15年間、1つのシステムに向き合い続ける。幅広い経験を積んでつかんだPMという夢
2011年に日本総合研究所(日本総研)へ新卒で入社した垣内。
入社の決め手について、こう語ります。
「手に職がつく仕事で、将来的に需要が高い業種を探していたところ、SIerが視野に入ってきました。
中でも社会的影響力が高く、自分自身も利用するサービスに携わりたいという思いから、金融系SIerに絞って就職活動をしていました」
数ある金融SIerの中で日本総研を選んだ決め手は、面接での印象的な出来事だったと言います。
「面接がとても話しやすかったことに驚きました。思わず、面接官の方に『何か心がけていることがあるのですか』と尋ねたところ、『学生もお客さま。だから、その学生が本来の力を発揮できるような面接を心がけています』と答えてくれました。
今でも心に残るこの言葉に、“この会社は本当に人を大切にするんだな”と実感したことが、入社を決めた大きな理由の一つとなりました。
また、SMBCグループ各社のシステムを主導して作れること、上流工程である要件定義からお客さまと関わり一緒に決めていける環境にも大きな魅力を感じ、入社を決断しました」
入社後の印象について、垣内は予想通りだった点とそうでなかった点があると言います。
「入社前に『研修制度が充実している』と聞いていましたが、その通り質の高い研修で、不安をしっかり払拭できました。
一方、驚いたのは充実した人事制度です。
社内にはプロジェクトマネージャーを目指す方もいれば、特定の技術のスペシャリストを目指す方もいるなど、いろいろなタイプの方が働いていますが、それぞれにふさわしいキャリアパスが用意されているので、一口にエンジニアと言っても、幅広いキャリアを選択できるようになっています」
入社以来、垣内はオーソリ・決済システム本部に所属し、一貫してクレジットカードの与信システムに携わってきました。
15年間のキャリアは、着実な成長の軌跡です。
「初めの数年はアプリケーション開発を通じて開発ルールやプロジェクトの進め方を、実際に手を動かしながら学びました。
同時にリクルーターとして採用活動にも携わり、学生と接してモチベーションを高める機会もいただきました。
その後PM補佐としてプロジェクトの主担当になったり、基盤チームに異動して基盤構築も経験したりしながら、プロジェクト全体を見渡す視野を広げていきました」
そして11年目、ついにあこがれ続けてきたPMとして大型プロジェクトを任されるようになります。
「入社した時から大型プロジェクトのPMを担当したいと思っていました。その夢を叶えて、今はチームマネジメントをしながら大型プロジェクトのPMを担当しています。
部署は入社以来ずっと変わっていませんが、15年間このシステムと向き合い続けてきたからこそ、今では部署の有識者として頼られる存在になれているのではと感じています」
所属するオーソリ・決済システム本部の現在のミッションは、クレジットカード与信システムのモダナイゼーションです。
「クレジットカード与信の保守開発と、旧来から構成されたシステムをより現代的にリメイクしていく『モダナイズ』というコンセプトでシステムの最新化を図っています。
モダナイズを通じてこれから先もカードユーザーが安心してカード使えるようにすることが、今の私たちの大きなミッションです」
100人規模のプロジェクトを率いて、VOCアワード受賞。鍵は「オーナーシップ」
現在、垣内はオーソリ・決済システム本部のチーム長として、大型のモダナイズプロジェクトのPMを務めています。
2025年にはおよそ3年かけてやり遂げた大型プロジェクトが社内のカスタマーファーストアワードに加え、SMBCグループ全体で行われるVOCアワード(※1)も受賞するなど、快挙を成し遂げました。
VOCアワードとは、SMBCグループの掲げる「Five Values(※2)」の観点から、お客さま本位の行動を実践している事案に与えられる賞です。
「受賞したモダナイズプロジェクトは、国内の閉じられたネットワークではなく、世界中で利用されているネットワークを主流とした構造転換を行うというもので、カードユーザーへのサービスを止めることなく、旧来1つのシステムで行っていた2つの機能を分離する必要がありました。
