お客さまの信頼に応える計量計測部と基幹システム刷新を担うIT推進グループを兼任
さまざまな計測器の校正を行う中部試験センター計量計測部。5つの課で構成され、60名ほどの職員が活躍しています。
JQAは国家標準に近い、最上位の計測器を扱う拠点が多くあります。中でも中部試験センターは、とくにその機会が多い部署。そのため、誇りを持って真摯に仕事に向き合うことを大切にしていると言います。
「私たちの仕事は決められた手順通りに作業を進め、同じ作業を繰り返すことも多いですが、最上位の計測器の校正結果にズレがあれば、そこから連鎖的に値のズレが大きくなり、現場で使う計測器の正確性が担保できなくなってしまいます。
だからこそ、真面目に仕事に取り組むことが重要。『技術力が高いJQAに出せば大丈夫』と多くのお客さまから信頼をいただいていることを喜びにしながら、真摯に取り組んでいます」
部長として、各課の課長と連携しながら部全体をマネジメントしている長谷川。3年半ほどの東京勤務を経て2025年4月に帰任したばかりということもあり、組織の変化も変わらない良さも感じています。
「近年は業務拡大に伴い、計量計測部は急速に拡大しています。戻ってきたら新たな職員がたくさん増えていて、組織の成長を実感します。
私自身、『楽しく仕事をすること』を大切にしているので、時々作業場を巡回して声をかけるなど皆の雰囲気を確認するようにしています。中部試験センターは技術者、営業担当者、管理業務担当者が同じフロアで働いていることもあり、部署間のコミュニケーションも活発です。そういったアットホームな空気は組織が大きくなっても変わらない部分です」
また、長谷川はIT推進グループも兼務。申込みや見積り、請求書発行などに使用している基幹システムの刷新という大きなプロジェクトを任されています。
「実務は、関連部署や外部ベンダーなどと連携しながら優秀なメンバーが進めてくれます。私はプロジェクトマネージャーとして、各部署の意見を調整しながら、時間やコストなどを総合的に見てベストな判断をしています」
技術を磨きながら自動校正システムの開発に挑戦。外部委員で感じたJQAの存在意義
長谷川がJQAに入構したのは1998年。中部試験センター師勝試験所の機械計測課に配属されました。5名ほどの小規模な部署で、幅広い分野の計測器を扱っていたと振り返ります。
「今は専門領域ごとに担当が分かれていますが、当時は温度や質量など、さまざまな計測器の校正を1つの部署で担当していました。その後、業務が増えていくのに伴い、それぞれが専門性を持つように。私は圧力計測の分野を担当するようになりました」
校正業務を行う中で、「もっと効率的にできないか」と考えるようになった長谷川。自らソフトウェア開発を学び、業務の自動化に取り組みます。
「自由にいろいろなことをやらせてもらえる環境だったので、自主的にプログラミングに挑戦して、実験しながら効率化を進めていきました。ソフトウェア開発に興味を持ったことは、私の中で転機の1つです。これが、現在担当しているIT推進にもつながっているのだと思います」
圧力計測の専門家として知見を積み重ねていった30代半ばからは、JIS規格における圧力分野のルール策定などに外部委員として従事。研究者や競合企業などさまざまなメンバーと交流することで、JQAの存在意義を感じたと話します。
「外部から見たJQAの評価や技術力の高さへの期待などを知ることができました。構内では、他社と比較して何か対策を立てるべきという意見が出ることもありましたが、これまで通り真摯に仕事に向き合うことが大切なのだと知りました。
また、計測の現場を知っているJQAの職員が委員に参加する意義も感じました。たとえば、研究者は理論的な観点を大事にしますが、現場では必ずしもその理論が通用しないケースもあります。そのギャップをどう埋めるのか。現場の声を届けて、より実用的なルールを作っていくためにも、私たちの役割が重要だと感じたのです」
思いがけない営業への異動。新たな施策でJQAの認知度向上に貢献
長谷川がもう1つの転機になったと話すのは、2016年の異動。技術者でありながら効率化のためにソフトウェア開発に取り組むなど、その発想力と行動力を買われて営業課長に抜擢されたのです。想定外の異動だったと言いますが、ここでも新たな施策を打ち出します。
