システムと事業、二つの視点が生んだ奇跡。SMBCグループのOlive誕生の舞台裏
2021年、SMBCグループが提供する新たな個人向けサービス「Olive」プロジェクトが始動。
WatanabeとIizukaはコンシューマービジネスグループ連携タスクフォースに着任し、プロジェクト全体の取りまとめ役を担いました。
Watanabe:
Oliveは主に三井住友銀行(SMBC)と三井住友カード(SMCC)が提供する金融サービスです。
基本機能としてはキャッシュカードとクレジットカードが一つになったほか、保険や証券周りのサービスも利便性高くご利用いただけます。
この一大プロジェクトにシステム開発担当として尽力したのが日本総合研究所(以下、日本総研)です。
中でも二人はプロジェクトマネジメントを担いました。
Iizuka:
銀行とカードの連携をテーマとした共通IDの作成など大きく3件のプロジェクト、そしておよそ40にも上るシステムを横断的に管理する役割を担っていました。
90ほどの関連部署と連携する、関係者も1000人を超える大規模プロジェクトを取りまとめる中では、さまざまな苦労がありましたが、無事ローンチすることができました。
そこには二人のバックグラウンドが作用していました。
Watanabe:
私は入社以来、さまざまなシステムの開発・保守を担当してきましたが、その経験が役に立ったと感じています。
Oliveでは非常に多くのシステムで開発が発生しましたが、各システムの開発内容や難易度、抱えるリスクをイメージできるように、マネジメント項目の洗い出しや対応の優先順位付けを行うことができました。
Iizuka:
私は入社後3年間システム開発を行った後、銀行に出向し、ビジネス側の知見を磨いてきました。
今回の業務はシステム開発と事業の間に入って全体を取りまとめていく役目だったので、それぞれの強みを活かしてフォローし合いながら、システムとビジネスの両方の目線を持ってバランス良く進められたと思います。
常に一緒に動いていたこともあり、次第に言葉を介さずとも互いの考えが分かるようになっていったと言います。
Iizuka:
もともとシステム開発を担当していた頃にWatanabeと働いたことがあり、お互い面識があるところからスタートできたのでスムーズでした。
Watanabe:
一蓮托生の関係でしたね(笑)。初期の頃はなるべく頻繁に会話を重ねて、相互理解を深めました。しかし途中からはあうんの呼吸で仕事が進むようになってきて。「Iizukaならこうするだろうな、じゃあ自分はこっちをやろう」という感じで、うまく進行できました。
感情より論理、対立より対話。3社横断プロジェクトで磨かれたリーダーシップの本質
このプロジェクトにおいて二人が担ったのは、SMBC・SMCC・日本総研を横断した全体マネジメントです。
Watanabe:
Oliveは複数のサブプロジェクトで構成されていましたが、私やIizukaはそれらサブプロジェクト横断でOliveプロジェクト全体として決定・管理すべき事項のとりまとめを実施してきました。
課題やリスク、予算・スケジュールの管理、ステアリングコミッティなどの会議体運営から全体の要件定義~テスト・移行の方針決めなど業務内容は多岐にわたりました。
グループ会社とはいえ、三つの会社の方向性を合わせていくことは困難でした。
Iizuka:
関係者それぞれが想いをもって推進していたため、ベクトルが合わず議論が前に進まないこともありました。
そこで間に入っている私たちは、SMBCグループのすべての役職員が共有すべき価値観であるFive Valuesにもあるように、お客さま起点で物事を捉え、フラットな立場でいろんな意見を吸収しながら、できるだけポリシーを明確にして話すことを大切にしました。
Watanabe:
プロジェクトが大きいのでとにかく関係者が多く、参加者が100人を超える会議もしばしばありました。そのため、感覚で話をすると混乱することが想定されたので、できるだけシンプルかつロジカルに話をすることを意識しました。
Iizuka:
初期段階はとくに意見のぶつかり合いもありました。そういう時はしっかりと向き合って話をし、誰も孤立させずにワンチームで動けるように工夫してきました。
具体的に注力したのは、とにかく相手の話をじっくり最後まで聞くこと。正しいことを言っているのに、うまく伝わらないケースもあるため、しっかり想いをくみ取って私たちが代弁することでプロジェクトに浸透させるよう心がけていました。
関係者全員の努力が一つのサービスになった。Oliveローンチが残した成果と気づき
