お客さまの悩みに寄り添い、公平な立場で育ててきた交流のかたち
田中が所属するマネジメントシステム部門の九州営業所は、30代から60代まで、幅広い世代の6名のメンバーで構成されています。
「少人数なので雰囲気は和やかですね。仕事中は粛々と進めるというよりは、けっこう雑談も多くて、穏やかに楽しくやっています」
その中で田中の業務は、営業所の経理や庶務、そしてセミナー運営と多岐にわたります。とくにセミナー運営は、現在の田中にとって重要なミッションの一つ。企業がISO規格を運用する際の内部監査について伝える場を裏側から支えています。
「経理業務に加えて、年間を通して募集しているセミナーの受付を行っています。東北と九州で協力して開催しているセミナーもありますので、現地の担当者と密に連携を取りながら進めています」
田中が運営において心がけているのは、現状に満足せず毎年のように、新たな取り組みを行うこと。2022年にこの部署へ異動してきて以来、参加者の利便性を高めるための改善を積み重ねてきました。2025年度にはJQA以外で認証を取得している企業向けの交流会が企画され、そのサポート業務を行っています。
2026年度にはお客さま同士の交流会を控えており、こちらは主体的に準備を進めています。これらはお客さまが抱える「内部監査のやり方に悩んでいる」という課題に応えるための試みです。
「お客さまのアンケートを拝見すると『他社の意見を聞きたい』という要望があります。 私たちは公平中立な審査機関ですので、直接コンサルティングを行うことはできません。ですが、交流会を通じてお客さま同士がヒントを持ち帰れる場を作ることはできます。
関西など他拠点の交流会に実際に足を運び、お客さまがどんな悩みを持って活動されているかを生で聞いた経験も、九州での企画に活きています。営業担当と毎日連携しながら、どうすればより良い場になるかを考えて準備するのが、今の私の大きな楽しみですね」
縁の下の力持ちを志し、誠実な出会いが導いたJQAへの一歩
大学で総合経済学を学んでいた当時、田中が大切にしていたのは、特別なイベントではなく、日々の移動時間にありました。何気ない時間の中にも楽しみを見つけ、自分なりのリズムを築く。そんな姿勢は、後のキャリアにも通じる資質だったのかもしれません。
「市内に3つキャンパスがあり、そのうち2つを授業で利用していました。 のんびりとした時間でしたが、今思えばあのときから自分のペースを大切にしていたのかもしれません」
アルバイトでも短期のイベント運営や、歯科医院での事務、裏方の仕事を選ぶことが多かったと言います。
「表に立って何かをするよりも、本番まで一つひとつ準備していく、その過程が好きでした。 コツコツと積み上げていく、 その過程が自分には合っていると感じていました」
就職活動でも「縁の下の力持ち」を軸に企業を探し、出会ったのがJQAでした。 決め手となったのは、人事担当者の誠実な対応だったと振り返ります。
「審査機関というと、厳格なイメージがありました。 しかし、お会いした人事の方がとても人柄が良く、公平性や誠実さを大切にしている組織だと感じたことが入構の決め手になりました。
また規模も魅力的で、スピード感のある大企業よりも、プロセスを大切にしながら着実にステップアップできる環境のほうが、自分らしい成長につながると考えたのです」
こうして2012年にJQAに入構し、最初の10年間は計量計測部門の九州試験センターに配属。計測器の校正や検定の受付・経理を、一から学びました。
「当初は校正と検定の違いも十分に理解できておらず、基礎から学ぶ日々が続きました。受付業務では、持ち込まれた機器の製造番号や型式を一つひとつ丁寧に確認。入社から1年が経っても迷うケースがあり、その都度上司に相談しながら、知識と経験を積み重ねていきました」
しかし、日々多くの電話に率先して対応し続ける中で、少しずつ変化が生まれました。
「お客さまの声を聞いただけで『あの方だな』とわかるようになり、世間話を交えながら自然と関係を深められるようになりました。お褒めの言葉をもらうことも増え、自分の対応が組織の信頼につながっていると感じられるように。経験を重ねるうちに知識も身につき、一人で対応できることも増えていきました。その積み重ねが純粋にうれしかったですね。
