「社会になくてはならない仕事」との出会い。JQAの存在に惹かれて入構
JQAに入構して3年目の長原。子どものころを振り返り、水泳に打ち込んでいた日々に思いをはせます。
「幼稚園から中学校卒業までスイミングスクールに通い、全力で取り組んでいました。中学時代、週5日の練習のうち1日はトライアスロンのオリンピック選手がつくるメニューを行っていたこともあり、かなり鍛えられましたね。長距離の1,500メートル自由形を専門としていて、関東大会に出場したこともあります。
精神的にも身体的にも一番きつかったこの時期を乗り越えたことで、多少の困難にも動じないメンタルが養われたと思っています。性格としては、頼まれたことなど必要なことは最後までやりきらないと気が済まないタイプですね」
鍛錬の成果を携えて大学に進むと、精密機械工学科で電子回路やコンピュータープログラミングを学びます。
「ロボットでの人助けに関心があったんです。卒業研究では、人工知能を搭載したドローンでジュースの缶など特定の物を識別し、拾い上げるような試みをしていました。目的は災害時の活用です。屋根瓦がはがれた家屋に機械でブルーシートをかけるような作業ができないか、というのが研究の発端でした」
そんな長原にとって人生の転機となったのが、大学時代に足を運んだ就職活動のイベントでした。
「もともとはものを生産する側、メーカー志望だったんですが、さまざまな企業などが集まっていたイベントで『日本品質保証機構』という名前を目にしたんです。かなり真面目な印象を受けましたね」
会場でJQA職員らの説明を聞くうちに、仕事内容に惹かれたと語ります。
「『ものづくりを支える仕事』があることを知って、強く興味を持ちました。そして、コロナ禍という不安定な時期が続く中、社会において必要不可欠な仕事という面でも魅力的に感じたんです。この世でものづくりが続く限り、なくならない仕事だなと思い、入構を決めました」
家電製品の安全試験を担い、積極的に勉強も。日々の成長を実感
2022年にJQAに入構した長原。以来、北関西試験センターの家電機器試験課で、国内向け家電製品の安全試験を担当しています。
「利用者のやけどや感電などを防ぐため、扉開閉試験や温度試験、異常試験などを行っています。たとえば電子レンジなら、何万回と扉を開閉して庫内からマイクロ波が漏れていないかをチェックします。
このほか製品を分解し、熱電対(ねつでんつい)という温度センサーを取り付けた上で再び組み立て、長時間作動させて温度がどれぐらい上昇するのかを測定する試験や、火が出ないかを確認する試験もあります。それらの試験に合格すれば、S-JQAマークが与えられるという形ですね。
時には、新しい機能が追加された製品について試験を依頼されることもあります。その場合には、どのように対応すべきかをJQA内で議論した上で、慎重に試験に臨みます」
試験の対象となるのは、一般的な家電製品だけにとどまりません。
「電子レンジや炊飯器はもちろん、映画館にあるような券売機やスロットマシン、さらには街に掲出される大型掲示板なども試験をします。コンセントにさすプラグが付いているもの全般を対象とするイメージですね。私も当初は白物家電や黒物家電を想像していましたが、実にさまざまな製品を扱うのだなと、入構1年目は驚かされました」
日々業務に向き合う長原は、同時に勉強も進めていると語ります。
「新しい製品が来るたびに、新たな試験方法を学ぶ必要があります。また、同じ製品でも徐々に進化していくので、その知識も常に取り入れていかなければなりません。業務中に勉強することもあれば、業務以外の日に自己研鑽に努めることもありますね。
入構当時は、難しい規格の内容を理解できるのだろうかと不安に感じていましたが、実際には先輩職員が優しく、丁寧に一つひとつの業務を教えてくれます。職場の環境に恵まれ、自分の成長を感じられるような仕事をさせてもらっています」
試験後の製品組み立てが無事完了。入構当初の成功体験で自信を深める
入構間もないころのある成功体験が、長原の成長を大きく後押ししていると言います。
「私が安全試験で初めて製品を分解した時のことです。電気ヒーターを扱ったのですが、お客様から教わるわけではなく、自分で分解して再び組み立てる必要があるんです。
一つひとつの工程で写真を撮り、どのネジをどこで使ったかを思い出しながら慎重に組み立てました。壊れてしまわないかと不安だったんですが、無事作動した時は本当にうれしかったですね。製品への理解を深め、自信にもつながる出来事でした」
一方で、失敗から得た「学び」もあったと振り返る長原。
「高電圧が生じる製品で中の温度を測るために熱電対を取り付けた際、電気を通さないように施すテープの巻き方が甘く、高電圧が流れて温度測定器を壊してしまいました。それ以来、高電圧になる製品に対しては、より確実に絶縁を施さなければならないと肝に銘じています。
また、こんなこともありました。製品を分解する時、中でつながっている複数の線をほどくのですが、組み立てた際にその線がつながっておらず、製品が作動しなかったんです。そうなるともう一度分解して確認しなければならず、二度手間になります。急いでいる時ほど、製品の組み立ては慎重に進めなければならないと痛感しました」
普段の業務は安全試験が中心ですが、製品の規格改正に向けた国際会議に参加したこともあると語ります。
「国際会議が大阪で開かれた時、サポート役として私も参加しました。会議は英語で進行しており、私も外国の方々と少しコミュニケーションをとったものの、『もっと英語力を身につけないと』と感じました。
以来、英会話教室に通っているんです。ゆくゆくは英語の規格を理解して、海外向け製品の安全試験に携わり、お客様向けの試験レポートを英語で書けるようになりたいと思っています」
海外向け家電製品の試験にも携わりたい。前向きな姿勢で描くキャリアビジョン
長原には、日頃仕事をする上で大切にしている価値観があると言います。
「規格の内容はとにかく膨大です。一つひとつのケースに対してそれらを当てはめていくんですが、入構3年目の私にとっていまだにわからないことが多いですし、まだ経験したことのない試験もたくさんあります。
なので、日々の業務で得る知識を取りこぼすことなく吸収することが、何よりも大切だと考えていていますね。毎日が勉強です」
前向きな姿勢は、今後のキャリアビジョンにも反映されています。
「将来的にはやはり、国内向けだけでなく、海外向け家電製品の試験も任されるようになりたいですね。そして、お客様から『長原に聞けばなんでもわかる』と信頼される人間になりたいと思っています。
現在、先輩や上長と一緒にお客様の会社に出向いて製品の安全性をチェックしたり、お客様の技術相談の場に同席したりしているんですが、先輩や上長はお客様からの質問に対してすぐに的確に答えられるんです。そのような姿をめざして、私も専門知識を深めていければと考えています」
最後に、就職や転職を考えている人たちに向けてこのようなメッセージを送る長原。
「直接ものづくりに携わる人たちがいる一方で、それを裏から支える人たちが存在するということにまずは関心を持ってもらえたらうれしいですね。製品の安全を守ることは、皆さんが安心して生活する上でなくてはならない取り組みです。そんな仕事を担う私たちのやりがいを、もっと多くの人々に知ってほしいと思っています」
安全を守る仕事への誇りと、技術の進歩に対する好奇心を抱いて。長原は縁の下の力持ちとして、これからも人々の暮らしを支えます。
※ 記載内容は2024年9月時点のものです