「それまでの営業職は、問い合わせ対応が中心でした。その状況を変えるために新たな取り組みが必要だったのです。そこで、業界を限定してお客さま向けの説明会を開催したり、展示会に出展したりと、中部試験センターでは行っていなかった施策に挑戦しました。
また、JQAの良さはその『真面目さ』ですが、お客さまから見ると堅苦しく思える部分もあると感じていました。そんなイメージを払拭するべく、落花生にJQAの焼印を入れたものをノベルティグッズにしたこともあります」
他にも、現在まで続いている施策を提案したことも。それが、名古屋駅に設置されている広告パネルです。
「JQAは一般的な認知度は高くない会社です。けれど、多くの人の目に触れる場所に広告があれば、職員の家族も喜ぶのではないかと考えました。
じつは本部からは却下されたのですが、上長の後押しもあって中部試験センター独自の施策として実施。好評だったことで、その後は他の拠点でも同様の施策が実施されました」
その後、当時JQA内で最大規模となっていた計量計測課に課長として戻り、30名ほどのマネジメントをすることに。営業を経験したことで、技術者としての視野も広がったと言います。
「技術者は自らの技術に自信を持っていますから、時として『自分が正しい』という物言いになってしまうこともあります。けれど、お客さまそれぞれで実現可能性の基準は異なります。営業を経験したことで、その視点が得られたことは大きな財産になっています」
2021年秋からは東京にある計量計測センターでの勤務も経験。事業開発室やIT推進グループ、ソリューションサービス課など複数の部署を兼任しながらセミナーにも登壇するなど、挑戦の幅をさらに広げていきました。
周囲からは「発想力が豊か」と評されることが多い長谷川ですが、「新しいことを生み出しているわけではない」と話します。
「他社が実施していることを取り入れたり、自分たちに足りていない部分を補ったりする視点を大切にしているのです。他の人が面倒だと思ってあまり取り組まないことに着手する。そういった日々の積み重ねが、変革につながっているのだと思います」
これからは若手の育成が自分の役割。挑戦の意思をサポートしたい
技術者から営業、マネジメントと多様な経験を積んできた長谷川。現在は部長として、より大きな裁量を持って挑戦できることにやりがいを感じていると言います。
「以前は部署内での新規事業への設備投資を任されることに驚いていましたが、今ではもっと大規模な決定に関われるようになりました。責任は重いですが、自分の意思でさまざまな施策を実行できることがおもしろいですね」
これまで多くの挑戦をしてきた長谷川ですが、自身の役割の変化も感じています。
「私は『周りの人に喜んでもらいたい』『みんなが楽しく仕事をしてほしい』という想いで仕事をしてきました。私のキャリアは技術者としては一般的ではない部分もありますが、その想いが原動力となっています。そして、次世代の職員が新しいことに挑戦できる環境を作りたいと考えています。
とくに若手の育成においては、『挑戦してみたい』という声を拾い上げることを大切にしています。もちろん、挑戦の方向が180度ずれていてはだめですが、90度のずれであれば角度を修正してあげた上でチャレンジをサポートしたいと思います」
圧力計測の専門家という土台を持ちながらも、技術者の枠にとらわれないキャリアを歩んできた自身の経験を踏まえ、後輩たちへはこんなアドバイスを送ります。
「キャリアを考える上で、Will・Can・Mustを整理することが大事だとよく言われます。自分がやりたいこと(Will)だけを主張しても組織に受け入れられない場合もありますが、組織としてやらなければならないこと(Must)と、自分ができること(Can)、自分がやりたいことが重なる部分を探していくことが大切です。
3つがそろうことは少ないかもしれませんが、足りない部分は自己学習や周囲への働きかけなどを行うことで補っていけるものもあります。ぜひ、この視点を大切に挑戦していてほしいと思います」
※ 記載内容は2025年6月時点のものです

