っていました。国語科の先生方や校長先生を訪問し、検定の意義や活用方法をお伝えする日々です。この経験を通じて、学校現場での意思決定の流れや、先生方が抱えている課題についても深く知ることができました。この現場での経験は、今振り返っても非常に貴重なものだったと感じています。
その後、私は企画・広報・マーケティングを担う部署である普及企画部 普及企画課へと異動しました。
SNS運営から広報提案まで、ファンを増やす挑戦の日々
普及企画課での私が担当している業務についてご紹介します。私は主にテレビ・新聞社などのメディア、企業、一部自治体を領域として持っていて、広報・問い合わせ対応、メディアや他社への企画提案、イベント運営など、協会のフロント部分にあたる業務を行っています。
たとえば、テレビ番組からくる漢字についての問い合わせ対応や、逆に新問題の提案、企業に対して漢字に関するコラボレーション企画の提案など協会の露出につながる活動をしています。
漢検50周年のコラボレーション企画として、ラフ案から自分の作成したプリントが形となり、実際に学校現場で活用されていることを見たときは、非常に嬉しかったです。自分のアイデアが多くの人に届いている実感が得られる瞬間でした。このように制作した資材やコンテンツを学校に向けて配布・周知することも間々あり、普及部時代に培った感覚を活かすことができているとも感じます。
一方で、苦労もあります。テレビの制作会社と協働して企画を行うことも多く、タイトなスケジュールの中で、正確性を保ちながら情報を精査したうえで提供することには難しさを感じる場面もあります。それでも学生時代と比べて、正確にそして物事のおもしろい部分を探す力は身についたと感じています。引きのある切り口を探し、発信する業務を重ねる中で、この力が磨かれてきたのだと思います。
その他SNSの運用も行っています。Instagramの投稿作成から運用まで一貫して携わっており、試行錯誤の連続ですが、フォロワー200人からスタートし1万人に到達した際には非常に達成感を覚えました。月次で振り返りを行い、一つ一つの投稿に対して分析を行うことで、注目を得やすいテーマやフォーマットを見抜き、ターゲットを拡大するなど改善を重ねていきました。これまでに100万回再生のリールを複数本生み出すことができているのは、自信につながっています。
普及企画課は非常にスピード感がある部署です。管理職や役員との距離も近く、相談もしやすい環境の中で、年次に関係なく企画提案や実行ができます。また、非常に速いサイクルで成果がわかりやすく出るため、次なる企画やアクションにすぐさま反省を生かすことができます。
漢字の魅力を広げる未来へ、新たな仲間とともに歩む挑戦
短期的には、魅力的な新規企画を生み出し、漢字の魅力をさらに世の中へ広げていきたいと考えています。そのために現在は、新規企画の立ち上げに向けて構想を練りながら、広報戦略やマーケティングについての学びを深めています。中長期的には、企画・広報・マーケティングの知見を高め、さまざまなアプローチから露出を創出できるマーケターになることが目標です。
まだまだ漢字・日本語にはポテンシャルがあると感じています。ネットやテレビを見ていても、ふいに難読漢字クイズが出てきたり、漢字に関する話題が飛び出したりと、話題性には事欠きません。この豊かな可能性を、これから入社される方々と一緒に広げていきたいと思っています。
私たちの組織は、お堅いイメージを持たれがちですが、実際には若手から自由に新規企画を立ち上げることができたり、新商品の発案ができたりと、クリエイティビティを称揚する柔らかい風土が魅力です。スピード感のある環境の中で、若手のうちから発言権をもって大きな仕事に携わることができます。私の所属する普及企画課では、広報・企画・マーケティングなどフロント部分の業務をほとんど全て扱っており、これらを一度に経験できることは珍しい環境であると感じています。
求めているのは、変化を恐れずに挑戦できる人、そして自由な発想によるアイデアを持った人です。そこに特別な漢字力はいりません。ただ、漢字が好きなだけではなく、漢字の魅力をいかに広げていくかという視点での企画立案やコンテンツ開発を考えられる方に、ぜひジョインしていただきたいと思っています。一緒に漢字・日本語の魅力を広げていきましょう。新しい仲間との出会いを心から楽しみにしています。