困難を乗り越え、無事2023年にローンチしたOlive。短期間でSMBCグループの未来を担うプロジェクトをやり遂げた二人に想いを聞きました。
Iizuka:
一番の功績は大きな障害なくリリースを迎えられたことです。
その後、「なぜこれほど難しいプロジェクトがうまくいったのか」という観点でメンバーと議論しました。そこで「全員が同じ方向を向いてワンチームで取り組めたから」「それができたのは全体取りまとめ役の貢献が大きい」と評価してくれるメンバーも多数いて。
私たちの取り組みがこのプロジェクトの成功にきちんと寄与したんだなとうれしく思いました。
Watanabe:
これだけ大規模でステークホルダーの多いプロジェクトを完遂させたことで、当社内にもさまざまな知見を蓄えることができました。
他社と連携してグループ会社や提携先との協業プロジェクトを進める際に、今回のプロジェクトの進め方に関する照会を受けることもあり、プロジェクトマネジメントの一つの型を作ることができたのではないかと思います。
Watanabe:
とはいえ、「Olive」が無事にローンチを迎えることができ、このような成果を上げられたのは、プロジェクトに参画してくれた、SMBC、SMCC、そして当社の関係各部の方々のご協力とご尽力があってのことですので非常に感謝しています。
振り返っても、本当に「人」に恵まれたプロジェクトだったなと思います。
Iizuka:
Watanabeの言う通りです。関係者全員が自分の責任範囲を超えて積極的に対応してくれたからこそ、ローンチを迎えられました。あらためて、感謝の気持ちを伝えたいです。
今回のプロジェクトを経て、それぞれに気づきもありました。
Iizuka:
当初は不安もありましたが、やっていくうちに一体感が生まれ、課題解決のスピードも上がっていって楽しかったです。これまでは個人の努力に依存しがちだったのですが、組織でしかなし得ない強い推進力を体感することができ、関係者を巻き込んでやり切る重要性に気づきました。
Watanabe:
あらためて当社社員の責任感の強さに気づかされました。
Oliveはシステム開発の観点でいうと、開発の規模と期間、技術的要素、品質要求、どの点でみても非常に難しいプロジェクトでしたが、各々の持ち場で発生する難しい問題に失敗を恐れず挑戦し続け、全員が最後までやりきって計画通りにローンチさせてくれました。
自身のミッションに強い責任感をもって取り組んだ結果だと思います。
OliveをSMBCの象徴に──プロジェクトは終わっても、挑戦は続く
2023年のローンチ後、コンシューマービジネスグループ連携タスクフォースは解散。
現在二人は別々のフィールドで活躍しています。
Watanabe:
現在は、チャネルシステム本部チャネルアプリ領域の次長を務めていて、Oliveローンチ時に新たに構築したSMBC IDサービスを提供するシステムの開発・保守を担当しています。
入社からこれまでOliveプロジェクトを含めて、さまざまな経験をさせてもらってきましたが、これからも一つでも多くのサービス開発に関わりながら、若手の育成にも力を入れていきたいですね。
Iizuka:
私はグループITコンサルティング部で次長を任されることになりました。
当部ではSMBCグループ全体の案件立ち上げを支援しており、あらゆる相談の一次窓口として機能しています。これからもOlive関連プロジェクト含め、立ち上げの段階から加速させ、品質を高めることに貢献したいと思っています。
また新たに管理職になったため、Oliveプロジェクトでの経験を活かし、メンバー全員が同じ方向を向いて力を発揮できる環境を作っていきたいですね。
それぞれ異なる立場から、二人はOliveの未来を見据えています。
Watanabe:
Oliveをより多くのお客さまに使っていただくためにも、これからもさまざまなサービスを開発して、レベルアップさせていきたいですね。お客さまにとってよりよいサービスをできるだけ早く、一つでも多くローンチしていけるよう当社の開発力を高めていきたいと思います。
Iizuka:
OliveがSMBCグループを象徴する存在になったらうれしいです。お客さまが「どこで口座を作ろうかな?」と迷った際に「OliveがあるからSMBCにしよう」と思ってもらえるようになったら、これほどうれしいことはありません。
それぞれの場所からOliveの成長を支え、会社も育てていく。二人の挑戦は、これからも続いていきます。
※記載内容は2026年4月時点のものです