この時の経験は、今の経理や運営の仕事にも活きており、日々の業務を正確に進める姿勢は、この頃に培われたものだと感じています」
計量計測からマネジメントシステムへ。働き方も時間軸も変わった転機
2022年、田中にとって大きな転機が訪れます。 長年慣れ親しんだ計量計測部門から、マネジメントシステム部門への異動。 最初は非常に驚いたと言います。
「驚きはありましたが、新しい知識を習得する絶好の機会だと捉えて前向きに受け入れました。まったく未知の領域でしたので、まずは『ISO入門セミナー』を受講。基礎知識を固めるところから着手しました」
この異動は業務内容だけでなく、田中のワークスタイルにも大きな変化をもたらしました。久留米から、現在の博多駅前へ。 働く環境だけでなく、周辺の雰囲気も含めて生活環境が変わりました。
「現在の拠点は非常に利便性が高く、働きやすさを実感しています。 以前は計測器という実物を扱う必要があったため、毎日の出勤が必須でした。しかし、今の部署ではデジタルデータを活用する業務が多いため、在宅勤務と出勤を組み合わせた柔軟な働き方が可能になっています」
業務に対する時間軸の捉え方も、これまでとは異なる視点が必要になりました。かつての計量計測部門では、繁忙期に集中する大量の機器を迅速に処理する正確性と迅速性が求められましたが、現在はより深い調査や事前確認を行う精査性を持って業務を行っています。事務所は営業所であるため、今後は企画力や行動力も高めていきたいと考えてます。
「以前は『当日中に完結させる』という意識が強かったのですが、現在は数日先の締め切りを見据え、入念に調査・準備を行う時間的なゆとりが持てるようになりました。システムの変更にも柔軟に対応できるよう、マニュアルの確認や他部署との情報共有を欠かさず、自分なりの効率的な手法を確立していく過程におもしろさを感じています。
在宅勤務を通じて自分のペースで業務をコントロールできるようになったことは、仕事とプライベートの両面で良い刺激になっていますね」
九州営業所という小規模な拠点だからこそ、1人の職員が担う役割は多岐にわたり、組織の改善に直接関わっているという実感が得られます。
「状況の変化を前向きに捉えて、新しいことを自分のスキルへと昇華させていく。 その継続的な積み重ねが、現在のやりがいにつながっています」
品質を支える一員としての誇りを胸に。誠実さと好奇心で専門性を広げ続ける
田中は今、これまでの経験をこれからの業務にどう活かしていくかを考えています。日々実感しているのは、事務の仕事の先にあるものづくりの品質を守るという大切な役割。
計量計測部門での経験も、その想いの根底にあります。
「現場で使われている最上位の機器が届き、『できるだけ早く戻してほしい』と短納期で依頼されることがありました。 それはその機器が品質保持のために現場で重要なポジションを占めていて、すぐに戻して使いたいという切実な想いがあるからです。通常は2週間ほど期間をいただくところを、1週間で対応できるように校正担当者と連携しました。
大変ではありましたがお客さまの現場のことを考えると納得できる要望ですし、少しでも早くお返しすることで品質を保つ役に立てているのだと、誇りを感じることができましたね」
これからJQAでのキャリアを志す方々に対し、田中は「誠実さと、ちょっとした好奇心」を大切にしてほしいと語ります。
「JQAの仕事内容は、外部からは少しわかりにくいかもしれません。 でも、実際に入ってみると、とても興味深い仕事であることがわかるはず。部署が変わるたびに自分の専門性が広がり、着実に成長を実感できる環境があります。そうした変化を『次は何ができるようになるかな』と前向きに楽しめる方なら、きっと活躍できるでしょう」
田中が大切にしているのは、自身の成長だけではありません。チームの中で互いに助け合い、高め合える職場を築いていこうとする、組織の一員としての静かな決意がその言葉には宿っています。
「特別な才能がなくても、一つひとつの業務に丁寧に向き合い、お客さまと誠実な対話を重ねる。その共通の価値観を分かち合える仲間と一緒に歩んでいけることを、心から楽しみにしています。
私自身も、2026年に控える交流会を成功させ、さらに幅広い仕事を完遂できるプロフェッショナルをめざして、これからも一歩ずつ進んでいきたいと思っています」
※ 記載内容は2026年5月時点のものです