PMの主な業務は、プロジェクトの最前線でカード会社や決済ネットワークを持つ企業など、さまざまなステークホルダーと協議を行い、プロジェクトを前に進めていくことです。
このプロジェクトは社内だけでも他部署を含めて80〜100人規模となっており、それに加えて社外のステークホルダーも多数関わる大掛かりなものでした」
多様なステークホルダーをまとめる上で垣内が心がけたのは、常にイニシアチブを取ることです。
「今回のプロジェクトは私がこれまで経験してきた中でも特に社外の要因による不具合が多く、プロジェクトを一歩前に進めるのも一苦労でした。
しかし、社外の不具合だからといって『それは私たちの仕事じゃない』『それはあなたたちの仕事ですよね』と突き放してしまっては、プロジェクトが進みません。
そこで、当社の文化として根付いている『オーナーシップ』の意識を胸に、今起きていることを私たちがきちんと理解して『こういう会議をしましょうか』『このようにシステムを改修していきましょうか』と打ち手を提案し、イニシアチブを取ることを意識して取り組んできました。
たとえ自分たちが分からないことであったとしても、主体的に理解して解決策を提案する、その動きを徹底しました」
オーナーシップを持って向き合うからこそ、困難な局面での柔軟な対応も可能にしました。
「このプロジェクトはカードユーザーにとって目に見えるレベルアップにはならないけれど、うまくいかなければ逆にマイナスになってしまう。
だからこそ、外部起因のトラブルに対してもレジリエンスを発揮し、柔軟に追加対応を重ねました。
ユーザーが安心してカードを使える、その当たり前を徹底して守り抜くことが、私たちの使命でした。
オーナーシップを持つからこそ、自分たちの責任範囲を超えてでも、やるべきことをやり抜く。それがこのプロジェクト成功の鍵だったと思います」
※1 Voice of Customer(顧客の声)に関連する表彰
※2 SMBCグループのすべての役職員が共有すべき価値観である、Integrity・Customer First・Proactive & Innovative・Speed & Quality・Teamの5つ
諦めず、誠実に向き合い続けた3年間。24時間365日、止められないシステムを守る
当初2年半の予定だったプロジェクトは、最終的に3年半かかりました。
長期に及ぶプロジェクトの中で、メンバーの疲れが見られることもありました。
「思い通りに進まない局面も多く、メンバーに疲れや精神的な落ち込みが見られることもありました。そんな時はPMとして、私自身がオーナーシップを見せることでメンバーを奮い立たせました。
ただシステムを作っているのではなく、この仕事を成し遂げることで、カードユーザーが安心してカードを使えるようになる。
システム作りじゃなくて、金融サービス作りなんだ、と。
そういう高い視座で業務に取り組むことを、メンバーと共有してきました」
3年半にわたる困難なプロジェクトが完了した時の感想について、垣内は振り返ります。
「納期必達のプロジェクトだったので、『本当に間に合うのか?』という緊張感が常にありました。
何度も壁にぶつかりながらも、メンバーが粘り強く、最後まで諦めずに取り組んでくれて、その姿に支えられて、なんとか走り切ることができました。
当たり前ですが、プロジェクトは個人では成し遂げられないものであり、本当にチームメンバーに恵まれました。
達成できた時に全員で喜びを分かち合えたのは、私の財産です。
また、長年一緒に伴走してくれていた副社長も『本当にお疲れさまさま!』と声をかけてくれて、込み上げるものがありましたね」
そして、VOCアワード受賞の知らせを受けた時のことを、垣内はこう語ります。
「最初に聞いた時は、とにかく驚きました。
受賞後に顧客であるカード会社の担当者の方や上層部の方とも話す機会があって、『このプロジェクトは日本総研さんがいてくれたからできたと思う。本当にありがとう』と何度もおっしゃっていただけたので、それだけ貢献できていたんだなとうれしい気持ちになりました」
活躍を見せる垣内にFive Valuesの中でももっとも大切にしている要素を聞きました。
「すべて大切なのですが、特に大切にしているのは『Integrity(誠実)』ですね。
今回のプロジェクトでも本番リリースが延期になりそうになったり、システム対応を中断してしまおうかと声が上がったり、いろんなトラブルがありましたが、粘り強く誠実に行動したことが功を奏しました。
また、ステークホルダーとの調整で『これはできない』と提案を突き返された時も、そこで諦めるのではなく『ではどうしたらできますか?』と前向きに取り組めたことがよかったと感じています」
困難な大型プロジェクトを成し遂げた今、垣内がこの仕事のやりがいについて語ります。
「一言で言うとミッションクリティカルな業務であることですね。
金融システムの中でも私が携わっているクレジットカードの与信については、システム不具合があればカードユーザーに大きな迷惑がかかります。
24時間365日止められないシステムの運用・保守に携わることは大きなやりがいにつながっています」
受賞後も立ち止まらない──困難なプロジェクトの「旗振り役」として前へ
VOCアワード受賞プロジェクトが完了した垣内ですが、モダナイズへの取り組みはまだ続いています。
現在は新たなプロジェクトの立て直しに取り組んでいる状況です。
「2025年3月にVOCアワードを受賞したプロジェクトが終わって、4月から早速別の機能のモダナイズプロジェクトを担当しています。
VOCアワードを受賞したプロジェクトを通じて、PMとして大型プロジェクトを推進するスキルが身についたと感じているので、それを活かしてこれからも会社が困っているプロジェクトやこれから挑戦していかなければならないプロジェクトに足を踏み込み、その旗振りをしっかりとやっていけるようになりたいと思っています」
同時に、垣内はチーム長としてマネジメントにも力を入れていきたいと語ります。
「大型プロジェクトを進めていくと、メンバーの負担も大きくなるものです。
そこでできるだけメンバーが楽しく、かつ成長しながら働ける環境にしていきたいですね。
そのために一番心がけているのは、メンバー一人ひとりが組織において特別だよ、という特別感をきちんと伝えることです。
それによってモチベーションや仕事の効率性も上がってくると思っています」
困難な業務にも前向きに取り組む垣内に、モチベーションの源泉について聞きました。
「一番は人に頼りにしてもらえることですね。社内外の方々に『垣内がいてよかった』『一緒に働けて楽しかった』と言ってもらえることが、自身の原動力になっていると感じます。
また、今回のプロジェクトを通じて部下の成長も自身のモチベーションになることを再認識しました。
自分が褒められるより、部下が褒められることが何よりうれしいと感じるので、彼らの成長を見守りながら自身も負けずに成長していきたいです」
最後に、垣内が日本総研の魅力について語ります。
「入社当初からずっと思っていますが、すてきな人が多く働いているところが魅力です。
もちろん一人ひとりの性格や目指すキャリアはバラバラですが、どの方もオーナーシップを持って前向きに仕事に取り組んでいるので、プロジェクトで一緒になった時には同じベクトルで仕事に臨むことができます。
また、私たちの部署はシステムの安定稼働が第一のミッションになりますが、そうした中でも今回のモダナイズプロジェクトのようにチャレンジングな業務にも携われますし、AIなどの最先端の技術にも触れることができます。
金融システムという一つのくくりではありますが、本当に働き方次第でいろんなことにチャレンジできる。
これからも幅広い業務に挑戦し、PMとしてさらに成長していきたいですね」
新卒から15年間、1つのシステムに向き合い続けた垣内。その真摯な姿勢と、諦めない心が、今回の大型プロジェクトを成功に導きました。
オーナーシップを胸に、金融インフラを支える存在として、垣内の挑戦はこれからも続いていきます。
※ 記載内容は2025年11月時点のものです
